香典の渡し方とタイミング、お悔やみの言葉のマナー【動画あり】

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

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  • 香典は通夜か葬儀、どちらかの受付で渡すのが一般的
  • 香典を袱紗から取り出し、お悔やみの言葉を添えて両手で手渡す
  • お悔やみの言葉は、忌み言葉・重ね言葉を避けて簡潔に伝える

香典の渡し方には、決められたタイミングと手順、マナーがあります。うっかり間違えてしまうと、遺族に不快な思いをさせるかもしれないので注意が必要です。
この記事では、香典を渡すタイミングや手順、お悔やみの言葉のマナーなどを紹介。状況や立場別の香典の渡し方もまとめているので、ぜひ参考にしてください。

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香典を渡すタイミング

香典は、通夜や葬儀、どちらかで渡すのが一般的。
受付で記帳を済ませたあと、そのまま受付係に香典をお渡ししましょう。

通夜と葬儀、両方に出席する場合は、どちらか片方だけで渡せば問題ありません。通夜で渡す方が多いようですが、突然の訃報で準備が間に合わないときは葬儀・告別式でも大丈夫。

ただし、通夜と葬儀・告別式の両方で香典を渡すのはマナー違反です。弔事で同じ行動を2回すると「不幸が重なる」と捉えられ、遺族に悪い印象を与えかねないので避けてください。また地域によってはお葬式のタイミングで香典を出すため、念のため周囲に確認しておくと安心です。

受付が用意されていない場合は、香典を遺族に直接渡すか御霊前に供えます。御霊前に供えるときは、自分が香典の表書きを読める向きにしましょう。

香典の正しい渡し方

  1. 受付で記帳を済ませる
  2. 右手に袱紗を置き、左手で香典を取り出す
  3. 反時計回りに香典の向きを変える
  4. 静かな声で簡潔にお悔やみを伝える
  5. 両手で香典を手渡す

通夜・葬儀の会場で香典を渡す正しい手順は、こちらです。

受付で記帳を済ませたら、袱紗から香典を取り出し、相手が表書きを読めるよう反時計回りに香典の向きを変えます。そして、お悔みの言葉を添えながら、両手で遺族に香典を手渡すのがマナーです。

状況・立場別の香典の渡し方もチェック≫

1.受付で記帳を済ませる

通夜・葬儀の会場に到着したら、まずは受付を済ませてください。

受付で「この度はご愁傷様でございます」「お悔みを申し上げます」などのお悔みの言葉を述べて一礼。芳名帳に記帳を求められるので、名前と住所を記入しましょう。

2.右手に袱紗を置き、左手で香典を取り出す

香典袋は「袱紗(ふくさ)」と呼ばれる布に包んで持参します。弔事で使う袱紗は、紫や紺などの寒色系を選び、「左開き」で包むのが基本。袱紗を右手に置いて左手で開き、中の香典を取り出しましょう。

袱紗が手元にない場合は、ハンカチで代用しても問題ありません。ただ年齢を重ねるにつれて袱紗を使う機会は増えていくので、事前に用意しておくのが賢明。はじめて袱紗を購入するなら、弔事と慶事、両方で使える「薄紫色」を選ぶのがオススメです。

3.反時計回りに香典の向きを変える

香典を渡すときは、相手が表書きを読めるよう、向きを変えてください。

このとき、香典袋を反時計回りで180度回転させるのがマナー。慶事では時計回りに向きを変えるのですが、弔事では反対になります。

4.静かな声で簡潔にお悔やみを伝える

両手を添えて香典を持ったまま、受付係にお悔やみの言葉を伝えましょう。

故人を悼む葬儀の場にふさわしいトーンと声量、表情を意識するのが大切。また他の参列者の迷惑にならないよう、短時間で簡潔に済ませるようにしてください。

5.両手で香典を手渡す

お悔やみの言葉を伝えたら、必ず両手で香典袋を遺族に差し出します。香典を片手で渡すのは相手に失礼なのでNG。袱紗は受付台に置くか、香典の下に重ねてください。

香典を渡すときのお悔みの言葉

訃報を聞いた時のマナー

先述したとおり、香典を渡すときはお悔やみの言葉を添えるのがマナーです。声のトーンや言葉の表現など、いくつか注意点があるので、あわせて確認しておきましょう。

お悔やみは手短に伝える

お悔やみの言葉は、短く簡潔に伝えるように気を付けてください。長々と言葉を重ねると、葬儀の対応で忙しい遺族や他の参列者の迷惑になりかねません。また同様の理由から、受付周辺で話し込んだり、とどまったりするのも避けた方がベターです。

