今は亡き祖父へ
おじいちゃんへ
大好きだったおじいちゃんが突然亡くなった知らせをうけたのは、五月の連休の初日でしたね。
元気な八十二歳のおじいちゃんは私の自慢でした。
群馬と新潟で離れていたから、年に数回しか会えなかったけれど、小さい頃ひざの上に私をのせて、色々な話をしてくれたね。
亡くなる半年くらい前から私は仕事の疲れからウツ病になり、家から出れない状態。そんな中、おじいちゃんの悲しい知らせ。
感情のコントロールがうまく出来ない私は周りの人が涙する中、泣くことも出来なかったよ。
離れていてもいつも孫たちのことを考えていてくれたね。
亡くなってから、突然我が家にトイプードルの赤ちゃんがやってきました。
おじいちゃんが亡くなる前に
「朋子の病気のことはよく分からないけど、犬でもかったらどうだ」
と娘のお母さんに言ってくれたんだってね。
私はその子犬に、はると名付けました。
はるの散歩をすることから、家の外へ足が一歩出るようになり、外出出来るようになり、仕事へ復帰できたんだよ。
そのはるも、もう七歳。
私は三年前に結婚して今一歳の娘がいます。
はるは、娘のいい遊び相手です。
おじいちゃんがしてくれたように、たくさん娘をひざの上にのせて、お話をしてあげたいな。
私は今、幸せです。
もうすぐ、おじいちゃんの好きな夏がきます。
朋子
「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」より
「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」は、父母、祖父母、先生、友人、近所の人など。“あの人”とかつて一緒にいた時に言えなかったこと、想い出や、“あの人”が亡くなった後に伝えたくなったこと、感謝の気持ちなどを綴ったお手紙です。