親の法事を何回忌まで続けるべきか、判断に迷う方は少なくありません。三十三回忌まで続けるのが伝統的な目安ですが、最近は三回忌や七回忌で区切りをつける家庭も増えています。
この記事では、法事と年忌法要の違いを整理したうえで、法事(年忌法要)を何回忌までやるのが一般的なのか、宗派による違いや回忌の数え方とあわせて解説します。親戚を呼ぶ範囲やお布施の目安も紹介しますので、法事の準備を進める際の参考にしてください。
法事と年忌法要の違いとは
「法事」と「年忌法要」は同じ意味で使われがちですが、厳密には指す範囲が異なります。ここでは両者の違いを整理したうえで、法要の種類を解説します。
年忌法要は儀式そのもの、法事は会食まで含めた行事全体
年忌法要とは、故人の命日の節目に行う供養の儀式そのものを指します。僧侶による読経や焼香、お墓参りなどが年忌法要にあたります。
一方、法事とは年忌法要に加えて、その後の会食まで含めた一連の行事全体を意味する言葉です。たとえば一周忌で読経をしてもらい、その後に親族で会食をした場合、読経の部分が「年忌法要」、会食までを含めた全体が「法事」となります。
法要には忌日法要と年忌法要の2種類がある
法要は、行うタイミングによって「忌日法要」と「年忌法要」の2つに分けられます。
忌日法要は、故人の死後7日おきに行い、100日目まで執り行う法要です。一方の年忌法要は、故人の命日から決められた年数が経った節目に行う法要です。
それぞれの主な種類は以下の通りです。



年忌法要は何回忌までやる?一般的な目安は三十三回忌
年忌法要をいつまで続けるかは、多くの方が気になるポイントです。ここでは一般的な目安とされる回忌と、その背景にある考え方を紹介します。
「弔い上げ」となる三十三回忌が一つの区切り
年忌法要は、三十三回忌をもって「弔い上げ」とするのが一般的です。弔い上げとは、故人個人への年忌法要を締めくくる最後の法要のことです。
一般的な仏教の考え方では、亡くなってから33年を経て故人がご先祖様の一員になると考えられており、三十三回忌を区切りとする地域や寺院が多くみられます。
弔い上げを終えると、故人の位牌は菩提寺に納めたり、先祖代々の位牌にまとめたりするのが一般的な流れです。以降は先祖代々の霊として、まとめて供養することになります。
最近は三回忌までで区切る家庭も増えている
三十三回忌が伝統的な目安とされる一方で、すべての家庭が必ずそこまで続けているわけではありません。
核家族化や生活スタイルの変化により、親族が定期的に集まるのが難しくなっているのが大きな理由です。年忌法要を三回忌までで終え、七回忌以降は省略する家庭も増えています。
その他、一周忌までしか行わなかったり、逆に五十回忌・百回忌まで手厚く続けたりするケースもあります。年忌法要をいつまで行うかは家庭ごとの判断で問題ないので、家族や親族と十分に話し合い、できるだけ納得できる形を見つけることが大切です。

次の年忌法要はいつ?回忌の数え方
年忌法要の数え方には、間違いやすいポイントがあります。ここでは数え方の基本と、注意点を解説します。
一周忌以降は「回忌数-1」年目に行う
故人が亡くなったあと、最初に行う年忌法要は一周忌です。一周忌は、葬儀の翌年の祥月命日(故人が亡くなった同月同日)に行います。
一周忌以降の数え方は「回忌数-1」年目です。故人の亡くなった年を1回目として数えるため、名称と実際の経過年数にずれが生じます。
- 三回忌は「3-1=2」で2年目
- 七回忌は「7-1=6」で6年目
- 十三回忌は「13-1=12」で12年目
- 十七回忌は「17-1=16」で16年目
- 二十三回忌は「23-1=22」で22年目
- 二十七回忌は「27-1=26」で26年目
- 三十三回忌は「33-1=32」で32年目
- 五十回忌は「50-1=49」で49年目
年忌法要は命日当日に行うのが正式な作法ですが、親戚が遠方にいたり都合が合わなかったりして、集まりやすい週末に実施する家庭も多いです。日程をずらす場合は、命日より前に行うようにしましょう。

年忌法要は何回忌まで親戚を呼ぶ?
親戚を呼ぶタイミングも、法要の規模を考えるうえで気になるところです。ここでは、回忌が進むごとに変わる招待範囲の目安を紹介します。
一周忌・三回忌までは親戚を広く招くのが一般的
何回忌まで親戚を呼ぶかについて、明確な決まりはありません。実際には施主が中心となって、家族や親族と相談しながら決めるのが最適です。
一周忌と三回忌は、数ある年忌法要の中でも特に重視される傾向があります。故人と縁の深かった親戚や友人を招き、比較的規模の大きな法要を営む家庭が多いようです。
七回忌以降は家族のみで営むケースが増える
七回忌を過ぎると、法要の規模を縮小する家庭が増えてきます。
参列者の高齢化や、遠方からの参加が負担になることなどを考慮し、施主の家族やごく近しい親族のみで法要を行うケースが目立ちます。すべての年忌法要を盛大にするのではなく、無理のない範囲で供養を続ける形を選ぶ家庭が多くなっています。
なお、家族だけで法要を行う場合でも、これまで招いていた親戚には事前に一報を入れるのが望ましい対応です。連絡がないと、親戚が「法要はいつだろう」と気にかけてしまう可能性があるためです。

