神社やお寺を参拝したとき、お賽銭の金額に迷った経験はありませんか。本来お賽銭の金額に決まりはありませんが、せっかくなら縁起のよい金額と正しいマナーできちんとお参りしたいところです。
この記事では、お賽銭で縁起のよい・悪い金額と硬貨を紹介。その他、お賽銭の意味や作法、平均金額など、気になる疑問を掘り下げて解説します。
目次
【神社・お寺】お賽銭の意味とは
お賽銭とは、願望成就のお礼や日ごろの感謝を伝えるために、神社やお寺に納めるお金のこと。お賽銭の「賽」には「神仏へのお礼参り」という意味があり、神仏から受けた恩恵のお礼に、お供えをする行為を指しています。古くは米や布を納めていたのが、時代の流れとともに金銭に変化しました。
またお賽銭を入れることで、穢れを払い、身を清める意味もあるようです。
神社とお寺でお賽銭はどう違う?
お賽銭は、神社なら神様、お寺なら仏様に捧げる金銭。どちらも神仏に納めるお金ですが、実は神社とお寺ではお賽銭の扱い方がすこし異なります。
神社へのお賽銭は、神様に日頃の感謝を伝えるために納めるお金。一方お寺へのお賽銭は、自分の欲を捨てる修行の意味をもち、お布施だと考えられています。
神社でお賽銭をしないのはNG?
神社におけるお賽銭は、あくまで神様への感謝を表すもの。気持ちを込めてお参りすれば、ムリにお賽銭をしなくても問題ありません。
もしお参りしたあとにご利益があったら、お礼参りとして後日お賽銭を入れると丁寧でしょう。
お賽銭で縁起のよい金額と硬貨
お賽銭の金額は語呂合わせで決める
お賽銭で縁起のよい金額
- 5円:ご縁
- 11円:いい縁
- 15円:十分なご縁
- 20円:二重に縁
- 25円:二重にご縁
- 35円:再三ご縁
- 41円:始終いい縁
- 45円:始終ご縁
- 50円:五重の縁
- 55円:五重のご縁
- 100円:百の縁
- 105円:十分にご縁
- 115円:いいご縁
- 125円:十二分にご縁
- 415円:よいご縁
- 485円:四方八方からご縁
- 111円:なんでも1番・一流
- 123円:上がり数字
- 777円:ラッキーセブン
- 2525円:ニコニコ
- 2951円:福来い
- 4129円:よい福
- 8981円:厄払い
- 9674円:苦労なし
- 10,000円:万事円満(新札)
- 割り切れない奇数の金額=家庭円満・夫婦円満
神仏へのお礼であるお賽銭は、本来金額に決まりがありません。ですがせっかくお参りするなら何かしら意味をもたせたいと、語呂合わせで縁起のよい金額を選ぶ方がほとんど。
とくに多いのは、「5円=ご縁」に関する語呂合わせの金額です。その他、「ニコニコ」「よい福」など、縁起のよい言葉に数字をあてはめた金額を納める方もいらっしゃいます。
ご自身のお願いや懐事情にあわせて、好きな金額を選んでお賽銭を入れましょう。
お賽銭にふさわしい硬貨は5円玉と50円玉
お賽銭で縁起のよい硬貨
- 5円玉
- 50円玉
5円玉と50円玉は、「穴が開いている=見通しがよい・運が通る」とされ、お賽銭にふさわしい硬貨です。お賽銭を入れるときは、5円玉と50円玉を組み合わせるとより縁起がよいとされています。
たとえば、5円玉4枚で「よいご縁」、5円玉3枚と50円玉2枚で「いいご縁」など、金額にあわせて硬貨を用意してみてください。
お賽銭でダメな金額と硬貨
お賽銭で縁起の悪い金額はNG
お賽銭で縁起の悪い金額
- 10円:遠縁になる
- 33円:散々な目にあう
- 65円:ろくなご縁がない
- 69円:ろくなことがない
- 71円:ない縁
- 75円:なんのご縁もない
- 79円:泣く
- 85円:やっぱりご縁がない
- 95円:苦しいご縁にあう
- 105円:当分ご縁がない
- 500円:これ以上の効果はない
お賽銭には、同じく語呂合わせで、縁起が悪いとされている金額があります。また、人から借りたお金でお賽銭をするのはよくないと言われているため、できるだけ避けましょう。
お賽銭で避ける硬貨は10円玉と500円玉
お賽銭で縁起の悪い硬貨
- 10円玉
- 500円玉
10円玉は「遠縁=縁が遠ざかる」、500円玉は「一番高額な硬貨=これ以上の効果がない」とされ、お賽銭にはふさわしくない硬貨。お財布に他の硬貨がないなら仕方ありませんが、10円玉と500円玉は避けた方が無難です。
お賽銭の正しいやり方と作法
お賽銭で入れる金額が決まったら、次は正しいやり方と作法が気になるところ。
ここでは、神社・お寺別にお賽銭のやり方と参拝方法を紹介します。
ただし参拝方法や手水の順番は、神社・お寺によって違うので注意が必要。境内や本堂で案内されている作法があれば、指示に従って参拝しましょう。
神社のお賽銭のやり方と参拝方法
- くぐる前に鳥居に一礼する
- 参道の端を歩いて拝殿へ進む
- 手水舎で左手→口→右手→柄杓を清める
