香典を用意する際に、意外と悩むのがお札の入れ方。お札の向きや枚数、種類など、香典には入れ方にも決まりがあるため、事前に確認してから用意するのがベターです。
この記事では、香典の正しい入れ方や閉じ方を香典袋の種類別に紹介。袱紗や香典袋の選び方など、あわせて知っておきたい情報もまとめていますので、ぜひご一読ください。
香典のお札の入れ方
- 封筒の表側に対して「裏側・下向き」に入れる
- お札の枚数は奇数にする
- 新札と古すぎるお札は避ける
- お札の種類を統一する
香典にお札を入れるときのポイントは、こちらの4つ。一つひとつ詳しく解説します。
封筒の表側に対して「裏側・下向き」に入れる

表:人物が描かれている
裏:人物が描かれていない
上:縦にしたとき人物が上にくる
下:縦にしたとき人物が下にくる
お札には表裏・上下の向きがあり、香典では入れ方が決まっています。
人物が描かれている面がお札の表、描かれていない面が裏。お札を縦にしたとき、人物が描かれているのが上、描かれていないのが下になります。
香典にお札を入れるときは、封筒の表側に対して「裏側・下向き」に入れるのが一般的。
お札を裏にして人物の顔が見えないようにすることから、「悲しみにくれて顔を伏せる」という意味が込められています。また下向きに入れるのは、封筒から取り出してすぐ算用数字・漢数字の金額表記が目に入るよう配慮しているため。遺族が金額を確認しやすく、香典返しの準備や手間を減らせます。
くわえて、お札が複数枚ある場合は、すべて同じ向きに揃えるのがマナーです。
お札の枚数は奇数にする
香典に入れるお札は、奇数にすること。
割り切れる数字である偶数は「別れる」「縁が切れる」など不吉なイメージがあるため、慶事・弔事ともにふさわしくないとされています。また「死」や「苦」を連想させる4と9は、枚数・金額、どちらでも避けるのがベターです。
香典に包むお札の枚数は、1枚、3枚、5枚などの奇数にしておくのが無難。偶数ではありますが、10枚包むのはマナー違反ではないので、あわせて覚えておきましょう。
新札と古すぎるお札は避ける
新札と古すぎるお札は、香典に入れないようにしてください。
銀行で両替したり、あらかじめ用意したりする必要のある新札を包むと「故人の死を予期していた」と捉えられ、快く思わない遺族もいらっしゃいます。一方で、シワや汚れ、破れがあるようなボロボロのお札も失礼に当たるので注意が必要。
香典に包むお金は、適度に使用感のある旧札を選ぶのが基本です。もし手元に新札しかない場合は、真ん中に折り目をつけて香典袋に入れると、キレイで印象もよいでしょう。
お札の種類を統一する
複数のお札を香典に包むときは、種類を統一しましょう。1,000円札や5,000円札、1万円札が混在しているのはマナー違反です。たとえば、香典で5,000円包むのであれば、5,000円札を1枚か、1,000円札を5枚用意すること。枚数にはとくに決まりはないので、1,000円札5枚でも失礼にはなりません。
ただ喪主や遺族からすれば、5,000円札1枚の方が香典の計算しやすく、間違いが少ないはず。相手に配慮して、できるだけ少ない枚数にしてあげるのもひとつの方法です。
香典袋に入れてはいけない金額
香典には、入れてはいけないお札と金額があります。
まず避けたいのが、4と9のつく金額。「死(4)」「苦(9)」を連想させるため、4,000円や9,000円、4万円といった金額は包まないのがマナーです。
また、金額が高すぎるのも考えものです。相場を大きく超える香典は、かえって遺族に気を遣わせたり、香典返しの負担を増やしたりしてしまいます。故人との関係性に見合った金額を包むのが、相手への配慮といえるでしょう。
香典(中袋・中包み)の正しい入れ方
一般的に香典袋には、水引のついた「外袋」の他に、「中袋」というお札を入れるための封筒が用意されています。
ただなかには、中袋がなかったり、封筒の代わりに中包み(奉書紙)と呼ばれる紙がついていたりする香典袋も。それぞれお札の入れ方が違うため、確認しておきましょう。
