創価学会のお葬式・友人葬とは?香典やお布施のマナーを解説

小林憲行【記事監修】
小林憲行

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  • 友人葬とは、創価学会の学会員のために執り行われる葬儀形式
  • 創価学会は、鎌倉時代の仏教僧、日蓮の教えを信奉する団体
  • 創価学会の友人葬では、香典・お布施は持参しなくてよいとされる

友人葬とは、創価学会の葬儀のことをいいます。友人の代表(儀典長)が導師を務め執り行う葬儀です。宗教儀式を執り行う僧侶も戒名も不要なため、宗教者へのお布施は必要ありません。 ここでは友人葬について、費用の相場や流れなどをご説明します。

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創価学会とは

創価学会は、鎌倉時代の仏教僧、日蓮の教えを信奉する団体です。 日蓮は、「一身の安堵を思わば、まず四表の静謐を祈るべし」と述べ、個人の幸せのためには、社会全体の平和を願い、努力するべきだと説いています。「創価」は価値創造を意味し、その価値の中心である「生命の尊厳」の確立に基づく「万人の幸福」と「世界の平和」の実現を目指して活動しています。

創価学会のお葬式・友人葬の費用相場

友人葬にかかる費用の相場は、地域や参列者数などにもよりますが、目安として15万円前後からとされています。
通夜、葬儀・告別式の代わりとなる友人葬には、僧侶も戒名も必要としていないため、お布施もありません。また、香典も受け取らない場合が多いため、香典もありません。
近親者や友人だけでなく、近所の人や故人の会社関係者などに広く告知して、多くの人に参列してもらう一般葬と比べると、友人葬は家族や親族、ごく親しい友人など、限られた参列者のみで行われるため、葬儀費用は低めにおさえられます。

創価学会のお葬式・友人葬の特徴

友人葬とは

友人葬とは、創価学会が1991年ごろスタートさせた、学会員のために執り行われる葬儀形式です。学会員でなくても、参列することは可能です。

友人葬の特徴

(1)導師を中心に執り行う

友人葬は、導師を中心に執り行うのが大きな特徴です。導師は、友人の代表(儀典長)が行います。

(2)僧侶を呼ばない

友人葬は、僧侶を呼ばないため、お布施は必要がありません。また、故人に戒名は付けず、生前の名前のままで行います。

(3)祭壇

友人葬の祭壇は、「シキミ祭壇」か「生花祭壇」が一般的です。シキミ祭壇は、シキミという植物の枝と葉を使った祭壇。生花祭壇は、希望の生花を使った祭壇です。
ただ、御本尊に供えるのはシキミのみですが、祭壇については、どちらか一方でなくてはいけないという厳密なルールはなく、シキミと生花の両方を用いても問題はありません。

友人葬の流れ

(1)葬儀社を手配
   ↓
(2)関係者への連絡・打ち合わせ
   ↓
(3)祭壇・掛け軸(御本尊)の準備
   ↓
(4)開式の辞(通夜、葬儀・告別式同様)
   ↓
(5)読経・唱題(通夜、葬儀・告別式同様)
   ↓
(6)焼香(通夜、葬儀・告別式同様)
   ↓
(7)御祈念文・題目三唱(通夜、葬儀・告別式同様)
   ↓
(8)弔慰文・弔電紹介(通夜、葬儀・告別式同様)
   ↓
(9)導師挨拶(通夜、葬儀・告別式同様)
   ↓
(10)謝辞(通夜、葬儀・告別式同様)
   ↓
(11)題目三唱(通夜、葬儀・告別式同様)
   ↓
(12)閉式の辞(通夜、葬儀・告別式同様)
   ↓
(13)お別れと出棺(葬儀・告別式の場合のみ)

葬儀社の手配

葬儀社を手配します。 友人葬に不慣れな葬儀社もありますので、可能であれば事前に友人葬に対応している葬儀社を探しておくと良いでしょう。創価学会専門の葬儀社もあります。

式場については、公営の葬儀場や民間の貸しホールの場合は問題ありませんが、寺院が運営している葬儀場やホールなどは、友人葬ができない場合があるので、注意が必要です。

関係者への連絡・打ち合わせ

親族や故人がお世話になった友人・知人などに、通夜、葬儀・告別式の連絡をします。また、故人や遺族が所属する地域の創価学会に連絡を取り、その幹部と共に、式の流れ、役員の配置、導師や本尊の確認をします。多くの場合、その幹部が導師となります。

