【さ】
- 祭祀(さいし)
- 祭祀財産(さいしざいさん)
- 西方極楽浄土(さいほうごくらくじょうど)
- 在来仏教(ざいらいぶっきょう)
- 逆さ屏風(さかさびょうぶ)
- 三回忌(さんかいき)
- 三具足(さんぐそく)
- 散骨(さんこつ)
- 三社造り(さんしゃづくり)
- 三十三回忌(さんじゅうさんかいき)
【し】
- 式年祭(しきねんさい)
- 樒(しきみ・しきび)
- 時宗(じしゅう)
- 四十九日(しじゅうくにち)
- 七七日忌・四十九日法要(しちしちにちき/なななぬかき・しじゅうくにちほうよう)
- 死装束(しにしょうぞく)
- しのび手(しのびて・しのびで)
- 自筆証書遺言(じひつしょうしょゆいごん)
- 社葬(しゃそう)
- 終活(しゅうかつ)
- 周忌(しゅうき)
- 宗教不問(しゅうきょうふもん)
- 十三回忌(じゅうさんかいき)
- 宗旨・宗派(しゅうし・しゅうは)
- 収蔵(しゅうぞう)
- 十七回忌(じゅうななかいき)
- 出棺(しゅっかん)
- 須弥壇(しゅみだん)
- 樹木葬・樹木墓地(じゅもくそう・じゅもくぼち)
- 寿陵(じゅりょう)
- 承継(しょうけい)
- 焼香(しょうこう)
- 精進落とし(しょうじんおとし)
- 浄土宗(じょうどしゅう)
- 浄土真宗西本願寺派(じょうどしんしゅうにしほんがんじは)
- 浄土真宗東本願寺派(じょうどしんしゅうひがしほんがんじは)
- 初七日忌・初七日法要(しょなぬかき/しょなのかき・しょなぬかほうよう/しょなのかほうよう)
- 白木位牌(しらきいはい)
- 白木祭壇(しらきさいだん)
- 真言宗(しんごんしゅう)
【せ】
【そ】
祭祀
祖先を祭ること。
なお、祭祀を受け継ぐ権利保持者のことを「祭祀承継者」という。
祭祀財産
一般的な財産を受け継ぐ場合は相続税がかかるが、祭祀財産は非課税で相続税がかからない。
墓石や仏壇などは祭祀財産に区分される。
西方極楽浄土
仏教における聖域であり、理想の世界のこと。宗派によって呼び方や概念に違いがある。
西に向かってお参りすると浄土に向かってお参りすることになるといわれているため、東向きのお墓が好まれる傾向にある。また、一説には仏壇を設置するときの方角としてもよいとされる。
在来仏教
伝統的な仏教の宗派13派(法相宗、華厳宗、律宗、天台宗、真言宗、浄土宗、浄土真宗、日蓮宗、時宗、融通念仏宗、曹洞宗、臨済宗、黄檗宗)のこと。
逆さ屏風
故人の枕元にびょうぶを逆さに置くこと。
死後の世界は現世とは逆になっているという考え方から、「逆さ事」といって葬儀の際に日常生活とは逆のことを行ったり、逆さにして飾り付けたりする。
たとえば、経帷子(きょうかたびら)を左前に着せる、足袋を左右逆にはかせるなど。
三回忌
人の死後満2年、数えで3年目の忌日で、一周忌の翌年(2年目)の仏教的な忌日のこと。
神道での三年祭は亡くなった年から3年目に行うため、三回忌と三年祭は1年ずれることになる。
三具足
花立、線香立、燭台(しょくだい)のことをいい、枕飾りのなかで特に重要な仏具とされる。
また、仏壇にも配置され、花立と燭台を対で置いた場合は「五具足」という。
ほかにも「七具足」「八具足」など、その数や配置の仕方は地域や宗旨宗派によって異なる。
散骨
遺骨を火葬した後、さらに粉末状にしたお骨を海洋や山中にまく葬送のこと。
法律による規定はなく、公衆良俗に反しない限り違法ではないとされている。
三社造り
神棚の造りの一つ。中央に天照皇大神、右に氏神、左に崇敬する神社のお札を置いて祭る。