中袋あり

中袋がある場合は、取り出したときに人物の顔が見えないよう、中袋の表側に対してお札を裏側・下向きに入れてください。
中袋なし

中袋がついていない場合は、香典袋に直接お札を入れます。お札の入れ方は中袋と同じで、香典袋の表側に対して「裏側・下向き」にしましょう。ちなみに、中袋がなくても正式な香典袋ですし、失礼に当たることはないのでご安心くださいね。
中包み(奉書紙)
なかには、封筒ではなく、中包み(奉書紙)がついている香典袋もあります。
奉書紙とは、古くから公文書や儀礼、神事などで用いられていた和紙の一種。現代では弔事を書いたり、香典やお布施を包んだりする際に使われています。
中包み(奉書紙)でお金を包むときも、表面に対してお札は「裏側・下向き」にするのがマナーです。
奉書紙は、ツルツルしている面が表で、ザラザラしている面が裏。裏面を上にしてお札を縦に置いたら、下→左→右→上の順番に端を折り込みます。中包みに香典を入れる際は、お札が折れ曲がりやすいので注意してください。
香典袋の閉じ方
香典袋はお札を入れたあとの閉じ方にもマナーがあります。中袋(中包み)と外袋、それぞれの閉じ方を覚えておいてくださいね。
中袋(中包み)
お金を入れる中袋(中包み)は、のりやシールで閉じないのがマナー。
お札が出ないか心配かもしれませんが、外袋で二重に包むので問題ありません。むしろ封をしてしまうと、遺族が中身を確認するときに手間がかかるため、閉じない方が親切です。
外袋

香典の外袋は、1枚の和紙を折りたたみ、最後に水引をかけるタイプをよく見かけます。和紙を折り込む外袋で注意したいのが、裏側の折り込み口を上から下にかぶせること。左開きになるように、右→左→下→上の順番で折り、最後に折り込み口を上から下にかぶせましょう。
折り込み口を上にかぶせるのは、「悲しい涙をため込まないように」という意味。ちなみに結婚式のご祝儀袋は、「幸せを取りこぼさないように」という意味を込めて折り込み口を下から上にかぶせます。
袱紗の選び方と包み方

香典は、袱紗(ふくさ)と呼ばれる布に包んで持参するのがマナーです。袱紗には「水引が崩れたり汚れたりしないようにするため」という実用的な役割と、「礼節を重んじ、喜びや悲しみを相手と共有する気持ちを示すため」という心遣い、2つの意味があります。
袱紗が手元にない場合は、ハンカチや風呂敷で包んでも大丈夫です。ただし、金封をむきだしで持参するのはマナー違反なので避けましょう。
袱紗の種類
袱紗は本来四角い布のことを指していましたが、最近は金封型、爪付きや台付きなど、さまざまな種類の袱紗が販売されています。どの種類を選んでも問題ありませんが、古くからの定番は香典を包む布タイプ。畳むのが面倒な方は、香典を挟むだけでよい折りたたみタイプの袱紗を選ぶのもオススメです。
袱紗の色
袱紗は慶事用と弔事用に大別され、色によって使い分けます。慶事には赤や朱色など明るい色を、弔事には鼠色や藍色など暗めの色を用います。紫色は慶弔兼用できるので、1つ持っておくと便利です。
袱紗の包み方
- 袱紗をひし形に広げ、中央に香典を置く
- 右隅を折る
- 下隅を畳み、上隅を畳む
- 左隅を畳み香典の右側に端を巻き込む
袱紗は慶事では右開き、弔事では左開きにするのが基本です。包むタイプではなく、香典を挟み込む折りたたみタイプでも、左開きになるよう注意してください。
袱紗がない場合の代用品
袱紗が手元にない場合の代用品の色は袱紗と同じく、弔事にふさわしい寒色系を選びましょう。鼠色や紺、グレーなど、落ち着いた色味の無地が無難です。柄物や派手な色のハンカチは避けてください。
包み方は袱紗と同じで、左開きになるように香典を包みます。香典を中央よりやや右に置き、右→下→上→左の順にたたむと、左開きの形に仕上がります。
香典袋の選び方
香典袋は、金額と宗教によって選ぶポイントが変わります。
香典金額が5,000円以下なら、水引が印刷されている封筒タイプの香典袋でOK。1万円以上包むのであれば、水引と外袋・中袋のついた高級感のある香典袋を選びましょう。