弔い上げの時期は宗派によって異なる
弔い上げをいつ行うかは、信仰している宗派によっても考え方が異なります。ここでは代表的な宗派をあげて、弔い上げのタイミングを紹介します。地域やお寺によって考え方はさまざまなため、詳しくは菩提寺に確認するとよいでしょう。
真言宗・曹洞宗・臨済宗・日蓮宗は三十三回忌が目安
真言宗では、十七回忌のあと二十三回忌と二十七回忌を省き、二十五回忌と三十三回忌を行うのが特徴です。三十三回忌で弔い上げとしますが、その後も五十回忌・百回忌・百五十回忌と長期間にわたり法要を続ける場合があります。
曹洞宗・臨済宗・日蓮宗では、十七回忌のあと二十三回忌と二十七回忌を行うか、まとめて二十五回忌とするかは地域や寺院によって異なります。いずれも三十三回忌を弔い上げとするのが一般的ですが、地域や寺院によっては五十回忌まで法要を続けることもあります。
浄土真宗には「弔い上げ」という区切りの概念がない
浄土真宗では、亡くなった人はすぐに極楽浄土へ往生し成仏するという教え(往生即成仏)があります。そのため、故人の冥福を祈って供養する「追善供養」の考え方が存在せず、法要を終える明確な区切りもありません。
浄土真宗の年忌法要は、故人を偲び、遺された人々が仏様の教えに触れる場として位置づけられています。一周忌から三十三回忌まで法要を行う家庭が多いものの、弔い上げという区切りにこだわる必要はありません。
無宗教の場合は年忌法要をする必要はない
故人が仏教徒でなく、特定の信仰をもたない場合は、年忌法要を行う必要はありません。故人を偲ぶために集まって会食をしたり、墓前に手を合わせたりする家庭が多いようです。

年忌法要早見表【2026年版】
直近の年忌法要がいつになるか、早見表で確認しておくと準備がスムーズです。没年から該当する回忌を一覧で確認できます。
| 年忌法要を行う年 | 一周忌 | 三回忌 | 七回忌 | 十三回忌 | 十七回忌 | 二十三回忌 | 二十七回忌 | 三十三回忌 | 五十回忌 |
| 2026年 | 2025年没 | 2024年没 | 2020年没 | 2014年没 | 2010年没 | 2004年没 | 2000年没 | 1994年没 | 1977年没 |
| 2027年 | 2026年没 | 2025年没 | 2021年没 | 2015年没 | 2011年没 | 2005年没 | 2001年没 | 1995年没 | 1978年没 |
| 2028年 | 2027年没 | 2026年没 | 2022年没 | 2016年没 | 2012年没 | 2006年没 | 2002年没 | 1996年没 | 1979年没 |
| 2029年 | 2028年没 | 2027年没 | 2023年没 | 2017年没 | 2013年没 | 2007年没 | 2003年没 | 1997年没 | 1980年没 |
| 2030年 | 2029年没 | 2028年没 | 2024年没 | 2018年没 | 2014年没 | 2008年没 | 2004年没 | 1998年没 | 1981年没 |
| 2031年 | 2030年没 | 2029年没 | 2025年没 | 2019年没 | 2015年没 | 2009年没 | 2005年没 | 1999年没 | 1982年没 |
| 2032年 | 2031年没 | 2030年没 | 2026年没 | 2020年没 | 2016年没 | 2010年没 | 2006年没 | 2000年没 | 1983年没 |
法事を行う際の準備の流れ
法事の準備には、いくつかのステップがあります。ここでは日程決めから返礼品の手配まで、一般的な流れを紹介します。
日程の決定から会食の手配までの4ステップ

法事を行うときは、まずお付き合いのあるお寺の住職と相談して日程を決めます。年忌法要は祥月命日に行うのが正式な決まりですが、難しい場合は当日より前の日付に調整しましょう。
- お寺と相談して日程を決める
- 出席者へ案内状を送る(法事の1カ月前を目安に)
- 会食や移動手段の手配をする
- 返礼品を用意する
参列者の人数が確定したら、会食や返礼品の手配に進みます。会場の担当者に年忌法要であることを伝えたうえで、人数や席順、食事のメニューを相談するとスムーズです。
返礼品の金額は、いただいた香典の半分から3分の1程度が目安です。食品や消耗品などの「消えもの」を選び、持ち運びしやすいサイズや重さにも気を配るとよいでしょう。

