吉川美津子のお葬式あらかると

Vol.33 新語となるか?「DIY葬儀」ってなに?

最近、「DIY葬儀について教えてほしいのですが」という取材が何件か続きました。某週刊誌での葬儀特集内に「DIY葬儀」という言葉が使われてたことから興味を持ったそう。たまたまその記事の端っこに私のコメントが掲載されていたため、相次ぐ取材にいたったと思われます。  
記事中では、いかにも私がDIY葬儀という言葉を造ったように書かれていますが、言葉を提唱したのはあくまで編集者。私は「すべて葬儀社にお願いするとしても、手がかけられるところは、少し手を加えてみたらいかがでしょう?」程度の話をしただけなのですが、それをDIYに結びつけてしまう点はさすが大衆芸能誌。「これはあり得ないかも」というシチュエーションが事例として紹介されているうえ、誤解を招きやすい表現が随所にあるため、正直お勧めできる記事とは言いがたく、特に費用面は金銭感覚に厳しい主婦向けに若干誇張されている点は否めません。ただ最近の葬儀の簡素化、小規模化、個性化などわかりやすく説明されていた点は評価できます。細かい点をチクチク指摘すより、個人的には、「手作り」にス枕花ポットを当てた雑誌の企画に対してエールを送りたいと思うのです。  

手作りといっても、棺や祭壇を自分達で制作しなくてはいけない訳ではありません。あくまで「できる範囲で」という意味。今どきの葬儀社は、線香1本、花1輪から葬儀で使用する食器にいたるまで準備してくれます。私がかつて勤務していた葬儀社でも、要望があればすぐに出せるように、枕団子や一膳飯の作りおきをしていたものでした。便利な世の中にはなりましたが、すべてを葬儀社に任せるのではなく、例えば故人が好きだった色をイメージして枕花を買ってみるとか、家族皆で枕団子を丸めてみるとか、ほんの少し手間を惜しまずできる範囲のことに着手してみる……というのが私が推奨する手作り葬儀。大切な人を亡くして、どうにもこうにも整理がつかなくなった気持ち……自分達でできる範囲のことでかまわないので、ほんの少し手を加えるだけで、こういった気持ちを少しコントロールできたように感じるそうですよ。


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