死亡後・葬儀後の手続き一覧:期限がわかるチェックリスト付

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

記事を先読み
  • 死亡後の手続きで重要なのは、死亡診断書・火葬許可証の受取や死亡届の提出など
  • 法律や保険関係の手続き以外に、挨拶回りやお墓・仏壇の手配も必要
  • 死亡後の手続きチェックリストを使って、抜け漏れがないように注意

家族が亡くなった後、葬儀を行うまでに遺族が行わなければならないことの中には、いくつかの手続きがあります。

最も重要な手続きには、死亡診断書などの書類を受け取りのほか、死亡届の提出、火葬許可証の受け取りなどがあります。また葬儀の後にも、遺産相続に関連した手続きなどがあります。

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死亡後の手続き①死後手続きと死亡診断書の受け取り

まず遺体を安置する場所を決めます。通常は葬儀を依頼する葬儀社に安置先への搬送も依頼します。

家族が亡くなるとまず遺体を安置する必要があります。病院や施設など故人がいる場所と安置先が離れている場合には、葬儀社などに遺体を搬送してもらわなければなりません。

通常は葬儀を依頼する葬儀社に安置先への搬送も依頼するのが一般的です。そのため、どなたかが亡くなった場合にはまず、遺体の搬送や安置、そして葬儀を依頼する葬儀社を決めます。

同時に、葬儀の準備だけでなく、さまざまな手続きや届け出も必要です。主な手続きには次のようなものがあります。

死亡診断書(死体検案書)の受け取り

人が亡くなった際には、医師に死亡診断書を作成してもらいます。死亡診断書には、亡くなった日時や場所、死亡の原因などが記載されます。死亡診断書の作成には、「人間の死亡を医学的・法律的に証明」することと、「死因統計作成の資料」という意味があります。

事故など生前に診療していた傷病以外の理由で亡くなった場合は、死体検案書が交付されます。

どちらも同じ様式のもので、表題には「死亡診断書(死体検案書)」とあります。使用する場面に応じて、どちらか一方を二重線で消して作成します。

医師が死亡に立ち会えなかった際は死後診察を行い、故人が診療中で、生前に診療していた傷病で亡くなったということが判定できる場合は、死亡診断書が交付されます。

また、自宅で亡くなった場合も、医師に必ず死亡診断書を書いてもらう必要があります。

この死亡診断書は、市役所・役場に提出すると戻ってきませんので、死亡保険金を請求する場合はコピーをとるか複数枚発行してもらいます。

病院で亡くなった場合の死後手続き

遺体を搬送する手配ができたら、病院での精算をすませ死亡診断書を書いてもらいます。

この死亡診断書は、火葬、または埋葬の許可を取る際にも必要です。
遺体を搬送する際には、死亡診断書の携行が義務付けられているともいわれますが、法的な根拠については定かではありません。いずれの場合も、搬送の際に死亡診断書を持っている人が同乗すれば問題はないでしょう。

また、入院していた場合など費用の清算や退院の手続きなども行います。

自宅で亡くなった場合の死後手続き

自宅などで療養中に息を引き取った場合はかかりつけの医師に連絡します。

また、かかりつけの医師がいない場合は救急車を呼び、病院まで搬送します。医師が死亡を確認すると、死亡診断書を書いてもらいます。

ただし、特に療養していないのに突然亡くなったり、事故や自死などの理由で亡くなった場合は遺体を動かさずに警察に連絡します。このような場合、監察医・検視官が検死を行います。かかりつけの医師がいる場合は、そちらにも連絡しておきましょう。

事故・自死・検死を受ける場合は死体検案書を受け取ります。

エンジェルケアを依頼する

病院で亡くなった場合、遺体は清拭されるのが一般的です。これをエンジェルケアと呼ぶ場合もあります。看護師など医療従事者がどこまで行うかは病院によります。在宅の場合には希望に応じて看護師に依頼します。

病院で清拭した場合も、葬儀社のスタッフが改めてお清めすることが多いです。さらに、葬儀のオプションのサービスとして湯灌(ゆかん・シャワーなどで故人の遺体を洗い清めること)などを行う場合もあります。

死亡後の手続き②葬儀の準備・打ち合わせ

遺体を安置し、枕飾りを整えたら、葬儀社と打ち合わせをし、葬儀の日程を決定します。この時、菩提寺の予定も確認します。

遺体を搬送したら、安置をします。一般的には、遺体は宗派の作法やそれぞれの地域の習わしにのっとり、枕飾りを整えます。

自宅に安置する場合、故人が使っていた布団に新しい白色のシーツをかぶせて寝かせます。掛布団や枕なども白色のものを使用しますが、これら必要なものは葬儀社が用意してくれる場合もあります。

