【今年の締切は7月31日(月)】介護職員処遇改善加算・実績報告書とは?


今回は、介護事業所の社長さん向けに、介護職員処遇改善加算の実績報告書の提出月ですので、書類提出のポイントをお話したいと思います。

毎年出す義務があります。【実績報告書とは?】

実績報告書とは、毎月介護報酬と一緒に支給される、介護職員処遇改善加算について、1年間(4月~3月)にいくらもらったか?そして、その加算を、どのようにスタッフの給与アップに遣ったのかを報告するものです。

この加算額は、スタッフの給与アップ以外には使えないルールになっています。

そのため、実績報告書には、
1年間の加算額 < スタッフの給与アップ総額
となっているか?を報告します。

まず期日ですが、7/31(月)までに報告書を、行政に提出してください。

○ ポイント1 「実際の昇給額、手当額が、賃金台帳に載っていますか?」

社長さんが、28年度に、スタッフに支給した給与ついて、賃金台帳に記録されています。

28年2月末に提出した28年度の改善計画書に、給与改善すると具体的に定めた基本給額や手当の内容が、賃金台帳にしっかりと記録されているか?を確認して下さい。

実地指導では、この実績報告書と賃金台帳を照らし合わせて、その改善した事実を確認することになっています。
* 毎年の実績報告書には、この賃金台帳の添付は必要ありません。

実地指導前は、様々な確認作業がありますので、このややこしい処遇改善の書類群をチェックするのは、かなり厳しいと思われます。今のうちに、実績報告書と賃金台帳の整合性がとれているか?をご確認下さい。

実際に、社長さんが給与の改善内容について話をしている内容と、賃金台帳に記載されている内容とが、ずれていることも多いのです。

改善計画書はあくまでも計画なので、計画書と賃金台帳がずれていることは、仕方がありません。しかし、実績報告書と賃金台帳がずれていると、なぜ?どうして?どうなってるの?となってしまいます。

社長さんが、加算を着服しているのでは?と、妙な疑いを掛けられるケースもありますので、ご注意下さい。

○ ポイント2 基準月と比べて、28年度は、いくら昇給していますか?

これが、27000円の根拠になります(29年度からは1万円プラスされ、37000円になっています)。

平成21年度(交付金時代)から加算を取得しているところは、23年度の給与水準と比べます。

平成24年度(加算時代)から加算を取得したところは、加算を開始した年度の前年度と比べます。
これは、23年度(前年度)1年間の賃金台帳と、28年度1年間の賃金台帳を比べて、実質的にどれだけ賃金が改善したか?を明らかにすることになります。

ちなみに、この加算は、年収をベースにしていますので、ボーナス金額も基準に含まれます。

例えば、23年度基準が、
基本給20万円、ボーナス3ヶ月分(年2回)60万円という会社があったとします。

20万円×12ヶ月+20万円×3ヶ月=300万円となります。これが基準です。
(他手当はなし、残業代は含まず)

このスタッフに、28年度に基本給を月3万円増額して、ボーナス3ヶ月とした場合は、

23万円×12ヶ月+23万円×3ヶ月=345万円となり、
45万円増額、月あたり37500円の増額になります。
ところが、この年度内に、売上が下がり、結果としてボーナスの支給が2ヶ月分になった場合は、どうなるでしょうか?

23万円×12ヶ月+23万円×2ヶ月=322万円となり、23年度基準と比べると、22万円増額、月あたり18333円の増額になります。

年収ベースが基本ですから、ボーナスを削ってしまうと、支給総額が下がるため、この場合は、加算額が余ってしまい、全て遣っていない!と指摘されることになります。

売上が減ることで、加算額も減りますから、加算額が余らなければ問題ありませんが、余る場合は、他の手当などを支給することになります。
また、経営の悪化等により事業の継続が困難な場合は、介護職員の賃金水準を見直すことはやむを得ない事態となりますが、その内容を「別紙様式6 特別な事情に係わる届出書」を都道府県知事に届け出ることになります。

* 給与の基準を下げることが出来るのは、特別な事情だけになります、ご注意下さい。
* 詳しくは「介護職員処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」をご覧下さい。

先ほどの例ですと、基準の年収300万円を下げる場合です。
ボーナスを2ヶ月分減額することにした場合、年収260万円になります。

そして、この260万円を新たな23年度基準として、28年度と比べることになります。

○ ポイント3 研修計画に対する、実績報告を作成していますか?

介護職員処遇改善加算は、事業所が、職員の能力を上げるための研修の実施又は研修の機会を確保することを算定要件の1つにしています。

そのため、28年2月に計画した28年度の研修に対して、実際に研修をしたか?参加人数は?講師は?資料はあるか?実際の経費はいくら?などの、実績報告を作成して下さい。こちらの資料も、実地指導で確認されます。
* こちらも実績報告書に添付する必要ありません。

特に研修は、27年度改正の目玉でしたのでので、27年度、28年度の実績報告を事業所が作成していないと、実地指導で研修をしたかどうか?の確認が出来ません。

今回は、処遇改善加算についてお話ししました。

実績報告書の作成でお困りのことがありましたら、橋谷までご相談ください。


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橋谷創(スクナクリエイト代表/社会保険労務士・介護福祉士)

橋谷創(スクナクリエイト代表/社会保険労務士・介護福祉士)

医療法人で人事・総務・行政対応等、総務人事全般を経験。実地指導や監査対応も場数をこなし、対応策などについては独自の視点も交えながら的確なアドバイスに定評あり。また、ディマティーニ・メソッドの導入により、介護現場のモチベーションアップを後方支援。マネジメント研究に日々取り組んでいる。