お葬式に向いている髪型は、清潔感があり、控えめで落ち着いた印象の髪型です。お葬式当日はゆとりを持って髪型を整え、マナーに合わせた正しい装いで参列して故人をお見送りしましょう。
この記事では、お葬式に向いている髪型を男女・長さ別にご紹介。あわせてお葬式の髪型の基本マナーと注意点も解説します。
目次
髪の長さ・喪服別!お葬式にふさわしい女性の髪型
- ショート・ボブヘアの女性
- ミディアム・セミロングヘアの女性
- ロングヘアの女性
- 正喪服(和装)を着用する女性
お葬式に最適な女性の髪型は、髪の長さと着る喪服によって変わります。髪の長さにあわせてお葬式に適したヘアスタイルに整え、故人に敬意を示しましょう。なお、子どもも大人と同じ考え方で、髪型をセットします。
お葬式に適した髪型①:ショート・ボブヘアの女性

ショート・ボブヘアの女性は、お葬式に参列するからといってさほど手入れする必要はありません。なぜなら、ショート・ボブヘアはもともとシンプルで清潔感のある髪型で、落ち着いた印象を与えるから。すっきりとまとまったショート・ボブヘアは、お葬式に向いている端正な髪型といえます。
ただし前髪が顔にかかるときは、ピンで固定したり、整髪剤で抑えたりすること。サイドの髪が耳にかかるときは、耳にかけるか髪留めを使うと、清潔な印象になります。
お葬式に適した髪型②:ミディアム・セミロングヘアの女性

ミディアム・セミロングの女性は、髪を束ねたりまとめたりする必要があります。
髪を束ねる場合、耳より下の位置で1つに束ねましょう。このとき、耳が髪で隠れないように気をつけてください。一方、髪をまとめる場合はお団子ヘアが望ましく、華やかな印象を与えるハーフアップや巻き髪など髪型は控えるのが妥当です。まとめきれない髪の毛・前髪は、ピンや整髪剤で固定しましょう。
お葬式に適した髪型③:ロングヘアのお葬式に合う髪型

ロングヘアの女性は、お葬式で乱れたり顔をおおったりしないよう、髪を後ろで束ねるかまとめます。ロングヘアは髪の毛が目立ちやすいため、控えめな髪型にセットし、清潔な印象を保つのが大切です。
髪を束ねるときは、耳よりも高い位置でポニーテールにすると華やかな印象になるため、耳より下の位置で束ねるのが基本。黒いシンプルなヘアゴムで束ねるのがポイントです。また、髪をまとめるときは、お団子ヘアが推奨されます。お団子を作る位置は、束ねるときと同じく耳の下にしましょう。
お葬式に適した髪型④:正喪服(和装)を着用する女性
喪主や親族として、お葬式で正喪服(和装)を着用するなら、喪服にあわせた伝統的な髪型にします。おすすめなのは、耳の下で髪を結ぶかまとめる髪型です。特に着物では、髪をただ流すより、まとめておく方が美しく見えます。
なお、注意しなければならないのは、まとめる位置です。高い位置で結んだお団子ヘアにならないよう、気をつける必要があります。また、サイドの髪も黒いピンなどで固定すると清潔感が出ます。正喪服を着る場合は、控えめな髪型を心がけましょう。
髪の長さ別!お葬式にふさわしい男性の髪型
- 短髪の男性
- 長髪の男性
男性も女性と同様、髪の長さにあわせて、お葬式にふさわしい髪型に整えます。お葬式へ参列するにあたって髪型に困ったら、それぞれの髪の長さを踏まえた髪型に整えましょう。なお、子どもも大人と同様のルールで髪型をセットするのが無難です。
お葬式に適した髪型①:短髪の男性

短髪の男性は、お葬式の厳粛な雰囲気に合わせて、シンプルで清潔感のある髪型にするのが大切。髪の長さが耳や顔に届かないなら、寝ぐせを整える程度でよく、大きく手を加える必要はありません。短髪だと襟足や顔回りの髪の毛が整っていて、お葬式に求められる清潔感や落ちついた印象が備わっています。
髪を束ねられるほど長くなくても、耳や顔にかかる長さの髪型なら、整髪剤で整えて耳や顔にかからないようにしましょう。髪の毛全体を整髪剤で七三分けにまとめると、端正な印象を与えられます。
お葬式に適した髪型②:長髪の男性

