初七日法要とは何をする?準備や流れ、服装のマナーを解説

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

初七日法要とは何をする?準備や流れ、服装のマナーを解説
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  • 初七日法要とは、故人の命日から7日後に行う法要で、最初の追善法要
  • お葬式当日に繰り上げ初七日・繰り込み初七日として行うか、別日に実施する
  • 初七日法要の後は、お坊さんを労う気持ちを込めて精進落とし(会食)を行う

初七日法要とは、四十九日まで7日ごとに行われる追善法要の中で、故人の命日から7日後に実施する法要を指します。初七日法要は最初の追善法要のため、お寺の手配や準備をきちんと行い、心を込めて故人をお見送りしたいところです。

この記事では、初七日法要の意味や準備、流れ、初七日法要の後に行う精進落としについて詳しく紹介します。

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初七日法要とは何をする法要?意味と数え方

  • 仏教における初七日の意味合い
  • 地域によって異なる初七日の数え方
  • 初七日法要まで避けたほうがよいこと
  • 初七日法要における位牌

仏教では、故人の命日から7日目を「初七日」と呼び、故人が極楽浄土に行くまでの節目のひとつであると考えられています。心を込めて故人を供養するために、初七日法要が持つ意味や数え方、避けた方がよいことなどを、まずは確認していきましょう。

仏教における初七日の意味合い

初七日法要とは、仏教の追善法要(お葬式の後から四十九日までに実施される法要)のひとつで、故人が亡くなった日から数えて7日目に行う最初の法要です。仏教では、故人が亡くなってからの四十九日間を中陰と呼び、故人の魂はこの世とあの世を彷徨い続けていると考えられています。

中陰の間、故人の魂は7日ごとに合計7回、閻魔大王から極楽浄土に行けるかどうか裁きを受けるとされています。そのため、故人が極楽浄土に行けるよう、遺族は現世で供養するのです。

四十九日までの追善法要は、以下の通りです。

  • 初七日(しょなのか/しょなぬか:命日から数えて7日目)
  • 二七日(ふたなのか:命日から数えて14日目)
  • 三七日(みなのか:命日から数えて21日目)
  • 四七日(よなのか:命日から数えて28日目)
  • 五七日(いつなのか:命日から数えて35日目)
  • 六七日(むなのか:命日から数えて42日目)
  • 七七日/四十九日(なななのか/しじゅうくにち:命日から数えて49日目)

地域によって異なる初七日の数え方

  • 関東:故人の命日から数えて7日目
  • 関西:故人の命日の前日から数えて7日目

初七日の数え方は、地域によって異なるので注意が必要。一般的には、関東のように、故人が亡くなってから7日目を初七日と捉えます。

ですが、初七日の数え方は宗派によって異なる場合もあります。初七日の数え方や初七日法要の実施する日を確認したいときは、初七日法要をお願いするお寺に聞いてみるのが確実でしょう。

初七日法要まで避けたほうがよいこと

四十九日を過ぎるまで、遺族は忌中(きちゅう)になります。忌中の間は慎んで暮らし、派手な行事やお祝いに参加するのは避けたほうがよいとされています。

遺族が初七日法要までしてはいけないことは、以下の6つ。

  • 旅行
  • 家の新築
  • 正月のお祝い
  • 神社へのお参り
  • お祭りへの参加
  • 結婚式の実施や参加

しかし最近は、日程をずらすのが難しく、故人が生前楽しみにしていたイベントは、予定通り実施するご家庭も少なくありません。なお、忌中に結婚式に出席する予定があるなら、新郎新婦へ問題ないか確認しておくと安心です。

初七日法要における位牌

お葬式や初七日法要では、故人の戒名や命日、俗名、年齢が記載された仮の位牌「白木位牌(内位牌)」を使用します。中陰が明ける四十九日法要が終わると「本位牌」に変わるため、白木位牌はお寺で焚き上げてもらいましょう。

そのため、本位牌は四十九日までに用意しておくこと。戒名などを本位牌に刻む必要があるため、早めに準備するのが大切です。

初七日法要は省略できる?葬儀と同日に行う家庭が多い

四十九日までの中陰の追善法要は、必ず実施しなければならないわけではありません。ただ、菩提寺によっては初七日や四十九日の法要をしないと、納骨を受け付けてもらえない可能性があります。トラブルを防ぐために、法要を実施しないなら事前に菩提寺へ相談しておきましょう。

最近は、初七日法要と四十九日法要のみをご家庭が多いです。故人が亡くなって7日目が平日で都合をつけにくく、初七日法要をするのが難しい場合は、お葬式当日に初七日法要を実施することもできます。

実際に、火葬場の予約が取れない、家族が離れて暮らしていて数日後に再度集まる時間がないといった事情から、お葬式当日に初七日法要をするご家庭が増えています。親族や僧侶の都合を確認した上で、参列者に負担の少ない方法で初七日法要を執り行うとよいでしょう。