自宅に安置できない場合は、斎場や安置施設で安置となります。もしもの時のために、可能であればあらかじめ決めておくとよいでしょう。

菩提寺への連絡・打ち合わせ

菩提寺に連絡し、都合を確認します。同時に葬儀の担当者と打ち合わせを行います。

葬儀を行う日時、場所、葬儀の内容の確認などを行います。葬儀会館など場所を選ぶ際には、参列者の人数や交通の便なども考慮しましょう。

関係者への連絡

葬儀の内容が決定したら親せきや故人の関係者、勤務先などに連絡を行います。また町内会・自治会に入っている場合は、責任者にも連絡しておきましょう。

死亡後の手続き③死亡届と火葬許可証の提出

火葬を行うにあたっては、まず役所に死亡届を提出します。死亡届提出の期日は「死亡の事実を知った日から7日以内(国外で死亡したときは,その事実を知った日から3ヵ月以内)」と定められています。

また死亡届の提出の際には死亡診断書(死体検案書)の提出が必要になりますが、死亡届は死亡診断書と一体になっています。A3の用紙の右半分が死亡診断書、左半分が死亡届です。

死亡届は故人の本籍地、死亡した場所、届出人の現住所のうちいずれかの市区町村役所に提出しましょう。死亡届を提出しなければ火葬許可証が発行されないので、なるべく早めに提出します。

休日や夜間でも提出可能です。なお、提出の際には届出人の印鑑も用意しましょう。

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火葬許可証の交付

死亡届が受理されると、その場で火葬許可証が交付されます。火葬許可証は火葬をする際に火葬場の受付に提出します。火葬が終わると、埋葬許可証となり納骨の際に必要なので必ず受け取りましょう。

死亡後の手続き④葬儀後の対応・挨拶回り

精算・台帳整理

精進落としの後すみやかに、芳名帳、香典帳、香典、供花・供物帳、弔辞弔電、支出金の領収書などを世話役から受け取り、事務の引き継ぎをします。
特に現金の授受は、後のトラブルを避けるためにもしっかり確認し合う事が大切です。 引き継いだ書類は大切に保管し、また葬儀社の見積もりや明細書、請求書なども受け取っておきます。
葬儀が終わって一段落したら、葬儀費用の支払いを行います。
支払い方法は現金が多いですが、最近ではクレジットカードを利用できる場合もあります。

支払い

精進落としの後、世話役の皆さんに「お車代」として謝礼を手渡します。
これは世話役代表以外は一律にします。
金額は時代の移り変わりで多少の変動がありますから葬儀社の人に聞いてみるのもよいでしょう。
さらにお手伝いしてくれた近所の奥さんたちにも心づけを渡します。
葬儀社への支払いは後日請求書が来ますのでそれからでよいです。
その他、斎場や仕出し店の精算も忘れずに早めに済ませましょう。
言うまでもなくこれらのものはすべて明細書や請求書をよく確認し、領収書をしっかり貰っておき、保管しておくことが必要です。

挨拶回り

つい後回しになりがちな「お付き合い」の部分も確認しましょう。ないがしろにしては思わぬトラブルに発展することもあります。時間のあるときに下記の3つを済ませておきましょう。

  • お寺へのご挨拶
  • 勤務していた会社、親戚や近所等々への挨拶回り
  • 香典返しを送る

あいさつ回りはできるだけ早い時期に済ませます。喪主か遺族はお世話になったご近所に挨拶回りをします。無理なら翌日でもいいのですが、時間があればその日のうちに済ませてしまいましょう。

服装は質素なものであれば平服でも構いませんが、男性は必ずネクタイは着用しましょう。
まず寺院や自治会長(葬儀委員長)のお宅、それから故人と関係が深い順にまわるのがよいでしょう。
手伝っていただいたり、供花、お供物、弔電をいただいたりした近隣の方へのご挨拶も忘れずにしておきたいものです。
服装は地味なものを選び、特にお世話になった方には、お礼の品を持参する場合もあります。
故人の勤めていた会社には挨拶状を送るだけでもいいですが、出来れば日を改めて挨拶に伺いたいものです。
また、葬儀の連絡ができなかった方や連絡を遠慮した方には、葬儀後に死亡通知を出します。 この間他の遺族の人も手分けして周りの道の掃除とか道順を書いた紙をはがすなどの清掃作業をします。

