葬儀費用の総額や内訳は、実際にお葬式を経験しないとわからないもの。突然訃報があったとき、葬儀費用の相場がわからなかったり、費用を捻出できなかったりして困る方は少なくありません。
このページでは、全国的な葬儀費用の相場や内訳、家族葬・寺院葬にかかる金額などをご紹介。補助金や葬祭費、埋葬料など、葬式費用がない場合の対処法や料金をおさえる方法も解説します。
目次
そもそも葬儀費用は誰が払う?
葬儀費用は、葬儀を取り仕切る立場である「喪主」が負担するのが一般的です。
喪主は、故人の配偶者や子どもが担当することがほとんど。子どもが喪主になる場合は、兄弟・姉妹間で費用を分担したり、故人の遺産で賄ったりするケースもあります。また配偶者や子どもだけで葬儀費用を準備するのが難しいときは、親類を頼らなければなりません。
いずれにせよ、喪主を誰にするのか、葬儀費用をどう負担するのかは、身内でしっかり話し合うのが重要。全員が納得して葬儀をあげることで、トラブルの防止につながります。
葬儀費用の支払い方法は現金・クレジットカード・葬儀ローン
葬儀費用は、お葬式が終わったあと1週間〜10日間ほどで支払うのが通例。短い場合は即日、長い場合は1か月以内と、支払い期限は葬儀社によって違います。また葬儀費用の支払いは現金が一般的でしたが、最近はクレジットカードや葬儀ローン払いが可能な葬儀社が増えています。
クレジットカード払いは、通常のお買い物と同じように使えて、ポイントが貯められるからお得。ただ、お葬式は100万円前後かかることも珍しくないので、利用限度額に注意が必要です。葬儀ローンでは、葬儀社と提携している信販会社や金融機関からお金を借りられます。一時的にお金を用意できますが、審査時間や利息がかかることを考慮しなければなりません。
現金一括で支払うのが難しい場合は、メリット・デメリットを理解したうえで、クレジットカードや葬儀ローンの利用を検討してみましょう。
葬儀費用の相場は約110.7万円
基本料金 | 飲食代 | 返礼品 | 総額 | |
---|---|---|---|---|
全体 | 67.8万円 | 20.1万円 | 22.8万円 | 110.7万円 |
基本料金:斎場利用料、火葬場利用料、祭壇、棺、遺影、搬送費など葬儀一式の費用(固定費)
飲食代:通夜ぶるまい、精進落とし、告別料理などの飲食代(変動費)
返礼品:当日返しや香典返しなど会葬者へのお礼の品物(変動費)
総額:基本料金・飲食代・返礼品の合計金額
葬儀費用の全国的な相場金額は約110.7万円。(第5回お葬式に関する全国調査/2022年調べ)
内訳は、葬儀一式にかかる基本料金が約67.8万円、会食やおもてなしにかかる飲食代が約20.1万円、会葬者へお渡しするお礼の品にかかる返礼品代が約22.8万円です。
形式(種類)別の葬儀費用
葬儀の種類 | 全国平均 | 最も多い価格帯 |
---|---|---|
一般葬 | 150万8,500円 | 100万円以上〜120万円未満 |
家族葬 | 99万5,000円 | 80万円以上~100万円未満 |
一日葬 | 89万4,300円 | 20万円以上~40万円未満 |
直葬・火葬式 | 42万2,300円 | 20万円未満 |
葬儀の形式(種類)は、大きく一般葬、家族葬、一日葬、直葬・火葬式の4つにわけられ、それぞれ葬儀費用が違います。
一般葬は、故人と関係のあった方々が参列する、いわゆる一般的なお葬式。参列者50名〜300名ほどと規模が大きいぶん、相場金額が150万8,500円ともっとも高いです。続く家族葬は、親しい身内だけで行う小規模な葬儀で、参列者は30名前後。規模が小さくなるため、葬儀費用も99万5,000円 と100万円以下まで下がります。
一日葬は通夜を行わない葬儀形式で、平均相場は89万4,300円。式を開かず、火葬のみで故人を見送る直葬・火葬式は、42万2,300円と葬儀費用をもっともおさえられます。
都道府県別の葬儀費用
都道府県 | 葬儀費用(合計) | 基本料金 | 飲食代 | 返礼費 |
---|---|---|---|---|
全国(n=1,955) | 110万7,100円 | 67万8,000円 | 20万1,000円 | 22万8,000円 |
