今は亡きあの人へ伝えたい言葉

今は亡きあの人へ伝えたい言葉

寄り添って、つれ添って

今は亡き夫へ あなたと別れて、七八八日、もうそんなに会ってないのですね。 今でも間仕切りのカーテンを、一枚そっと開けて、「まだ早いなー、もうちょっと寝るわ」と言って、寝室へ消えた姿が思い出されます。 「徹さん御飯ですよ」 と呼ぶと、必ず 「...
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天国のあなたへ

今は亡き夫へ あなたが天国に旅立ってから七年になります。 入退院を繰り返しながらも、愚痴一つ言わず、最後まで、夫として、父親として、頑張ってくれましたね。 二人の子供が生まれた時、「お前達にひもじい思いはさせない」と断言したあなたは、一生約...
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おじいちゃんのお好み焼き

今は亡き祖父へ 僕にはとても尊敬するおじいちゃんがいます。 僕はおじいちゃんが大好きでした。 その大好きなおじいちゃんは、二〇一三年十月秋のもみじがきれいな頃、天国に旅立ちました。 僕たちの手をにぎりながら眠りました。 おじいちゃんは、いつ...
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Yさん元気ですよ

今は亡き友へ Yさん、私は、元気ですよ。 K組のY所長を信頼して、長年にわたり三百億もの仕事を任せた地元F社のS会長もお亡くなりになって、既に四年が過ぎました。 F社も人手に渡り、当時の社員と会うことも少なくなりました。 S会長発注の仕事の...
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志田先生へ

今は亡き友へ 先生、奥さん、天国での暮らしは楽しいですか? 先生と奥さんの事だからそちらでも忙しく人助けなさっているのでしょうね。 「人間にとっての一番の幸せは誰かの役に立てる事だよ」 と、昔おっしゃっていましたね。 「年をとる事がなぜ淋し...
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三代つづく帯たたき

今は亡き祖父へ お祖父さん、梅雨季を迎え、私と息子は毎年恒例の浴衣姿で夕方から夜を過ごしています。 今日も亦、息子と共に着替えました。下腹の処で結んだ帯をくるりと腰に回し下腹の帯を軽くポンポンと叩く息子の姿を目にする度に、お祖父さん、あなた...
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天国のお母さんへ

今は亡き母へ お母さん、一緒に暮らした時が少なかった分、お母さんへの思いは強くなったのだよ。 六歳の時、父が死に、叔父に預けられ、ぼくは笑う事も喋る事も出来なくなったけど、寝る時は「お母ちゃん」と呟いていたよ。 五年後、引き取られ、毎日、「...
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大丈夫だよ、お母さん

今は亡き母へ いつも一緒にいたね。二十四年しか一緒にいられなかったけど、あなたは充分すぎるほど私を愛してくれました。 本当はもっと一緒にいたかった。もっと生きて欲しかった。もっと幸せになって欲しかった。 自分のこと、何も構わずに逝っちゃった...
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祖母へ

今は亡き祖母へ おばあちゃんが、黄泉の国に旅立たれて何年になるのでしょうか? 里紗が二歳の頃だから、もう十八年になるのですね。 彼女は、今度の冬に成人式を迎えます。い ・ ・・・まどきの女子大生になりました。 十八年というと、随分永い月日の...
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「ママ」と言わせてあげたかった……

今は亡き子どもたちへ ポット君元気ですか? 二〇〇七年の秋にママのお腹にきた子供がポット君です。 なぜポット君? まだ男の子か女の子か解らないのに、パパったら勝手に「絶対男の子だな」と決めつけて。 そして、名前の話になると「愛称で呼ぼう!」...
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実りのとき

今は亡き夫へ あっという間でしたね、ヒロさん。  出会い、結婚、別れと。共に過ごした二年間は、一気に駆け抜けてきた感じです。 神様がふたりのためにデザインしてくれた人生だと思いますが、一瞬の出来事のような気がして、ヒロさんと巡り会ったことす...
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野生の花が読書に目覚めた日

今は亡き父へ 二十七年も昔の出来事となってしまったお父さんとの永久の別れ……。それは途轍もない悲しみではありました。しかし、日を追うごとにお父さんの期待に応えよう、という思いが悲しみを凌駕していきました。 そして、今日、柔和な表情のお父さん...
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尊敬するお父さんへ

今は亡き父へ お父さんは私が十歳の時、ガンでなくなりました。まだ四十六歳でした。 私の上にお兄ちゃんが二人います。お兄ちゃんは高校一年と中学二年でした。 初めてがん病院でわかってから三ヵ月しかなかったです。 私も、小さかったのでガンがどうい...
今は亡きあの人へ伝えたい言葉

父さん、皮肉なものですね。二人きりで過ごした時に話すことは無かったのに、亡くなってからはいつも貴方に語りかけています。

七十四歳の体に鞭打って、細々と商売を続けていた父の唯一の楽しみは晩酌でした。乗り古した車で、朝から晩まで配達に駆けずり回っていた父。その疲れを癒すように静かに呑んで床に入るのが常。二十四歳の私は、せめて食卓に酒の肴を並べようと決めました。台所に立ったことは殆ど無く、出来合いを嫌う父が好むものを少し作るだけで精一杯。支度の途中で食欲を無くし、食べずに隣に居るだけ。無口な二人の食卓は静かな時間でした。
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お母さんは素敵な奥さん

