葬儀社の見積りのとり方と確認すべき注意点

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

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葬儀の見積りとは、お葬式にかかる費用の中でも、特に葬儀社に依頼する部分について見積りを指すのが一般的です。

斎場使用料や祭壇、棺など葬儀に必要な備品にかかる費用、故人を搬送する際の車両代、また葬儀スタッフの人件費、飲食・返礼品の費用などです。 宗教者へのお礼、お布施については葬儀の見積りには含まれません。

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葬儀の見積りをとる必要性と方法

まず、なぜ葬儀の見積りをとるべきなのかという点と、実際の方法について説明します。

葬儀の見積りをとる必要性

葬儀の見積りをとる必要がある理由のひとつには、葬儀にかかる金額とその内訳を正確に把握できるという点があります。

葬儀社に質問すれば、口頭で教えてくれたり、ホームページやパンフレットなどに大枠の金額が記されていたりすることもありますが、葬儀の内容は故人や遺族に合わせて、一つひとつ異なります。ある意味、同じお葬式はないともいえますが、その分、正確な金額もわかりにくいのが実情です。見積りをきちんと書面で出してもらうことで、費用がより明確に把握できます。

また、見積りをお願いしても中々出してくれないような葬儀社もいますが、その場合は費用が不明瞭という判断を下すことができます。

見積りをとる場合、一社だけでなく複数の会社に相見積りを依頼できると、比較対象もあり適正な判断が可能となります。さらに、お葬式の直前ではなく事前に見積りをとっておければ、葬儀社により細かな希望を伝えることも可能です。結果として、納得のいく葬儀を行うことができます。

喪主経験者がもっとも後悔しているのは「葬儀の費用」です。(2024年・鎌倉新書調べ)

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葬儀の見積りをとる方法

葬儀社に見積りを取る方法としては直接出向いて担当者から話を聞く方法、またインターネットを利用することもできます。

葬儀社に見積りをとる方法としてまず挙げられるのが、直接葬儀社に相談するという方法です。実際に葬儀社に出向き、詳細な条件などについての話を聞くことができます。

しかし、依頼する葬儀社が決まっている場合は問題ないのですが、複数社から見積りをとる場合は、手間がかかるというデメリットもあります。

もうひとつ方法として、インターネットで見積りをとる方法もあります。さまざまな葬儀社のホームページからプランを選んで見積りがとれるため、複数の会社で見積りをとる場合はおすすめです。

また、最近は電話だけでなくチャットなどで個別質問を受け付けているところもあるため、気になった部分について細かく質問することもできます。

相見積りをとる際の注意点としては、必ず各社同じ条件を提示するようにしましょう。会社ごとに条件が違うと、比較対象が曖昧になり相見積りをとる意味がなくなるからです。

主な政令指定都市の葬儀費の見積をとる

主な政令指定都市の葬儀費用を確認できます。

葬儀の見積りの内容

葬儀の見積りの内容は大きく以下の3つに分けられます。その他に雑費や香典返しの費用が入ります。

  • 儀式の費用
  • 接待費用
  • 宗教者へのお礼

また、注意しておきたいのは「葬儀一式」や「基本プラン(セット)」というのは葬儀に必要な総額ではないことです。

「○○プラン(セット・コース)」の料金を前面に出している葬儀社が多いですが、これは、葬儀費用を安く見せるための工夫とも言えます。「○○プラン」と言っても、セットにして割安にしているわけではありません。また、「○○プラン(セット)」だけで葬儀が行えるわけでもありません。

葬儀一式

基本プラン(セット)

オプション

返礼品

式場使用料

火葬場費用 (火葬料・待合室費)

飲食費

通夜ぶるまい

精進落し

宗教関係

読経料(枕経・通夜・葬儀・還骨法要~初七日)

戒名料

お車代

雑費

心付け

香典返し

儀式の費用

儀式の費用に含まれるのは、祭壇や棺、遺影写真といった葬儀プランの基本料金と、霊柩車や寝台車、ハイヤーといった車両の費用。さらに、斎場と火葬場の使用料及び、火葬の料金も含まれます。

接待費用

葬儀にかかる接待費用には、通夜振る舞い、精進落しと言った飲食費と返礼品費があります。

接待費用には、通夜振る舞い精進落としといった飲食費と、会葬返礼品、会葬礼状などの返礼品費が含まれます。

宗教者へのお礼

宗教者へのお礼には、僧侶にお渡しするお布施が含まれます。読経や戒名のお礼。お車代、御膳料などが含まれます。

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固定費用と変動費用

正確な見積りをとるためには、固定費用と変動費用について把握しておく必要があります。

まず、固定費用とは、費用が一定のものです。一方で、変動費用とは参列者の数などによって費用が増減するものです。
前述の3つの費用の中で固定費用に該当するものは、儀式の費用です。