北海道(n=38) | 92万7,200円 | 53万4,500円 | 19万5,700円 | 19万7,000円 |
青森県(n=38) | 99万8,200円 | 62万2,000円 | 19万3,000円 | 18万3,200円 |
岩手県(n=29) | 116万8,600円 | 65万6,200円 | 24万4,100円 | 26万8,300円 |
宮城県(n=34) | 107万2,500円 | 64万5,000円 | 18万6,200円 | 24万1,300円 |
秋田県(n=58) | 106万3,400円 | 67万5,200円 | 16万9,100円 | 21万9,100円 |
山形県(n=32) | 98万8,200円 | 47万1,600円 | 23万4,100円 | 28万2,500円 |
福島県(n=59) | 134万6,500円 | 77万3,400円 | 24万6,300円 | 32万6,800円 |
茨城県(n=33) | 147万9,700円 | 84万5,800円 | 30万0,300円 | 33万3,600円 |
栃木県(n=36) | 112万3,900円 | 60万7,500円 | 22万2,100円 | 29万4,300円 |
群馬県(n=57) | 103万1,900円 | 61万3,900円 | 18万7,500円 | 23万0,500円 |
埼玉県(n=47) | 95万9,400円 | 56万0,400円 | 20万8,300円 | 19万0,700円 |
千葉県(n=34) | 125万1,900円 | 72万8,800円 | 24万2,100円 | 28万1,000円 |
東京都(n=38) | 119万4,900円 | 63万4,500円 | 24万7,600円 | 31万2,800円 |
神奈川県(n=59) | 100万7,000円 | 60万9,800円 | 18万7,800円 | 20万9,400円 |
新潟県(n=37) | 134万2,500円 | 76万1,900円 | 30万1,100円 | 27万9,500円 |
富山県(n=38) | 105万5,400円 | 59万3,700円 | 22万1,300円 | 24万0,400円 |
石川県(n=56) | 130万5,500円 | 75万3,500円 | 23万2,900円 | 31万9,100円 |
福井県(n=31) | 127万0,500円 | 76万6,000円 | 24万4,200円 | 26万0,300円 |
山梨県(n=32) | 166万8,700円 | 86万3,000円 | 37万6,300円 | 42万9,400円 |
長野県(n=33) | 119万5,600円 | 58万4,400円 | 29万8,000円 | 31万3,200円 |
岐阜県(n=57) | 116万7,000円 | 74万1,900円 | 18万5,400円 | 23万9,700円 |
静岡県(n=32) | 101万8,600円 | 66万5,300円 | 12万3,100円 | 23万0,200円 |
愛知県(n=38) | 102万7,800円 | 67万1,300円 | 15万6,200円 | 20万0,300円 |
三重県(n=29) | 100万3,900円 | 70万7,900円 | 14万8,400円 | 14万7,600円 |
滋賀県(n=27) | 135万5,400円 | 74万8,700円 | 28万6,700円 | 32万円 |
京都府(n=37) | 103万5,700円 | 77万3,400円 | 12万6,800円 | 13万5,500円 |
大阪府(n=58) | 111万4,700円 | 78万2,100円 | 17万7,300円 | 15万5,300円 |
兵庫県(n=40) | 118万2,500円 | 72万7,500円 | 23万円 | 22万5,000円 |
奈良県(n=42) | 105万1,600円 | 78万4,900円 | 12万8,300円 | 14万0,800円 |