また蓮が描かれた封筒は仏教用、ユリや十字架の描かれた封筒はキリスト教用など、宗教や宗派にあわせた専用の香典袋もあります。喪家や故人の宗教を確認してから、香典袋を用意すると安心です。
包む金額に合った香典袋を選ぶ
香典袋は、包む金額に見合ったものを選ぶのがマナーです。袋の格と中身の金額がちぐはぐだと、かえって不釣り合いな印象を与えてしまいます。
金額別の目安は、以下の通りです。
| 包む金額 | 香典袋の種類 |
| 5,000円以下 | 水引が印刷された略式タイプ |
| 1万円〜3万円 | 黒白または双銀の水引がついたタイプ |
| 3万円〜5万円 | 双銀の水引で高級和紙を使った格式高いタイプ |
| 5万円以上 | 大判で豪華な水引のついた最上格のタイプ |
宗教・宗派に合った香典袋を選ぶ
香典袋は、喪家や故人の宗教・宗派に合わせて選びます。表書きだけでなく、袋に描かれた絵柄にも宗教ごとの決まりがあるためです。
宗教別の香典袋の特徴は、以下の通りです。
| 宗教 | 香典袋の特徴 |
| 仏教 | 蓮の花が描かれた袋、または無地 |
| 神道 | 無地で双銀または白黒の水引 |
| キリスト教 | ユリの花や十字架が描かれた袋 |
| 宗教がわからない場合 | 無地で白黒の水引 |
香典袋の書き方
香典袋は、外袋に表書きと名前、中袋に金額と住所・名前を書くのが基本のマナー。それぞれの正しい書き方をご紹介します。
外袋の表書き:喪家・故人の宗教にあわせる
| 宗教・宗派 | 表書き | 香典袋 |
| 仏式(仏教) | 「御霊前(ごれいぜん)」 「御香料(ごこうりょう)」 「御香典(ごこうでん)」 「御悔(おくやみ)」 「御仏前(ごぶつぜん)」 | 白無地×白黒の水引 蓮の描かれた封筒 |
| キリスト教式(キリスト教) | カトリック 「御花料(おはなりょう)」 「御ミサ料(おみさりょう)」 プロテスタント 「御花料(おはなりょう)」 「献花料(けんかりょう)」 「弔慰料(ちょういりょう)」 | ユリや十字架の描かれた封筒 白無地の封筒水引なし |
| 神式(神道) | 「御神前(ごしんぜん)」 「御玉串料(おたまぐしりょう)」 「御榊料(おさかきりょう)」 | 白無地×双銀の水引 |
| 無宗教・不明 | 「御香料(ごこうりょう)」 「御香資(ごこうし)」 | 白無地×白黒の水引 |
外袋の水引上段には、贈り物の名目を表す「表書き」を書きます。
香典の表書きは、喪家・故人の宗教によって書き方が違うので注意が必要。宗教ごとに正しい表書きをまとめるので確認しておきましょう。
仏式(仏教)
仏式(仏教)では、「御霊前」「御香料」「御香典」などを使います。仏教では、四十九日法要まで故人が御霊としてこの世に存在していると考えるため「御仏前」は用いません。ただし、浄土真宗では亡くなってすぐ浄土で仏になるという教えがあるので、「御霊前」ではなく「御仏前」を使用します。
キリスト教式(キリスト教)
キリスト教には、カトリックとプロテスタントの2つの宗派があります。カトリックでは「御霊前」「御花料」を、プロテスタントでは「御花料」「忌慰料」を用います。
神式(神道)
神式(神道)の表書きは「御霊前」に加え、神道特有の「御神前」「御玉串料」「御榊料」などとします。
外袋の名前
| 人数 | 外袋の名前の書き方 |
| 個人(1人) | 会葬者本人のフルネーム |
| 夫婦(2人) | 夫のフルネーム+妻の名前 |
| 3人まで | 全員のフルネーム(目上の方から順番に) |
| 4人以上 | 代表者のフルネーム+外一同 |
| 会社(団体) | 会社名+代表者のフルネーム 会社名+代表者のフルネーム+外一同 会社名+部署のフルネーム+一同 |
外袋の水引下段には、香典を出す会葬者の名前をフルネームで記入します。
個人や3人までの連名で香典を渡す場合は、全員の名前を書けばOK。ご夫婦で香典を出すのであれば、夫はフルネーム、妻は左側に名前だけ書いてください。