お悔やみの言葉として代表的な「この度はお悔やみ申し上げます」「この度は誠にご愁傷様です」などの言葉をかけて、速やかに受付を終わらせましょう。

声の大きさやトーンに気を付ける

お悔やみの言葉を伝えるときは、声の大きさやトーンにも気を配りましょう。元気で大きな声は、故人を悼む葬儀の場にふさわしくありません。また静かな会場では目立ちやすく、周囲の参列者からマナーに欠けていると思われる可能性もあります。

静かな声と落ち着いたトーンで、遺族にお悔やみの言葉を伝えてあげてください。

故人の宗教にあわせた表現にする

お悔やみの言葉は、宗教・宗派によってふさわしい表現が変わります

たとえば、仏式(仏教)で一般的な「御霊前」は、浄土真宗では失礼にあたる表現。故人は亡くなってすぐ成仏して仏になるとされているため、正しいのは「御仏前」です。

そもそも葬儀は、故人や喪家の宗教にあわせて執り行われる儀式。宗教によって葬儀の流れや作法、マナーが違うため、事前に忘れず確認しておきましょう。

忌み言葉・重ね言葉を使わない

忌み言葉の例重ね言葉の例
散る、去る、放す、切る、消える、終える、
無くす、落ちる、再び、忙しい、追って、
続いて、浮かばれない、生きているころ
重ね重ね、次々、度々、段々、色々、
またまた、ますます、いよいよ、
わざわざ、ときどき、くれぐれも

お悔やみを伝えるときに、「忌み言葉」と「重ね言葉」を使うのはタブーです。

忌み言葉とは、死や別れ、不幸を連想しやすく、縁起が悪いとされている言い回し。対して重ね言葉は、同じ単語を繰り返す表現で、「不幸が重なる・続く」という意味があります。

どちらも日常的に使う単語が多く含まれているので、事前に確認しておいた方が安心です。

香典を渡すときの注意点

香典には、渡すタイミングや手順、お悔やみの言葉以外にも、注意しておきたいマナーがあります。

香典の相場にあった金額を包む

関係性別の香典の相場金額(第6回お葬式に関する全国調査/鎌倉新書調べ)
関係性平均金額*最も多い価格帯2番目に多い価格帯
自分の親5.5万円参列したが香典は包んでいない10万円以上
自分の祖父母2.8万円参列したが香典は包んでいない5千円以上~2万円未満
自分の兄弟・姉妹3.5万円参列したが香典は包んでいない5千円以上~1万円未満
配偶者の親5.4万円参列したが香典は包んでいない5万円以上~10万円未満
配偶者の祖父母2.7万円参列したが香典は包んでいない5千円以上~1万円未満
配偶者の兄弟・姉妹3.1万円参列したが香典は包んでいない1万円以上~2万円未満
上司1.3万円5千円以上~1万円未満5千円未満
同僚1.2万円5千円未満5千円以上~1万円未満
部下1.3万円5千円未満5千円以上~1万円未満
友人・知人1.2万円5千円以上~1万円未満5千円未満
*平均金額は「香典を包んでいない人」を除外して計算しています。出典:第6回お葬式に関する全国調査(2024年/鎌倉新書)

香典の金額は、故人と関係性が近いほど上がり、遠いほど下がるのが一般的です。

鎌倉新書が実施した第6回お葬式に関する全国調査によると、香典の金額でもっとも高額なのは「自分の親」で平均5.5万円。次いで「配偶者の親」で平均5.4万円となっています。

また「自分の祖父母」は平均2.8万円、「配偶者の祖父母」は平均2.7万円。「自分の兄弟・姉妹」は平均3.5万円、「配偶者の兄弟・姉妹」は平均3.1万円でした。ただ身内の葬儀の場合、「参列したが香典は包んでいない」と回答する方も多く、立場や葬儀の形式によって香典の有無や金額が変わるので、注意してください。

会社の上司や同僚、部下、友人・知人などの香典は、平均1.2万円~1.3万円で1万円前後が相場です。

香典の金額相場は、地域や家庭の慣習によっても違うため、不安なら喪主や周囲と相談して決めるのがよいでしょう。

香典の書き方のマナーを守る

香典には、外袋(外包み)と内袋(内包み)があり、それぞれ書き方のマナーがあります。

外袋は、水引の上段に表書きを、水引の下段に名前を記入。表書きは、故人や喪家の宗教にあわせて書く必要があるため、注意が必要です。一般的な仏式であれば「御霊前」、キリスト教なら「御花料」、神式なら「御神前」と書きましょう。もし宗派がわからないのであれば、「御香料」「御香資」など、共通で使える表書きを書いておくのが無難です。