ほかの代表的な神棚の造りとしては、一社造り(天照皇大神の後ろに氏神などを祭る)がある。
三十三回忌
亡くなってから満32年目に行う年忌法要。
この三十三回忌か五十回忌を節目として、「弔い上げ」とする宗旨宗派が多い。「弔い上げ」とは、故人が極楽浄土へ旅立ったとすること。
式年祭
神道における、仏式でいうところの年忌法要のこと。
決められた期間ごとに、神主に祝詞をあげてもらい、故人をしのぶ儀式。一年祭、三年祭、五年祭、十年祭……と続く。特に一年祭は仏教でいう一周忌にあたり、大規模に執り行われることが多い。
また、葬儀以外で、神社で決められた時期に行われる祭祀(さいし)も式年祭と呼ばれる。
樒
一般的に供養のために花とともに供えられる代表的な植物の一つ。
古くから仏事や神事に使用されるほか、香りがよいので、線香やお香の原料にもなっている。
ただし、毒を持っているため誤って口にしないように注意する。
時宗
一遍上人を開祖とする仏教の宗派。
阿弥陀如来(あみだにょらい)を本尊とし、「南無阿弥陀仏」を常に唱えて仏と一体となり、やがて西方極楽浄土に往生することを確信する教え。
歴代の上人が、全国を広くめぐって念仏の教えを説くことを「遊行」といい、本山・遊行寺(神奈川県藤沢市)の名前の由来となっている。
四十九日
人の死後49日間、および49日目にあたる日を指す。「七七日(しちしちにち・なななぬか)」と呼ばれることもある。
仏教では死者があの世へ旅立つ期間とされ、この期間を「中陰」または「中有」ともいう。
また、亡くなってから49日目に行われる法要を「四十九日法要」または「忌明け法要」といい、一般に忌中が明ける節目の時期とされる。納骨の時期として選ばれることも多い。
七七日忌・四十九日法要
亡くなった日を1日目と数えて49日目に行う法要のこと。
仏教では、死後7日ごとに冥土で審判を受けるとされ、49日目に最後の審判がくだされて、故人が極楽へ旅立つという考え方があり、それに基づいたもの。
これを区切りとして忌明けとする場合が多い。
死装束
故人に着せる衣装。仏教の場合は「仏衣(ぶつい)」といい、浄土へ巡礼する修行僧を模している。
経帷子(きょうかたびら)、三角頭巾、上帯、手甲(てっこう)、脚絆(きゃはん)、白足袋、草履、数珠、つえのほか、三途の川を渡るための六文銭、またそれを入れる頭陀袋(ずだぶくろ)など。
神道の場合は「浄衣(じょうえ)」といい、烏帽子(えぼし)や木笏(もくしゃく)などを添える。
また、最近では故人が生前愛用していた衣服を着せる場合もある。
しのび手
葬儀などで音を立てずに手を打ち合わせること。
神式の葬儀において、玉串奉奠(たまぐしほうてん)の後に二礼二拍手一礼をする際、二拍手はしのび手で行う。
反対に、音を鳴らして手を打ち合わせることを「柏手(かしわで)」という。
自筆証書遺言
自筆でしたためた遺言状のこと。
自筆証書遺言の場合、パソコンやワープロ、代筆などによるものは無効とされる。
ほかにも作成年月日が明確であること、署名捺印(なついん)があることなど、遺言状を有効とするためには一定の条件を満たさなければならない。
また、遺言執行時には家庭裁判所の検認を必要とする。
社葬
企業に貢献した人が亡くなった場合などに、会社主体で行う葬儀のこと。
社葬の場合、近親者のみの葬儀を別途行うことが多いが、最近では両方を兼ねた合同葬の形をとることも増えた。
終活
人生の最期を迎えるにあたって葬儀や墓、遺産整理などの準備を、元気なうちに行う活動のこと。
周忌
一周忌のこと。人が死亡して満1年後の忌日で、満2年後の忌日は三回忌となる。