一方、飲食、返礼品にかかる接待は変動費用に該当します。食事も返礼品も参列した人の人数によって変化しますが、実際に何名参列するかということについては、葬儀の当日にならないとわかりません。

例えば返礼品などはあらかじめ余裕をもって用意をしておいて、余ったら引き取って改めて精算するといった方法を取るなど、それぞれの地域の習わしや葬儀社によって、対応方法は異なります。

また、棺の中に入れるドライアイスなどは葬儀にかかる費用です。固定費用として扱いますが、実際には気温や安置施設の設備によっても変わります。暑い季節などは追加でドライアイスが必要になることもあります。

葬儀の見積書を見る時の注意点

総額で判断する

葬儀費用は、あくまでも一切合財の総額と各品目のレベルとで判断すべきものです。葬儀のグレードの決め方としては、全体の予算から、順に必要な項目の金額を差し引いて考えるのがいいでしょう。費用を安くするには、会葬者を減らすか、個々の品目のレベルを下げるか、必要でないと思うものを削るかです。

見積書に含まれているものを確認する

見積書に何が含まれていて、何が含まれていないかを、確認することです。お布施香典返し以外のすべてが入っているかどうか聞いてみましょう。

上に書いた項目を見ながら、含まれていないものがあれば、その額も聞いて計算に入れましょう。

セットの内訳・個別の料金を確認する

葬儀一式や、何々セットの合計金額とその内容しか書いていない場合は、内容の個別料金を出してもらいましょう。

また、数量があるもので、単価が書いていない場合は、単価を書いてもらいましょう。合計金額の記載がない場合は合計金額を書いてもらいましょう。

予想できる会葬者の人数に合った見積書であるかを確認する

会葬者に関わる人数が妥当かどうか、判断しなければいけません。葬儀費用は会場から返礼品、料理まで、会葬者に関わる人数によって変化します。葬儀社は長年の経験で正しいアドバイスをしてくれることが多いでしょうが、多すぎたり、少なすぎる見積りになっていないか疑いましょう。

各項目のサービスが希望するものに合っているかを確認する

見積の各項目の価格ランクが自分達の望むレベルに達しているかどうか、確認が必要です。葬儀社が低いレベルで見積っていると、後の打ち合わせの中でどんどん費用が上がっていく場合もあります。

祭壇のグレードは紙面だけでは分からないので、写真で確認する必要があります。祭壇は何度も使われる品であることを考えると、葬儀料金の中でも最も高い値段のついた品です。ただ、実質的にサービス料を祭壇料として計上していることもあります。

返礼品、料理の中味を希望に合ったものかを確認する

返礼品や料理は、何であるかを確認し、自分の希望を伝えましょう。葬儀社は自分たちにとって利益の多い品、料理を勧めているかもしれません。

請求書が見積りと異なる場合

見積りと実際にかかった費用が異なる場合があります。参列者の人数やオプションの追加費用等です。

葬儀後の請求書を確認する際、「実際の費用が見積りと大きく違う」というケースもあります。その理由は、見積りにはすべての費用が含まれていないことがあるからです。

先述の変動費用やドライアイスなどの費用によっても変化しますし、場合によっては式の途中で急遽、オプションのサービスを使用しなければならない事態が起こるかもしれません。

見積りと請求書が異なる場合の対応

時には見積りと請求書の費用が異なるような事態が起こる場合もあります。
その時は、まず請求書と見積書のどこが異なるのか、確認しましょう。
また相場よりも極端に安い見積りを出してくる葬儀社の中には、後で法外な追加料金を要求してくるケースも散見されます。

葬儀の説明の際には、追加料金の有無と、どのような場合に発生するのか、追加費用が発生する際にはいくらぐらいになるのか。きちんと説明をしてくれる葬儀社にお願いするようにしましょう。

いずれにしても、事前に見積りをとっておけば、万一納得がいかない場合にも冷静に確認することもできます。反対に、見積りをとっておかないと、わからない部分でもあります。

短い時間の中で葬儀社を決めなければならないという方の中には、事前に葬儀社から細かい説明を受けないまま発注してしまうという人もいますが、可能であれば、事前に葬儀相談を行っておくことをおすすめします。

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