ご逝去〜当日

ご逝去直後に最も注意したいのは、ご家族への対応です。
会社としては社葬執行に向けてスピードを求めがちですが、悲しみの只中にいるご家族への配慮を忘れてはいけません。担当者は社葬取扱規程に沿って速やかに行動しつつも、丁寧にご家族に寄り添い、できる限りサポートを行うことが大切です。
社葬執行の申し入れに同意が得られた後も、社葬当日まで連絡を密にし、ご家族との意思疎通に努めましょう。

ご臨終直後の社内対応の流れ

訃報を受けたら、緊急連絡体制、緊急連絡網に基づき、各関係者へ連絡していきます。
深夜に訃報が入った場合など、連絡すべきタイミングかどうか迷うことがあるため、あらかじめ急いで知らせるべき担当者や部署を決めておくと良いでしょう。
社外に情報が漏れると、葬儀に関する問い合わせが殺到したり、ご家族に迷惑がかかるケースもあります。ご逝去直後の連絡範囲や伝達内容を、社葬対応マニュアルにまとめて社内で共有しておきましょう。主な伝達内容は、亡くなった人の名前、年齢(享年)、逝去日などです。

緊急役員会の開催

ご家族の同意が得られ、正式に社葬の執行が決まったら、社葬取扱規程に沿って、速やかに準備を進めていきます。
まずは、社葬における基本方針を決めるため、緊急役員会を開きます。緊急役員会では、社葬の執行から規模や形式、葬儀社の決定などを行います。
社葬取扱規程で定めておいたものは、あくまでも概算や想定になるため、実際の社葬にかかる費用や人員などは、その都度承認のための決議が必要になります。社葬までの限られた時間の中で、緊急役員会を迅速に遂行するために、社葬取扱規程が役立ちます。
なお、緊急役員会の議事録は、社葬費用を経費として計上するために必要です。忘れずに作成しておきましょう。

<緊急役員会で決定する社葬基本方針>

  • 1.社葬執行の決定
  • 2.社葬の規模と形式の決定
  • 3.社葬の日時と場所の決定
  • 4.葬儀実行委員長の決定
  • 5.概算予算の決定
  • 6.香典や供花、供物の決定
  • 7.葬儀社の決定

社内通達・社外通知

新聞などに訃報記事が出たり、どこかから訃報が漏れると、外部関係者から問い合わせが殺到することがあります。問い合わせの対応に追われる事態を最小限に抑えるために、社内の情報伝達や共有は迅速に行う必要があります。
まずは、緊急役員会で決定した基本方針を社内に通達するため、担当部署から社葬に関する社内伝達文を全社員に提示します。社内伝達分を提示することで、社外からの問い合わせに対して統一した回答が可能になります。万が一、対応の仕方が分からないことがあった場合のために、各担当者の連絡先を共有しておくと安心です。

また、社葬に参列する社員の範囲を決定し、通達することも必要です。社葬に参列しない社員には、黙祷の時間を作ったり、支社や工場などの遠隔地の社員のために、別に拝礼の場を設けることもあります。その範囲に入らない一般の社員の中にも、最後のお別れをしたいということで参列を希望する人もいます。そのため、例えば総務部あてに申請することで、参列できることなども通達します。もちろん、社員の全員参加という企業もあります。また服装や参列の注意事項なども含まれるので、通達は複数回に分けて伝えるのがよいようです。

社葬に参列しない社員は、当日の朝礼の時に弔意を表す黙祷をする企業がほとんどです。またお客さまに対応する社内の社員だけ喪章を付け、喪に服す姿勢を社外に示すところもあります。供養の場として社内のロビーなどに故人の写真や花などを飾った仮祭壇を用意するところもあります。

社外通知に関しては、社葬連絡簿に基づいて案内状を送ります。新聞に訃報記事を載せる場合は、葬儀社か新聞社に直接連絡を入れましょう。

重要な取引先への通知

一般的には重要な取引先などの来賓や関係団体のトップ、故人と親しくしていた政治家などVIPには、社葬の案内状を発送します。届いたのを見計らって確認の連絡を入れます。基本的には出席できない場合は代理人が出るような形を取ることになっています。また葬儀式と告別式を分けて行うときには、告別式の案内状を出すことが多いようです。
原則として挨拶文は書かずに、葬儀または告別式の日時、場所、葬儀委員長、喪主、問い合わせ担当部署などを記入するだけにします。
社葬の周知ということでは、新聞に広告を掲載する企業も多いようです。葬儀の日時・場所などが決定したら、広告とは別にパブリシティという形で各新聞社などに社葬の情報をプレスリリースすることで記事として取り上げることもあります。なお社葬の広告は、式当日の2週間前ぐらいに掲載するのがタイミングとしてはいいようです。案内状は社葬の広告掲載の日よりも遅れないように調整します。

 

当日の進行について

社内通達・社外通知が終わった後、最も重要なのは、社葬進行要領を決定することです。社葬進行要領とは、葬儀実行委員長の指揮のもと、葬儀実行委員が中心となり、社葬当日の流れをイメージしながら、必要事項を具体的に決めていくことです。社葬の形式に応じた式次第やタイムスケジュールの作成、葬儀実行委員会の編成や役割分担、席次や拝礼順などを詰めていきます。
葬儀実行委員は、来訪対応係や遺族対応係、返礼品対応係や駐車場係などの係に分かれて動きます。総務や人事、秘書などの担当者は、葬儀実行委員の各係と連携を取りながら、弔辞の奉読依頼や案内状の送付などを進めます。名簿を作成し席順を決め、一般会葬者数を予測して、座席の数や駐車スペースを確保します。
社葬前日にはリハーサルを行い、社葬進行要領に従って、動線や時間配分を確認します。葬儀実行委員長が受付やクローク、席順や席数、供花や供物など、全体をチェックし、葬儀実行委員会のメンバー全員で最終打ち合わせを行います。
社葬での対応が、今後の取り引きに影響を与えないとも限りません。当日は細心の注意を払ってご対応してください。