香典返しとは?渡すタイミングや金額相場、品物選びのマナーを解説

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

香典返しに送る品物・金額相場
記事を先読み
  • 香典返しとは、香典をいただいた参列者に遺族が返礼品をお返しすること
  • 香典返しをする時期は、忌明け法要が終わった翌日から1か月以内
  • 香典返しの相場は、香典金額の半分程度を返す「半返し(半分返し)」

通夜や葬儀・告別式でお香典をいただいた方へ、遺族が返礼品をお返しする「香典返し」。香典返しには決められたマナーがあり、タイミングや品物を間違えると、失礼にあたるかもしれません。

この記事では、香典返しをする時期や金額相場、品物の選び方など、香典返しのマナーをまとめて紹介します。

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香典返しとは

「香典返し」とは、通夜や葬儀・告別式の参列者からいただいた香典に対して、お礼の品物をお返しすること。またお礼の品物自体を「香典返し」と呼ぶこともあります。

そもそも香典は、参列者から遺族へ贈られる金銭です。「大切な家族を失った遺族の悲しみを慰め、励ます」意味や、突然の出費を助け合う目的があります。

香典返しは、参列者への感謝を伝えるのはもちろん、無事に七七日忌(四十九日)の法要が終わったと報告する役割も兼ねているんですよ。

香典返しと会葬御礼の違い

先ほどお伝えした通り、香典返しは、参列者からいただいた香典に対する返礼品。基本的には、香典をいただかない限り、香典返しを贈る必要はありません。

一方の会葬御礼は、足を運んでくれた弔問客に感謝を込めてお渡しする贈り物のこと。香典の有無にかかわらず、葬儀の参列者全員に渡すのがルールです。タオルやコーヒーなどが定番ですが、葬儀当日に手渡すため、かさばらないよう図書カードやクオカードを用意することもあります。

香典返しを渡す・送るタイミング

香典返しを渡す・送るタイミングを示した図。香典返しは四十九日法要から1ヵ月後に渡すのが一般的

香典返しは、忌明け法要が終わった翌日から、遅くとも1か月以内にお返しします。
ただし「忌明け」の時期は、宗教・宗派によって違うため、必ず確認しておきましょう。

  • 仏式(仏教):七七日忌【故人の命日から49日後】
  • 神式(神道):五十日祭【故人の命日から50日後】
  • キリスト教:追悼ミサ・昇天記念日【故人の命日から1か月後】

また本来、香典返しは、喪主が相手方を訪問して持参するのが通例でしたが、核家族化が進んだり、訪問先が遠方になったりと、時代の流れとともに形骸化。昨今では、挨拶状やお礼状を添えて郵送するのが一般的で、さらには通夜や葬儀など、香典をいただいた当日に香典返しを渡す「当日返し(即日返し)」も多いです。

香典返しの金額相場

香典返しの金額・料金相場

香典返しの相場は、いただいた香典の金額によって異なります。
金額の目安は、香典の半分程度を返す「半返し(半分返し)」や「3分の1返し」です。

半返し(半分返し)

香典返しの一般的な相場は、受け取った金額の半分程度を返す「半返し(半分返し)」
たとえば、いただいたお香典が1万円なら、香典返しでは5,000円相当の品物をお返しします。

半返しの由来には諸説ありますが、昔はお葬式のあと葬儀費用を支払うと、参列者から受け取った香典の半分程度の金額が手元に残ったんだそう。残った半分のお金を、お世話になった方へお返ししたり、菩提寺に寄進したりする方が多かったため、半返しが定着したんですよ。

3分の1返し

かつて関西圏では、香典返しの相場を「3分の1返し」とする地域もありました。
最近は「半返し(半分返し)」が目安となっているものの、地域によっては特有の慣習やしきたりが今なお大切にされています。

香典返しの金額に迷ったときは、菩提寺や葬儀社、地域の高齢者に相談してみましょう。

香典が高額だった場合

故人と近しい人や親族から、高額の香典をいただくかもしれません。お香典が高額な場合は、必ずしも「半返し(半分返し)」にこだわらなくても大丈夫

香典はもともと、「大切な家族が亡くなって急な葬儀で大変でしょうから、少しでもお力になれれば」という相互扶助の考え方によって生まれた慣習です。香典返しで重要なのは、香典をいただいた相手に、葬儀を無事に終えた報告や参列の感謝を伝えること。
そのため、高額の香典をいただいた場合は、ムリをせず、3分の1から4分の1程度のお返しでも失礼には当たらないとされています。

また、とくに親族は「葬儀費用の一部に充ててほしい」という意図から高額の香典を包んでいる方が多いです。故人との関係や日ごろの付き合いをふまえたうえで、香典返しをしてください。

