三回忌の香典はいくら包む?金額相場や香典袋の書き方、マナーを解説

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

三回忌の香典はいくら包む?金額相場や香典袋の書き方、マナーを解説
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  • 三回忌の香典の金額は、故人との間柄会食の有無、参加人数の考慮が必要
  • 三回忌の香典の相場は会食なしだと3千~3万円、会食ありだと1万〜5万円
  • 三回忌の香典袋は黒墨で記入し、表書きは「御仏前」「御香典」と書くのが一般的

三回忌の香典の相場は、会食なしだと3千~3万円、会食ありだと1万〜5万円。故人との間柄や参加人数、会食の有無などを考慮して、包む金額を決めるのが一般的です。

この記事では、三回忌の香典金額の費用相場や香典袋の書き方、マナーなどを紹介します。

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三回忌とは?実施する時期と参列の対象者

三回忌を実施するタイミング

三回忌とは、故人の命日から満2年後に営まれる法要。決められた節目の年の命日に行う「年忌法要」のひとつで、一周忌に並んで重要とされています。

三回忌は、故人の命日を1回目の回忌とし、1年後の命日を2回目、2年後の命日を3回目と数えます。三回忌法要の日取りは命日当日である必要はなく、前後の土日など関係者が集まりやすい日に実施して問題ありません。

三回忌に招待する対象

三回忌に招待する範囲に厳密な決まりはありませんが、故人と生前の関わりが強かった関係者に絞るのが一般的。特に、故人の配偶者や子ども、兄弟姉妹、叔父叔母・従兄弟・従姉妹など、4親等までの範囲を招待するご家庭が多いようです。

三回忌で包む香典の金額を決める要素

三回忌で包む香典の金額を決める要素
故人と贈り主との関係
会食の有無
夫婦での出席の有無

三回忌法要で包む香典の金額は、故人との贈り主との間柄、会食の有無、夫婦での出席の有無によって変わります

故人との贈り主との間柄

三回忌の香典の金額は、故人と贈り主との間柄(親等)を考慮する必要があります。

香典の金額は、間柄が近いほど高く、遠くなるほど低くなるのが一般的です。例えば、故人が親や兄弟・姉妹なら1〜3万円が相場ですが、故人が友人・知人だと3千円〜5千円でも失礼にはあたりません。また、送り主の年齢が若い場合は、相場よりやや低めの金額でも許容されます。

会食の有無

三回忌法要の後に会食がある場合は、会食費用も含めた金額を香典として包みます1人につき1〜2万円上乗せするのが基本ですが、会食の場所や内容がわかるなら、具体的な金額を見積もってもよいかもしれません。三回忌に参加するときは会食の有無を確かめ、会食費用も含めた香典を準備しましょう。

夫婦での出席

三回忌法要に夫婦で参列するときは、1人で参列するより多い金額を包みます。また、会食費用も参加人数に応じて上乗せしてください。夫婦で参列するなら2人分、子どもも含めて参列するなら家族全員分の会食費用を考慮した金額を包みましょう。

故人との関係性別に見た三回忌の香典の金額相場

三回忌の香典の金額相場は、故人と送り主との関係性により変動します。ここでは、故人との関係性別に三回忌の香典の金額相場を紹介します。

故人が親・祖父母・兄弟

故人との関係性個人で参列夫婦で参列
会食あり会食なし会食あり会食なし
一親等・二親等2万円~5万円1万円~3万円3万円~6万円2万円~5万円

親(一親等)や兄弟(二親等)の三回忌法要の香典は、会食なしなら1~5万円、会食ありなら2〜6万円が相場です。

親や兄弟が故人の場合は、贈り主との間柄が最も近いため、香典に包む金額がもっとも高くなります。また、参加人数によっても香典の金額は変わるので注意してください。会食のある三回忌法要に夫婦で参加する場合は、まとまった金額が必要です。