年忌法要のお布施とマナー
法事を行う際は、僧侶へのお布施や服装など、いくつか確認しておきたいマナーがあります。ここでは回忌が進むにつれて変化する目安を紹介します。
お布施は一周忌までが高め、三回忌以降は下がる傾向

年忌法要のお布施は、読経や説法など故人を供養してくれたお礼として僧侶に渡すものです。
お布施の相場は1万円〜5万円程度とされています。喪が明ける一周忌までは3万円〜5万円、三回忌以降は1万円〜3万円程度を渡す家庭が多いようです。お寺との関係性や法事の規模、地域によって変わるため、一度僧侶に確認しておくと安心です。
場合によっては、「お車代」や「御膳料」を包むこともあります。お車代は寺院以外で法要を行った場合、御膳料は僧侶が会食を辞退した場合に渡すお金です。

服装は三回忌まで喪服、七回忌以降は平服でも可
法事の服装は、遺族・参列者ともに三回忌までは喪服を着用するのが一般的です。男性はブラックスーツ、女性はブラックフォーマルを着用し、過度な露出や派手なアクセサリーは避けましょう。
七回忌以降は、略式の喪服または平服でも問題ありません。ただし、弔事における平服は普段着を指すものではない点に注意が必要です。黒や紺、グレーなどの落ち着いた色のスーツやワンピースを着用するとよいでしょう。

年忌法要をしない、または途中でやめても問題ない?
近年は、すべての年忌法要を行わない家庭も増えています。ここでは、年忌法要を省略する場合の考え方を紹介します。
年忌法要をしなくても供養はできる
年忌法要は、故人の冥福を祈って供養するための儀式です。年忌法要をしなくても、仏壇やお墓の前で手を合わせたり、花やお供え物を置いたりするだけでも故人の供養になります。
施主の高齢化や経済的な事情、親族が遠方に住んでいることなど、さまざまな理由で年忌法要を続けるのが難しい場合は、途中でやめたり一部を省略したりしても差し支えありません。大切なのは、故人を供養する気持ちです。
菩提寺や親族との相談は必要
ただし、お付き合いのある菩提寺があったり、しきたりを重視する親族がいる場合は、年忌法要を行わないことでトラブルが起こる可能性もあります。
年忌法要をしない決断をする前に、菩提寺や身内に相談したり、地域の風習を確認したりと、さまざまな事柄を検討するのが大切です。
法事に関するよくある質問

親の法事は子どもが何回忌まで続けるべき?
明確な決まりはありません。一般的には三十三回忌までとする家庭が多いですが、子ども自身の生活状況や親族の意向によって判断して問題ありません。
施主を引き継いだ場合、すべての年忌法要を完璧に行う必要はなく、無理のない範囲で続けることが大切です。判断に迷う場合は、年長の親族や菩提寺に相談するとよいでしょう。
法事を七回忌で終わらせても問題ない?
問題ありません。七回忌以降は規模を縮小したり、省略したりする家庭が実際に増えています。
弔い上げを早めることに法的な罰則はなく、最終的には家族の判断に委ねられます。ただし、菩提寺や親族とのつながりを大切にしている場合は、事前に一声かけておくと関係が良好に保てます。
何回忌までやるのが最近の一般的な傾向?
最近は、三回忌までを区切りとする家庭が増加傾向にあります。
核家族化や高齢化、遠方に住む親族が多いことなどが理由として挙げられます。七回忌以降は家族のみで簡略化したり、年忌法要自体を省略したりするケースも珍しくありません。
弔い上げをすると位牌はどうなる?
弔い上げをすると、故人の位牌は菩提寺に納めたり、先祖代々の位牌にひとつにまとめたりするのが一般的です。
以降は故人個人としてではなく、ご先祖様の一人として位牌や仏壇でまとめて供養します。具体的な対応はお寺によって異なるため、弔い上げの前に菩提寺へ相談しておくと安心です。
法事の日程を回忌ごとにまとめて行ってもいい?
問題ありません。複数の年忌法要が近い時期に重なる場合、まとめて1回の法事として執り行う家庭も多いです。
この場合、法要の日程は命日が早い方の故人に合わせるのが一般的です。菩提寺に相談しながら、無理のないスケジュールを組むとよいでしょう。
まとめ
法事を何回忌まで行うかについて、三十三回忌を「弔い上げ」の目安とする家庭が多いものの、絶対的な決まりではありません。三回忌や七回忌を過ぎた頃から規模を縮小し、家族の状況に応じて区切りをつける家庭も増えています。
宗派によっても考え方は異なり、浄土真宗のように弔い上げの概念がない宗派もあります。最も大切なのは、故人を偲び、感謝する気持ちです。この記事を参考に、菩提寺や親族と相談しながら、自分たちの状況に合った形を見つけてください。
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