死亡後の手続き⑤年金・保険・解約など

死亡後にもさまざまな手続きや作業が必要です。

まず香典返しなどは四十九日法要までに済ませます。また法定相続人の遺産相続などは死亡した日から自動で開始されますが、法定手続きには期限がありますので注意しましょう。

例えば、相続税の申告や納税が必要な場合は、相続の開始を知った日の翌日から10ヵ月以内に行う必要があります。反対に相続人が相続を放棄する場合は、故人が死亡した日から3ヵ月以内に家庭裁判所に申し出ます。

年金の手続き

年金を受給していた人が亡くなった場合、その時点で年金を受け取る権利はなくなります。

また、まだ受け取ってない年金分は、未支給年金として受給者の遺族が受け取ることになります。ただし、受け取れる権利があるのは受給者が死亡した当時、生計を同じくしていた遺族のみです。未支給年金を受け取るには、「年金受給権者死亡届」と「未支給【年金・保険給付】請求書」の届け出が必要になります。

年金の受給前に亡くなった場合は、遺族年金を受けることができます。遺族年金の種類には、遺族基礎年金、遺族厚生年金、寡婦年金などがあり、亡くなった方によって生計を維持されていた遺族が受け取ることができます。

必要な手続きは?

年金事務所か年金相談センターへ「年金受給権者死亡届」を提出し、受給を停止する手続きを行わなければなりません。この手続きは、国民年金は亡くなった日から14日以内、厚生年金は10日以内に行う必要があります。

合わせて、死亡した人の年金証書、死亡診断書など死亡の事実を明らかにできる書類も必要です。この届けは、日本年金機構にマイナンバーを登録している方は省略することができます。

介護保険の解約

介護保険の解約手続き

ご家族で亡くなられた方が65歳以上(第1号被保険者)、あるいは40歳から64歳未満で介護保険の被保険者であった場合(第2号被保険者)、死亡後に介護保険の資格喪失手続きをしなければいけません。手続きは故人の相続人に当たる人が、各市町村にある介護保険担当窓口や介護保険課で行ないます。この手続きをしないと介護保険料の処理が行われませんので、確実に行うことが求められます。

なお、40歳以上65歳未満で要介護・要支援の認定を受けていない人は介護被保険者証を持っていませんので、格喪失の手続きを行う必要はありません。死亡届を出した時点で介護保険が解除されます。

必要書類と期限

資格喪失手続きは、死亡後14日以内に行わなければいけません。手続きには「介護保険資格取得・異動・喪失届」が必要です。各市区町村の役所で入手をするか、ホームページからダウンロードをします。

この書類に記載をしたら、介護被保険者証と合わせて提出をします。故人が介護保険負担限度額認定証を発行されていた場合は、それも一緒に提出します。また、マイナンバーと本人確認ができる書類も持参します。

還付金と未納保険料について

介護保険の納付義務は、死亡した翌日の前月分までです。例えば、被保険者が「3月30日」に亡くなった場合は、翌日である「3月31日」の前月までが納付義務ですので、2月分までが納付義務となります。もし、「3月31日」など月の最終日に亡くなった場合は、翌日が「4月1日」などの月初めになりますので、3月分までが納付義務です。

このようにして計算を行い、未納があった場合は月割で計算をし直します。未納分は相続人に請求されますので、支払いを行わなければなりません。逆に保険料を納めすぎている場合は、その分が還付金として相続人に還付されます。

還付金があった場合、申請をした役所から「過誤状況届出書」が届きます。この用紙に従って記入をし、各市町村保険年金課などに郵送すると、記載した相続人の口座に還付金が振り込まれます。還付金が振り込まれる期間は自治体によってばらつきがありますが、おおよそ2週間から8週間の間に振り込まれます。

第一号被保険者で介護保険料が年金から天引きされている場合の還付金

第1号被保険者(65歳以上の方)で介護保険料が年金から天引きされている場合、日本年金機構や共済組合などの年金保険者に届け出をしなければいけません。故人にまだ支給されていなかった「未支給の年金」も還付金として申請できますので、その請求とともに届け出を行いましょう。

この時、未支給年金の還付は年金受給者の死亡届も兼ねていますので、あらためて届けを出す必要はありません。なお、申請者に相続人がいない場合は、誰も還付を受けることができません。その場合は第三者が死亡届のみを出すことになります。

介護保険料還付金の届け出が終わると、年金保険者が相続人に代わり市町村に還付金の支払いを申請をします。その後、相続人の口座に還付金が支払われます。これらの還付金の請求権は死亡後2年です。2年をすぎると還付されませんので気を付けましょう。

