辛いこと、苦しいことがある度に、「頑張れ!!」というお父さんの声を思い出し、生きてくることが出来ました

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今は亡き父へ

父の応援

お父さんへ

お父さん、私が小学二年生のとき、一度だけマラソン大会の応援に来てくれたことがありましたね。マラソンがあまり得意ではなかった私が嫌々走っていると、学校近くの坂の途中で、突然、「由紀子頑張れ!!」という声が聞こえてきました。

私が声のする方を見てみると、郵便局の制服を着て黒いサングラスをかけたお父さんがいました。あの日は平日だったので、まさかお父さんが応援に来てくれるとは思いもしませんでした。

郵便配達員をしていたお父さんが、仕事の途中で応援に来てくれたことで一気にテンションが上がった私は、そこから数人を追い抜き、学年九位でゴールしました。私がマラソン大会で一桁に入ったのはそのとき一度だけです。本当に嬉しかった。

それから約一ヶ月後、お父さんが楽しみにしていた海釣りの準備をお父さんとお母さんと私の三人でしていると、お父さんはくも膜下出血で私の目の前で倒れ、そのまま意識を回復することなく天国に逝ってしまいましたね。

あれから三十七年、お父さんが生きた年月と同じだけの時が経ちました。その間、波瀾万丈いろんなことがありました。辛いこと、苦しいことがある度に、あのときの、「由紀子頑張れ!!」というお父さんの声を思い出し、なんとか生きてくることが出来ました。

ちなみに、お兄ちゃんの声はお父さんによく似ています。お父さんの代わりにいろいろ頑張っています。お母さんもいろいろありながらもちゃんと生きています。おばあちゃんはまさかの九十五歳、「ここまできたら百歳まで生きてやるわ!!」と元気です。

そして私ですが、三人の息子達に助けられながら日々頑張っています。私の寿命があと何年あるかわからないけれど、私が天国でお父さんに会ったときに、「お父さん、私頑張ったよ!!」と胸を張って言えるように頑張って生き抜きます。

お父さん、応援してくれてありがとう。

お父さんよりも年上になってしまった由紀子より

「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」より

「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」は、父母、祖父母、先生、友人、近所の人など。“あの人”とかつて一緒にいた時に言えなかったこと、想い出や、“あの人”が亡くなった後に伝えたくなったこと、感謝の気持ちなどを綴ったお手紙です。

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