お父さん……きついお仕事本当にご苦労さまでした。あなたと仕事ができてよかった

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今は亡き父へ

お父さんへ

お父さん。

私お父さんに謝らなきゃならない事があります。生きてる時はとても口には出せなかった。お父さんの仕事の事。小さい頃からそこそこ大きい運送業の結構上の地位にいたお父さん。休みの日は接待続きでなかなか家にはいなかったけど、一年に一度は旅行に連れてってくれて、バリバリ働いてるお父さんが自慢で小さい頃は友達によく自慢してた。

そんなお父さんがある日突然仕事を辞め運転代行業を始めた。思春期だった私はお父さんが仕事辞めて代行業をしてるって友達にも言えなかった。何となく恥ずかしいと思ってた。それから時が過ぎてくなかでも、私はどことなくお父さんを見下してしまってた。毎日毎日ひどい言葉をぶつけ、ひどい態度であたり……。それでも、お父さんは私に対し一度も怒る事なく笑顔で接してくれた。

そんなある日、私が本当にお金で困った時「ちょっと手伝うや?」て言ってきた。あの時はほんとに悩んだ。でも、本当にお金がいったので手伝うことにした。私は二種免許はもってないので、お客さんの車を運転した父を乗せて帰る仕事だった。それでね、私……本当に自分を反省した。

毎晩毎晩お酒に酔ってる方の相手をし、そんな方々をしっかり家まで送り届けるということがどんなに大変な事か……。そしてね、私お客さんから聞いたんだ。その方家について私の方まで来て伝えてったんだ。「あんたのお父さんねー、娘と一緒に仕事してる事すっごい自慢してたよー!幸せかー!って。そして、お父さんみたいな人柄はなかなかおらん。あがん人柄のよか人は初めてばい。やけんおいはお父さんにしか代行たのみよらんとばい」って。それもね、一人や二人やない。何人もの人が同じような事私に言いに来るんよ。

私嬉しくて嬉しくて。

それを聞く度にどんどん自慢のお父さんになってった。「でしょ⁈自慢の父です」て言った事もあるよ。

お葬式もそう。代行のお客さんまでもが来て下さり、予想の人数の数倍。椅子もたりないくらいの人の多さ。まさにお父さんの人望の厚さを身にしみました。

そして、代行業という仕事……本当にあんな大変な仕事だったなんて思ってなかった。代行をやってる方々を、今は本当に尊敬します。

そして、お父さん……帰りの山道で、二人で流星見たよね。「あ!!」て私が叫ぶとお父さん何でか照れくさそうだったね!「見た?!」て聞くと「もちろん、見たさ」なんて、クールに言っちゃって。

あの瞬間を私は永遠に忘れない。この歳で父と二人で流星を見ることなんて滅多に経験出来ない事だから。今でも星空を見る度にあの一瞬の素敵な時間を思い出します。

お父さん……きついお仕事本当にご苦労さまでした。そして、あなたと仕事ができてよかった。

あなたの娘でよかった。お父さん、大好きだよ!生きてる時に伝えられなくてごめんね。

「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」より

「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」は、父母、祖父母、先生、友人、近所の人など。“あの人”とかつて一緒にいた時に言えなかったこと、想い出や、“あの人”が亡くなった後に伝えたくなったこと、感謝の気持ちなどを綴ったお手紙です。

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