中袋は、表面に金額を、裏面に住所と名前を書きます。表面の金額は、旧字体の大字で「金〇〇円也」と書くのがマナー。包む金額にあわせて確認しておきましょう。

香典袋は袱紗で包む

香典を渡す手順でもお伝えしましたが、香典袋は袱紗で包んで持参しましょう。

袱紗には2つの役割があります。1つ目は、香典袋を汚れや型崩れから守るため。香典袋をそのままカバンや洋服のポケットに入れると、水引が崩れたり封筒が汚れたりするかもしれません。袱紗で包むことで、キレイな状態のまま、香典を遺族にお渡しできます。

そして、袱紗の2つ目の役割は相手に敬意を示すこと。遺族に対する礼儀の意味も込められているため、購入時の包装紙などで代用せず、必ず袱紗で包むようにしてください。

お通夜の前に香典を渡さない

故人と関係性が近いと、通夜の前に、遺族から弔問の案内をいただくケースがあります。故人と対面できる数少ない機会ですから、弔問に伺うのは問題ありませんが、香典は持参しないのがマナー。

通夜の前に香典を渡すと、「事前に用意していた=死を予期していた」と捉えられるかもしれません。あらかじめ弔問に伺ったとしても、香典は通夜や葬儀で渡しましょう。

葬儀に参列しないときの香典の渡し方

スケジュールや事情があわず、通夜・葬儀に参列できない方もいるかもしれません。葬儀に参列しないときは、代理人を立てるか、後日弔問に伺うかして、香典を渡すのもひとつの方法。ここでは、それぞれのマナーや注意点を解説します。

代理人に香典を渡してもらう

本来は本人が香典を渡すべきですが、参列が難しいなら代理人に託すことも可能です。代理人に香典を渡してもらうのは、マナー違反ではありません。欠席して何もしないより弔意が伝わりますし、ご遺族の方からも理解してもらえるでしょう。

ただ、代理人に香典を渡してもらう際は、必ず事前に連絡を入れておくこと。電話や弔電で「出席できないが、代理人に香典を託す」旨を伝えてあげてください。また香典袋には、贈り主がわかるように自分の名前を書き、左下に小さく「代」と記載するのがマナーです。

後日弔問して香典を渡す

葬儀に参列できない場合は、後日自宅へ弔問に伺うのもひとつの手です。
弔問する際は、事前に遺族へ連絡をとり、都合のよい日時に訪問するのがマナー。突然尋ねると、遺族側は準備が大変ですし、あまりよい印象を与えません。

また弔問のタイミングは、葬儀の直後を避けるのが重要。葬儀のあと、3日程度経ってから四十九日法要までの間に訪問するのが好ましいとされています。

香典を郵送するときのマナー

通夜・葬儀に参列できない場合、香典を郵送することも可能です。香典の郵送でも手順とマナーが決まっているので、確認しておきましょう。

香典を郵送するタイミング

香典の郵送が間に合うのであれば、通夜・葬儀の会場に直接香典を送って問題ありません。遺族が受け取り損ねないように、日時指定をしておくると確実です。

当日に郵送するのが難しいときは、喪主の自宅宛に香典を発送します。慌ただしい葬儀直後は避けるべきですが、遺族側が香典返しを準備したあとに届くと二度手間になるので注意が必要。葬儀が終わった数日後に届くよう、手配をするのが無難でしょう。

香典を郵送するときのマナー

  • きちんと香典袋に包む
  • 現金書留で発送する
  • お詫びの手紙を添える

郵送する場合も、香典の金額や書き方、包み方のマナーは変わりません。郵送だからと適当な金額を包んだり、封筒に書くからといって、香典袋に名前や住所を書かなかったりするのはタブーです。故人との関係性に応じた金額を包み、表書きや閉じ方のマナーもきちんと守りましょう。

通常通り香典を用意したら、直接渡せないお詫びを綴った手紙を添えて、現金書留の封筒に入れて送ること。普通郵便では戻ってきてしまうので、郵便局の窓口から、現金書留での発送を依頼してください。

【状況・立場別】香典の渡し方

香典の渡し方

香典は、状況や立場によって渡すタイミングやマナーが変わるので注意しましょう。ここからは、状況や立場別に香典の渡し方を紹介します。

会場に受付がない場合

身内だけで行う家族葬や、参列人数の少ない小規模な葬儀では、通夜・葬儀会場に受付がないパターンも珍しくありません。受付が見当たらないのであれば、遺族に声をかけて直接手渡ししてOK。もしくは会場のスタッフや世話役に香典をお渡ししてください。

