世帯主変更届とは、世帯主が死亡したときに役場へ届け出る書類のこと。亡くなった世帯主から、新しい世帯主へ登録を変更するために行います。世帯主変更届は、世帯主が死亡してから14日以内に提出しなければなりません。
この記事では、世帯主変更届の提出方法や手続きの流れ、注意点などをまとめてご紹介します。
目次
世帯主変更のやり方は?世帯主変更届を自治体へ提出
- 提出期限:世帯主の死亡後14日以内
- 提出場所:お住まいの市区町村の役場窓口
- 提出する人:世帯員、委任状を持った代理人
- 必要な書類:本人確認書類・印鑑・委任状
世帯主変更届の提出期限:世帯主の死亡後14日以内
世帯主変更届は「住民基本台帳法」で、世帯主の変更があった日から14日以内の提出が定められています。つまり、世帯主が亡くなった日から14日以内に提出しなければなりません。正当な理由なく提出しなかった場合、5万円以下の罰金になるため、期限内の提出を徹底しましょう。
第二十五条 第二十二条第一項及び第二十三条の場合を除くほか、その属する世帯又はその世帯主に変更があつた者(政令で定める者を除く。)は、その変更があつた日から十四日以内に、その氏名、変更があつた事項及び変更があつた年月日を市町村長に届け出なければならない。
引用:住民基本台帳法 | e-Gov法令検索
世帯主変更届の提出場所:お住まいの市区町村の役場窓口
世帯主変更届の提出場所は、世帯が登録されている市区町村の役場窓口。対応している窓口は自治体によって異なるので、事前にホームページや電話で確認しておくと安心です。
世帯主変更届を提出する人:世帯員・委任状を持った代理人
世帯主変更届を提出できるのは、新世帯主に限りません。新世帯主以外の世帯員や知人、葬儀社などの代理人でも世帯主変更届を提出できます。
世帯員なら委任状は不要ですが、同じ世帯でない代理人の場合は委任状が必要。委任状の形式に決まりはないので、インターネットにあるテンプレートを利用するか、ご自身で作成しましょう。自分で作成する場合は、一番上に委任状と書いて下記の内容をまとめます。
- 委任年月日
- 委任者の住所・氏名・電話番号
- 受任者の住所・氏名・電話番号
- 委任内容
- 押印
世帯主変更に必要な書類:本人確認書類・印鑑・委任状
- 住民異動届
- 本人確認書類(運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど)
代理人の場合
- 委任状
- 印鑑
世帯主変更は、ほとんどの市区町村で「住民異動届」という書類を用います。住民異動届は、役場の窓口に置いてあるので現地で入手しましょう。地域によってはホームページからダウンロードできるため、手続きの時間を減らしたいなら、一度自治体のホームページを確認するのがおすすめです。
提出する本人確認書類は、運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど。顔写真の付いていない書類(保険証や年金手帳など)の場合は、2点提出する必要があるので注意してください。
また代理人が提出する場合は、委任状と印鑑が必要になります。お住まいの市区町村によって異なるので、事前に詳細を確認しておいた方がよいでしょう。
世帯主変更届の手続き方法・流れ
1.住民異動届を入手する
「住民異動届」は、役所の窓口や自治体のホームページからダウンロードできます。
ただし別の書類を使用する地域もあるので、お住まいの自治体の公式ホームページをチェックするか、窓口の係員に尋ねてみてください。
2.書類を記入して窓口に提出する
書類には、申込者の名前・住所、旧世帯主と新世帯主の名前・生年月日、変更のある世帯員の名前と生年月日などを記入します。記入が終わったら窓口へ提出し、その後の流れは係員の指示に従いましょう。
世帯主になると何が変わる?世帯の代表として手続き
厚生労働省では、世帯主を「年齢や所得にかかわらず、世帯の中心となって物事をとりはかる者として世帯側から報告された者」と定めています。
世帯主は世帯の代表として、行政から通知を受け取ったり手続きを行ったりする立場。具体的には、世帯員の選挙・給付金の連絡が世帯主に届いたり、国民年金保険料・国民健康保険税の納税義務が発生したりします。
世帯主変更届がいらない3つのパターン
- 次の世帯主がいない場合
- 亡くなった世帯主以外の世帯員が1人の場合
- 次の世帯主が15歳未満の子どもの場合
世帯主変更届には、提出が不要になるケースがあります。まず、次の世帯主がいない場合。亡くなった世帯主が1人暮らしで、残された世帯を誰も引き継がないパターンが該当します。
また、亡くなった世帯主以外の世帯員が1人しかいない場合も、世帯主変更届は不要。たとえば夫婦2人で暮らしていて、世帯主である夫が亡くなったときは、妻が世帯主になることが明確なので、提出は必要ありません。
その他、15歳未満の子どもは世帯主になれないため、世帯員が15歳以下の子どもしかいない場合も世帯主変更届は提出しなくて問題ありません。
世帯主変更と一緒に行いたい手続き一覧
手続き | 期限 | 窓口 |
---|---|---|
死亡届の提出 (火葬許可証の取得) | 死亡日含め7日以内 | 市区町村役所 |
健康保険の資格喪失届 | 死亡後14日以内 | 市区町村役所など |
介護保険の解約 | 死亡後14日以内 | 市区町村役所 |
公的年金受給停止 | 死亡後14日以内 | 年金事務所 |
世帯主変更届と期日が近く、あわせて行っておきたい各種手続きをご紹介します。何度も役場に通わなくて済むよう、必要な手続きを整理しておきましょう。
たとえば、死亡届の提出期限は死亡日含めて7日以内。国民健康保険や介護保険の手続きは死亡後14日以内で、お住まいの市区町村役所が窓口です。世帯主変更届とまとめて提出すると、手続きがスムーズでしょう。
公的年金受給停止も死亡後14日以内の対応が必要ですが、窓口は年金事務所や年金相談センターなので注意してください。
世帯主変更届の3つの注意点
期限を過ぎると過料が生じる可能性あり
前述したとおり、世帯主変更届は死亡後14日以内の提出が義務付けられています。正当な理由なしで提出期限を過ぎると、5万円以下の過料が発生するかもしれないので気を付けてください。
世帯が同じでないと委任状が必要
同じ住所に住んでいても、世帯が違うと代理人とされるため、委任状の提出が必要です。
たとえば、親世代と子世代が二世帯住宅に住んでいて生計を分けているなら、別々の世帯になります。親世代の世帯主が亡くなり、子世代が新世帯主になるためには、委任状を提出しなければなりません。
外国人住民の世帯主変更は書類が変わる
日本に住む外国人住民の場合、世帯主変更届や本人確認書類にくわえて、続柄のわかる公文書や法定代理人の資格を証明する書類などが必要になる可能性があります。また、外国語で作成されている場合は訳文を求められる可能性も。
市区町村によって求められる書類や手続きが変わるので、事前に確認しておきましょう。
世帯主変更届は期限までに提出を
世帯主変更届は、世帯員だけでなく代理人も提出でき、必要書類も少ないですが、提出期限が決められているので注意が必要。同じく期日のある死亡届の提出や火葬許可証の取得とあわせて、できるだけ早めに手続きを行いましょう。
親や家族が亡くなると、世帯主変更以外にも健康保険や年金、相続など、さまざまな手続きが必要です。とくに相続は、扱う金額が大きく期日のある手続きも多いので、不安な場合は専門家にサポートしてもらうのもひとつの手。
いい葬儀の姉妹サイト「いい相続」では、遺産相続に強い士業を紹介しています。専門相談員が無料でお話を伺いますので、ぜひお気軽にお電話ください。