遺骨ダイヤモンドとは?作り方や値段、必要なお骨の量を解説

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

ご遺骨から作る美しい人工宝石!〜変化する供養の形〜
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  • 遺骨ダイヤモンドは、遺骨・遺灰から生成する合成ダイヤモンド
  • 遺骨ダイヤモンドの値段は0.2カラットで45万円、1カラットで200万円ほど
  • 大切な故人やペットをいつも身近に感じられる手元供養品として人気

遺骨ダイヤモンドとは、故人の遺骨や遺灰から生成する合成ダイヤモンド。ライフスタイルや死生観の変化に伴い、大切な故人やペットを身近に感じられる新しい供養の形として人気を集めています。

この記事では、遺骨ダイヤモンドの製作工程や期間、値段などを解説。注意点も紹介しているので、遺骨ダイヤモンドの依頼を検討している方は、ぜひご一読ください。

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遺骨ダイヤモンドとは?人間の骨から作るダイヤモンド

遺骨ダイヤモンドは、故人の遺骨や遺灰に含まれる炭素から生成する合成ダイヤモンド。ジルコニアのような人工ダイヤモンドと違って、化学組成や硬度、輝きは天然のダイヤモンドと同じです。

1953年にアメリカで製法が発明され、現在はスイスやドイツ、ロシアでも製作されています「メモリアル・ダイヤモンド」「ダイヤモンド葬」とも呼ばれ、注目を集めている新しい供養方法です。

遺骨ダイヤモンドは手元供養の一種

手元供養とは、遺骨の一部または全部を、身近な場所に保管する供養方法。遺骨をミニ骨壺やオブジェに入れて自宅に置いたり、ペンダントや指輪に加工して持ち歩いたりする新しい供養の形です。

かつて遺骨は、先祖代々のお墓や新しく建てたお墓に納骨するのが一般的でした。しかし最近は、核家族化によるライフスタイルの変容や死生観の変化、経済的な事情などから、手元供養や散骨といった新しい供養方法を選択する方が増えています。

とくに手元供養は、故人を失った遺族の悲しみを癒す「グリーフケアとしても有効。遺骨や遺灰を入れる遺骨ペンダントはよく知られていますが、遺骨から生成する人工宝石をペンダントや指輪、ブレスレットなどのアクセサリーにすることもできます。肌身につけるアクセサリーは、いつも傍に大切な故人を感じていたい方におすすめです。

遺骨ダイヤモンドができる仕組み

前述した通り、遺骨ダイヤモンドは「合成ダイヤモンド」です。

天然ダイヤモンドは、地下100km、地球の奥深くで高熱と圧力を受けた炭素原子が結びつき、長い年月をかけて生成されるもの。対する合成ダイヤモンドは、炭素原子の結晶化を人工的に促進して、数日〜数週間で生成しています。

遺骨ダイヤモンドの原料は、遺骨や遺灰から不純物を取り除いた高純度の炭素成分。抽出した炭素成分を機械に入れ、長時間かけて高温・高圧処理をすることで結晶化し、合成ダイヤモンドを生成しています。

遺骨ダイヤモンドの製作工程と期間

  1. 専門業者に製作を依頼
  2. 遺骨のお預け(送付または手渡し)
  3. 遺骨から炭素を抽出
  4. ダイヤモンドの原石を作製
  5. 原石の研磨とカット
  6. アクセサリー加工
  7. 遺骨ダイヤモンドの完成・受取

遺骨ダイヤモンドの製作工程を簡単にまとめました。

遺骨ダイヤモンドは、国内の専門業者に依頼したあと、海外の工場で製作されるのが一般的。遺骨は郵送するか、自宅まで引き取りに来てもらうか、どちらかで専門業者に預けます。工場で遺骨ダイヤモンドが生成されたら、国内でアクセサリーに加工されて手元に届く流れが多いです。

また遺骨ダイヤモンドの製作期間は、ダイヤモンドの大きさ、遺骨の性質、受注状況などによって変わります。6か月が目安ですが、アクセサリーに加工する場合はさらに3週間程度必要です。

遺骨ダイヤモンドの色

遺骨ダイヤモンドの色は、遺骨・遺灰に含まれる成分によって変わります

無色透明なダイヤもありますが、炭素を抽出する過程で残った化学物資によって青みがかったり、空気中の窒素によって黄色になったりと、できあがるまで何色になるかわかりません。また、ホウ素を加えて青くしたり、赤や緑など希望の色でカラーコーティングしたりしてくれる会社もあります。

遺骨ダイヤモンドに必要な遺骨の量

遺骨ダイヤモンドを生成するのに必要な遺骨の量は、70〜400グラムほど
製作を依頼する業者によって違うため、一度問い合わせてみるのがおすすめです。

残っている・分骨できる遺骨が少ない場合は、遺髪から抽出した炭素成分を加えて生成することも可能。また、お墓に納骨していて火葬から時間が経った古いご遺骨でもダイヤモンドを生成できます。

遺骨ダイヤモンドで残った遺骨はどうする?

