自宅で遺体安置する方法は?遺体は何日もつ?6つの注意点を解説

小林憲行【記事監修】
小林憲行

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  • 自宅安置とは、葬儀を行うまでの間、自宅で遺体を保管しておくこと
  • 自宅で遺体安置をするときは、場所や方角、枕飾りなどの作法を守って
  • 自宅安置をするときにもっとも重要なのは、遺体の冷却と保存

自宅安置とは、息を引き取った後から葬儀を行うまでの間、自宅でご遺体を保管しておくことを指します。葬儀社と契約している場合は遺体安置所に搬送されますが、故人や遺族の希望で自宅に安置することもあります。今回は、自宅で安置する場合の方法や、押さえておきたいポイントについて解説します。

また、安置だけでなく自宅で葬儀を行うことももちろん可能です。

>>自宅葬とは?-流れとメリット・デメリット

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自宅で遺体安置する6つのポイント・注意点

自宅で安置する場合には、いくつかの決まりごとがあります。地域性もありますし住宅事情によってもできること、できないことはありますが、ここでは一般的な作法、するべきことをご紹介します。

自宅で安置するときのポイント

ご遺体を自宅に安置するときは、以下の点に注意して行います。

安置する場所

自宅に仏壇がある場合は仏壇の前に安置し、ない場合は座敷など畳のある部屋に安置します。布団に新しいシーツと枕カバーをかけて、ご遺体を寝かせます。布団は生前に使っていたものでかまいません。また、ベッドを使用していた場合はベッドでも問題ありません。シーツや枕などに使用する布は白で統一します。

北枕、もしくは西枕になるようにする

北枕が無理な場合は、西に枕を整えます。住宅事情などにより、それが無理な場合は自然な向きに寝かせても問題ありません。
枕は無くてもかまいませんが、使う場合はあまり高くないものを選びましょう。そして、掛け布団は天地を逆さにしてかけます。ご遺体を温めないように薄い布団を選びましょう。

手は胸元で合掌させて数珠をもたせる

顔に白い布をかぶせ、手は胸元で合掌させてそこに数珠をかけます。数珠には、煩悩を消すという意味が含まれています。

布団の上には守り刀を置く

布団の上には、魔よけとされている守り刀を置きます。魔物を払い、数珠の効果とともに、故人が死後の世界へ無事にたどり着けるようにするという意味合いがあります。守り刀は葬儀専用の模造品などを用いますが、自宅にある小さなナイフやカミソリといった刃物でもかまいません。

>>守り刀とは

枕元に枕飾りを供える

ご遺体の枕元には、小さな机に白い布をかけた祭壇を設けます。そこに香炉・ろうそく・水をいれたコップ・花立て・一膳飯をお供えするのが一般的です。このとき、ろうそくと線香の火を絶やさないように気をつけましょう。

神棚封じ

自宅に神棚がある場合は、神棚の戸を閉じて半紙を貼っておきます。これを『神棚封じ』といいます。戸を閉じて封印するときは、画びょうは使わずにテープなどでとめるようにしましょう。
神棚封じの目的は、死の穢れ(けがれ)が神棚という神聖な場所に入り込まないようにするもので、神道の考えから来ています。神棚封じの間はお供えや礼拝なども行わないようにして、忌明けになったら半紙を取り封印を解きます。

自宅で遺体安置をした場合の末期の水

末期の水は、「亡くなった方があの世でのどが渇いて苦しまないように」という願いが込められている儀式です。末後の水をとるタイミングは、亡くなられた直後の病室や出棺前、自宅安置が整った後などさまざまで、宗派などによって異なります。

ここでは、自宅安置した場合の末後の水のとり方をご紹介します。

1.箸の先に脱脂綿を巻き付けて、糸でくくります。

2.お椀などに水を汲み枕元に置いて、箸先の脱脂綿を湿らせます。

3.脱脂綿でご遺体の口を水で潤します。
このとき、上唇の左から右へ脱脂綿をあて、次に下唇を左から右へあてます。

4.最後に、故人のおでこ、鼻、顎の順に拭きます。

お箸のほかに、筆や綿棒、しきみの葉、鳥の羽などを使う方法もあります。地域によって用意するものや手順が変わることがあるので、迷ったときは葬儀社などに相談してみましょう。

自宅で遺体安置するときは冷却と保存が重要

最も注意しなければならないのは、ご遺体の冷却と保存です。これにはドライアイスと室温管理がポイントとなります。
腐食を遅らせるため、ドライアイスをご遺体の周りに置きます。室温を下げるためではないので、室温管理も同時に行わなければなりません。
春夏はエアコンなどを使用して室温を18℃以下に保つようにします。冬は暖房の使用を控えます。加湿器は室温を上げてしまうため、控えた方が賢明です。ご遺体の腐食を進ませないためにも、必ず室温の管理を行うようにしましょう。

自宅で遺体安置をして最後の時間をゆっくり過ごそう

自宅安置は、遺族が人目を気にせず思いきり泣いたり話しかけたりでき、故人との最後の時間をゆっくりと過ごせるというメリットがあります。また、「自宅に戻りたい」という故人の願いも叶えることができます。しかしその反面、注意しなければならない作法があるのも事実です。
自宅安置でなにかお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。葬儀に関することなら、どのような疑問にもお答えします。

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