介護保険外サービスについて – 後編


今回は、前回に引き続き介護保険外サービスについてお話ししたいと思います。

最近の介護のキーワードの1つに、「保険外サービス(選択的介護サービス・自費)」というのがあります。
業界用語では「混合介護の弾力化」というキーワードです。

前回は
平成 29 年4月 25 日 規制改革推進会議
「介護保険内・外サービスの柔軟な組合せに関する意見(介護サービスの質と利用者満足度の向上に向けて)」の資料から、一部抜粋して紹介しました。

デイサービスの保険外サービスは3つに分けられる

<デイサービス>
①事業所への送迎の前後又は送迎と一体的に保険外サービスを提供すること。
 買い物支援、外来診療支援、夕食の購入・提供等が考えられる。

②保険内サービスの提供を受けている利用者に対し、保険外サービスを提供すること。現在は理美容サービスのみ提供可能とされているが、理美容サービスに限る理由は乏しい。買い物支援やマッサージなど、原則として自由とするべきである。

③事業所の人員・設備を用いて、保険サービスを提供していない日・時間帯に保険外サービスを提供すること(たとえば認知症カフェなど)。また、同一事業所内に保険サービスを受ける利用者と保険外サービスを受ける利用者が混在すること(たとえば要介護認定が外れた高齢者に対する機能訓練など)。

その中の②について、もうちょっとお話ししようと思います。

 

保険内サービスと保険外サービスの同時提供について

②に関しては、保険内サービスを提供している時に、保険外サービスを同時に提供出来るのは「理美容サービス」のみです。ただ、これがOKになるのは、もう少し先になりそうです。

今年の10月から豊島区で、選択的介護のモデル事業が2年半始まります(実証実験)。この結果を元にして、33年の改定で、サービス提供時間中に、理美容以外の保険外サービスも算定出来るという方向に行くのかなと想像しています。

この豊島区のモデル事業についての資料は、「選択的介護モデル事業に関する有識者会議」に公開されています。
https://www.city.toshima.lg.jp/428/kuse/shingi/kaigichiran/1706071001.html

豊島区では、訪問介護サービスで、この選択的介護を以下の3つにテーマに分けて実施します。
現時点では、この保険外サービスも、ケアプランに盛り込んで、実施するようです。

サービス事業所側からすれば、保険外サービスなので、ケアプランに入れなくても・・と思うかもしれません。ただ、ケアマネジャーにプランに入れてもらえば、きっちり選択的介護の説明もされますから、説明の手間が省けたり、苦情などの対応も期待できます。

モデル事業だから、ケアプランに位置づけるのか?
それとも、今後は、ケアプランに位置づけなくても出来るのか?興味深いところです。

この3つのテーマとは、居宅内と居宅外と見守りサービスになります。

ⅰ)居宅内での選択的介護

指定訪問介護のサービスと、利用者や家族が選ぶ自費サービスを柔軟に組み合わせて、日
常生活を支援するサービス

ⅱ)居宅外での選択的介護

指定訪問介護のサービスと、自費の外出支援を組み合わせることで、利用者の意向に合わ
せた外出を支援するサービス

ⅲ)見守り等サービス

指定訪問介護のサービスに加えて、自費によるICT機器等を活用した見守り等のサービス

先ほどの有識者会議の資料、第4回 平成29年12月26日に
資料4:別紙参考資料「サービスメニュー案」(PDF:92KB)というのがあります。

このテーマを、具体的な選択的介護サービスまで落とし込んでいます。

訪問介護の現場では、利用者から様々な希望があり、このメニュー案を自費サービスとして、すでに提供している事業所さんもあるかと思います。

ただ、4月以降、訪問介護以外の、介護サービス事業者が(デイサービス等)がサービス提供時間外に、自費サービスとして、以下のメニューを提供することは可能になると思います。

 

4月以降、介護サービス事業者がサービス提供外に行える自費サービス

ⅰ)居宅内での選択的介護

・同居家族分の家事(調理・洗濯・掃除等)
・本人が行う同居家族分の家事の支援(調理・洗濯・掃除等)
・ペットの世話
・庭掃除や客間の片づけ
・電球・蛍光灯の付け替え
・電子機器(テレビ・エアコン・携帯電話等)の操作確認
・本人と一緒に食事をする
・本人の話し相手
・宅配・ネット注文サポート(ヘルパーが注文を支援する。)
・書類の確認・分別(本人と一緒に郵便物を確認、分別する。)
・日用品以外の買い物(ヘルパーが本人の日用品と合わせて、  
 日用品以外(家族分等)の買い物を行う。)

 

ⅱ)居宅外での選択的介護

・日用品以外の買い物(介護給付ではできないデパート等への買い物)へ 
 の同行
・趣味等(区民ひろばや図書館等)への同行支援
・散歩
・施設に入所・病院に入院している家族への面会・お見舞いの同行
・お墓参りへの同行
・外出先への送迎
・(介護給付では認められない)院内介助

 

ⅲ)見守り等のサービス

ICT機器を活用し、訪問介護サービスと組合せることで、見守り支援等を効率的・効果的に提供するサービス
例:ICTにより生活環境(室温や身体状況等)を把握し、訪問介護サービスの内容の改善に役立てる 等

上記の内容を見ると、確かに保険内(公費)では出来ないものばかりです。訪問介護は1対1サービスなので、ご本人の介護のみに限定されています。例えば、お食事も本人分しか作れません(家族の分を一緒に作ると不正受給になります)。
でも、上記のようなサービスを望んでいる人達は、かなりの数にのぼると思います。

このような、痒いところに手が届くサービスは、自費サービスとして利用者からお願いされやすいと思います。

このサービス例を参考にして、事業所さんの保険外(自費)サービスとして、準備されてはいかがでしょうか?

ただし、自費サービスを提供する時間にはご注意ください。

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橋谷創(スクナクリエイト代表/社会保険労務士・介護福祉士)

橋谷創(スクナクリエイト代表/社会保険労務士・介護福祉士)

医療法人で人事・総務・行政対応等、総務人事全般を経験。実地指導や監査対応も場数をこなし、対応策などについては独自の視点も交えながら的確なアドバイスに定評あり。また、ディマティーニ・メソッドの導入により、介護現場のモチベーションアップを後方支援。マネジメント研究に日々取り組んでいる。