格安葬儀はなぜ安い?一番格安な葬儀の種類と相場、注意点を解説

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

格安葬儀はなぜ安い?一番格安な葬儀の種類と相場、注意点を解説
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  • 格安葬儀が安い理由は、儀式を省略・簡素化して費用をおさえているから
  • 格安葬儀だと、葬儀社や葬儀内容を自由に選択できない可能性がある
  • 葬儀費用を格安にするには、相見積もりや補助金制度を活用するのがコツ

格安葬儀は、儀式の省略や内容の簡素化によって費用をおさえている葬儀のこと。コスト面のメリットは大きいですが、通常の葬儀と内容が大きく違うため、安易に選ぶと後悔するかもしれません。

この記事では、格安葬儀が安い理由や安い葬儀サービスの注意点、葬儀費用を安くする方法などを解説します。

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格安葬儀とは?葬儀費用が安くなる理由

格安葬儀とは、葬儀内容の簡素化や儀式の省略によって費用をおさえている葬儀のこと。

格安葬儀サービスが扱っているのは、葬儀の日程や内容に制約のあるプランが多いです。また、葬儀社・斎場が指定されていて、遺族が自由に選択できない場合もあります。

格安葬儀は費用をおさえられますが、一般的な葬儀と比べると簡素で自由度の低い葬儀です。そのため、格安葬儀を検討する場合は、葬儀内容や条件が故人・遺族の意向と合致するか見定める必要があります。

葬儀種類別の費用相場!一番格安なのは直葬・火葬式

葬儀種類別の葬儀費用
葬儀種類葬儀費用の総額最も多い価格帯
直葬・火葬式42.8万円20万円以上~40万円未満
一日葬87.5万円20万円以上~40万円未満
家族葬105.7万円60万円以上~80万円未満
一般葬161.3万円120万円以上~140万円未満
出典:第6回お葬式に関する全国調査(2024年/鎌倉新書)

葬儀費用は葬儀の種類によって変わるため、格安で葬儀を営みたい方にとって重要なポイント。

全国の葬儀費用は平均118.5万円で、全体平均よりも費用を安くおさえられる葬儀の種類は、「直葬・火葬式」「一日葬」「家族葬」の3つです。それぞれの特徴と費用、メリット・デメリットを解説します。

直葬・火葬式(約42.8万円):もっとも格安な葬儀

直葬・火葬式とは通夜や告別式を省略して、火葬のみ行う
葬儀費用が安い理由葬儀儀式の費用や飲食・返礼品費用が削減されるため
メリット一般的な葬儀より大幅に費用をおさえられる
短期間で葬儀を終えられる
葬儀準備にかかる負担が軽減される
デメリット故人とのお別れの時間が短い
参列者が限られる

直葬・火葬式における葬儀費用の平均は約42.8万円

通夜・葬儀を省略して火葬のみ行うため、発生する費用が限られ、葬儀費用が安価になります。一方で、故人をしのぶ時間が短かったり、参列者が限定されたりするのがデメリットです。

なお、直葬・火葬式は宗教儀式を実施しないため、お墓のある菩提寺に納骨を許可してもらえないかもしれません。直葬・火葬式を検討する場合は、菩提寺に納骨の相談をしておきましょう。

一日葬(約87.5万円):通夜がないぶん費用をおさえられる

一日葬とは通夜を省略して、葬儀と火葬を1日で行う
葬儀費用が安い理由会場費や飲食費など、通夜にかかる費用を削減できるため
メリット一般的な葬儀より費用をおさえられる
短期間で葬儀を終えられる
デメリット一般葬より故人とのお別れの時間が短い
参列者が限られる

一日葬における葬儀費用の平均は約87.5万円です。通夜を省略し、告別式と火葬を1日で行うため、会場費用や通夜ぶるまいの飲食費が不要になり、葬儀費用全体をおさえられます。

直葬・火葬式と同様に葬儀儀礼を簡略化しているため、菩提寺によっては納骨を断られるかもしれません。一日葬の実施を検討するなら、あらかじめ菩提寺に連絡して許可を得ておいてください。

家族葬(約105.7万円):参列者が少なく変動費を節約できる

家族葬とは参列者を近親者に限定し、通夜・葬儀を行う
葬儀費用が安い理由参列者が少ないぶん、会場費・飲食費・返礼品費をおさえられるため
メリット家族や近親者だけで静かに故人を送り出せる
故人の意向をふまえた葬儀形式にしやすい
デメリット故人の関係者全員は参列できない
伝統的な葬儀を好む方から受け入れられにくい

