芳名録とは、芳名帳とも呼ばれ、冠婚葬祭のときに参列または参加してくださった方の名前と住所を記帳してもらう名簿のようなものです。そもそも芳名録に名前や住所を記帳するのには、どのような意味があるのでしょうか。また、芳名帳の書き方やマナーなどの忘れがちなポイントについても解説します。
芳名録とは？
芳名録とは、芳名帳とも呼ばれ、葬儀に参列された方、つまり会葬者全員の氏名と住所を記入してもらうための冊子のことを指します。
一般的には葬儀に参列する際、受付で香典を渡したときなどに一緒に記入します。このときに記入する内容は、遺族の方があとで香典返しをするときに使われますので、はっきりと分かりやすく丁寧な文字で書くようにすると、あとの事務処理がとてもスムーズです。芳名録は葬儀だけでなく、結婚式や披露宴などの慶事にも使用されており、その使い方は冠婚葬祭どのような場合でも基本的には同じです。
芳名録に記入するときのルール
受付で芳名録への記帳を促されたときにスムーズに対応できるよう、冠婚葬祭に参加するときは芳名録に記入するときのルールをご紹介します。まず受付には多くの場合、筆ペンやボールペンといった種類の違う筆記用具が準備されていますので、自分が一番使いやすいと思うもので記帳をするようにしてください。いくつか考えられる参列のパターン別に記帳方法をまとめましたので参考にしてください。
個人で参列される場合
個人で参列される場合は、自身の住所と名前を書きます。
仕事のつながりで参列する場合
仕事のつながりで参列する場合は、まず会社の所在地と会社名を書き、そのあとに個人の名前と住所を書きます。
会社の代表で参列する場合
会社の代表で参列することになった場合、会社の所在地と会社名を記帳後、「代表」と必ず書いてから個人の名前を書くようにします。
会社の上司などの代理で参列する場合
会社の上司などの代理で参列するときは、会社の所在地と会社名を書いたあと、代理を依頼した方の所属部署と役職、氏名を記帳します。その氏名の下かもしくは横のスペースに「代理」や「代」のみを記入してから、ご自身の名前を書いてください。
夫婦や家族で参列する場合
夫婦や家族で参列する場合、または夫の代理で妻が参列するといった場合は、親族以外の葬儀であれば夫の住所と氏名を書き、氏名の左下に「内」と記帳します。また親族の葬儀の場合は同じ場所に「家」と記すことで「家」の単位での参列というようにみなされます。
このように多様な参列のパターンがあり、それぞれの一般的な書き方はありますが、葬儀によって異なる場合もあります。
記入の仕方が不安な場合は受付で確認すると的確な書き方を教えてもらえます。
最近では香典帳と芳名録が一緒になっているパターンの冊子も存在しますので、そのような場合も受付の方に質問してください。また、次項で取り扱いますが、葬儀の受付係を担当する場合は、喪主の方と芳名録の記帳方法についてしっかり打ち合わせをしておくと、のちのち起こりうる問題を未然に防ぐことができます。
葬儀の受付を頼まれたら
一方、受付を頼まれたときには芳名録はどのようにして扱えばよいのでしょうか。基本的には施行する葬儀社が準備等も行ってくれることが通例ですが、まとめると次のようになります。
まず、準備の段階で特に注意が必要なのは何種類かのペンを用意しておくことです。また、大きな会場や多くの参列が予想される葬儀の場合、芳名録は数冊準備しておくことをおすすめします。こうすることで一度に多くの方に記帳してもらえるため、弔問客を待たせることがなくなります。また書くスペースが埋まってしまったなどの事態にも陥ることがなく、受付作業に余裕ができます。
最近では芳名カードを受付前の記帳用のテーブルなどに用意しておき、お香典を受付に渡す前にカードに必要事項を記入してもらう方法も一般化しています。受付で預かったカードをまとめ、最終的に一冊の芳名帳にします。
芳名録には番号をふっておくことも重要です。採番するのは弔問客から渡された香典を集計するときに、番号によって確認できると名前で確認するよりも事務的な作業時間が効率的に進められるからです。これにより、負担が軽くなり葬儀も滞りなく執り行えます。
いただいた香典には芳名帳に記帳された場所に打ってある番号と同じものをすぐに書き入れます。これにより混雑してきたときなど、受付が忙しくなっても混乱するのを防げます。
また、記帳をお願いする際は、「恐れ入りますが、こちらにご住所とお名前をご記入ください」と丁寧な言葉遣いを心がけてましょう。
これらのように芳名録は会葬者の名前や人数を記録しておく役割の他にも、葬儀後の確認や集計時にも使用します。受付の役割は、香典やお返しなどは金銭に関わることでもあります。芳名帳への記載方法だけでなく、香典の取り扱いなど、喪主への確認をしながら下準備を進めることが大切です。
まとめ
芳名録はただ単純に弔問客の名前を管理するだけのものではありません。葬儀のあとに行う経理的な処理やご遺族からの香典返しに必要となる大事なものなのです。今回は芳名帳に記載する際の基本的な方法や、受付を頼まれた際の注意点などを解説しました。芳名帳に関する疑問をはじめ、葬儀についての細かなことでも、相談を承っております。一度お問い合わせください。