故人が叔父・叔母・甥・姪

故人との関係性個人で参列夫婦で参列
会食あり会食なし会食あり会食なし
三親等1万円~3万円5千円~2万円3万円~5万円1万円~3万円

叔父・叔母・甥・姪(三親等)の三回忌法要は、会食なしなら5千~3万円、会食ありなら1〜5万円が香典の相場になります。三親等の親族が故人の場合、親・兄弟姉妹より香典の金額が低めです。

ただし、三親等でも関係性が深かったなら、相場より上乗せした金額を包むのが望ましいでしょう。

故人が従兄弟・従姉妹や遠縁の親戚

故人との関係性個人で参列夫婦で参列
会食あり会食なし会食あり会食なし
四親等以上1万円~3万円5千円~2万円3万円~5万円1万円~3万円

故人が従兄弟・従姉妹などの四親等、もしくはそれ以上離れている場合、会食なしだと5千~3万円、会食ありだと1〜5万円が相場です。三親等と同様、生前に故人と親しい付き合いがあったなら、費用相場の中でも多めの金額を包みます。

故人が友人・知人

故人との関係性個人で参列夫婦で参列
会食あり会食なし会食あり会食なし
その他1万円~3万円3千円~2万円3万円~5万円5千円~3万円

友人・知人の三回忌法要の香典は、会食なしだと3千円~3万円、会食ありだと1〜5万円が相場です。

故人が親族の場合と比べると、香典に包む金額はかなり下がります。故人と生前親しくしていたなら、相場よりも多く包んだとしてもマナー違反にはあたりません。しかし、多すぎると遺族に気を遣わせてしまう恐れがあるため、相場を大幅に超える金額を包むのは控えましょう。

三回忌の香典袋の選び方

三回忌法要では、香典の金額だけでなく、香典袋の選び方にも気を付けなければなりません

三回忌法要の香典袋を選ぶポイントは、水引の種類と香典袋の種類を間違えないこと。マナー違反をして遺族に失礼だと思われないよう、的確な香典袋を準備してください。

結びきりの水引を選択する

水引の種類意味使用場面
結びきり繰り返してはいけない何度も繰り返したくない行事
例:葬儀・法事など
あわじ結び今回限り慶事・弔事の両方で利用可能
蝶結び何度あっても良いお祝いに関連する行事
例:出産・入学・お年玉など

三回忌法要で用いる香典袋は、結びきりの水引を選んでおくと安心です。結びきりの水引には「今後同じことが起こらないように」という意味があり、葬儀や法事などの弔事で使います。

また、あわじ結びの水引は黒白であれば弔事で使っても問題ありません。ただし、蝶結びの水引は、慶事向きのご祝儀袋になるため避けてください。

包む金額に応じて適切な種類を選択する

香典の金額香典袋
3,000円~5,000円水引が印刷された香典袋
白無地×白黒の水引
1万円~2万円本物の水引がついた香典袋
白無地×白黒の水引
3万円~5万円あわじ結びの水引の香典袋
白無地×白黒か双銀の水引
6万円~10万円以上10万円未満:中金封の香典袋
10万円以上:大金封の香典袋
高級和紙製×双銀の水引

香典袋は、香典に包む金額に応じて、適切な種類を選ぶのがマナーです。5千円以下なら水引が印刷された香典袋で構いませんが、1万円以上包むなら、本物の水引がついた香典袋を用意しましょう。

また、金額が上がるにつれて、水引の色や袋のグレードを上げていくのが一般的。包む金額と香典袋の種類・デザインが合致していないと、マナーに反しているとみなされるかもしれません。香典に包む金額を決めたら、香典袋の種類やデザインを確認しましょう。

三回忌の香典袋の書き方

三回忌の香典袋の書き方には、お葬式とは異なるマナーもあるため注意が必要です。三回忌の香典袋を記入するときのポイントは、表書き・氏名・金額の表記・文字の色の4点。マナーに従った書き方で、香典袋に必要事項を記入してください。