長髪の男性は、お葬式の雰囲気に合う目立たない髪型に整えましょう。
髪が長い男性は、髪を後ろで1つに束ねます。なぜなら、髪が広がっていたり顔にかかったりすると、清潔感に欠けるから。女性と同様、髪の毛は耳より下の位置で束ねましょう。また、髪が顔にかかる場合は、ピンで留めたり整髪剤で髪をまとめたりしてください。
なお、整髪剤は光沢が出るもの、匂いがきついものだと悪目立ちします。普段使う整髪剤が不適切なら、無香料で光沢のない整髪剤を利用するのが適切です。
お葬式の髪型における5つの基本マナー
- 簡素で清潔なヘアスタイルにする
- 髪が長い場合は耳より下でまとめる
- 前髪がかからない髪型にする
- ワックスの付けすぎを控える
- 控えめな髪色にする
お葬式では服装と同様、髪型について考慮すべきマナーがあります。お葬式に参列するときに、守るべき髪型の基本的なマナーは5つです。
髪型は目につきやすいため、不適切な髪型で参列すると遺族や故人の関係者に不快な印象を与えかねません。マナーを踏まえた、控えめで清潔感のある髪型に整えて、お葬式に参列しましょう。
お葬式の髪型マナー①:簡素で清潔なヘアスタイルにする
お葬式に参列する上で、簡素で清潔な髪型は必須のマナーです。なぜなら、お葬式は厳粛な場であり、派手な髪型や髪色、セットなどは故人への敬意を欠くとされるから。お葬式に参列するときは、故人や遺族に敬意を示せるよう、簡素で清潔なヘアスタイルを心がけましょう。
髪が顔にかかる長さなら、シンプルにまとめたり束ねたりするのが適切です。また、フケがついていたり寝ぐせが残っていたりすると、清潔感に欠けます。髪の長さに関係なく、お葬式に参列する前に鏡でチェックし、必要に応じて整えてください。
お葬式の髪型マナー②:髪が長い場合は耳より下でまとめる
お葬式に参列するとき、髪が長い人は、耳より下の位置でまとめるのが最適です。
冠婚葬祭における髪型では、慶事は耳より上の位置で髪をまとめ、弔事は耳より下の位置で髪をまとめるのがよいとされています。なぜなら、耳より上の位置で髪をまとめると華やかな印象に、下の位置でまとめると控えめな印象になるためです。
さらに髪をまとめるときは、シンプルな1つのお団子結びにすると控え目です。お葬式では目立たない装いが推奨されるため、長い髪は耳より下の位置でまとめ、シンプルなまとめ方を選びましょう。
お葬式の髪型マナー③:前髪がかからない髪型にする
お葬式に参列するときの髪型では、前髪が顔にかからない工夫をするのも大切なマナー。
前髪が顔にかかると、清潔感が損なわれ、参列者に不快な印象を与えるかもしれません。前髪が顔にかかる長さなら、髪の毛をヘアピンで固定したり、サイドに流して耳にかけたりしてください。また、オールバックの要領で髪を後ろに流し、整髪剤で整える方法も有効です。
前髪に関するマナーは、老若男女に共通する問題です。家族でお葬式に参列するときは、大人だけでなく子どもの前髪にも注意してください。
お葬式の髪型マナー④:ワックスの付けすぎを控える
お葬式では、髪型を整える整髪剤の付けすぎを控えてください。ワックスやジェルなど整髪剤を付けすぎると、髪が不自然に見えたり、派手な印象を与えたりしかねません。お葬式では控えめで自然な印象が求められます。そのため、整髪剤で髪型を整えるときは、少量にとどめるのが適切です。
また、香りの強い整髪剤は避けて、無香料のものや香りに主張がないものを使用しましょう。香りがする整髪剤であっても、シャンプー程度の香りであれば問題ありません。
お葬式の髪型マナー⑤:控えめな髪色にする
髪の毛を明るくカラーリングしている方は、お葬式の参列に注意が必要。故人をしのぶお葬式で、黒い喪服に派手な髪色は目立つため、自然な黒髪や暗めの茶髪が適しています。
髪色が明るすぎる場合、お葬式に参列するときは、マナーとして黒に染め直すことがベスト。都合上、染め直しが難しいなら、葬儀当日だけ黒髪のスプレーをかけるなどの心遣いが必要です。普段、髪色が明るい方も、お葬式では控えめな髪色にして、落ち着いた印象になるよう心がけましょう。
お葬式の髪型における2つの注意点
- オシャレなヘアスタイルはしない
- 黒のヘアアクセサリーを使う
お葬式における髪型には、マナーに加えて考慮すべき2つの注意点があります。
とくに普段華やかなヘアスタイルを好んでいる方は、目立たない髪型にしたつもりでも、お葬式にふさわしくないと見られる場合が少なくありません。参列時に目立つことがないよう、髪型にこだわりが強い方も、お葬式では簡素なヘアスタイルに留めましょう。
お葬式の髪型の注意点①:オシャレなヘアスタイルはしない
髪をセットする時間がなくても、髪が長い女性・男性が髪を束ねないとマナー違反とみなされかねません。髪の露出をおさえ、派手な印象を与えないよう、ロングヘアの人は必ず髪をひとつにまとめるようにしましょう。