初七日法要をお葬式当日にまとめて行う場合、以下の2つの方法があります。

  • 繰り上げ初七日
  • 繰り込み初七日

繰り上げ初七日

繰り上げ初七日は、お葬式・出棺・火葬が終わったあと、初七日法要を執り行う方法です。火葬場から葬儀会場に戻って初七日法要を行うため、別名「戻り初七日」とも呼ばれます。

法要にかかる時間はおよそ30分程度と短時間ではあるものの、火葬が終わったあと法要会場への移動が必要なので、参列者の拘束時間が長くなる傾向があります。

繰り込み初七日

繰り込み初七日では、初七日法要をお葬式・告別式と火葬の間に行います。火葬場へ向かう前に、お葬式会場で初七日法要を行うため、別名「式中初七日」とも呼ばれます。

告別式のあと、すぐに初七日法要を実施することで移動の時間や手間を省けるため、近年では繰り込み初七日を選択するご家庭が多いです。

しかし、本来の初七日法要は遺骨になった後に行うため、地域や菩提寺によっては繰り込み初七日を受け入れてもらえません。菩提寺が繰り込み初七日を受け入れてくれるか、事前に確認しておくと安心です。

初七日法要で必要な準備一覧

  • 日取りや会場
  • 返礼品や会食(精進落とし)
  • お供え物
  • 挨拶(喪主)

初七日法要で必要な準備は、主にこちらの4つです。

地域や菩提寺によっては、初七日法要を従来通り命日から7日目に行うべきだとされています。お葬式とは別の日に改めて初七日法要を行う場合は、お葬式から7日と初七日法要までの時間が限られているため、迅速に準備してください。

日取りや会場

初七日法要をお葬式と別の日程で執り行う場合は、まず初七日法要を行う日取りと会場を決めますお葬式のタイミングで、菩提寺に初七日法要の日程や場所を相談しておくと、準備がスムーズに進みます。法要の日程と場所が決定したら、参列してもらう遺族や知人に連絡してください。

なお、初七日法要の準備とは直接関係しませんが、死亡届は故人の死後7日以内に提出が必要です。7日間という限られた期間なので、死亡届も忘れずに提出しましょう。

返礼品や会食(精進落とし)

お葬式と同じように、初七日法要に参列してくれた方へ返礼品を用意します。返礼品には黒白か銀の結び切りの水引を使い、表書きは「粗供養」「志」、表書きの下に喪主の名前を入れてください。

また、法要後は「精進落とし」と呼ばれる会食をするため、精進落とし用のお膳の手配も忘れないようにしましょう。法要後に会食の時間を設けるのが難しい場合は、お膳の代わりとしてお弁当を用意して参列者に振る舞います。

精進落としは昼食と兼ねて行われることが多いため、正午ごろから会食を開始できるよう、11時を目安に法要を開始するのがおすすめです。

お供え物

  • 自宅で初七日法要を行う場合:簡易的な祭壇(後飾り祭壇・中陰壇)を用意し、遺影写真を置く
  • お寺で初七日法要を法要を行う場合:位牌と遺骨、遺影写真を持参する

初七日法要を自宅で行う場合とお寺で行う場合で、準備が異なるので注意が必要です。

お供え物には、故人が好きだった食べ物や遺族で消費しやすく長持ちするフルーツ、個別包装のお菓子などがおすすめです。お通夜から初七日で頂いたものを、そのままお供え物にするのもよいでしょう。

挨拶(喪主)

お葬式と同じように、初七日法要でも喪主の挨拶があります。人前で挨拶するのに緊張や不安を感じないよう、事前に話す内容を準備しておきましょう。

当日慌てずに安心して挨拶するために、次のポイントを意識しながら内容を考えてみてください。

  • 法要に参列してくれたことへのお礼
  • 故人が亡くなってからの喪主の気持ち
  • お葬式に参加してくれたことへの感謝
  • 結びの言葉として、再度参列者へお礼

喪主挨拶では、参列者に心配をかけないよう、前向きに生活していることが伝わる内容の挨拶を考えましょう。

初七日法要のお布施の相場とマナー

初七日法要でも、お葬式と同様にお布施を準備します。お布施の金額が決まっているわけではありませんが、一般的には3万円から5万円が目安です。お布施の相場金額は地域やお寺によって異なるため、葬儀社の担当者やお坊さんに確認するとよいでしょう。

初七日法要のお布施には、水引のない白無地の封筒を使用して、表書きはお布施」「御布施」と黒墨で記します。

なお、お葬式当日に初七日法要を行う場合も、お葬式の分とは別に初七日法要のお布施を用意してください。また、自宅で初七日法要を行う場合は、お坊さんの交通費として「お車代」も準備する必要があります。

初七日法要の服装は喪服が基本

  • 男性:ブラックスーツと黒ネクタイ、白いワイシャツ、黒無地の靴下
  • 女性:黒のワンピースやセットアップ、スーツに薄手の黒ストッキング

初七日法要における服装や持ち物は、基本的にお葬式と同じです。葬儀と別の日程で初七日法要に参列する場合でも、葬儀と同じ服装を着用しましょう。

施主・遺族は正喪服か準喪服を、参列者は準喪服を着用します。男性は、ブラックスーツに白のワイシャツ、黒ネクタイ。足元は黒無地の靴下に黒の革靴を合わせます。女性は、黒のワンピースやセットアップ、スーツなどのブラックフォーマルに薄手の黒ストッキングを合わせ、黒いローヒールパンプスを履いてください。