要介護・要支援認定の申請中に亡くなった場合

中には、要介護・要支援の申請中に亡くなってしまう方もいます。そのような場合でも、書類による届け出が必要です。各市区町村の役所にて「要介護・要支援認定等申請取下げ申出書」を取得、またはホームページなどでダウンロードして、用紙に記載、介護保険課の窓口に提出します。介護支援の申請時には訪問調査などもありますので、死亡後はなるべく早く手続きしましょう。

健康保険証の返却

国民健康保険証は14日以内、協会けんぽや健康保険組合の場合は速やかに保険証を返却し、資格喪失届を提出します。

国民健康保険の被保険者の場合は葬祭費が、健康保険の被保険者の場合は埋葬料が支給されます。支給を受けるには死亡後2年以内に申請が必要ですので忘れないように注意が必要です。申請には葬儀費用の領収書が必要です。

故人が契約していたものの解約

電気・ガス・水道の解約

同居の家族がいて継続使用する場合は名義変更の手続きをしますが、不要な場合は使用中止の手続きをすることになります。解約の締め日があるので、その日を超えないように意識してすることで支払うべき費用をおさえることができます。

引っ越しの作業や自宅の清掃などの予定があるときは、先に水道や電気を止めてしまうと作業ができなくなったり、不便になったりする可能性があります。作業などがすべて終わってから改めて公共料金の解約を行うか、解約日を意識して作業を進めましょう。

携帯電話など通信関係の解約

故人の携帯電話を解約します

故人の携帯電話については、契約の内容にもよりますが承継する場合と解約する場合が考えられます。承継して遺族が使い続ける場合は契約期間やポイントが承継されるかどうかについては改めて確認が必要です。

解約する場合は、基本的に死亡届などの死亡が確認できるものと、届出人の身分証明書、本人の契約書類やSIMカードなどを持参して手続きすることになります。

キャリア各社により手続きの方法が異なる可能性があるので、お店へ行く前に電話やホームページなどで確認しておけば安心です。

インターネットの固定回線を契約していた場合はプロバイダに連絡が必要です。近年ではポケットWi-Fiなどの通信機器で通信を行う人も増えているので、こちらも契約元に連絡して停止の手続きを取ります。

NHKの解約

故人が一人暮らしでNHKの受信契約をしたまま亡くなり、解約手続きを取らずにいたために死後の分まで遺族が請求を受けたケースがあります。

遺族が故人の家に住んでテレビを使用するわけではなければ、すみやかにNHKのフリーダイヤルに連絡しましょう。

状況を説明することで亡くなった月を解約付きとして手続きが行われます。死後自動引き落としがあった場合は過払い金の返還についても相談が可能です。

電気やガスや家賃などと比べて見落としがちなので注意しましょう。

借りていた家の解約

賃貸住宅の解約、空き家の処分

賃貸の家に住んでいた場合、賃貸借契約という契約を結んでいることになります。これは死亡しても消滅せず、相続人に承継されることになります。未払いの債務などについても同様に承継されます。さらに、将来的に発生する家賃にも支払いの義務が生じます。

相続人の誰も居住の必要がなく、解約しても問題ない場合はすみやかに解約することが必要です。

解約によって戻ってきた敷金は相続人の代表などが受け取ることになります。解約することによって、連帯保証人の連帯保証契約なども自動的に消滅します。特に保証人への通知は必要ありませんが、故人や遺族との関係性によっては知らせるほうが望ましい場合もあります。

クレジットカードの解約

クレジットカードを使用する予定がなくても、そのままにしておくと年会費などが発生し、支払い続けなければいけなくなることがあります。カード会社に連絡することですぐに会員資格の取り消し処理が行われるので、できるだけ早く連絡しておくほうが安心です。

死亡後の手続き⑥お仏壇やお墓の手配

自宅にお仏壇が無い場合は49日までに用意します。四十九日法要で、手葬儀の際に使用した白木の位牌を本位牌に換えるタイミングで、仏壇がない家庭では仏壇・仏具を用意するケースが多いようです。四十九日のほか、新盆や一周忌など法事法要のタイミングで用意する場合もあります。

お墓に関しても、代々のお墓(代々墓)がなければ新しいお墓が必要となります。

最近は、お墓といっても樹木葬や納骨堂、永代供養墓など、さまざまな選択肢があります。都市部のビルに入っているためにお参りがしやすかったり、家族がお墓を承継できない場合も安心して預けられる制度などがあります。

