朝早く、病院から電話があり、母の意識が戻らないと。そして意識が戻らないまま、次の日旅立ちました

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今は亡き母へ

亡き母へ

私の母は、平成二十四年五月十日、七十五歳で亡くなりました。五年前の子宮ガンの再発でした。小さなガンだったので抗ガン治療をしていました。

その抗ガン剤を打っていた時に気分が悪くなり、途中で止めて家に帰る事にしたのですが、どうもいつもと違うと母は思い、自分から病院に戻ると言い出し、体中が痛いと訴えました。

痛み止めの点滴を打ったら、翌日は、普段の母になり、「無理してでも食事を取らないと」と言い口に運びました。夕食を終えると私に「後はねるだけだから帰っていいよ。」と言うので病院に母を残し帰りました。

それが母と交した最後の言葉になりました。

次の朝早く、病院から電話があり、母の意識が戻らないと。そして意識が戻らないまま、次の日旅立ちました。あっけない別れでした。母本人も死ぬとは思わないまま、逝ってしまいました。

私自身も後になって亡くなるとわかっていたら、手の一つも握ったり、背中をさすってやれば良かったと後悔しています。

私と母は、仲の良い親子と言えませんでした。私にとって母は、わがままであまり好きではなかったのです。母は、自分の思い通りに生きた人でした。好きなおどりを踊ったり、パチンコも大好きでした。でも、人に気を使い、みんなを笑わせていました。

今になって私は、母みたいに親しまれているだろうかと、亡くなって四年たっても惜しまれる母を羨ましく思います。いつも母の影にかくれていた父を見ていなかった私が今は母の代わりに見ています。母に今度は、父を後悔しないようにしっかり見ているからと言いたいです。

「おかちゃ! ありがとう。」

「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」より

「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」は、父母、祖父母、先生、友人、近所の人など。“あの人”とかつて一緒にいた時に言えなかったこと、想い出や、“あの人”が亡くなった後に伝えたくなったこと、感謝の気持ちなどを綴ったお手紙です。

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