【プロに聞いた!】何をすればいいの?リニューアル介護職員処遇改善加算の届出


今回は、今年の4月からリニューアルされた介護職員処遇改善加算の届出について、「具体的に何を整備するか?」について、お話をしたいと思います。

全国の事業所さんは、現在、この処遇改善加算の届出書類を作成されていると思います。今年度は、いつもの2月締切から、4/17(月)までに届出が延期されています。行政への届出をお忘れなく(消印有効では無く、必着となります)。

今年度から、新加算Ⅰがデビューしました。新しい要件Ⅲが追加されています。また、加算は4区分 → 5区分に変更になりました。

今回加算の届出をしないと、今までの加算Ⅰが自動的に、加算Ⅱに格下げされます。返戻(へんれい)にならないように、再度ご確認下さい。提供表に載せるために、ケアマネージャーさんからの問合せもあると思います。

この新加算Ⅰを取得するために、いろいろと事業所さんで、検討されていると思いますが、その具体的な整備内容について、お伝えします。

 

新加算Ⅰを取得するために必要な要件は?

新加算Ⅰを取得するために、以下の3つのキャリアパス要件をクリアする必要があります。

Ⅰ、キャリアパスを導入する(表の作成、規定を整備する)
Ⅱ、資質向上のための研修を行なう
Ⅲ、昇給する仕組みを作る

要件Ⅰ・Ⅱは27年度から導入されている要件ですので、旧加算Ⅰ(現加算Ⅱ)を取得している事業所は、すでに実施されていると思います。

今回の要件Ⅲですが、要する、どのような場合に、昇給するのか?を職員に明らかにする事が主目的になっています。
そのため「事業者において、以下の①~③のいずれかに応じた昇給の仕組み」を設けることになっています。

その3つの仕組みとは?

①「経験に応じて昇給する仕組み」 → 「勤続年数」「経験年数」などに応じて昇給する仕組み

②「資格等に応じて昇給する仕組み」 → 「介護福祉士」「実務者研修修了者」などの取得に応じて昇給する仕組み

③「一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組み」 → 「実技試験」「人事評価」などの結果に基づき昇給する仕組み(客観的な評価基準や昇給条件が明文化されていることを要する)

③はハードルがちょっと高いので、①②の中心として整備する事業所さんが多いかもしれません。もちろん①②③を組み合わせて実施してもかまいません。

それでは具体的に、何を定めて、何を変更するのか?ですが、しっかりと取り組むのであれば、就業規則にいくつかの条文を追加する事になります。

具体的には、基本給、給与改定(昇給)、役職手当、資格手当の条文を、変更もしくは追加します。

①であれば、基本給が「「勤続年数」、「経験年数」などに応じて昇給するので」、ある程度の勤続年数や経験年数を経ると、賃金が上がっていく仕組みになります。具体的には、「賃金表、賃金テーブル」を定める事になります。

②については、「資格の取得や昇格で昇給するので」、資格手当や役職手当の条文を作り、金額を定めることになります。

③については、「一定の基準に基づき定期に昇給を判定するので」、昇給(昇格)の際の、具体的な条件を定め、どのように評価するか?などを定めます。就業規則に例えば、「昇給額は、従業員の勤務成績等を査定の上、各人ごとに決定する。」として、詳細は他の規定に、まとめることになります。

 

要件をクリアするにはどんな方法があるの?

とはいえ、小規模の事業所さんで、賃金テーブルを作成するの!?来年の介護保険改正がどうなるかわからないから、具体的な金額は書きたくない……など、なかなか就業規則の条文という形で、変更はしにくいかもしれません。

私のクライアントさんも、さまざまな方法を採用されています。今回、昇給の仕組みを作る事が、加算アップの要件になりますので、それを整備する必要があります。ただ、どこまで整備するかは?事業所ごとに事情が異なりますので、なかなか一律にとは言いがたいところもあります。

行政が確認する場合は、就業規則やその他規定に明文化されているかどうか?ですから、できる限り就業規則や賃金規定に条文を入れられるのであれば、それにこしたことはありません。

ただ、そうは言っても……という事業所さんもあると思います。1つ代替方法としては、キャリアパス表を改変して(もしくは、がんばって作成して)、そのキャリアパス表に具体的な昇格条件や、年収(月収)などを載せ、それを活用すると良いと思います。

最終的には、介護職員さんがこれからどんな資格を取ったり、何をがんばると、どのように昇給するのか?もらえる賃金はいくらか?を知ることができれば良いわけです。職員のみなさんにキャリパス表を公開しているのであれば、これを積極的に活用する方向で考えてみましょう。

また、将来的には行政により、指導の1つとして、キャリパス表ではなく、就業規則に載せないとダメ!と言われるかもしれません。この変更点について、詳しく知りたい方は開業社会保険労務士専門誌 SR第45号(平成29年2月5日発売)に私が、「介護職員処遇改善加算の29年度の変更点と営業提案法」という記事を書いています。社労士さん向けの雑誌ですが、ご一読ください。キャリアパス表の見本も載せています(https://www.horei.co.jp/bg/sr.html)。

最後に、昨年28年4月から地域密着型通所介護に移行した事業所さんにお知らせです。

今回は、住所地の市町村に届出をすることになりますが、事業所に介護予防の利用者(要支援12)が居る場合は、住所地の都道府県にも届出することになります。2ヵ所提出します。介護予防の利用者全員が、総合事業の事業対象者に移行していた場合は、1カ所になります。

介護予防の利用者の管轄は、都道府県なので、都道府県にも届けをすることになるためです。ご注意下さい。

 

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橋谷創(スクナクリエイト代表/社会保険労務士・介護福祉士)

橋谷創(スクナクリエイト代表/社会保険労務士・介護福祉士)

医療法人で人事・総務・行政対応等、総務人事全般を経験。実地指導や監査対応も場数をこなし、対応策などについては独自の視点も交えながら的確なアドバイスに定評あり。また、ディマティーニ・メソッドの導入により、介護現場のモチベーションアップを後方支援。マネジメント研究に日々取り組んでいる。