和歌山県(n=57) | 93万7,600円 | 62万2,600円 | 17万3,100円 | 14万1,900円 |
鳥取県(n=39) | 105万1,600円 | 70万3,300円 | 17万円 | 17万8,300円 |
島根県(n=54) | 103万8,700円 | 58万5,700円 | 21万4,000円 | 23万9,000円 |
岡山県(n=36) | 111万2,700円 | 67万0,700円 | 21万4,400円 | 22万7,600円 |
広島県(n=57) | 96万1,800円 | 65万8,200円 | 16万9,600円 | 13万4,000円 |
山口県(n=51) | 121万6,300円 | 75万8,700円 | 20万4,300円 | 25万3,300円 |
徳島県(n=35) | 119万1,500円 | 74万0,700円 | 19万7,900円 | 25万2,900円 |
香川県(n=32) | 100万6,800円 | 62万7,000円 | 16万0,600円 | 21万9,200円 |
愛媛県(n=44) | 109万2,900円 | 70万0,700円 | 16万7,700円 | 22万4,500円 |
高知県(n=33) | 91万 3,700円 | 60万4,100円 | 15万4,800円 | 15万4,800円 |
福岡県(n=58) | 96万9,900円 | 67万2,600円 | 13万9,800円 | 15万7,500円 |
佐賀県(n=33) | 102万0,500円 | 60万7,100円 | 17万4,500円 | 23万8,900円 |
長崎県(n=55) | 124万1,800円 | 71万9,100円 | 26万1,800円 | 26万0,900円 |
熊本県(n=37) | 104万7,200円 | 70万9,900円 | 14万2,300円 | 19万5,000円 |
大分県(n=33) | 86万9,800円 | 57万2,300円 | 12万9,800円 | 16万7,700円 |
宮崎県(n=43) | 125万8,800円 | 73万4,000円 | 25万9,500円 | 26万5,300円 |
鹿児島県(n=48) | 94万2,900円 | 60万7,000円 | 15万9,600円 | 17万6,300円 |
沖縄県(n=31) | 94万0,700円 | 60万2,300円 | 15万7,100円 | 18万1,300円 |
出典:(第5回お葬式に関する全国調査(2022年/鎌倉新書)
葬儀は地域によって慣習が違うため、都道府県によっても葬儀費用が変わります。
全国でもっとも葬儀費用が高額なのは、約166万8,700円の山梨県。対して葬儀費用をおさえているのは、86万9,800円の大分県で、約2倍もの金額差があります。
葬儀費用の内訳とオプション料金
葬儀費用の内訳は大きく3つにわけられる
葬儀費用の内訳は、葬儀そのものにかかる費用、接待にかかる費用、宗教者にかかる費用の3つに分類できます。
葬儀そのものにかかる費用は、お通夜と葬儀を執り行うために必要な代金。遺体の搬送費、斎場や火葬場の利用料金、祭壇・棺・遺影など、儀式にかかる費用一式を指しています。
接待にかかる費用は、通夜振る舞い・精進落としなどの飲食費と、香典返し・当日返しなどの返礼品代。また宗教者にかかる費用は、お坊さんへのお布施や寺院の利用料です。
この3つを合計した金額が、葬儀費用の総額になります。
葬儀にかかる主な追加料金
葬儀の追加料金には、大きく2つのパターンがあります。
1つ目のパターンは、オプションの追加や内容のグレードアップによって追加される料金。棺や祭壇の質をあげたり、湯灌やエンバーミングをお願いしたりすると発生します。こちらは見積もりの段階でわかる料金なので、葬儀前の打ち合わせで必ず確認しておきましょう。
2つ目のパターンは、参列者の人数や状況に応じた対応によって追加される料金。参列者が多くて料理や返礼品を発注したり、遺体の安置期間が長くてドライアイスを増やしたりすると発生します。
こちらのパターンは葬儀を進めていく中で必要になる料金なので、事前に把握するのは難しいです。都度スタッフに聞いたり、請求書で不明瞭な金額を確認したりすることで、納得いく費用で葬儀をあげられるでしょう。