遺骨ダイヤモンドを製作するときに預けた遺骨は、すべて粉末化して炭素を抽出します。製作過程で遺骨そのものが残ることはないので、勝手に処分されたり戻ってきたりする心配は基本的にありません

遺骨ダイヤモンドで使用する遺骨以外は、一部だけお墓や納骨堂に納めたり、散骨したりして手元に残さないようにするとよいでしょう。

遺骨ダイヤモンドの値段はいくら?

遺骨ダイヤモンドの値段は「ダイヤモンド製作費+ジュエリー加工費」です。
ダイヤモンド製作費は、0.2カラットで45万円、1.0カラットで200万円前後。ジュエリー加工費は、7万円〜20万円ほどが相場です。

ただし、依頼する業者はもちろん、生成するダイヤモンドの大きさ、カット方法、個数、デザインなどによって値段が変わるので注意してください。

ペットの遺骨でダイヤモンドは作れる?

ペットの遺骨でも遺骨ダイヤモンドを製作できます。専門業者へ依頼する前に、ペットの遺骨にも対応しているか確認しておきましょう。

またペット専門の遺骨ダイヤモンド業者は、遺骨・遺灰以外の要素を使って生成してくれることも。小型犬や猫を飼っていて、遺骨・遺灰の量が足りるか不安な方は、相談してみるのがおすすめです。

遺骨ダイヤモンド以外の人工宝石

遺骨から、ダイヤモンド以外の人工宝石を生成することも可能です。
麗石(れいせき)と遺骨真珠、2つの人工宝石の遺骨量や値段、製作期間を紹介します。

麗石(れいせき)

麗石(れいせき)とは、遺骨と一緒に石英などの石の原料を高温で溶かして、結晶化させる人工宝石。別名「メモリアルストーン」とも呼ばれます。指輪やペンダントなどのアクセサリーの他、念珠やオブジェ、お守り石に加工が可能。色は無着色だけでなく、十数色から好みの色を選べます。

また麗石の製作に必要な遺骨量は、アクセサリーは約2g、オブジェは約10〜20gです。価格は10万〜15万円で、約1ヵ月でできあがります。

遺骨真珠

遺骨真珠は、遺骨を原料にしたセラミック核を使用して、養殖真珠と同じ工程で生成される真珠。核入れが初夏(5〜7月頃)、浜揚げが12月に行われ、翌年1月頃に依頼者へ納品されます。

核を作るために必要な遺骨の量は、約15〜30グラム。価格は約30万円で、90個のアコヤ貝に核入れが行われますが、形の整った綺麗な真珠になる確率は1〜2割程度です。

遺骨ダイヤモンドを作るときの注意点

遺骨ダイヤモンドにしたら元に戻せない

遺骨をダイヤモンドに加工したら、元の状態には戻せません
「やっぱりお墓に納めたい」「散骨すればよかった」などと後悔しないよう、最適な供養の形を考えたり、家族や親族で話し合ったりしたうえで、決断するのが大切です。

また、故人の遺骨を分けて別々の場所で供養する「分骨」も、あわせて検討してみましょう。遺骨を分骨すると、一部はお墓に納め、一部は遺骨ダイヤモンドにするなど、供養の幅が広がります。

遺骨の量によってはダイヤモンドに加工できない

遺骨ダイヤモンドを生成するのに必要な遺骨の量は、70〜400グラム。遺骨全体~5分の1くらいあれば問題ありませんが、骨の状態や量によっては足りない可能性があります。

とくに分骨する場合は、事前に必要な遺骨の量を確認して確保しておくこと。業者によっては、故人の髪を使ってダイヤモンドを生成することもできるので、一度相談してみるのがおすすめです。

紛失したり傷がついたりするリスクがある

自宅に保管したり、持ち歩いたりする遺骨ダイヤモンドには、紛失や傷のリスクがつきまといます。故人の遺骨から作っているぶん、遺骨ダイヤモンドを無くしたり傷がついたりしたときのショックは大きいです。リスクをきちんと把握したうえで、遺骨をダイヤモンドにするか判断してください。

ちなみに製作業者は保証書を発行してくれますが、基本的に製作工程や期間、品質などの情報が記載されているだけ。紛失や傷をカバーしてくれるわけではないので、注意しましょう。

遺骨ダイヤモンドで大切な故人をいつでも傍に

遺骨ダイヤモンドは、大切な故人をいつでも傍に感じられるアイテムです。費用や時間はかかりますが、悲しみを癒したり生きる糧になったりと、残されたご家族の支えになってくれるでしょう。

また、遺骨ダイヤモンド以外にも、遺骨を身近に置ける手元供養品はたくさんあります。少量の遺骨を入れるミニ骨壺やガラス容器、粉骨を納めるペンダントなど、ご自身の希望に沿った手元供養品を探してみるのもいいかもしれません。

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