黄檗宗の葬儀の特徴や作法

兵藤 大介【記事監修】
小林憲行

記事監修兵藤 大介

黄檗宗(おうばくしゅう)とは、日本仏教における伝統的な13宗派のひとつです。黄檗宗の開祖は隠元隆琦(いんげんりゅうき)禅師で、本山は京都にある萬福寺です。座禅を大事にする禅宗として、江戸時代に広まりました。
故人と最後のお別れをする葬儀は、宗派により特徴が違います。黄檗宗の葬儀で頭に入れておきたい特徴や作法をご紹介します

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黄檗宗の葬儀の特徴

黄檗宗は、臨済宗、曹洞宗とともに日本三禅宗とされています。

1654年に日本に来た中国僧、隠元禅師によって開かれた臨済宗の一派です。ただ、同じ禅宗ではありますが臨済宗や曹洞宗とは異なり、中国式の考えが強いという特徴があります。例えば、寺院も中国明朝形式で建てられたものが多く、日本の他の寺院と比べるととてもカラフルな外観をしています。さらに、使用する仏具も中国から運ばれたものを継承しています。

黄檗宗は葬儀もまた、中国式の作法に沿って行われます。日本に伝わった当時、中国の禅寺で僧侶のために行われていた葬儀儀礼に、日本ですでに行われていた禅宗の葬儀を取り入れて、一般の方の葬儀が行われるようになりました。

宗派に限らず仏教式の葬儀に読経は欠かせません。黄檗宗の読経も代表的な経典の一つである般若心経が基本です。しかしその読み方が特徴的で、日本語ではなく唐音(とういん)という中国式の発音で行われます。さらに、銅鑼や太鼓などの鳴り物を使い節に従って唱える音楽的なボンバイ(梵唄)があるのも特徴です。ですから、黄檗宗の葬儀に初めて参列すると、賑やかな読経にびっくりしてしまう方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、読経の内容や故人の冥福を祈る気持ちは他の宗派と同じですのでご安心ください。
また、中国式と聞くとどんな服装で行ったらいいのかと悩んでしまう方がいらっしゃるかもしれません。しかし、服装については他の宗派の葬儀と同じく喪服で問題ありません。華美なアクセサリーやネイルは外すのを忘れないようにしましょう。

黄檗宗の葬儀の流れ

黄檗宗の葬儀は、基本的に禅宗の作法に沿ったものです。

お通夜から葬儀までの大まかな流れは、授戒、鎖龕法式、起龕法式、秉炬方式、安牌諷経となっています。

授戒では、剃髪(ていはつ)、懺悔文(ざんげもん)、三帰戒文(さんきかいもん)、三聚浄戒(さんじゅうじょうかい)と続きます。ただし、黄檗宗の授戒は正式には、生前、7日間にわたって行われます。

鎖龕法式は龕(棺)を封鎖するという意味があります。導師の法語の後、三宝讃、大悲咒、心経、往生咒、西方讃、無常偈を唱えます。

起龕法式は、棺を持って式場に向かうための法式です。ただし、葬儀式場など棺が安置されている場所で葬儀が行われることが一般的なため、先述の鎖龕法式や起龕法式は省略されることが一般的なようです。

秉炬方式はいわゆる葬儀のことです。また、安牌諷経は火葬後、遺骨が喪家に戻った際に行われる儀式です。

黄檗宗の数珠

黄檗宗の葬儀で使用する数珠は、看経念珠(かんきんねんじゅ)と呼ばれるシンプルなタイプのものです。108粒の玉と2個の親玉がつながれており、10個ごとに記子(きし)がついています。宗派にこだわらず使用できる略式念珠もありますが、喪主や親族の場合はできるだけ宗派に合わせた数珠を用意するようにしましょう。あまり葬儀に参列しないからとご家族の数珠を借りる方もいらっしゃいますが、本来数珠は共用ではなく自分自身のものを持つのがよいとされています。

焼香の作法

葬儀に参列する際、作法に迷ってしまいがちなのが焼香ではないでしょうか。焼香は経験があるから大丈夫と思っていても、実は焼香の作法は宗派によって異なるのです。故人を弔う気持ちが何より重要ですのでそこまで作法にこだわることはありませんが、心配な場合は事前に下調べされることをおすすめします。
では、黄檗宗の場合はどうすればよいのでしょう。
基本的なマナーは他の宗派と大きな違いはありません。まずは祭壇の前で遺影と遺族に向かい礼をします。焼香台に進み、人さし指と中指、親指の3つで抹香をつまみます。そのまま額に押しいただいたら香炉にくべます。これを三度繰り返し、終わったら手を合わせ、遺影と遺族に礼をし、席へ戻りましょう。

黄檗宗の精進料理

精進落としの際にふるまわれることの多い精進料理。黄檗宗は精進料理も中国式で、普茶(ふちゃ)料理と呼ばれています。普茶は「普く(あまねく)大衆に茶を供する」からきており、茶で接待するという意味があります。普茶料理は、黄檗宗の開祖である隠元禅師によって江戸時代初期に伝えられました。

精進料理といえば質素なイメージがありますが、普茶料理は栄養価も高く綺麗な彩りが特徴です。さらにみんなで一つの座卓を囲み、大皿料理を分けながら食べるという中国式の作法は当時の日本で非常に珍しがられました。また、普茶料理では炒めたり揚げたりという中国式の調理技術が使われており、日本ではまだ馴染みの無かった油の利用を広めたともいわれています。

まとめ

禅宗のひとつである黄檗宗の葬儀の特徴や作法についてご紹介しました。黄檗宗は中国式の考えが強い宗派ですので、一般的な葬儀との違いに戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。不安な方や喪主や親族の方は、葬儀の流れやマナーについて事前に確認しておくと安心です。黄檗宗の葬儀に詳しい葬儀社を知りたい、葬儀について相談したいという方は、どうぞお気軽にご相談ください。

兵藤 大介【記事監修】
兵藤 大介

記事監修兵藤 大介

大学卒業後、広告業界で20年にわたりキャリアを築く。スタートアップの広告代理店立ち上げに参画し、代表取締役を務めた経験も持つ。 2020年、これまでの経験と異なる領域へ挑戦する「キャリアの逆張り」として株式会社鎌倉新書に入社。相続関連の新規事業立ち上げを1年間担当した後、2年間葬祭事業部に従事。その後、事業横断型の営業推進組織の責任者として、広告商品の新規開発や終活領域のデジタル広告運用支援を2年間リードした。 2024年より現職。事業部長として2回目の就任。社内のデータ分析と全国の葬儀社との対話から得られるリアルな現場の声を掛け合わせ、業界が抱える課題の解決に挑んでいる。 主なメディア出演やコメント掲載として、フジテレビ「めざまし8」、テレビ東京「LIFE IS MONEY~世の中お金で見てみよう~」、日本経済新聞がある。

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