周忌と回忌を合わせて「年忌」と総称する。
宗教不問
宗教的な条件を問わないこと。仏教、神道、キリスト教、あるいは無宗教でも可とされる。
十三回忌
亡くなってから満12年目に行う年忌法要。親族や、故人が生前親しかった友人・知人などを招いて行われる。
七回忌、十三回忌のころから法要の規模はだんだんと縮小され、親族のみで営まれることが多い。
宗旨・宗派
信仰する宗教の教義のこと。
「宗旨・宗派不問」と書いてある場合、「在来仏教であれば宗派を問わない」という意味。
ちなみに、「宗教不問」であれば「どんな宗教でも(無宗教でも)問わない」という意味になる。
収蔵
納骨堂に遺骨(焼骨)を納めること。
法律上では、墓所に遺骨を納める場合は「埋蔵」、遺体を土葬する場合は「埋葬」と呼び、分けられている。
十七回忌
亡くなってから満16年目に行う年忌法要。
親族・知人が集まり、自宅に僧侶を招くか、寺院で読経をしてもらう。
あるいは、会食しながら故人をしのぶこともある。
七回忌、十三回忌のころから法要の規模は縮小されるので、一般的に十七回忌を盛大に執り行うことは少ない。
出棺
ご遺体が安置されている柩(ひつぎ)を、葬儀会場あるいは自宅から火葬場へと送り出すこと。
一般に、足が向いている方から柩を運び出すのがよいとされる。
親族や故人と縁の深い人は火葬場まで同行するが、それ以外の人は多くの場合、ここで最後のお別れとなる。
須弥壇
寺院や仏壇で本尊を祭る場所のこと。
帝釈天が住まうといわれ、古くから神聖な山としてあがめられている「須弥山」が語源とされており、そのため「神聖な場所」という意味合いもある。
仏壇などで仏様を祭っている場合も、こう呼ぶことがある。
樹木葬・樹木墓地
墓石のかわりに樹木をモニュメントにした墓地のこと。「樹木葬墓地」ともいう。
「墓埋法(墓地、埋葬等に関する法律)」で墓地として許可を得た場所に遺骨を埋め、樹木を墓標として埋葬する方法であるが、はっきりとした形態の決まりがあるわけではない。
墓園全体を樹木葬専用とする霊園と、一般墓地の一画を樹木葬墓地としている霊園がある。
「樹林墓地」と呼ばれることもあるが、東京都の霊園においては樹木葬墓地と樹林墓地は区別されている。
寿陵
生前にお墓を建立すること。
聖徳太子や秦の始皇帝などが寿陵であったことから、生前建墓は日本や中国では縁起がよいこととされている。
承継
お墓などの祭祀(さいし)財産を受け継ぐこと。
焼香
霊前において抹香を香炉にくべ、故人の冥福を祈念する儀式。
宗旨宗派によって、焼香の回数や額に押しいただくかどうかなど、作法が異なる。
いずれにしても、気持ちを込めて行うことが大切である。
精進落とし
本来は、四十九日の忌明けを区切りとして、それまで断っていた肉や魚を使った通常の食事に戻すことをいう。
「精進上げ」や「お斎(とき)」など、宗旨宗派や地域によっていろいろな呼び方がある。
最近では、葬儀の後に初七日の法要を一緒に行って精進落としをすることも多い。
浄土宗
円光大師源空(法然上人)を開祖とする仏教の宗派の一つ。
阿弥陀如来(あみだにょらい)を本尊として祭り、「南無阿弥陀仏」と唱えれば極楽浄土へ行けると説く。
総本山は知恩院(京都府京都市)、ほかに七大本山として増上寺(東京都港区)、善光寺大本願(長野県長野市)など。
浄土真宗西本願寺派
京都の西本願寺を本山とし、阿弥陀如来(あみだにょらい)を本尊とする浄土真宗の宗派の一つ。
「浄土真宗本願寺派」とも呼ばれる。