家族葬における葬儀費用の平均は約105.7万円です。

家族葬は参列者を近親者に限定する小規模な葬儀のため、一般葬と比べて会場費用・飲食費用・返礼品費用をおさえられ、葬儀費用が安くなります。また、遺族は参列者の対応に時間を取られにくく、故人と最後の時間を静かに過ごせるのが特徴です。

なお、葬儀に招待しない方には、故人の訃報を後日伝えた方が無用なトラブルを避けられます。葬儀が終わってから1週間以内を目安に、葬儀を報告する手紙やはがきを送付しましょう。

格安葬儀サービスを選ぶときの6つの注意点

  1. お見送りが簡素になる
  2. 葬儀社を選択できない場合がある
  3. 葬儀サービスのプラン内容を細かく確認する
  4. 葬儀社の評価・評判を確かめておく
  5. 親戚や知人から反対される場合がある
  6. 用意してあるお墓に入れない恐れがある

格安葬儀サービスを選ぶときの注意点は、こちらの6つです。想定外の事態やトラブルを回避するために、先回りして注意点に対処し、大切な故人をお見送りしましょう。

注意点1:お見送りが簡素になる

格安葬儀サービスでは、葬儀費用をおさえるために、葬儀の進行や式の内容が簡素化される傾向があります。たとえば、最も葬儀費用が安価になる直葬・火葬式は、通夜も告別式も省いているのが格安の理由です。一方で、故人と一緒に過ごせる時間が短くなるため、ゆっくりとしたお見送りはできません。

価格だけに注目すると、遺族の希望と合わないお見送りになる可能性があるため注意してください。

注意点2:葬儀社を選択できない場合がある

格安葬儀サービスと通常の葬儀紹介サービスの比較表

格安葬儀サービスによっては、遺族が葬儀社を自由に選択できないかもしれません。なぜなら、稼働率の低い葬儀社にお客様を紹介することで、格安葬儀を実現しているサービスが存在するからです。

また、希望していた葬儀社に依頼できても、提供されるサービスが限定されていて、柔軟な対応が望めない場合もあります。格安葬儀サービスが仲介業者を経由している場合は、葬儀社の選択肢がなかったり、限定的になったりする点を考慮して検討しましょう。

注意点3:葬儀サービスのプラン内容を細かく確認する

葬儀サービス見積書の確認ポイント

格安葬儀サービスに依頼するときは、遺族が希望するサービスが含まれているか、細かくチェックしてください。インターネットでは、葬儀の儀式や品目を最低限にしている格安葬儀サービスをよく見かけます。求めている儀式や内容が含まれているか、見積もりを取得して確認しておきましょう。

また、追加でサービスを加えると、大幅な増額が発生する可能性があります。複数の葬儀社に個別見積もりを作成してもらい、比較検討するのが重要です。

注意点4:葬儀社の評価・評判を確かめておく

格安葬儀に限らず、満足いく葬儀を実現するためには、葬儀社選びが非常に重要。口コミサイトなどを活用して、葬儀社の評判を確認しておくのはトラブル防止に役立ちます。

仲介業者経由で格安葬儀サービスに申し込むと、品質の悪く人気のない葬儀社が割り当てられるかもしれません。また葬儀社に直接申し込む場合も、口コミ・評判を確かめておくと安心できます。

注意点5:親戚や知人から反対される場合がある

葬儀費用を格安にすると葬儀内容が簡素になるため、一般的な葬儀を想定していた家族や友人・知人から反対される可能性があります。とくに高齢の親族は、伝統的な葬儀を重視していることが多く、強く反発されるかもしれません。

一般葬以外の葬儀を選択する場合は、事前に親族と相談しておくのが大切です。格安葬儀を選ぶ理由を理解・同意してもらうことで、費用の一部を負担してもらえる可能性もあります。親族内で意見がわかれる恐れがあるなら、早いタイミングで相談や説明する機会を設けましょう。

注意点6:用意してあるお墓に入れない恐れがある

格安葬儀サービスの葬儀プランに宗教儀式が含まれていない場合、菩提寺から納骨を拒まれる場合があります。たとえば、納骨を認める条件として、菩提寺や同じ宗派の僧侶による読経を必須にしている寺院は少なくありません。また、宗教観の厳密性に重視していて、宗派のルールにのっとった葬儀儀礼を求められる寺院もあります。

菩提寺のある家庭の方が格安葬儀を選択するときは、菩提寺の僧侶にあらかじめ相談してください。

お葬式費用を安くする6つの方法

  1. 葬儀を簡素化する
  2. 複数の葬儀社から相見積もりをとる
  3. 自治体が提供する葬式サービスを使う
  4. 葬祭扶助制度を活用する
  5. 式場選びを工夫する
  6. 公営の火葬場を利用する