初七日法要当日の流れ

初七日法要当日の流れ(参列者の出迎え→喪主の挨拶→読経→焼香→説法→喪主の挨拶→精進落とし)

初七日法要を安心して進めるためには、流れを事前に把握しておくのが大切です。特に初七日は、お葬式後初めての法要となるため、スムーズに執り行えるように準備しましょう。

初七日法要の流れは、参加者が揃ったら喪主の挨拶を行い、お坊さんが故人の供養のために読経します。読経後は参列者が順番に焼香し、お坊さんの説法を聞いたあと最後にもう一度喪主の挨拶を行うのが基本です。法要が終わった後はお坊さんへの労いや参列者への感謝を込めて、精進落としでもてなします。

遺族は、法要でお坊さんや参列者を案内する役目がありますが、お葬式の時よりも規模が小さいことが多いため、負担は軽くなるでしょう。お葬式当日に初七日法要を行う場合も、同じ流れです。

初七日法要後の精進落としの流れ

  1. 喪主からのお礼の挨拶
  2. 故人への献杯
  3. 精進落とし(1〜2時間程度)
  4. 喪主の終了挨拶

精進落としとは、初七日法要後の会食を指します。元々、精進落としは忌明けの食事を意味していましたが、現代ではお坊さんに対する労いや感謝の気持ちを込めて振る舞われるようになりました。

一般的に精進落としでは、会食で参加者をもてなしますが、時間がなかったり宴席を設けるのが難しかったりする場合はお弁当を準備します。お弁当を用意する場合は、初七日法要が終わった後にお坊さんや参列者に配ります。

会食中、遺族は参加者にお礼の挨拶に伺うようにしましょう。なお、お坊さんが精進落としに出席する場合は、会食後にお布施とお車代を渡します。

精進落としの注意点

  • メニューにはお祝いの食材を避ける
  • お坊さんが上座、喪主は下座に座る
  • 献杯が終わるまで料理には手をつけない
  • お坊さんが精進落としに参加しない場合は御膳料を渡す

初七日法要の後に行う精進落としは、故人を供養する上で大切な役目を担っています。故人を悼み、法要に参列してくれたお坊さんや参列者へ感謝の気持ちを伝えるために、単なる宴会や飲み会にならないように注意が必要です。

メニューにお祝いの食材を避ける

初七日法要後の精進落としは、故人の弔いの一環です。お膳やお弁当のメニューを選ぶときは、伊勢海老や鯛など、お祝いの席で使用される食べ物は避けてください

近年は忌明けの意味合いが薄れているため、刺身をはじめとする生ものを出す精進落としも多いですが、幅広い年代の方が参加するので心配なら避けた方が無難です。偏りのない食事内容を心がけましょう。飲み物も参列者が選択しやすいように、ビールやお酒だけでなく、ジュースやお茶など、豊富な選択肢を用意しておくと安心です。

お坊さんが上座、喪主は下座に座る

精進落としの席順(お坊さんが上座、喪主は下座に座る)

初七日法要後の精進落としを気持ちよく進めるために、正しい席の順番を知っておきましょう。上の図のように、最上座にお坊さん、続いて故人の勤務先の関係者や友人、親族、最後に入り口に近い下座の席に喪主、となります。

献杯が終わるまで料理には手をつけない

故人への献杯を終えてから精進落としが始まるため、料理に手をつけるのは献杯が終わるまで待ちましょう。位牌にお酒を注いだ杯を供えたら、精進落としに参加している方の杯にも同様にお酒を注ぎます。

お酒を注ぎ終えたら、喪主の献杯の声に続いて参加者も「献杯」と発して、静かに杯を持ち上げ唱和します。乾杯のように杯を高く上げたり、拍手をしたり、杯を周囲の方と合わせたりせず、静かに行うのがポイントです。

お坊さんが精進落としに参加しない場合は御膳料を渡す

初七日法要後の精進落としにお坊さんが参加しない場合は、食事代として「御膳料」を準備してお渡しする必要があります。精進落としのお膳やお弁当にかかる費用の相場は地域ごとに異なるものの、多くの場合は1人当たり3,000円〜8,000円が相場となっています。

当日慌てないためにも、食事代に相当する金額を現金で用意しておきましょう。精進落としのお膳は、参加する人数に合わせて用意する必要があるため、お坊さんが参加するかどうか事前に確認しておくとよいです。

初七日法要の理解を深めて安心してお見送りを

初七日法要の流れや必要な準備について、事前に理解を深めておくことで、慌てず心を込めて故人をお見送りできます。来るべきときに備えて日頃から法要に関する理解を深め、安心してお見送りできるよう心がけましょう。

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