大丈夫だよ、お母さん

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今は亡き母へ

いつも一緒にいたね。二十四年しか一緒にいられなかったけど、あなたは充分すぎるほど私を愛してくれました。

本当はもっと一緒にいたかった。もっと生きて欲しかった。もっと幸せになって欲しかった。

自分のこと、何も構わずに逝っちゃったから。私の心配ばかりして逝っちゃったから。何もしてあげられなかった私に「ありがとう」って言って逝っちゃったから。

いつも言ってくれたよね。「本当にありがとう」って。

私も今、すごく思うよ。「本当にありがとう」って。

沢山の思い出をくれてありがとう。

お母さんのおかげで毎日が楽しかった。

色々なことを知ったし、色々なことを教えてもらった。私が今、こうして当たり前みたいに生きている時も「生きたい」と強く願っている人がいるんだということ。健康でいられることのありがたさ。そして、命には、いつか終わりが来るんだということ。

「長生きして」と祈ることしか、不安で泣くことしかできなかった私に感謝してくれてありがとう。痛み、代わってあげられなくてごめん。病気の体で私を産んでくれてありがとう。女手一つで育ててくれてありがとう。あなたにもらった沢山の愛を、私は一生忘れません。

この前、夢にあなたが出て来ました。病気のあなたがもうすぐこの世を去ってしまうという夢です。悲しくて、淋しくて涙が出ました。泣きながら目が覚めて、机の上のあなたの写真を見て、今度は嬉しくて涙が出ました。夢の中に会いに来てくれたことが嬉しくて。

あなたのことを思って泣くのは、決してあなたがいない今後の人生が真っ暗で、先が見えないからなんかじゃありません。あなたに愛してもらった日々が、嬉しくて、愛おしくて泣くんです。

だから、これから私が泣いても、決して心配しないで下さい。私は大丈夫。あなたの娘だから。一度だって「辛い」とか「苦しい」と言わなかった強いあなたの娘だから、強く、たくましく生きていきます。

お母さん、いつか一緒に行こうねって約束していた京都に、去年一人旅をして来ました。何十年ぶりかの大雨だったけど、雨が上がった約束の地は、涙が出るほど美しかったよ。

どんなに苦しい時でも「大丈夫」としか言わなかったあなたの口癖は、いつしか私の口癖になりつつあります。

だから、大丈夫だよ、お母さん。天国で見守っていて下さい。

「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」より

「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」は、父母、祖父母、先生、友人、近所の人など。“あの人”とかつて一緒にいた時に言えなかったこと、想い出や、“あの人”が亡くなった後に伝えたくなったこと、感謝の気持ちなどを綴ったお手紙です。

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