死亡後の手続き⑦遺産相続

遺産相続では主に「遺産をどう分けるのか」と「相続税の納入」について検討が必要です。「うちは財産なんてないから関係ない」と仰る方も居ますが、相続トラブルの3割は資産が1,000万円以下のご家庭から生まれています。

相続手続きが終了しなければ故人の銀行口座は凍結されたままとなってしまいます。家族内で揉めないために、また不動産の移転登記をスムーズに進めるために、遺産分割協議書を作成しておくことをおすすめします。

個人事業資産の相続

個人事業主の死亡時には、事業用資産の相続もあります会社を設立していた場合には事業用資産は会社の資産となるので相続は発生しません。社長が亡くなったときには新社長が就任すれば事業を継続することができます。

ところが、個人事業主の場合には、個人資産と事業用資産の区別なく相続手続きを行う必要があります。事業を行うための不動産や預貯金、負債なども相続資産として遺産分割協議にかけられます。

個人事業を継続して行っていくためには、事業用資産をできるだけ分割しないで事業の承継者にまとめることが望ましいでしょう。 ただし、そのことにより遺産を受け取ることができなくなる相続人が納得できずに、遺産分割協議がなかなかまとまらない可能性もあります。

個人事業を法人化すると相続税が軽減される

事業財産は、相続時に相続税が課されます。そのため、その財産が大きい場合には、高額の相続税を納付する必要があります。

ところが、事業主が生前に個人事業を法人化すると、その事業財産は法人所有となり相続税の対象から外れます。相続税額を減額させるためには、事業の法人化を考えてみてもいいかもしれません。

遺産分割協議が終わると、故人の口座凍結が解除される

故人の口座は強制的に凍結されますが、払い戻しを受けることも可能です

相続人の希望に関わらず、預金がある口座は強制的に凍結されるため、口座凍結には法的根拠があると思われがちですが、これは銀行独自のルールです。遺産分割協議が確定し、相続人から必要書類の提出があれば、口座凍結を解除して支払い手続きに応じてくれます。

凍結された口座からお金を引き出すには?

葬儀費用の他、故人が長期入院していたりすると、病院から治療費や入院費などを請求されることもあります。

このような場合、金融機関の判断によっては、「払い出し」の手続きをすることで、凍結された口座から出金することができることもあります。ただし、この払い出しには書類等も必要で、銀行ごとに手続きも異なります。詳しくは各金融機関にご相談ください。

なお、2018年7月には、相続に関する民法等の規定(相続法)を改正する法律が成立し、2019年7月より「預貯金の仮払い制度」が創設されます。これによって葬儀費用など、遺産分割前での預金の払い戻しを受けることが可能になります。

払い戻しを受けるためには、以下の書類が必要です。

  • 故人(口座名義人)の除籍謄本または戸籍謄本
  • 法定相続人全員の戸籍謄本
  • 法定相続人全員の印鑑証明書
  • 故人(口座名義人)の銀行印、通帳、キャッシュカードなど
  • 払い出しをする人の身分証明書

遺言書の有無によっても必要書類が異なったりするため、まずは銀行に問い合わせた方が良いでしょう。

また、除籍謄本は死亡届の提出から数日から1週間程度たたないと発行できないため、払い出しが必要な場合は早めに連絡することをおすすめします。

死亡後の手続き一覧チェックリスト

分類 手続き 主な窓口 主な期限
申告・
届出
死亡届の提出 市区町村役場 死亡日含め7日以内
準確定申告 税務署 死亡後4か月以内
相続税の申告・納税 税務署 死亡後10か月以内
変更・
加入
各種名義変更 所轄営業所・家主 できるだけ早く
遺族の国民健康保険の加入 市区町村役場 死亡後14日以内
返却・
解約
故人の健康保険の脱退 市区町村役場等
故人の年金受給停止 市区町村役場(国民年金)
お金の
請求
故人の未支給年金の請求 年金事務所(厚生年金・共済年金)
高額療養費の還付申請 加入している公的医療保険窓口 診察を受けた月の翌月1日から2年以内
死亡一時金の請求 市区町村役場又は年金事務所 死亡後2年以内
国民健康保険の葬祭費の請求 市区町村役場
健康保険の埋葬費の申請 健康保険組合又は年金事務所
生命保険の死亡保険金の請求 生命保険会社 死亡後3年以内
遺族厚生年金の請求 年金事務所 死亡後5年以内
医療費控除の手続き 税務署
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