香典が少なかった場合

友人や知人、職場関係者などからいただく香典の金額は、3,000円~5,000円が一般的。金額にかかわらず、香典をいただいた方には香典返しをお送りするのがマナーです。1,000円前後の品物をみつくろって、香典返しするとよいでしょう。

当日返し(即日返し)をする場合

近年では、通夜や葬儀・告別式、また初七日法要の日に「当日返し(即日返し)」として香典返しをする遺族が増えています。

いただく香典の金額がわからない当日返しでは、金額に関わらず、一律の品物をお返しするのが基本。当日返しでは、2,000円~3,000円程度の品物を用意しておくのがオススメです。

2,000円~3,000円前後の品物であれば、5,000円の香典に対する半返しとなり、後日追加で香典返しをする必要がありません。ただ1万円以上の香典をいただいた場合は、四十九日法要後にあらためて香典返しを送り、半返しの金額になるよう調整します。

「当日返し(即日返し)」と「会葬御礼」は混同しやすいので注意が必要。当日返しは香典をいただいた方へ、会葬御礼は葬儀の参列者全員にお渡しする品物です。

香典返しでよく贈られる品物

香典返しでよく贈られる品物
お茶、コーヒー、紅茶などの飲み物
お菓子、乾物、砂糖などの食べ物
石鹸、洗剤などの消耗品
タオル、シーツ、毛布などの白い衣類
カタログギフト

消えもの

香典返しの定番の品は、後に残らない「消えもの」
お葬式は「不祝儀」とされているため、相手に不幸が及ばないといった意味から、食品や消耗品を選ぶケースが多いです。

具体的には、お茶やコーヒー、紅茶などの飲み物、菓子や砂糖、乾物などの食べ物、石鹸や洗剤などの日用品がよく選ばれています。香典返しの品物にはそれぞれ意味があり、たとえばお茶を贈るのは故人を偲びながら飲むことから。また石鹸は不幸を洗い流す、砂糖は不幸を消滅させるという意味があります。

白い衣類

現世から白装束で旅立つためにさらしが使われた名残から、白いタオルやシーツなどの衣類を香典返しとして贈ることも。同じ香典返しでも、ブランド品や高級品であれば、相手からより喜ばれるかもしれません。

カタログギフト

葬儀の香典返しにカタログギフトを利用するのもおすすめ

消えものや白い衣類など、香典返しの定番の品物は今も根強い人気があります。
一方で、お香典を出した参列者が自分の好きなモノを選べるカタログギフトの返礼品も登場。年々利用者が増加しているようです。

カタログギフトに人気が集まっている理由のひとつに、「葬儀の際に、参列者へのおもてなしが重視されるようになった」点があげられます。従来のしきたりに則るより、故人らしさを大切にしたお葬式をしたい人が増えているんですね。

たとえば「人を喜ばせるのが好きだった」「周囲への気遣いを忘れなかった」といった故人らしさが、好きなモノを選べるカタログギフトにつながるのかもしれません。また喪主が一方的に選ぶより、参列者自身で品物を選んだ方がより満足してもらえるでしょう。

香典返しでタブーとされている品物

香典返しでタブーとされている品物
肉、魚などの生鮮食品
酒、鰹節、昆布など慶事に使う品
現金、金券

生鮮食品

生肉や生魚などの生鮮食品は、香典返しの品にはふさわしくありません。
仏教では、四十九日法要をむかえるまで精進料理を食べる習慣があり、肉や魚は「四つ足生臭もの」と呼ばれて避けられていました。殺生を連想させる品物でもあるため、香典返しに選ばないよう気を付けてください。

慶事に使う品

酒類や鰹節、昆布などは、縁起物として慶事に使われることの多い品物。お祝い事を連想させるため、香典返しで贈るのはタブーとされています。
同様の理由から、ウサギや鶴、亀、松などの縁起物をモチーフにしたお菓子も香典返しでは避けた方が無難です。

現金・金券

現金や金券は、香典返しを送った相手に金額がハッキリと伝わってしまいます。とくに上司や目上の方への返礼品に現金や金券を贈るのは、失礼にあたるのでやめておきましょう。

香典返し・返礼品の購入先

カタログギフトでは遺族が好きなものを選べるため、より遺族に喜んでもらうことができます。

香典返し・返礼品をどこで購入するか、意外と迷ってしまう方もいるかもしれません。
香典返しの主な購入先は、葬儀社・デパート・ギフト専門店の3つ。それぞれの特徴や注意点を簡単にご紹介します。