また4人以上になると、代表者のフルネームだけ書き、「外一同」と書き添えるのがマナー。会社・団体の場合は、代表者名の右側に会社名・団体名を書きましょう。
中袋の金額
| 常用漢字 | 大字 |
| 一 | 壱 |
| 二 | 弐 |
| 三 | 参 |
| 五 | 伍 |
| 十 | 拾 |
| 千 | 阡(仟) |
| 万 | 萬 |
| 円 | 圓 |
中袋の表面には、香典で包んだ金額を書きます。
その際、金額の改ざんを防ぐために「大字」と呼ばれる漢数字で「金〇〇圓也」と縦書きするのがマナーです。たとえば、3,000円なら「金参仟圓也」、1万円なら「金壱萬圓也」と書いてください。
中袋の住所・名前
中袋の裏面には、住所と名前を書くのがルール。誰から受け取った香典かわからないと、遺族が香典返しを用意する際に困ってしまいます。香典返しやお礼状がきちんと届くように、正確な住所と名前を書いてあげてください。
連名で香典を出したのであれば、中袋には代表者の氏名と住所だけを書くこと。あわせて、全員の氏名・住所を記載した紙を用意して、お札と一緒に封筒へ入れましょう。
香典袋を書くときは薄墨?濃墨?
香典袋は、薄墨で書くのが正式なマナーとされています。
薄墨を使うのは、「悲しみの涙で墨が薄まった」「突然の訃報に墨を十分にすっている時間がなかった」という弔意を表すためです。古くからの慣習で、不祝儀には薄墨を用いるのが基本とされています。
筆記具は、薄墨の筆ペンが手軽で便利です。文房具店やコンビニでも手に入ります。普通の濃さの筆ペンやサインペンしかない場合でも、丁寧に書けば失礼には当たりませんが、できれば薄墨を用意しておくとよいでしょう。
なお、北海道では薄墨ではなく、一般的な濃墨(墨汁)や筆ペンを使用することがほとんどです。
香典の相場金額

| 関係性 | 平均金額* | 最も多い価格帯 | 2番目に多い価格帯 |
|---|---|---|---|
| 自分の親 | 5.5万円 | 参列したが香典は包んでいない | 10万円以上 |
| 自分の祖父母 | 2.8万円 | 参列したが香典は包んでいない | 5千円以上~2万円未満 |
| 自分の兄弟・姉妹 | 3.5万円 | 参列したが香典は包んでいない | 5千円以上~1万円未満 |
| 配偶者の親 | 5.4万円 | 参列したが香典は包んでいない | 5万円以上~10万円未満 |
| 配偶者の祖父母 | 2.7万円 | 参列したが香典は包んでいない | 5千円以上~1万円未満 |
| 配偶者の兄弟・姉妹 | 3.1万円 | 参列したが香典は包んでいない | 1万円以上~2万円未満 |
| 上司 | 1.3万円 | 5千円以上~1万円未満 | 5千円未満 |
| 同僚 | 1.2万円 | 5千円未満 | 5千円以上~1万円未満 |
| 部下 | 1.3万円 | 5千円未満 | 5千円以上~1万円未満 |
| 友人・知人 | 1.2万円 | 5千円以上~1万円未満 | 5千円未満 |
香典で包む金額には、いわゆる相場があります。
鎌倉新書が実施した第6回お葬式に関する全国調査によると、香典の金額でもっとも高額なのは「自分の親」で平均5.5万円。次いで「配偶者の親」で平均5.4万円となっています。
また「自分の祖父母」は平均2.8万円、「配偶者の祖父母」は平均2.7万円。「自分の兄弟・姉妹」は平均3.5万円、「配偶者の兄弟・姉妹」は平均3.1万円でした。ただ身内の葬儀の場合、「参列したが香典は包んでいない」と回答する方も多く、立場や葬儀の形式によって香典の有無や金額が変わるので、注意してください。
会社の上司や同僚、部下、友人・知人などの香典は、平均1.2万円~1.3万円で1万円前後が相場です。
法事・法要での香典袋の入れ方
法事・法要に持参する香典も、お札の入れ方の基本は通夜・葬儀と同じです。ただし表書きの言葉が変わるなど、いくつか異なる点があるので確認しておきましょう。
四十九日法要の香典袋の入れ方
四十九日法要の香典も、お札は表面に対して「裏側・下向き」に入れます。
