喪服の着物は誰が着る?正しい着付け方法と着用のマナー

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  • 喪服の着物は、弔事における最も格式の高い礼装
  • 一般的には、喪主・家族・親族が紋の入った黒喪服を着用する
  • 喪服の袋帯は黒の名古屋帯を合わせ、帯揚げ・帯締めも黒で統一する

着物の喪服は、弔事における最も格式の高い礼装です。羽二重(はぶたえ)や縮緬(ちりめん)など光沢のない生地の黒無地に、5つの紋を染め抜いた着物が一般的です。結婚する際に、着物の喪服を仕立てた女性の方も多いのではないでしょうか。万が一、大切な親族が亡くなった際に落ち着いて準備できるよう、着物の喪服を着用する際のマナーや着付け方法をご紹介します。

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喪服の着物は遺族が着る

着物の喪服は第一礼装ではありますが、通夜や葬儀の際に誰もが着るものではありません。一般的に遺族といわれる喪主・家族・親族が紋の入った黒喪服を着用します。弔問側は、遺族よりも格の高い喪服でないほうがよいとされていますので、着用しないことがほとんどです。
また、注意しなければいけない点は、「冠婚葬祭は、地域による文化や風習の違いが大きい」ということです。

喪服に着物を着るとしても、例えば次にあげるように地域によってそれぞれ習わしがあることも。失礼のないよう配慮するためには、思わぬマナー違反とならないよう、わからないことなど親族や葬儀会社に相談してみましょう。

喪服の着物に関する習わしの一例

・親族は必ず着物の喪服を着用するべき
・故人が夫や両親・義両親など近しい間柄以外の場合には着用しない
・遺族は三回忌の法要まで着用する
・喪主や喪主の妻は白い着物の喪服を着る
・通夜では色無地の着物に黒い帯を着用する

喪服の着物:季節による着用マナー

洋装や訪問着などと同様、着物の喪服を着用する場合にも季節によって使い分けるマナーがあります。

10月から5月は、胴裏・袖裏・裾回しなどに裏地を付けて仕上げる(あわせ)仕立てを、袷では暑くなる6月と9月には、裏地をすべて除いた単衣(ひとえ)仕立てを着用します。より暑さが厳しい7月と8月には、糸の密度を粗くして風通しをよくした絽を使った薄物(うすもの)を着用しましょう。

喪服の着物:合わせる帯のマナー

格式の高い紋付きの着物には、袋帯を合わせますが、喪服の着物の場合には、「悲しみが重ならないように一重太鼓にする」という意味から、黒の名古屋帯を合わせます。帯に合わせる帯揚げ・帯締めも黒で統一します。

夏の薄物の着物には絽の名古屋帯を、帯揚げや帯締めなどの小物も夏用のものを合わせます。最近では、名古屋帯をリバーシブルに仕立てて、夏冬着用できる帯もあります。

喪服の着物の着付けで揃えるもの

着物の喪服を着る機会は突然訪れ、慌ててしまいますが、落ち着いて用意できるように準備物の確認をしましょう。

着物・帯

・黒喪服
・黒喪帯
・帯揚げ(黒)
・帯締め(黒)
・長襦袢(白)
・半襟(白)…何も刺繍されていない白無地のもの、長襦袢に縫い付けます
・襟芯

この中で注意したいのが、半襟です。半襟は縫い付けられている場合と、自分で縫い付ける場合がありますので、確認が必要です。自分で縫い付けられない場合は、着付け先や呉服屋に有料で依頼できる場合もありますが、日数がかかりますので早めに対応しましょう。

下着類

・肌襦袢
・裾避け
・足袋(白)…コハゼは5枚が正式ですが、4枚でも問題はありません。

着付け用小物類

・伊達締め2本
・補正用タオル
・帯枕1つ……着付けた時に外から見えないので、色味があっても差し支えありません。
・前板1枚
・腰ひも4〜6本(コーリンベルトなど)

その他

・草履(黒)
・バッグ(黒)

バッグは黒で金具が目立たないもので、革製を避けましょう。洋服の喪服と兼用できるものを選ぶとよいでしょう。草履も黒で光沢の少ないマット仕上げのものがおすすめです。

喪服の着物の着付け方。ポイントは「つつましやかに」

喪服の着付け方法は、通常の着物の着付け手順と変わりませんが、喪服ならではのポイントがあります。悲しみの場で着用する喪服の着付けポイントは、一言でいえば、つつましやかに装うということです。控えめを心がけた装いが、悲しむ気持ちを表現します。具体的には、次のようなことがあげられます。

肌の露出を控える

襟合わせは、肌が見え過ぎないよう深めにし、半襟を1~1.5cmほど出します。衣紋(後ろ襟の部分)も、指3本ほど抜く程度にし、決して抜き過ぎないようにします。

派手な印象を与えない、控えめな着付けに

帯は、一重の太鼓結びにし、お太鼓の高さは、華やかにならないよう低めにします。お太鼓の大きさも控えめにし、たれも短くします。帯締めは、帯幅の中心よりやや下に締めて、房は下向きにし、帯揚げもあまり外に出さないよう、控えめにします。

整然と着ることも大切

厳粛な場ですから、きっちり着ることも大切です。紋の高さは左右同じに揃え、背中の紋は真ん中にたるまないように美しく整えます。おはしょりは短めに、前から見てまっすぐになるように整え、裾線は床すれすれにし、裾つぼまり(タイト)にならないようにします。

髪型やメイクも控えめに

髪型は華美に見えるスタイルは避け、ヘアアクセサリーなどもできるだけつけないようにしましょう。メイクは薄めに、特にキラキラ光るラメ系やパール系は望ましくありません。色味もナチュラルなものを選びましょう。

失礼にならないよう、喪服の着物は正しく着用しよう

着物の喪服を着用する際のポイントやマナー、着付け方法などについてご紹介しました。日常に着物を着る機会は少なくなっていますが、近しい方の葬儀では着物の喪服の着用が必要な場合も出てきます。厳粛な悲しみの場でマナー違反とならないよう、気を付けたいものです。
喪服のレンタルや着付けの手配、葬儀の執り行い方、葬儀費用などについて相談したい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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