選ばれるお坊さんとはどんなお坊さん?「お寺さんの会」が勉強会を開催

いい葬儀【記事監修】
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2019年7月4日、「お寺さんの会」(本部:東京都足立区 代表: 榎本勝彦 )主催の勉強会が株式会社鎌倉新書にて開催されました。当日は生憎の天候ながら、全国各地から約50名のお坊さんが出席。お坊さんに悩みを相談できるQAサイト「hasunoha」を運営するロータスリーフ合同会社の堀下剛司代表の講演や、パネルディスカッションなど、お寺の抱える問題や僧侶派遣サービスなどについて活発な意見交換が行われました。

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お坊さんのための勉強会

勉強会では冒頭、「お寺さんの会」を運営する西栄寺僧括・榎本勝彦師より、当勉強会がお寺の発展をめざすものであること、自分の利益の追求ではなく各寺の未来に役立つアイデアの吸収をめざしてもらいたいと、勉強会の趣旨説明がありました。

勉強会は3部構成で、第一部では株式会社鎌倉新書で運営する葬儀社探しのポータルサイト「いい葬儀」から、最近のお葬式のトレンドや僧侶派遣サービスについて説明。続く第2部では、「hasunoha」から、お坊さんに寄せられる悩みから見える、現代社会の問題について講演がありました。

第3部では、西栄寺の榎本師やハスノハの堀下代表に、いい葬儀で実際に電話相談を受けているスタッフも入ってパネルディスカッションを行いました。参加するお坊さんからもさまざまな質問が飛び交い、白熱した議論が繰り広げられました。

第1部ネット社会における供養業界の現状と今後の展開

第1部は「ネット社会における供養業界の現状と今後の展開」と題して、鎌倉新書「いい葬儀」事業担当の岩﨑考洋が登壇しました。

鎌倉新書が運営する葬儀社探しのマッチングサイト「いい葬儀」への年間依頼件数は年々増加しています。2019年5月現在では、家族葬など、お通夜と葬儀告別式を行うお葬式が約60%と、インターネットで葬儀を仲介するサイトの中でも、直葬や火葬式といったお別れが少ないのが特徴です。

「直葬をして後悔している、もっと何かできたのではという後悔の念を抱く人が一定数いるのは事実。そうした遺族の慰めとして、お寺さんにご遺族の輪の中で法話をしていただくサービスを考えています。グリーフケアになる上に満足度も上がり、他社との差別化にもなると期待しています。宗教者手配サービスも、手配して終わりではなく、私たちと僧侶の皆様との持続的な関係性を築いていきたい」と述べました。

第2部「hasunoha」から見る、宗教者に求める「救い」とは

一般の人がお坊さんに悩みを相談できるサービス「hasunoha」の堀下代表が登壇。「hasunoha」に寄せられる多くの質問から見えてきた「お坊さんに求められているもの」について話がありました。

現在、同サービスで質問に答えてくれる僧侶は240名ほど。寄せられる相談件数は月に600件で、累計相談数は3万5,000件におよびます。相談は30個ほどのカテゴリに分かれていますが、これはサービスのスタート時にはなく、相談が増えてきたところで堀下氏が分類したものと言います。つまり、一般の人がお坊さんに相談したいと思うことをグルーピングしたら、30種類のカテゴリができたということになります。

「最近、これをさらに細かくグルーピングしたところ、見ている方が心を病みそうになるようなマイナスな言葉がたくさん出てきました。引きこもり、暴力、虐待、パワハラ、誰かを殺したい…いま私たちが毎日のようにメディアで目にする悲しい事件につながるような、

そういう現代社会の闇ともいうべき言葉です。このデータには、何か重要なキーワードが隠されているのではないかと考えました」

閲覧上位カテゴリは「過去の罪や過ち、懺悔」「不倫・既婚者との恋愛」「身近・大切な人が自死・自殺」などとなります。これを日本人のストレスランキングと比較すると、ともに「愛別離苦」に対する苦しみや悲しみが上位を占めることがわかったそうです。

「やりきれない悲しみを訴える人の質問にお坊さんが回答をすると、心が救われた、頑張って生きていく、というお礼が返ってきます。これを見て、どの人も救いを求めているんだなと強く感じました。同時に、救いを与えることができるのはお坊さんしかいないとも思ったのです。どんなに医療が進歩して、体を治すことができても、心を前向きにできるのは救いだけです」

お坊さんからの回答を読んだ相談者からは、「供養をしてほしい」「お経をあげてほしい」といった依頼がきたり、直筆のお礼の手紙とお布施が届いたりと、お坊さんとのリアルなつながりに発展することもあるそうです。「苦に向き合ってくれるお坊さんと縁をつなぎ、どうやって供養につなげていくかを考えたい」と結びました。

第3部パネルディスカッション「選ばれるお坊さん・選ばれないお坊さん」

「お寺さんの会」寺務局を担当する西栄寺・榎本勝彦僧括、「hasunoha」堀下代表、さらに「いい葬儀」の岩崎と鎌倉新書のコールセンター担当者をパネラーに、パネルディスカッションが開かれました。

まず、「一般の人はお坊さんに何を望んでいるか?」というテーマでは、コールセンターの担当者が、過去に消費者から寄せられたクレームを紹介。僧侶の遅刻や、ご遺族の気持ちを考えない行動など具体的な事例を参照に、どうしてこのような問題が起こったのか。またそうした問題を完全になくすためにどのようなことができるのか、お坊さんたちに意見を求めました。

中でも、お布施を受け取った時のお坊さんの振る舞いについては、勉強会の参加者からも実際の体験談も披露されるなど、お葬式の現場でどのようなことがあるのか、多方面から見るきっかけとなりました。

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