また、髪をひとつにまとめるときに、細かい編み込みや夜会巻きなどのアレンジを加えると華やかに見えてしまうので避けてください。耳より高い位置でのお団子ヘアやポニーテール、ハーフアップなども、同様に控えるべき髪型です。お葬式に参列する際の髪型は、シンプルで落ち着いて見えるヘアスタイルを選択しましょう。
お葬式の髪型の注意点②:黒のヘアアクセサリーを使う
お葬式では、髪を留めたりまとめたりするヘアアクセサリーの選択にも注意が必要です。
途中で髪が崩れてしまっては、故人にも遺族にも失礼にあたります。髪をしっかり固定するためには、ヘアピンや髪留めが必要。使用するヘアピンや髪留めは必ず黒色にしましょう。装飾のないシンプルなアクセサリーがベストで、極力地味なデザインを選びます。
また、同じ黒色でも、レースが多く使われているシュシュや華美な装飾のバレッタ、金具の部分が派手なアクセサリーは避けてください。シンプルなデザインなら、シュシュやバレッタも使用してかまいません。
お葬式における服装・メイク・小物のマナー
お葬式に参列するときは、髪型以外にも、服装やメイク、小物のマナーを守らなければなりません。故人への敬意や遺族への配慮に欠けた佇まいにならぬよう、葬儀に参列するときは気を付けましょう。
お葬式の服装のマナー
性別・立場 | お葬式の服装 |
---|---|
大人の男性 | 礼服用のブラックスーツ 白のワイシャツに黒のネクタイ 黒の靴下 |
大人の女性 | 黒のアンサンブル・ワンピース・スカート 袖の長さは5分袖以上 スカート丈はひざ下以上 黒無地のストッキング |
子ども | 制服があれば、原則制服を着用 男の子は黒のズボン・上着と白のシャツ 女の子は黒のワンピース・スカートに白のブラウス |
こちらは、喪服・服装の組み合わせを、男性・女性・子ども別にまとめた表です。
お葬式では、控えめで落ち着いた服装を着用する必要があります。一般的には喪服と呼ばれ、基本的には黒を基調とした装いです。お葬式に参列するときは、派手・カジュアルな服装を避け、厳粛なお葬式の場に適した服装を選択しましょう。
お葬式のメイクのマナー
お葬式に参列するときは、メイクも自然で控えめにするのが大切です。
ファンデーションは薄く塗り、ナチュラルな色を保ちましょう。また、アイメイクも控えめにし、アイシャドウやチークも自然な色で薄く仕上げます。さらに、グロスは避け、控えめなリップカラーにすると、全体の印象が落ち着いて清潔感が強調されます。
髪型や服装と合うよう、お葬式では目立たないことを第一とするメイクを心がけてください。
お葬式の小物のマナー
お葬式に参列するときの持ち物やアクセサリーも、派手で目を引くデザインは控えましょう。
かばんの色は黒で、華やかな飾りや光沢のある生地は避けること。また、結婚指輪以外にアクセサリーを付けるなら、1連で短めの真珠のネックレスと1粒タイプのピアス(イヤリング)が望ましいです。2連以上のネックレスだと「不幸の繰り返し」、長いと「長引く不幸」を連想させるといわれているため、避けてください。さらに、動物の革を用いたかばんや靴なども、殺生を連想させるため控えるべきです。
お葬式に参列する場合は、小物やアクセサリーに関するマナーにも気を配りましょう。お葬式に参列する際のアクセサリーの選び方が気になる方は、こちらの記事も参考にしてください。
» 喪服に真珠はつけない?お葬式のアクセサリーのマナーを解説
お葬式に参列するときの持ち物
お葬式での持ち物 | 準備のポイント |
---|---|
数珠 | 男性用は珠の大きさが、10~12mm 女性用は珠の大きさが、6~8mm 子どもは持たせなくてもよい |
袱紗 | 紺色や灰色などの寒色系で無地 紫色は慶事と弔事の両方で利用可能 |
ハンカチ | 白色・黒色で無地のデザイン |
お葬式における必要最低限の持ち物は、数珠・袱紗・ハンカチの3点です。
数珠は、家で普段使っているものを持参すればOK。香典を包む袱紗は、紫色や紺色、灰色などの寒色系のデザインを選びます。ハンカチは、白または黒色で無地のデザインが無難です。目につきやすい持ち物は、お葬式向けのマナーに従って、しっかり準備しましょう。
お葬式のマナーに沿った髪型で故人をお見送り
お葬式にふさわしい髪型は、男女共通で目立たず清潔感のある簡素な髪型です。もし髪が顔にかかったり乱れたりすると、周囲の参列者を不快にさせる恐れがあります。
そのため、シンプルに後ろで束ねたり留めたりして、髪をまとめておく必要があります。また、髪を整える際に用いるピンやヘアアクセサリーは地味なものを選び、派手な印象になるのを避けるのが肝心です。マナーに従い厳粛な場にふさわしい落ち着いた雰囲気の髪型に整えて、お葬式に参列し、故人をお見送りしましょう。