表書き:「御霊前」とは書かない

三回忌法要の香典の表書きは「御仏前」「御香料」

三回忌の香典袋の表書きには、「御霊前」は使わず、「御仏前」や「御香料」と記載します。

仏教では、四十九日を過ぎたら故人は成仏すると考えられているため、成仏前を意味する「御霊前」を使うのはマナー違反です。また、宗旨宗派によっては「御霊前」自体がふさわしくない場合もあります。

香典袋の表書きの記載に困ったら、どのタイミングでも問題ない「御香料」や「御香典」と書くのが無難です。

表書きの下:香典の送り主の名前を書く

香典袋の表書きの下には、贈り主の名前をフルネームで記載します。

三回忌法要に夫婦で参列する場合は、中心に世帯主のフルネームを書き、その左横に配偶者の名前を書いてください。なお、氏名をすべて記載するのは夫婦のいずれでも問題ありません。ただ、世帯主を夫とするご家庭が多いため、迷った場合は夫のフルネームを書いておきましょう。

中袋の表面:包んだ金額を大字で書く

漢数字壱(1)・参(3)・伍(5)・七(7)
数字の単位阡(千)・萬(万)

お金を入れる中袋には、香典に包んだ金額を大字で記入します。大字とは旧字体の漢数字で、一般的な漢数字より画数が多く複雑なため、数字の改ざんを防ぐ目的で使われています。大字は日常生活で書き慣れていないので、何度か練習して字のバランスを確かめた上で記入すると安心です。

筆記用具:薄墨ではなく黒墨で書く

三回忌法要の香典は黒墨で書く

三回忌の香典袋は、お葬式で用いる薄墨を使わず、黒墨の毛筆や筆ペン・サインペンなどで記載するのがマナーです。

そもそも薄墨には、「突然の不幸で墨をする時間がなかった」「悲しみの涙で墨の色が薄まった」などの意味が込められています。そのため、お葬式の香典では、故人への哀悼の意を示す意味で薄墨を用いるのが一般的です。

しかし、三回忌は命日から2年経過しており、悲しみに暮れるより故人をしのぶ意味合いが強い行事です。そのため、香典の表書きや氏名、中袋の金額などは、黒墨を用いるのがふさわしいとされています。

三回忌の香典のお金の入れ方

三回忌法要で香典を用意するときは、お金の入れ方にも注意しましょう。お金の入れ方のマナーは、お葬式でも三回忌でも変わらず、弔事において共通です。ポイントは、入れるお札の状態・お金の数字・お札の向きの3つに整理されます。

汚れたり傷んだりしたお札は使わない

香典では、事前に用意していたと思われる新札ではなく、旧札を入れるのが基本です。ですが、旧札とはいえ、汚れたり痛んだりしている使い古されたお札を入れるのは避けましょう

破れや痛みが激しい旧札を入れるのは、遺族に対する思いやりに欠けた行為であり、無礼とみなされます。もし適切な旧札がない場合には、新札に折り目をつけるなどの工夫が必要です。

忌み数は避ける

香典袋に納める金額では、忌み数を避けてください。忌み数とは、割り切れる偶数や不幸を連想させる数字(4や9)のこと。不吉な意味を持つことから、弔事では避けるべきとされています。

なお、香典にふさわしくない2万円を包みたいなら、お札の枚数を奇数にします。ただ、金額の最初の数字が偶数となるのは好ましくないため、故人や遺族への配慮を優先してください。

お札は揃えて入れる

香典袋には、お札の裏表や向きをすべて揃えて入れます。お札に描かれている人物を香典袋の裏側に向け、下向きに入れるのがマナーです。

お札の向きを整えるのは、法要後に遺族が香典金額を集計しやすくするため。また、お札の肖像画を香典袋の裏側・下向きに入れることで、故人を偲ぶ気持ちを表現すると言われています。

家族だけで三回忌をする場合も香典は必要?

家族だけで三回忌法要を営む場合も、原則として香典の準備が必要です。故人に感謝を示せるよう、香典や供物の準備を欠かさないようにしましょう。

しかし、法要にかかる費用を家族で分担していたり、施主が不要と判断したりしているなら、香典は必要ありません。そのため、三回忌を家族のみで営むと聞いたら、香典の要否を確かめておくと安心。家族が香典を辞退しているなら、意向を汲んで無理に渡さないのがマナーです。

三回忌に参列せず、香典を郵送してもいい?

