真宗大谷派の葬儀の特徴 – 流れ・マナー

2018年9月10日

仏式の葬儀といえば、住職が読経して、参列者が焼香し、そして出棺という流れを思い浮かべる方が多いかと思います。実は、同じ仏教式の葬儀でも、葬儀についての考え方や式次第、焼香やお悔やみの作法など、宗派によってさまざまな違いがあります。今回は、日本で最も信者が多い浄土真宗の宗派の一つである真宗大谷派の葬儀の流れや作法について詳しくご紹介します。

浄土真宗は、浄土宗の開祖・法然の弟子である親鸞が、鎌倉時代に開いた宗派です。真宗大谷派は、浄土真宗本願寺派に次ぐ規模の浄土真宗の宗派で、所属する寺院の数は約8,500寺あります。真宗大谷派と浄土真宗本願寺派は、戦国時代から江戸初期にかけて分裂したという歴史があります。真宗大谷派の本山は京都の真宗本廟(東本願寺)で、「お東」や「お東さん」の名で親しまれています。

真宗大谷派の葬儀の特徴

浄土真宗の宗派である真宗大谷派の葬儀の特徴には、次のような点があります。

真宗大谷派の葬儀では、引導・授戒の儀式がない

浄土真宗は、現世において阿弥陀仏を信じ念仏を唱えれば、誰でも亡くなったら極楽浄土に成仏できるという浄土宗の教え(他力本願)が、さらに強くなった「絶対他力」の教えです。絶対他力とは、念仏を唱えていなくても阿弥陀如来を信仰しているだけで成仏できる(往生即身仏)という教えです。つまり、死者は亡くなった時点で成仏しているので、他の宗派のように、死者を供養し成仏することを願うことはしません。そのため、浄土真宗の葬儀では、亡くなった人が成仏するための引導や授戒の儀式がありません。

真宗大谷派の葬儀では、死装束・清めの塩を用意しない

浄土真宗の葬儀では、他の宗派のような死装束は用意しません。死装束とは、白い経帷子や笠、足袋、杖、わらじ、六文銭など、亡くなった人が浄土へと無事に旅立てるように用意するものです。

浄土真宗では、故人はすでに極楽浄土に成仏しているので旅立ちの衣装である死装束を用意せず、白衣(白衣)を着せたり、個人が愛用していた着物や洋服を着せたりします。

また、死は「穢れ(ケガレ)」であるとは考えないので、清めの塩も必要ありません。ただし実際には、葬儀にはさまざまな宗旨、宗派の方も参列されるので、会葬御礼には小袋に入った清めの塩を添える場合が多いです。

真宗大谷派の葬儀では、位牌を安置しない

一般的に葬儀を行う際には、授かった戒名を記した白木位牌を祭壇に安置し、四十九日法要までに仏壇に供える本位牌を用意します。

しかし浄土真宗では、葬儀の祭壇や仏壇に位牌を用意しません。浄土真宗では、戒名のことを法名と呼び、授かった法名は過去帳に記して仏壇に供えます。最近では、浄土真宗の場合でも、位牌を用意される方もいらっしゃるそうです。

なお、法名は死後授かるケースも多いのですが、本来は生前に授与されるべきものといわれています。浄土真宗では生前、帰敬式を受けることで、法名を授与されます。

>>浄土真宗の帰敬式とは

真宗大谷派の葬儀の流れ

真宗大谷派の葬儀の式次第は、次のとおりです。

 

1.入場:導師、式衆入場

2.総礼(そうらい)

3.伽陀(かだ):僧侶が着座したことを知らせる発生

4.勧衆偈(かんしゅうげ)  諸々の衆生に仏道を勧める偈文を読経

5.短念仏十遍:念仏を10回唱える

6.回向(えこう)

7.総礼

8.三匝鈴(さそうれい):鈴を小から大と打ち上げる

9.路念仏(じねんぶつ):南無阿弥陀仏四句を一節とする独特の言い回しの念仏

10.三匝鈴

11.導師焼香・総礼

12.表白(ひょうびゃく):葬儀を行う意義を参列者や仏様にお知らせします。

13.三匝鈴

14.弔辞

15.正信偈:親鸞聖人の著書「教行信証」にある偈文

16.焼香

17.短念仏

18.和讃

19.回向

20.総礼

真宗大谷派の焼香の作法

真宗大谷派の葬儀に参列する時には、次のような作法があります。

浄土真宗では、焼香をする際には、お香をつまんだ手を額まで押しいただくことをしません。まず香炉の前で一礼し、右手親指、中指、人差し指の3本の指でお香をつまみ、そのまま香炉にくべます。お香をくべる回数は、同じ浄土真宗であっても浄土真宗本願寺派は1回ですが、真宗大谷派は2回です。

香典の表書きの作法

他の宗派では、亡くなった人は四十九日の法要を過ぎて仏様になるという考えなので、葬儀の際に渡す香典の表書きは「御霊前」と書きます。しかし、浄土真宗では亡くなってすぐに仏様になるという考えなので、表書きは「御仏前」または「御香典」と書きます。

弔辞・弔電の作法

浄土真宗では、弔辞や弔電で用いるのにはふさわしくない言葉があります。すでに極楽浄土に成仏しているので、「冥途に旅立つ」「あの世に旅立つ」という概念がありません。

そのため「冥福を祈る」という表現はふさわしくありません。弔辞や弔電では、「御冥福をお祈りします」や「安らかにお眠りください」「草葉の陰から見守っていらっしゃるでしょう」などの言葉は用いないようにします。

線香の作法

浄土真宗では、線香は立てずに寝かせます。香炉の大きさに合わせて線香を2つか3つに折って、火の付いている方を左に向けて香炉に寝かせます。

まとめ

真宗大谷派の葬儀の流れや作法についてご紹介いたしました。喪主として葬儀を執り行う方やご自分の葬儀を事前に検討したい方は、「葬儀費用がどのくらいかかるのだろうか」「どこの葬儀社に頼めばよいのだろうか」などの不安もあると思います。葬儀の内容について相談したい、葬儀の見積りを出してほしいなど葬儀に関するお悩みがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

 

>>浄土真宗本願寺派の葬儀の特徴 – 流れ・マナー

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