葬儀社

葬儀の準備や対応で忙しい方は、葬儀社で香典返しを用意するのもひとつの方法。

葬儀の準備の合間に相談できますし、返礼品の用意や清算に融通を利かせてくれる葬儀社もあります。たとえば、自宅に来る弔問客のために余裕をもって返礼品を渡してくれたり、使用した香典返しのぶんだけ清算したりしてくれるんです。
葬儀後の対応もあわせて相談するなら、葬儀社に依頼する方が間違いないかもしれません。

ただ香典返しを専門にしていない葬儀社だと、品数に限りがあったり割高になったりすることもあるので、注意してください。

デパート

デパートで購入した香典返しは、品質がよい、高級感・ブランド力があると喜ばれます。品数が豊富なので、有名店の商品や珍しいアイテムを選べるのもポイント。またネットサービスも充実しているので、パソコンやスマホから香典返しの依頼ができます。

ギフト専門店

香典返しは、インターネット上のギフト専門店・仏事専門店・カタログギフト専門店などに依頼することも可能。パソコンやスマホから好きな値段・分野の品物を見て選べるうえに、のしやお礼状などの無料サービスが充実している店舗も多いです。

送付先が複数になっても、メールで住所だけ送ればOK。支払いもクレジットカードやネットバンクなどで簡単に処理できます。すべてインターネットで対応でき、品物を見に出かける必要もありません。

香典返しの掛け紙と表書き

香典返しの掛け紙

香典返しを贈る際は、弔事に使う掛け紙(かけがみ)を使います。
掛け紙は、慶事で使うのし紙と違って、右上に「熨斗(のし)」がついていません。白地に黒白結び切りの水引が印刷されているのが特徴です。

また、地域や宗教によって使用する掛け紙の種類が違うので注意が必要。迷ったときは、地域・宗教に関係なく使える黒白結び切りの掛け紙を選びましょう。

香典返しの包み方は、郵送するか手渡しするかで変わります。郵送するなら包装紙の内側に掛け紙をかける「内掛け」、手渡しするなら包装紙の外側に掛け紙をかける「外掛け」を用いてください。

掛け紙の表書き

表書き宗教・地域
宗教・地域問わず使用可能
偲び草神式・キリスト教式
満中陰志関西~西日本・北陸地方
茶の子中国・四国・九州地方

掛け紙の表書きにも、宗教や地域によって決まりがあります。

「志」は一般的な香典返しの表書き。宗教や地域にかかわらず使えるので、わからないときは「志」と書くようにしてください。また「偲び草」は神式やキリスト教で使われる表書きです。
そのほか、関西から西日本、北陸地方では、四十九日が無事に過ぎたことへの感謝を表す品を意味する「満中陰志(まんちゅういんし)」。中国・四国・九州地方では、お茶請けのお菓子を意味する「茶の子」と書きます。

香典返しの礼状・挨拶状

香典返しを贈る際は、礼状・挨拶状を添えるのがマナーです。
香典をいただいたお礼を伝えるのはもちろん、弔事が滞りなく終了した旨を感謝を込めて報告しましょう。

ここからは香典返しのお礼状の書き方とマナーを紹介します。

お礼状の書き方とマナー

  1. 香典のお礼
  2. 弔事終了のご報告
  3. 故人とのお付き合いの感謝
  4. 香典返しの説明
  5. 略儀のお詫び

香典返しのお礼状は、この5つの要素で組み立てるのが基本です。

まず最初に、香典をいただいたお礼を伝え、弔事終了のご報告をすること。さらに生前故人とお付き合いいただいたことへの謝意を入れ込み、香典返しをお送りする旨を記載します。
そして最後に、直接伺うのではなく、略儀でのお礼になってしまったことへのお詫びを書き添えましょう。

また他にも、お礼状を書くときは、季節の挨拶や句読点を使わないこと。正しい敬語を使うのはもちろん、忌み言葉や宗教的にタブーとされている単語は避けてください。

香典のお礼状の例文

拝啓

先般【続柄】【俗名】葬儀に際しましてはご多用にもかかわらず多くのお気遣いと香典を賜り誠に有難く厚く御礼申し上げます

おかげをもちまして【戒名】〇月〇日に四十九日の法要を滞り無く営みました
生前 故人が皆様にどれだけ支えられていたかと感謝の気持ちでいっぱいです

つきましては供養のしるしまでに心ばかりの品をお届けいたします
本来であればお目にかかりお礼申し上げるべきところ失礼ながら書中をもってご挨拶申し上げます

敬具

〇〇年〇月〇日
【喪主氏名】

会社・法人の香典返しはどうする?