三回忌法要に参列できず、遺族側が香典を辞退していないなら、郵送しても問題ありません

香典を郵送する場合は、郵送方法や同封する手紙・到着日時などに注意します。礼儀作法に従った手順を踏んで、的確に香典を遺族に送り届けましょう。

現金書留で香典を郵送する

香典を郵送するときは、必ず現金書留を利用します。そもそも、普通郵便は現金の郵送が禁じられているため、香典の郵送には現金書留しか選択できません。

現金書留専用の封筒を郵便局で入手し、その中に香典袋を入れます。香典袋の書き方やお金の入れ方などのマナーは同じです。なお、現金書留の封筒に送り主の住所・氏名を記載しますが、香典袋の記載が不要になるわけではありません。

香典に手紙を同封する

香典を現金書留で郵送するときは、添え状をつけるのがマナーです。

添え状では、まず参列できないことへのお詫びをし、香典を同封している旨を伝えてください。あわせて、故人への感謝や遺族を気遣う言葉を添えると丁寧です。なお、添え状では、通常の手紙で記載する時候のあいさつや冒頭と結びの言葉を省略します。

三回忌の前日か当日に届くよう手配する

香典を郵送する際は、三回忌法要の当日または前日に到着するよう手配する必要があります。遺族の自宅で法要が営まれる場合は当日、外部の施設で行われるなら遺族が受け取れる日を確認してから手配しましょう。

香典の到着日が三回忌の日程より早すぎたり遅すぎたりすると、遺族への敬意が欠けた行為とみなされるかもしれないため、注意してください。

【遺族向け】三回忌に必要な準備や手続き

ご遺族向けに、三回忌法要に必要な準備や手続きを紹介します。三回忌を滞りなく迎えられるよう、準備におけるポイントを整理しておきましょう。

三回忌の準備一覧

一般的な三回忌法要で、施主が進めなければならない事項は次のとおりです。

  • 日時・会場の調整
  • 僧侶の手配
  • 案内状の送付
  • 会食の手配
  • 返礼品の準備

僧侶や招待者などにスケジュールを確保してもらうために、三回忌法要の日程・会場は早めにおさえておくと安心です。三回忌までの期間が短いと、手配の抜け漏れが生じる可能性もあるため、余裕をもって準備をはじめましょう

三回忌法要のお布施

僧侶に渡す費用費用相場
お布施1万円~5万円
御車料(お車代)5千円~1万円
御膳料(食事代)5千円~1万円
塔婆料2千円~1万円

三回忌法要に僧侶を招いた場合、お礼としてお布施を渡すのがマナー三回忌法要のお布施の相場は1万円~5万円とされています。また、寺院以外で三回忌法要をしたり、招いた僧侶が会食に同席しなかったりする場合は、御車料や御膳料も渡してください。

三回忌法要の香典返し

三回忌法要で香典辞退をしていないなら、香典をいただいた参列者に香典返しを準備する必要があります。

香典返しの品物は、消えものと呼ばれる食べ物や消耗品が定番です。また、香典返しの品物にかける相場は、香典として受け取る金額の半額程度が目安。法要当日に「当日返し」をしているなら、当日返しにかかった金額を差し引いて考えても構いません。

マナーを守って三回忌の香典を用意して故人を偲ぼう

三回忌の香典では、故人との間柄だけでなく、参加人数や会食費用を考慮した金額を包む必要があります。具体的な香典の費用相場は、会食なしだと3千円〜3万円、会食ありだと1万円〜5万円です。また、三回忌の香典袋は黒墨で記入し、表書きは「御仏前」「御香典」と書くのが一般的です。

三回忌は故人をしのぶ大切な行事ですから、香典を通じて故人への供養と遺族に対するいたわりの気持ちを示しましょう

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