- 拝殿でお賽銭を入れる
- 鈴・鐘があれば鳴らす
- 二拝二拍手一拝をする
- 名前と住所を添えて願い事をする
- 最後に一礼する
神社に参拝するときは、まず鳥居に一礼してから境内に入ること。また、参道の中央は神様の通り道だとされているため、端を歩くようにしましょう。手水舎に着いたら、左手→口→右手→柄杓の順番で心身を清めます。
拝殿ではお賽銭を入れたあと、鈴・鐘があれば鳴らしてください。神社のお参りは、二拝二拍手一拝が基本。深く2回お辞儀をしたら、右手を少し手前にずらして2回手を打ち、再び一礼をして神様に願い事をします。願い事をするときは、名前と住所を添えて伝えるのが大切です。最後に、神様へ敬意と感謝を込めて一礼し、拝殿を離れましょう。
お寺のお賽銭のやり方と参拝方法
- 山門の前で合掌して一礼する
- 敷居を踏まずに山門をくぐる
- 手水舎で左手→口→右手→柄杓を清める
- 常香炉があれば線香を供えて煙を受ける
- 本堂でお賽銭を入れる
- 鈴・鐘があれば鳴らす
- 合掌して一礼する
- 願い事をする
- 焼香台があれば焼香をする
- 最後に一礼する
お寺の山門に到着したら、合掌して一礼します。山門は俗世との境界とされていて、くぐるときは敷居を踏まないのがマナーです。また手水舎では、神社と同じ手順で心身を清めます。本堂の前に常香炉があれば、線香を供えて煙を受けましょう。
本堂でお賽銭を入れたあとは、鈴・鐘があれば鳴らし、合掌して一礼します。願い事を念じてから焼香をし、最後に一礼をして本堂を離れてください。
お賽銭の平均金額はいくら?
※at home VOX調べ
※転載元:初詣のお賽銭、いちばん多く出すのはどの地域? 最高金額は注目度47位の……
不動産情報サイト「アットホーム」が運営する「アットホームボックス」の調査によると、初詣のお賽銭の平均金額は170.4円。1位は100円で27.9%、2位は5円で19.2%と、回答者の約半数が100円か5円を選んでいます。
1年のはじまりを飾る初詣では、お賽銭を奮発する人が多いイメージがありますが、平均額はそこまで高くありません。語呂合わせで5円を選んだり、硬貨を1枚だけ入れたりする方が多いようです。
お賽銭の金額は高いほどご利益がある?
そもそもお賽銭は、神仏から受けた恩恵のお礼として納めるお金。神様や仏様への感謝の気持ちを表すものなので、金額に決まりはありません。
またお賽銭には、自身の穢れを清める目的もあります。お賽銭で大切なのは、日ごろの感謝と敬意を込めて神仏にお祈りすること。
高額なお賽銭が大きなご利益につながるわけではないので、ムリのない範囲でお納めしましょう。
本殿以外の賽銭箱にもお賽銭を入れる?
神社には本殿以外に、主祭神とゆかりの深い「摂社(せっしゃ)」や「末社(まっしゃ)」などの小さな社が建っています。
摂社や末社にはそれぞれ賽銭箱が設置されていますが、お賽銭は本殿だけで問題ありません。ただ社ごとに独自の言い伝えがあるため、時間に余裕があるなら、すべて回ってお賽銭を入れるのもいいでしょう。
電子マネーでお賽銭を払える?
キャッシュレス時代の波は神社仏閣にも押し寄せ、QRコードを設置したお賽銭箱が増えています。
スマートフォンでQRコードを読み取り、入力した金額をお賽銭として支払うシステム。近年、現金を持ち歩かない若者や外国人観光客が増えたことから、電子マネーによるお賽銭の需要が見込まれ、導入に踏み切る神社とお寺もあるようです。
たとえば電子マネーを導入しているのは、栃木県日光市の日光二荒山(ふたらさん)神社、京都府福知山市の海眼寺(かいげんじ) 、東京都港区の愛宕(あたご)神社など。まだまだ少数派ですが、成功事例となれば今後も増加するかもしれません。
神社やお寺はお賽銭をどうするの?
お賽銭で集まったお金は、主に神社やお寺の維持・運営に使われています。
神社仏閣には、社や本堂など古い木造の建造物が多くあるため、定期的なメンテナンスが必要。専門業者に依頼したり、高級な資材が必要だったりと、修繕や建て替えには多額の費用がかかります。また、お守り・お札の制作費や神職・巫女さんの人件費、宣伝広告費など、運営にかかる経費もお賽銭でまかなっているんだそう。
お賽銭は、神社仏閣を維持して未来につなげるために、欠かせない要素だといえるでしょう。
お賽銭で大切なのは日ごろの感謝を伝えること
今回は、よくあるお賽銭の疑問を取り上げて解説しました。
お賽銭とは、日ごろの感謝や願い事が叶ったお礼を伝えるために、神仏へ納めるお金。縁起のよい・悪い金額は語呂合わせですし、高額なお賽銭だからといって願いが叶うわけではありません。
神社仏閣にお参りしたり、初詣に行ったりするときは、お賽銭の本来の意味をきちんと理解したうえで、感謝と敬意を込めてお祈りしてみてはいかがでしょうか。