香典の差出人香典返し
法人不要
個人必要
連名必要

会社や法人、団体から香典をいただいたときは、状況に応じて香典返しの対応が変わります

香典の送り主が法人であれば、香典返しは不要。とくに大企業では、形式的に香典を出し、代金を経費に計上している会社も少なくありません。一方、社長や上司、同僚、部下など、個人名義の香典を受け取った場合は、香典返しが必要です。いただいた香典金額をふまえて、失礼のない品物を用意しましょう。

また部署や有志など、連名で香典が届いたなら、香典の金額を人数で割って、1人当たりの予算を立ててください。全員でわけられる個別包装のお菓子やお茶などが喜ばれます。

香典返しをしなくてよいケース

遺族から香典を辞退される場合があります。その場合香典返しもしません。
  • 故人が一家の大黒柱だった
  • 故人に未成年の子どもがいる
  • 香典を社会福祉団体に寄付した

香典を受け取ったら、香典返しを用意するのが基本ですが、状況によっては不要です。
たとえば、故人が一家の大黒柱だったり、家族に未成年の子どもがいたりする場合、喪家が経済的に困窮するかもしれません。「香典を今後の生活に役立ててください」と遺族へ配慮して、香典返しをしなくてよいとするケースもあるようです。

また最近は、故人の遺志や遺族の意向から、香典を社会福祉団体へ寄付することも。香典を寄付した際は、参列者へお礼状を発送してご報告するのを忘れないようにしましょう。

遺族が香典を辞退する場合

近年、葬儀における金銭的・心理的な負担を減らすために、家族やごく限られた親族、関係者だけで葬儀を行う人が増えています。同時に、香典返しの手配や会葬者の対応を軽減しようと、香典の受け取りを辞退するご遺族も多いんです。

ただ、香典の辞退はまだ一般的ではないので、当日受付で香典を断られると戸惑う人もいるかもしれません。スムーズな受付のためには、通夜、葬儀・告別式の連絡をする際に香典辞退の旨を伝えておくのがベター。また当日の受付に「香典辞退」と掲示しておくのもひとつの方法です。

参列者が香典返しを辞退する場合

反対に、香典返しを辞退する参列者もいます。「大切な家族を亡くして大変なときに、遺族に余計な気遣いをさせたくない」「葬儀費用や今後の生活に役立ててほしい」という理由から、香典返しを辞退するようです。

また勤務先や友人が連名で香典を渡した場合、「1人が支払った金額は少ないから」と、香典返しを辞退されることも。くわえて、香典返しの受け取りを禁止している企業・会社もあります。

香典返しの辞退の仕方

香典返しを辞退する場合は、直接ご遺族にお伝えしてください。

最近は当日返しが増えているため、受付で香典返しを渡される場面も少なくありません。口頭で辞退する旨を伝えればOKですが、後日香典返しが送られて来る可能性もあります。喪主や遺族の手間を省くためにも、不祝儀袋の裏面や中の住所氏名欄の横に、香典返しを辞退する旨を書き記しておくとよいでしょう。

ただ、特別な理由がないのに、かたくなに香典返しを辞退するのは、かえって失礼に感じられることも。「少しでもご遺族のお役に立ててください」と書き添えるなど、辞退する理由や気持ちを伝えると、喪主や遺族も安心するでしょう。
なお、会葬御礼品は、葬儀に参列したことへのお礼の品です。香典返しとは別なので、受け取って問題ありません。

香典返しのよくある質問

香典返しの相場金額は?

香典返しの相場は、香典で受け取った金額の半分程度を返す「半返し(半分返し)」が一般的。お香典が1万円なら、香典返しでは5,000円相当の品物をお返しします。香典が高額な場合は、半返しにこだわる必要はありません。

香典返しはいつ渡すの?

香典返しは、忌明け法要の翌日から1か月以内にお返しします。ただ「忌明け」の時期は、宗教によって違うため、確認しておきましょう。また昨今では、通夜・葬儀など香典をいただいた当日にお返しする「当日返し」も一般的です。

  • 仏式(仏教):七七日忌【故人の命日から49日後】
  • 神式(神道):五十日祭【故人の命日から50日後】
  • キリスト教:追悼ミサ・昇天記念日【故人の命日から1か月後】

香典返しにふさわしい品物とは?

香典返しの定番の品物は、後に残らない「消えもの」
お茶やコーヒー、紅茶などの飲み物、菓子や砂糖、乾物などの食べ物、タオルやシーツ、毛布などの衣類が選ばれます。ほかにも石鹸や洗剤、陶器などをを贈る香典返しもあります。

香典返しはどこで購入する?

葬儀を依頼した葬儀社が用意してくれたり、デパートやギフト専門店で購入したりできます。最近は、商品選びから支払い、発送まですべてインターネットで完結するサービスも増えているので、ぜひ活用してみましょう。

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