「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」作品集

母への手紙

親として娘として

島田 藤恵(北海道旭川市)39歳

お母さん
もうすぐお母さんと永久の別れをした日から、丸四年が経とうとしていますね。
四年経って、ようやくお母さんの写真に正面から対峙できるようになりました。
それまでは、「遺影」として写っているお母さんのことを認められなくて
どうしても目を反らさずにはいられませんでした。
今は、もう大丈夫。
一番上の子が産まれた時は、ずっとお母さんに頼りっぱなしで
二番目の子が産まれた時も、やっぱり助けてもらってばかりで
三番目の子が産まれた直後に、お母さんの病気が発覚したので
それ以降は、なるべく自分の力で育児をしようって思ってがむしゃらにやってきました。
気がついたら、もう末っ子も四月からランドセルを背負うようになりました。
自分の力で突っ走ってきたこの四年間を振り返ると
なんていうのかな、「寝ない」とか「食べない」とか
そういう、こどもが小さいうちの悩みが一段落して
少し楽になったなあと思えるようになってきました。
でもね、最近、別の悩みが出てきました。
こどもが大きくなったからこその悩み。
「私はこの子たちをどれくらい幸せにできるんだろうか」と
こどもたちの寝顔を見ながら考え、胸が苦しくなるのです。
別に頭がいいとか顔がいいとかスポーツができるとか
そういうのを抜きにして
それぞれがずっと楽しく笑顔で生きていってくれたら……。
これが、私の親としての強い願いなのに
どうしても、いろいろ期待してしまう。
「期待すること」、そのちょうどよいラインを探るのに今、模索しています。
「親業」って難しいね。
親になって初めて、私は父からも母からも
そのちょうどよいラインの期待をかけてもらっていたのだと
改めてわかったのです。
お母さんはどうやってそのラインを見つけたんだろう。
私と同じように悩んだりしたのかな。
お母さんと、そういう話をしたかったな。
お母さん
まだまだ親として未熟な私を、これからも空から見守っていてください。
時々、答えがわからなくなったり立ち止まった時は
お母さんの写真に問いかけるから、ヒントや答えをそっとおしえてね。


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