吉川美津子のお葬式あらかると

Vol.27 天皇陛下の意向「葬儀は簡素に」「火葬を希望」

4月下旬、宮内庁より天皇、皇后両陛下が自らの葬儀や陵(天皇、皇后が埋葬される墓)について、できるだけ簡素化するよう望まれているとの発表がありました。埋葬方法については江戸末期から昭和天皇まで土葬が続いていましたが、今回両陛下は火葬を望まれているそう。現代の日本では火葬率がほぼ100%に達していますし、歴史的にも天皇、皇后の火葬が数多く行われてきた背景を考えれば、両陛下が火葬を望まれることはごく自然な流れなのかもしれません。

天皇ではじめて火葬を行ったのは女帝である持統天皇。すでに大化の改新で「薄葬令」が出され、それにより殉死の禁止や天皇の陵にかける時間を7日間以内に制定するなど葬送については制限が加えられていたそんな時代。持統天皇は自らの葬儀に際して簡略化を進め、自身の墳陵を持たずに夫である天武天皇の墓に合葬されたと言われています。
武蔵野陵
気になる総工費についてですが、昭和天皇の武蔵野陵は、総工費は約26億円、葬送に伴う宮内庁分の費用は約6億7000万円、香淳皇后の総工費は約18億円。葬送を簡素化するとなると、どの程度まで費用が軽減されるのでしょうか?半分?それとも……。

天皇の葬送は、薄葬令で簡素化されたり、仏教とのかかわりが密になったり、歴史の節目で何度も形を変えています。両陛下と国民との距離を考えたら、歴史や伝統を根底に考えるとしても現代にふさわしい葬送の形がきっとあるはずです。

宮内庁では、今後約1年をかけて陵の規模や葬送のあり方について検討を行うとのこと。ちなみに、当初の発表では「夫婦が同じ墓に入ることを意味する合葬も検討」とありましたが、後に皇后さまが「陛下とご一緒の方式は遠慮すべき」とのお気持ちを示されたそう。ひとことで合葬といっても、さまざまな形態があるため、合葬という選択肢も視野に入れつつ埋葬方法を議論していくようです。


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