お札の向きや枚数のマナーは、通夜・葬儀と変わりません。ただし表書きは、四十九日を境に「御霊前」から「御仏前」へ変わります。仏教では四十九日をもって故人が仏になると考えるため、四十九日法要では「御仏前」を使うのが一般的です。
新札については、通夜・葬儀ほど神経質になる必要はありません。法事は日程が事前にわかっているため、新札でも問題ないとされています。
一周忌・三回忌の香典袋の入れ方
一周忌・三回忌の香典も、お札は「裏側・下向き」で入れます。
四十九日以降の法要のため、表書きは「御仏前」を使います。お札の枚数を奇数にする、種類を統一するといった基本のマナーも、通夜・葬儀と同じです。
法要の香典は、会食(お斎)の有無によって金額が変わる点に注意しましょう。会食に参加する場合は、その分を上乗せして包むのが一般的です。
法事では「御仏前」を使うのが一般的
法事・法要の表書きは、「御仏前」を使うのが一般的です。
仏教では、四十九日をもって故人が霊から仏になると考えられています。そのため四十九日以降の法事・法要(一周忌、三回忌など)では、「御霊前」ではなく「御仏前」を用います。
浄土真宗は例外で、亡くなってすぐ仏になるという教えのため、通夜・葬儀の段階から「御仏前」を使います。また神道では「御玉串料」「御榊料」、キリスト教では「御花料」を、法要にあたる行事でも用います。
香典の渡し方とタイミング
- 受付で記帳を済ませる
- 右手に袱紗を置き、左手で香典を取り出す
- 反時計回りに香典の向きを変える
- 静かな声で簡潔にお悔やみを伝える
- 両手で香典を手渡す
香典は、通夜か葬儀、どちらかの受付で手渡しするのが一般的。両方に参列する場合は、どちらか片方で渡せば問題ありません。通夜で渡す方が多いようですが、急な訃報で準備が間に合わなければ、葬儀・告別式で渡しても大丈夫です。
受付で記帳を済ませたあと、袱紗から取り出し、相手が表書きを読めるように向きを変えてお悔やみを伝えながら香典を両手で差し出します。遺族や周囲に配慮して、簡潔かつ静かなトーンでお悔やみを述べるのがポイントです。
香典の郵送方法とタイミング
予定が合わなかったり遠方に済んでいたりして、通夜や葬儀・告別式に参列できない方もいるかもしれません。本来香典は手渡しするのがマナーですが、郵送するのもひとつの手です。
香典の郵送方法とタイミングについて、確認しておきましょう。
香典の郵送方法
郵送するときも通常のマナー通り、香典を用意しましょう。香典袋に入れるのはもちろん、包み方や書き方のマナーも守ってください。また香典を郵送する際は、お悔やみ状を同封します。参列できないお詫びや弔意を綴り、遺族への配慮を伝えるのが目的です。
香典とお悔やみ状を用意したら、封筒にまとめて現金書留で発送します。香典袋は封を閉じませんが、現金書留の封筒はしっかりのり付けと封字を記してください。
香典を郵送するタイミング
通夜・葬儀の当日に間に合うのであれば、日時指定をして香典を会場へ郵送しても問題ありません。当日に間に合わない場合は、葬儀の数日後~1週間以内に喪主の自宅へ郵送してください。葬儀直後だと遺族は忙しいですし、あまり遅すぎると香典返しの時期に間に合わなくなるので、タイミングの見極めは大切です。
いずれにせよ、受け取り損ねないよう、遺族には事前に香典を送る旨を伝えておきましょう。
弔電・供花の手配方法とタイミング
通夜・葬儀に参列できないとき、香典ではなく、弔電や供花を手配する方もいます。
それぞれの手配方法とタイミングを紹介するので、あわせて確認しておきましょう。
弔電の手配方法とタイミング
| 電話(電報115) | インターネット | |
|---|---|---|
| 申し込み方法 | 局番なしのダイヤル「115」に電話 | 各種サービスサイトのWebフォームから依頼 |
| 受付時間 | 8時~19時(年中無休) | 24時間(年中無休) |
