故人への手紙は棺に入れていい?メッセージ例文とNGな副葬品

小林憲行【記事監修】
小林憲行

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  • 火葬を妨げず、故人への気持ちがこもった手紙は副葬品の代表
  • 故人への手紙は、出棺前、棺に花を入れて遺体を飾る際に入れる
  • 手紙の内容は、故人への気持ちを飾らず率直に書いてOK

手紙とは、時間をかけて文字を綴ることで自分の気持ちを客観的に見つめ、ある程度整理した上で、相手に伝えることのできる手段です。それは生きている人に対してだけではなく、故人に宛てて書く際にも変わりません。故人に向けて表した気持ちや祈りは、今後の自分やご遺族の心にも必ず何かを残してくれるでしょう。大切な人と悔いのないお別れをするためにも、どのようなことを心がけたらよいでしょうか。

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故人への手紙を棺に入れてもいいの?

場所をとらず、また火葬の妨げになる心配も少なく、何より気持ちのこもった手紙は、副葬品の代表とも言われます。棺に手紙を入れたい場合は、出棺前の「最後のお別れ」の時間、お花を棺に入れてご遺体を飾る際に入れるのが一般的です。

また、手紙ではありませんが、棺のふたを閉めた上に掛ける帯の裏面に、故人へのメッセージを記すことのできるものも登場しています。葬儀によっては、棺に直接メッセージを記すといった演出が行われることもあるようです。

故人への手紙のメッセージとマナー

手紙の内容には、故人に伝えたいあなたの気持ちを飾らず率直に書きましょう。

文章は短くても長くても構いません。また、封筒や便箋については、特に喪を意識したものを選ぶ必要はありません。故人の人となりや自分との関係(親せき、友人、恩師など)にふさわしく、礼にかなうと感じられるものであればよいのです。故人の好きだった場所の風景の写真やポストカードなどを用いてもよいでしょう。一人ではなく、連名で寄せ書きの手紙を入れることもできます。

故人が喜んでくれそうなことを考えることは、立派な供養の形のひとつです。

思いのこもったメッセージを綴り、最後のお別れの時まで心を尽くした手紙を準備することは、これからも故人が自分の心の中で生き続けてくれるひとつの道しるべとなるでしょう。

遺族でない場合、手紙を入れるのは承諾を得てから

自分自身が故人の遺族の場合は特に誰に断る必要もありませんが、そうでない場合はご遺族にひとこと「故人へのお手紙を入れさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか」とお伺いをし、承諾を得てから棺に入れましょう。その際、自分と故人との関係をできるだけきちんとお伝えしましょう。丁寧な挨拶を贈ることは、少なからずご遺族の励みとなり、故人への供養にもなります。

もし何らかの理由で棺に入れることがかなわなくても、誠実に気持ちをお伝えすれば、きっと墓地や仏壇など故人の魂の近くに届けてもらうことができるはずです。恥ずかしがったり気後れを感じたりする必要は全くありません。お別れに際しては、できるだけあとに悔いを残さないことが一番大切です。

故人への手紙以外の副葬品は?避けるべきもの

手紙以外にも副葬品を入れたい時にはどうしたらよいでしょうか。またその際、どのようなことに気をつけなくてはいけないでしょうか。

以下に、副葬品として避けなければいけないもの、入れてはいけないものの例を挙げます。

生きている人の写っている写真

一人で旅立つ故人がさびしくないように、家族や友人同士の写真を棺に入れることを望む方もいます。しかし俗説ながら、生きている人の写っている写真を故人と一緒に火葬してしまうことは、共に彼岸に渡ってしまうという観点から縁起が悪いとされます

ペットなど動物の写真は問題ないとされますが、ペットも大切な家族と考えれば慎重に行った方がよいでしょう。風景や食べ物のみが写っている写真は、副葬品として問題ありません。

厚い本

紙でできている本は一見、副葬品として悪くないもののように思えます。

しかし、厚みのある大型の書籍は大量の灰が出ることとなり収骨の妨げとなる恐れがあるので、棺に入れる前に遺族または葬儀社に確認をとる方がよいでしょう。どうしても故人の魂に添わせたい本は、火葬にせず墓前や仏壇にお供えするという方法もあります。

金属製品

故人が愛用していた時計や装飾品、眼鏡など金属製品の類は、火葬時にご遺骨を損傷させる恐れがあるため、棺に入れることはできません。そういったものは一般的に、火葬後にご遺骨と共に骨壺に収めるケースが多く見られます。

ボールやカーボン繊維を使用したスポーツ用品(ゴルフクラブや釣り竿など)も、火葬炉設備の故障の原因となるため入れることはできません。そうした愛用品をどうしても故人と共に送りたい場合は、写真に収めて棺に入れることもできます。

その他、常識的に考えて不燃物や危険物とされるもの、水分を多く含む果物などが火葬できないことは、多くの方が当然と思われることでしょう。しかし、大切な人を失って心が乱れている時には、冷静な判断をすることが難しいものです。もし周りに副葬品としてふさわしくないものを棺に入れたいという方がいた場合には、決して責めることをせず、遺族や葬儀社の人の意見も聞いて納得できる解決方法を探すのがよいでしょう。

故人への手紙は副葬品の代表

故人とお別れをする際の副葬品のマナーについて、副葬品の代表である「手紙」に関することを中心に解説いたしました。近年、葬儀の形はますます多様化しています。故人・遺族や親族・知人の皆が心安らかに見送り送られる形を探る中で、迷いを感じる場面に遭遇する場合もあるでしょう。葬儀についてお悩みがありましたら、どんな小さなことでもどうぞお気軽に、ご相談・お問い合わせください。

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