お葬式費用を安くする主な方法は、こちらの6つ。故人の住まいや遺族の状況に応じて、さまざまな角度からアプローチ・検討することで葬儀費用をおさえられます。

葬儀の準備から実施までの期間は限られているため、複数の方法を同時並行で進めましょう

方法1:葬儀を簡素化する

2024年基本料金飲食費返礼品費総額
全体75.7万円20.7万円22.0万円118.5万円
出典:第6回お葬式に関する全国調査(2024年/鎌倉新書)
  • 基本料金:斎場利用料・火葬料・祭壇・棺・遺影・搬送費など、葬儀を行うための一式
  • 飲食費:通夜振る舞い・精進落としなどの飲食*
  • 返礼品費:香典に対するお礼の品物*
  • 葬儀費用の総額:基本料金・飲食費・返礼品費の合計金額(お布施は含まない)

*飲食費・返礼品費はひとり当たりにかかる費用のため、参列人数に比例して変動します

葬儀費用の平均費用と内訳を見ると、葬儀そのものの費用以外に、通夜や葬儀後の飲食費や香典への返礼品費が全体の3割を占めています。

飲食費や返礼品費は参列者の規模に左右されるため、参列者を少人数に限定すれば安くしやすいです。また、通夜・葬儀を両方省く直葬・火葬式や、通夜を省く一日葬にすると基本料金もおさえられます。

方法2:複数の葬儀社から相見積もりをとる

葬儀の相見積もりをするときのチェックポイント

葬儀費用を安くする方法として、複数の葬儀社から相見積もりを取って比較するのも効果的です。なぜなら、複数社の見積もりを比べれば、最もコストパフォーマンスの良いサービスを選択できるためです。

同じ葬儀の種類や内容でも、葬儀社によって葬儀費用は異なります。金額を最優先する場合には、見積もりを取った葬儀社の中から最安値の葬儀社を選択すれば、葬儀費用は確実に安くなるでしょう。

ただし、金額が安いとサービス品質が悪い可能性もあるため、口コミや利用者の声を確かめておくと安心です

方法3:自治体が提供する葬式サービスを使う

安価な葬儀を効率的に準備したいなら、自治体が住民向けに設定している葬儀サービスの利用を検討すべき。自治体の葬儀サービスは市民葬や区民葬と呼ばれ、自治体が連携している葬儀社・葬儀内容を比較的安価で利用できます

しかし、葬儀内容は基本的な内容に絞られている場合が多く、希望によってはサービスの追加が必要です。追加するサービスの内容や程度によっては、葬儀費用が膨れ上がる可能性があります。そのため、葬儀社に直接発注するケースと比較して、価格がおさえられるか見極めてから利用してください。

方法4:葬祭扶助制度を活用する

故人および遺族が生活保護を受けているなら、葬祭扶助制度を利用できます。

葬祭扶助制度とは、生活保護法で規定された火葬・埋葬・納骨などにかかる費用を支援する制度です。葬祭扶助制度を活用する場合は、葬儀をする前に自治体に制度活用の申請をしなければなりません。また、選択できる葬儀の種類は直葬のみで、通夜や告別式を行う葬儀形式は対象外です。

葬祭扶助制度の対象者なら、自治体に相談して、具体的な手続きや葬儀内容を教えてもらいましょう。

方法5:式場選びを工夫する

葬儀場には公営と民営があり、一般的に公営は民営よりも利用費用が安価です。また、火葬場と併設している施設が多く、火葬場への移動にかかる費用も省けます。

一方で公営斎場は、価格を理由に人気が集中して予約が取りづらかったり、自治体の住民でないと安価に利用できなかったりするので注意しましょう。

方法6:公営の火葬場を利用する

火葬場も葬儀場と同様、公営と民営、2つの種類が存在します。火葬場の費用を比較すると、いずれの地域でも公営は民営より安いです。また葬儀場が併設されている火葬場もあり、安価で利用できます。

ただし、故人の住所が火葬場のある自治体でないと、金額が上がるかもしれないので確認してください。

格安葬儀でも心を込めたお別れにしましょう

葬儀費用の7割を占める葬儀の基本料金は、葬儀場の利用期間や各種儀式、設備などで変動します。そのため、格安で葬儀をしたいなら、葬儀にかかる期間を短くしたり、葬儀儀式を減らしたりできる葬儀形式を選択するのが有効です。

また、葬儀の参列者を限定すると、葬儀費用の3割を占める飲食費用や返礼品費用もおさえられます。手元資金が豊富でなくても、工夫を重ねれば予算に合わせて満足いく葬儀を実現できるでしょう。

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