浄土真宗は親鸞聖人が開き、中興の祖といわれる8代蓮如上人の時代に、民衆の間に急速に広まった。後にその勢力があまりに強大になったために、西本願寺と東本願寺に分立した。
ちなみに、築地本願寺(東京都中央区)も本願寺派の寺院の一つ。
浄土真宗東本願寺派
京都の東本願寺を本山とし、阿弥陀如来(あみだにょらい)を本尊とする浄土真宗の宗派の一つ。
「真宗大谷派」「お東さん」とも呼ばれる。
浄土真宗は親鸞聖人を開祖とし、8代蓮如上人によって大きく発展したが、1602年、東本願寺と西本願寺とに分かれた。
初七日忌・初七日法要
故人が亡くなってから初めて営む追善供養のこと。
宗旨宗派にもよるが、仏教では7日に一度、故人の行いに対して審判がくだされるという考え方がある。このため初七日忌以降、7日ごとに法要を行い、7回目の七七日忌をもって忌明けとされる。
白木位牌
忌明けまでに一時的に使用される、簡素な造りの位牌。
仏教では、忌明けまでは故人の行く先が決まらないとされ、忌明け後は白木位牌を黒塗りの本位牌と取り替える。
なお、浄土真宗などのように位牌を使用しない宗派もある。
白木祭壇
祭壇の造りとして一般的なものの一つ。
葬儀の際に、ご遺体や遺影を安置する場所を「祭壇」といい、白木で組まれているので白木祭壇と呼ぶ。
真言宗
弘法大師・空海を開祖とする仏教の宗派の一つ。
本尊は大日如来で、すべての仏様は大日如来が姿を変えたものと考える。
「即身成仏」を説き、「密教の修行の実践により、誰でもただちに仏になれる」と教えた。
多くの派が存在し、本山やお唱えする文言もさまざまである。
清祓の儀
神道における忌明けの儀式。
宗旨にもよるが、一般に忌明けの節目となる五十日祭の翌日に行われる。
墓前において神官を呼び、玉串奉奠(たまぐしほうてん)や祝詞の奏上を大々的に執り行う。
また、清祓の儀をもって神棚封じが解かれ、以後は平時と同様にお祭りする。
精霊棚
お盆に先祖の霊を迎える際に、位牌(いはい)を安置し、供養の品物を供える棚のこと。「盆棚」ともいう。
馬と牛を模したきゅうりとなす、ほおずき、稲など、さまざまなもので飾り付けを行う。
棚の形式や供えるものは地域や宗旨宗派によって異なる。
なお、浄土真宗などでは精霊棚は造らない。
前夜祭
キリスト教プロテスタントにおける、仏式の通夜にあたる儀式。
キリスト教には通夜を行う習慣がなく、供養という考え方もあまりないため、故人に思いをはせ、しのぶという意味合いが強い。
また、キリスト教では死は神のみもとに召されることを意味するため、参列する場合は「お悔やみ申しあげます」「ご愁傷さまです」などという言葉は使わない。
「御香典」は仏教用語なので使用せず、表書きは「お花料」などとする。
葬儀
死者を葬る儀式のこと。葬式。
仏教では、僧侶が読経し、参列者が焼香などを行う。
神道では、神官が式を執り行い、参列者は玉串奉奠(たまぐしほうてん)などを行う。
キリスト教では、牧師が行い、故人に花や賛美歌などをささげる。
近年では、音楽葬やフラワー葬などといった自由葬が行われることもある。
なお、葬儀と告別式は別々に行われていたが、最近では一緒に行われることも多い。
曹洞宗
わが国の主な禅宗の一つ。本山は永平寺(福井県吉田郡)と総持寺(神奈川県横浜市)。
南宋に渡り学んだ道元禅師が正伝の仏法を日本に伝え、その後、瑩山(けいざん)禅師が全国に広めた。
釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)を本尊とし、「南無釈迦牟尼仏」を唱える。
「只管打坐(しかんたざ)」といって坐禅の修行に最も重きを置く。