お葬式を延期することはできる?

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

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お葬式を執り行う際には、まず具体的な葬儀の日程を決める必要があります。しかし、事情により葬儀の日程を延期する必要が生じることもあります。このような場合、通常の葬儀では発生しないことがらについて対応が求められることもあります。

この記事では葬儀を延期せざるを得ないケースや、延期の際に注意したいこと、ご遺体の安置方法などについて紹介していきます。

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葬儀の日程を延期するケースとは

葬儀の日程については、ある程度の延期も可能です。

葬儀の日程は、地域の慣習や火葬場の空き具合などの事情にもよりますが、一般的には故人が亡くなった当日または翌日に通夜を、その翌日に葬儀・告別式を行うという流れが多いです。しかし、さまざまな事情で、葬儀日程を延期せざるを得ないケースも発生します。

ただし、火葬をせずに延期する際には、冷蔵設備の整った安置施設の利用や、エンバーミングを施すなど適切な対応は必要ですし、無制限に日程を延期できるものではありません。先に火葬をしておいて、後日落ち着いてからお別れ会のような場を設けるという方法もあります。

友引のために葬儀日程を延期するケース

もっとも多いのは「六曜」の一つである「友引(ともびき)」が葬儀当日に当てはまる場合です。六曜は、もともと時間の区切りを表すものとして、中国で活用されていました。友引以外にも、大安・赤口(しゃっこう)・先勝(せんしょう)・先負(せんぶ)・仏滅の5つがありますが、それぞれの日で取るべき行動や避けるべき行為、運勢がよい時間帯などがあります。

友引という言葉に対して、「凶事に友を引く」「友を冥土に引き寄せる」などといった不幸を連鎖させるような印象を持つ方もおり、友引の日には葬儀を避けたいと考える方もいらっしゃいます。そのような影響からか、多くの火葬場でも友引を休館日として設定してきました。 実際には六曜は仏教とは関係はありませんし、友引の本来の意味も異なりますが、友引の日のお葬式を避けることはある種、慣習のように続いてきました。

火葬場の空き状況などによって葬儀を延期するケース

また、都心部などでは、希望する日程・時間で火葬場の予約が取れないこともあり、こういった場合も、葬儀を延期せざるを得なくなります。年末年始などで、火葬場に空きが少ない時期も同様です。

このほかにも、寺院や僧侶・参列者の都合、地域の風習、喪主の体調不良など、希望する日時で葬儀を行えず、延期する場合もあります。

時間をおいて、お別れの場を用意するケース

さらに、社葬やお別れ会などの大規模な葬儀を行う場合も、事前に遺族での葬儀は行った後に、時期を改めて行うケースが多くあります。

また、社葬など大型の葬儀に限らず、一般の方のお葬式でも四十九日後など、家族葬など身内だけでお葬式を行った後、時間をおいてお別れ会を開くケースも増えてきました。遺族の心の整理をつけるために時間が必要であったり、故人の希望を実現するために準備に時間をかけてお別れをしたいといった遺族の意向であったり、その理由はさまざまです。

感染症などの事情により死亡後24時間待たずに火葬する場合

このほか、2015年には厚生労働省から、感染症法( 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 )によって、万一、危険性が極めて高いとされる一類感染症などで亡くなった場合は、24時間待たずに火葬を行うという通知が出されています 。

もしこのような場合には、葬儀・告別式は先に火葬を行った後に遺骨を前に葬儀を行う、骨葬というかたちで行われるかもしれません。骨葬そのものは、現在も各地で行われています。また、お別れ会のようなかたちで、日を改めて開くことも考えられます。

葬儀までのご遺体の安置方法

葬儀の日程を伸ばす際に気がかりなのはご遺体の安置です。病院で亡くなられた場合、ご遺体を病院の霊安室に安置できるのは数時間というケースが多いようです。自宅や、葬儀場・斎場の安置室または安置施設に、葬儀までの数日間ご遺体を安置しておくこと必要がありますが、季節によってはご遺体の腐敗が進んでしまいますので、適切に対処しなくてはいけません。

自宅に安置する場合

自宅に安置する場合は、エアコンで部屋の室温を調節し、ドライアイスなど保冷剤を用いて遺体の温度を一定に保ちます。葬儀の日まで、定期的に葬儀の担当者に確認してもらって、ドライアイスの補充など適切な処置を依頼します。季節や環境によっても対応の方法は異なりますので、葬儀担当者のアドバイスに従いましょう。

安置室、安置施設で安置する場合

葬儀社の安置室または安置施設では、冷蔵保存ができる場合もあります。また、遺体安置施設を設けている専門の企業もあります。ご遺体の安置に特化した施設で、火葬するまで衛生的に安置することができます。このほか、火葬場に併設された安置施設などもあります。いずれの場合も、利用する際は葬儀社の担当者に確認してみましょう。

エンバーミングを施す場合

故人が元気だったころの姿でお別れしたいと希望する場合は、エンバーミングという技術を用いることもできます。エンバーミングを施すことで、常温で長期間の衛生的に遺体を保つことが可能になり、ドライアイスも不要になります。ただし、費用がかかるので家族や葬儀担当者と十分話し合うことをおすすめします。

葬儀の日程を決めるときに注意したいこと

葬儀の日程を決める際には、葬儀を行いたい日に火葬場や斎場・葬儀式場、そして僧侶の予定が空いているかどうかを確かめておく必要があります。そして参列をお願いしたい身内・友人・知人の都合を確認する必要もあります。とはいえ、どうしても事情が折り合わず、希望する日に行えない場合には次の方法があります。

ごく近しい身内のみで密葬・火葬を行い、改めて本葬・お別れ会を行う

葬儀を延期する期間が長くなると、ご遺体の安置に費用がかかってしまいます。その場合、先に近親者のみが集まって密葬と火葬を行い、後日改めて本葬を行う方法がよいでしょう。ただし、本葬の際に故人の顔を見られなくなるため、このことをあらかじめ参列者にきちんと知らせ、同意を得ておくことが大切です。

また、火葬場は、昼前後の時間帯がもっとも混雑する反面、この時間を避けると比較的予約が取りやすくなる傾向があります。そのため、これ以上延期できないという状況になった場合は、葬儀の時間を火葬の時間に合わせるという方法もあります。しかし、通夜・葬儀と火葬の順序はそれぞれの地域性もあり、こうした順序を変えることに抵抗を感じる方もいらっしゃいます。

檀家の僧侶以外の僧侶に導師を依頼する

菩提寺(その家のお墓があるお寺)があれば、その寺院の僧侶に葬儀の導師を依頼することが多いです。しかし、どうしても僧侶の都合が合わないことや、菩提寺が遠方にあって住職が出てこれないケースもあります。このような場合は、僧侶から別の寺院の僧侶を紹介してもらうとよいでしょう。

また菩提寺のない方には、僧侶を紹介してくれるサービスもあります。ただし、菩提寺がある場合、そうしたサービスを利用することで後々、トラブルが起こる可能性もあるため注意が必要です。

まとめ

2020年3月16日に東京・港区の青山葬儀所で行われる予定だった元プロ野球監督の故野村克也さんの告別式が新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期されることになりました。

今回のようなケースだけでなく、さまざまな事情によって、葬儀の延期を避けられないこともあるでしょう。やむを得ない場合は後日、落ち着いてから日を改めてお別れ会を開くという方法もあります。いずれの場合もご家族や親族間でよく話し合い、参列される方への連絡をしっかりと行うなど、トラブルの内容に対応していきましょう。

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