今は亡き母へ お母さん、貴女が手を合わせていた山居神社に、お父さんと行ってきましたよ。 「お母さんがね、偶然見かけた神社でお参りした時、一所懸命手を合わせているから、『なにをお祈りしているの?』と聞くと、『こんな病気になって、お父さんに申し...
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待ち合わせ

今は亡き祖母へ “岩菊ばあちゃん。やっぱり仏壇って、要ると思うわ” お供えしながら、私は心の中で話しかける。 岩菊ばあちゃんの生涯は、波乱万丈だ。 病気がちな夫に代わり、男と同じだけの農作業をこなした。 それでも、貧しかった。 そのうち、会...
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三年の約束

今は亡き妻へ 来世で妻と再会したのなら、 「あれからずーっと独り身で暮らしていたの」 必ず疑いの目を持って尋ねるでしょう。 妻は「家族の平穏無事を考えて、三年間は妻帯せず穏忍自重した生活を送るのよ」と後に残す私を心配して言った。 ご近所でも...
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じいちゃん

今は亡き祖父へ 私の家は共働きだったため、よくじいちゃん家に預けられる事が多かった。 じいちゃんは、とっても怖くて、いつも怒ってて、台所で料理する時は必ず一升瓶片手に一杯飲んでから料理を始める姿があった。ご飯を残そうものなら、舌打ちされて残...
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おじいちゃんありがとう

今は亡き祖父へ おじいちゃんへ 大好きだったおじいちゃんが突然亡くなった知らせをうけたのは、五月の連休の初日でしたね。 元気な八十二歳のおじいちゃんは私の自慢でした。 群馬と新潟で離れていたから、年に数回しか会えなかったけれど、小さい頃ひざ...
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今は亡き母へ

今は亡き母へ 母は八十三歳まで健康で病気知らず。 農業ひとすじ。田んぼを作り、稲刈りも手刈りで、いつも「ニコニコ」笑顔の、誰からも好かれるかわいい母でした。 歌も好きで上手で、カラオケセットを買って唄っていました。 それが体調をくずして病院...
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頑張る優しい人

今は亡き夫へ ユタちゃん 両親に逢うこと出来ましたか。 八年前に帯状疱疹が現われ痛がっていましたが、原因が他にあるのではないかと他の科をたずね、腎臓内科で様々な検査をする間、帯状疱疹の治療は中止だったのか、体を丸めて耐えていましたね。腎臓、...
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未だ伝わってないよ

今は亡き夫へ 前略、親方が末期癌で入院し、毎日病室に入る時、私は決まって「生きてるかぁい」と言いながらベッドに近づきましたね。「おう! 今日も生きてるよ」これが私たち夫婦の合言葉。 でも娘には「何て不謹慎な会話なの? 信じられないよ」と怒ら...
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父への手紙

今は亡き父へ 私の父は私が生まれた昭和十九年四月十三日から二週間後に出征し、そしてその年の秋フィリッピンのレイテ島で戦死しました。 ですから、私は父とは、話したことも見たこともありません。 満州から引き上げてきて、母は私や自分の両親を養うた...
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三十年目の振袖

今は亡き祖母へ 天国のおばあちゃん。 おばあちゃんは縫い物が得意で、毎日、自分の部屋にちょこんと座って、人から頼まれた着物を縫っていましたね。 私が大学の時、課題だった浴衣の制作、教えてもらおうと持っていったら、「どれどれ?」と言って、一番...
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これでいいんだよ

今は亡き母へ お母 元気にしていますか? もうお母には二十年以上会っていませんね。 すごく会いたいよ。夢の中でもいいから会いたい。 お母、お父の命二度も助けてくれてありがとうね。 くも膜下出血した時はとても大きな動脈瘤で、奇跡的に少しだけ出...
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清貧に生きたる父へ

今は亡き父へ 今年の冬、秩父は未曾有の豪雪に見舞われた。 連日、雪掻きに明け暮れたが、その間私は、ずっと亡くなった父のことを思い続けていた。 父の亡くなった日も、葬儀の日も、前日からの雪が未明まで降り続き、大雪となった。葬儀の日には、地域の...
今は亡きあの人へ伝えたい言葉

日本橋

今は亡き友へ 毎朝、晴雨に関わらず、富樫社長は、目の前に見える日本橋を目を凝らして幾月も眺めておられましたね。 あのとき社長が私に呟くように言った言葉に、心のなかでいささか反抗しながら応えました。 いま思うと恥ずかしいことですが、やっとこの...
今は亡きあの人へ伝えたい言葉

生きるとは何か

今は亡き友へ 青葉若葉が光り、風薫る五月になりましたが、お健やかにお過しでしょうか。 私の近所では、田植えが始まり、カエルの合唱が、毎日の様に、聞かれます。 先生におかれましては、お変りございませんか。 私はおかげで元気に過しております。 ...
今は亡きあの人へ伝えたい言葉

亡き父にお礼の言葉

今は亡き父へ 父は今年の二月十二日に、享年九十歳で他界しました。 父に生前言えなかった二つのお礼を、この手紙で陳べさせていただきます。 一つ目は、私の結婚を許してもらったことです。 私は男二人兄弟の長男として、家督を継ぐものとして育てられま...
今は亡きあの人へ伝えたい言葉

博子さんへ

今は亡き子どもたちへ あなたが逝って四年目の春が廻ってきました。 あなたのポトスは、今年も春の到来を歓迎するかのように、各部屋の壁際を柔らかに這い廻っています。 あなたが残した植物の手入れをする度に、癌の宣告を受け、闘病の最中にも植物の世話...

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