葬儀費用を安くする方法
葬儀費用を安くする7つの方法
- 複数社の見積もりをとって比較検討する
- 葬儀の規模(人数)を減らす
- 葬儀プランを見直す
- 市民葬・区民葬を利用する
- 福祉葬を利用する
- 補助金制度を利用する
- 葬儀保険に加入しておく
数十〜数百万円かかる葬儀費用は、決して簡単に支払える金額ではありません。予算に限りがあったり、突然のご逝去で費用を捻出できなかったりする方は少なくないでしょう。
葬儀費用をおさえたい方にオススメなのが、複数社の見積もりをとって比較検討すること。相場感をつかみやすいうえに、ご自身の希望にあわせたプランで費用を算出してもらえます。ご逝去直後だと時間がないため、できるだけ早い段階で準備しておくと安心。また、葬儀の規模を減らしたり、プランを見直したりすることで、葬儀費用をおさえることも可能です。
その他、自治体が行う市民葬・区民葬、福祉葬を利用したり、補助金制度や葬儀保険を活用したりするのもひとつの方法。ご自身の予算や状況にあわせて、葬儀費用を安くする方法を試してみてはいかがでしょうか。
「葬儀ってなんとなく高そう」という程度の認識しか持っていない人もいるかもしれませんが、実際いくらくらいかかるものなのでしょうか? この記事では、葬儀費用を抑えるポイントや、葬儀費用の相場、費用を抑えた場合の注意点などをご紹介していきます。
葬儀の補助金制度とは
葬儀から2年以内に自治体へ申請すると、葬祭費や埋葬料(埋葬費)などの補助金を受け取れます。故人が加入していた保険によって受け取れる補助金が異なるため、確認しておきましょう。
国民健康保険・後期高齢者医療保険に加入:葬祭費
故人が国民健康保険または後期高齢者医療保険に加入していた場合は、葬祭費が支給されます。
お住まいの市区町村によって違いますが、葬祭費の金額は1万円〜7万円。死亡届を提出したあと、必要な書類をそろえて各自治体の窓口や郵送で申し込んでください。
健康保険(社会保険)に加入:埋葬料
故人が健康保険(社会保険)に加入していた場合は、埋葬料(埋葬費)が支給されます。
埋葬料の金額は5万円で、全国健康保険協会(協会けんぽ)か健康保険組合に申請。葬祭費と同様に、申請に必要な書類をそろえてから申し込みましょう。
葬儀社の互助会制度と会員制度とは
葬儀社には、互助会制度や会員制度と呼ばれるシステムがあります。葬儀費用をおさえたり、質の高いサービスを受けたりできる制度なので、把握しておきましょう。
互助会:冠婚葬祭費を前払いで積み立てる制度
互助会制度は、「冠婚葬祭互助会」の略称で、経済産業省の認可がおりた葬儀社だけが運営できる制度。いずれ迎える葬式や結婚式のために、毎月一定の金額を前払いで積み立てるシステムを指しています。
葬儀費用の一部を補填できるのはもちろん、安価で提携施設やオプションを利用できたり、家族全員の儀式に使えたりするのがメリット。ただ選べる葬儀社やプランが限定されたり、解約に手数料がかかったりと、デメリットもあるので注意が必要です。
会員制度:入会金を支払って会員特典を受ける制度
互助会は経済産業省の認可が必要ですが、会員制度には必要ありません。互助会制度と違って積み立て制度がなく、入会金を一度支払うだけで特典を受けられます。
会員特典の内容は葬儀社によってさまざまですが、葬儀プランや式場使用料、葬祭用品などの割引が多いです。よく利用している葬儀社や、葬儀をお願いしたい葬儀社があるなら、会員になっておいて損はないでしょう。
葬式・葬儀をお考えの方はいい葬儀へ
お葬式は、故人様とお別れする最期の時間。大切な儀式だからこそ、後悔のない選択をしたいものです。葬儀費用をおさえて納得のいくお葬式をするためには、葬儀社選びが重要。予算におさまるのはもちろん、故人や遺族の希望を実現してくれる葬儀社を選べば、納得いくお葬式をあげられます。
いい葬儀では、24時間365日いつでも電話・メールで葬儀のご相談を受付中。予算や希望にあわせて、最適な葬儀社をご紹介いたします。葬儀の準備を考えている方や葬儀費用に悩まれている方は、ぜひいい葬儀にご相談ください。