| 特長・メリット | 14時までの申し込みで当日中に手配可能 オペレーターに弔電について相談できる | 14時までの申し込みで当日中に手配可能 24時間いつでも申し込みできる 自分のペースで弔電の台紙や文言を選べる |
弔電とは、通夜・葬儀に参列できない人が、取り急ぎ弔意を伝えるために送る電報。電話(電報局)またはインターネットで申し込み、14時までに依頼を完了すれば、当日中に届けられます。
訃報を受けたら速やかに手配をはじめ、お通夜の前日までに届くようにしてください。もしお通夜に間に合わない場合は、葬儀の前日までに手配するとよいでしょう。

供花の手配方法とタイミング
- 葬儀社・葬儀会場に依頼する
- 花屋に注文する
- インターネットで手配する
供花とは、故人とご遺族に寄り添う気持ちを伝えるために贈る花のこと。白や淡い色合いの花を使うのが一般的で、目的や予算に応じてスタンド花や篭に入ったアレンジメントなどの供花を選びましょう。
供花の手配方法には、葬儀社(葬儀場)、花屋、インターネット、3つの選択肢があります。葬儀社へ依頼するのが確実ですが、最近はご自身でお花を選べるインターネットを利用する方が多いです。スマホやパソコンから簡単に手配できますし、金額を比較しやすいのも魅力といえます。
供花は、故人の祭壇に供えるため、遅くともお通夜が開式する3~5時間前には届くように手配してください。

香典の入れ方でよくある質問

最後に、香典の入れ方についてよくある疑問をまとめました。
お札の向きや外袋・中袋の閉じ方、袱紗の色など、いざ用意する段になって迷いやすいポイントを中心にお答えします。
香典のお札の入れ方は?
香典のお札は、中袋や香典袋の表面に対して「裏側・下向き」に入れるのがマナーです。ちなみに人物が描かれている方がお札の表側。またお札を縦にしたとき、人物が描かれている方が上、描かれていない方が下になります。
お札を裏側・下向きに入れて、人物の顔を伏せるのは「故人の訃報に対する弔意」を示しているんだそう。くわえて、封筒から取り出した際にすぐ金額が目に入るため、遺族が確認をしやすいようにという配慮の気持ちも込められています。
香典の外袋の包み方・閉じ方は?
香典の外袋のマナーは、「左開き」になるように畳んで、裏側の折り込み口を「上から下にかぶせる」こと。お金の入った中袋を中央に置いたあと、右→左→下→上の順番で折り、最後に折り込み口を上から下にかぶせましょう。
ちなみに慶事では、「右開き」で「下から上にかぶせる」ように祝儀袋を閉じます。弔事では真逆になるので、間違って反対にしないよう気を付けてくださいね。
香典の中袋の包み方・閉じ方は?
お札を入れたあと、香典の中袋の封を閉じる必要はありません。むしろのりやシールで閉じると、遺族が中身を確認するときに手間がかかるため、閉じない方がベターです。
香典袋にお札を入れるときの注意点は?
- お札の枚数は奇数にする
- 新札と古すぎるお札は避ける
- お札の種類を統一する
上記3点に注意してください。
袱紗(ふくさ)の色に決まりはありますか?
袱紗(ふくさ)は、お祝い事とお悔やみ事、用途にあわせて使い分けます。
お祝い事では赤や朱などの暖色系、お悔やみ事では鼠や藍など寒色系の袱紗を用います。ちなみに紫色の袱紗は慶弔で兼用できるので、1つ持っておくと便利です。
まとめ
香典のお札の入れ方は、封筒の表側に対して「裏側・下向き」が基本です。お札は奇数枚にそろえ、新札と古すぎるお札を避けて種類を統一しましょう。中袋は封をせず、外袋は左開きになるよう折り、折り込み口を上から下にかぶせるのがマナーです。
香典は、故人を悼み、遺族を気遣う気持ちを形にしたもの。一つひとつの作法には、相手への配慮の意味が込められています。マナーを正しく守ることで、その気持ちはより丁寧に伝わります。
この記事を参考に、お札の向きや香典袋の選び方、書き方を確認して、失礼のない香典を準備してくださいね。
「第6回お葬式に関する全国調査(2024年)」データ利用について
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