自宅で通夜・葬儀がある場合

葬儀が執り行われるのは、斎場や葬儀場だけではありません。なかには、自宅でお葬式を行う遺族の方もいらっしゃいます。先ほどの例と同様、自宅葬では受付が用意されていないことが多いです。ご遺族に挨拶をするときに渡すか、御霊前にご自身で供えるパターンがほとんど。

遺族に直接渡す場合は、対応が落ち着いたタイミングを狙って、お悔やみの言葉を述べながら渡しましょう。ご霊前に供える場合は、焼香後にご自身で香典袋をお供えします。

後日自宅へ弔問に伺う場合

葬儀に参列できず、後日自宅へ弔問へ伺う場合は、故人に線香をあげてから香典をお供えします。このとき、香典の向きは、自分から見て正面に表書きが来るようにしてください。

もし置く場所に迷ったときは、遺族に直接伺うか、手渡しして構いません。「この度はご愁傷様でした。御霊前にお供えください」とお悔やみを伝えて、遺族へ香典を渡しましょう。

弔問に伺う時期や故人の宗教・宗派によっては「御霊前」はふさわしくありません。判断に迷うようであれば御霊前を使わず、「こちら、お供えください」といった断定を避けた言葉を選ぶのがベターです。

法要時に香典を渡す場合

法要とは、故人を供養するために行う仏教の儀式。故人が亡くなってから49日目の四十九日法要や、1年目の一周忌など、法要の際に香典を渡す方もいるかもしれません。

法要時に香典を渡す場合は、通夜・葬儀と同様、会場の受付で手渡ししましょう。葬儀から日数が経っているため、「お招きいただいてありがとうございます」といった言葉を添えて、香典を差し出してください。

会社から香典を出す場合

会社の関係者の訃報が届いたときは、勝手に判断せず、上司や同僚と相談して香典を出すか決めましょう。また複数人で香典を包む場合は、1人1人の金額をそろえるのが基本です。

会社の代表として香典を渡すのであれば、通常通り「この度はご愁傷様でした」とお悔やみの言葉を伝えながら、香典袋を差し出せば問題ありません。

親族として香典を包む場合

親戚として香典を包む場合も、通常の手順やマナーと変わりはありません。近しい立場だからといって、マナーを守らなくてもよいわけではないので気を付けましょう。ただお悔やみを述べるときは、「ご愁傷様です」ではなく「ご苦労様です」といったねぎらいの言葉を選んで大丈夫です。

香典を辞退されたときの対応

最近はコロナウィルスの影響もあり、身内だけで行う小規模な葬儀が増えています。また参列だけでなく、香典の受け取りも辞退する遺族も少なくありません。

遺族側から香典辞退の連絡があった場合は、ムリに渡さないのがマナー。故人や遺族の意向を尊重して、香典の持参は控えてください。

香典の渡し方でよくある質問

香典の渡し方の正しい手順は?

  1. 受付で記帳を済ませる
  2. 右手に袱紗を置き、左手で香典を取り出す
  3. 反時計回りに香典の向きを変える
  4. 静かな声で簡潔にお悔やみを伝える
  5. 両手で香典を手渡す

香典を渡すときの注意点は?

  • 香典の相場にあった金額を包む
  • 香典の書き方のマナーを守る
  • 香典袋は袱紗で包む
  • 香典袋は両手を添えて渡す
  • 通夜の前に香典を渡さない

などが、香典を渡す際の主な注意点です。

香典を渡すときのお悔やみの言葉は?

「この度はお悔やみ申し上げます」「この度は誠にご愁傷様です」などが代表的なお悔やみの言葉です。お悔やみの言葉は、声の大きさやトーンをおさえて手短に伝えましょう。また縁起が悪いとされている忌み言葉・重ね言葉は使わないようにしてください。

香典を渡すタイミングは?

香典を渡すタイミングは、通夜や葬儀の当日に渡すのが一般的です。両方参列する場合は、どちらか片方で香典を渡せば問題ありません。また通夜・葬儀に参列できないときは、後日弔問に訪れて渡したり、郵送したりする方法もあります。

香典はいくら渡すべき?

香典の金額は、関係性や地域によって異なります。一般的には近い立場の人ほど高額に、遠い立場の人ほど安価になる傾向があります。

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