創価学会では通常、会員が亡くなると、その地域の全会員に友人葬のお知らせを出します。家族やごく限られた人だけで、ひっそりと故人を送りたい場合は、地域の創価学会の幹部に、予め希望を伝えておきましょう。

祭壇・掛け軸の準備

祭壇は、「シキミ祭壇」もしくは「生花祭壇」を準備します。シキミ祭壇は、祭壇のお堂の中に、植物のシキミの枝を供え、創価学会の掛け軸(御本尊)を飾った祭壇です。生花祭壇は、祭壇のお堂の中に生花を飾り、同様に掛け軸を飾った祭壇です。

多くの場合、創価学会の通夜、葬儀・告別式には、この2種類の祭壇が使われますが、地域などによっては、シキミと生花の両方を用いることもあり、絶対にどちらかでなくてはならないという厳密なルールがあるわけではありません。

開式の辞

司会による葬儀開始の案内です。

読経・唱題

導師を中心に、読経・唱題を行います。

・読経とは

お経は、お釈迦様の教えや言葉をまとめたもの。その数は8万4千経と言われています。法華経(妙法蓮華経)もそのひとつ。法華経二十八品(章)の第二にあたる経文、方便品と、二十八品(章)の第十六如来寿量品、別名自我偈をとなえることです。

・唱題とは

法華経の教えに帰依をするという意味を持つ、「南無妙法蓮華経」の題目を唱えることです。
創価学会の学会員は、朝晩、御本尊に向かい、法華経二十八品(章)のうち、第二にあたる経文、「方便品」と、二十八品(章)の第十六にあたる「寿量品の自我偈」を読み、「南無妙法蓮華経」と題目を唱える「勤行」を行っています。

焼香

焼香は、1回目の自我偈に入ると同時に行われます。

焼香の順番は、「導師・副導師 → 親族 → 参列者」が一般的です。

御祈念文・題目三唱

焼香が終わると、導師が唱題終了の合図に鈴を鳴らし、追善供養の祈念をします。
祈念が終わると、鈴の音に合わせて、参列者全員で「南無妙法蓮華経」の題目を三唱します。

弔慰文・弔電紹介

弔慰文や弔電を紹介します。弔慰文は、次の導師の挨拶の際にまとめて行う場合もあります。

導師挨拶

導師が挨拶の言葉を述べます。

謝辞

喪主もしくは親族代表が謝辞の言葉を述べます。

閉式の辞

導師の鈴の音に合わせて、参列者全員で「南無妙法蓮華経」の題目を三唱します。

題目三唱

司会より葬儀終了の案内があります。
その後、葬儀・告別式を行う場合は、葬儀・告別式についての連絡や注意事項などがあります。

葬儀・告別式と出棺

葬儀・告別式が終わると、導師や遺族、会葬者は、「南無妙法蓮華経」の題目を唱える中、シキミという植物の枝を棺に納め、お別れの儀式を行います。
その後、棺を霊柩車に乗せ、喪主からの挨拶が終わると出棺となります。

創価学会の葬儀・友人葬は、お坊さんを呼ばない葬儀・友人葬

特徴のところでも触れましたが、友人葬は、友人の代表(儀典長)である導師を中心に執り行うため、僧侶の立ち会いは必要ありません。

創価学会のお葬式・友人葬にお布施と戒名(法号)はない

創価学会の葬儀と戒名(法号)

友人葬では戒名を付けないため、故人の生前の名前が記載された位牌を用いて行います。

創価学会の葬儀とお布施

僧侶を呼ばないため、お布施は必要ありません。

創価学会のお葬式・友人葬のマナー【香典・数珠・服装】

香典

友人葬では、創価学会の方針として、「儀礼的な意味での香典は持参しなくてもよい」となっています。また、導師への謝礼なども、一切必要ないとされています。

数珠

創価学会員は独自の念珠を持参しますが、学会員でない場合は、一般的な数珠で構いません。また、数珠は必ず持参しないといけないものではないので、持っていなければなしでも問題ありません。

服装

通夜、葬儀・告別式ともに特に決まりはなく、一般的な喪服であれば問題ないようです。

創価学会の納骨と供養方法

通夜、葬儀・告別式ともに特に決まりはなく、一般的な喪服であれば問題ないようです。

納骨堂

創価学会には、北は北海道、南は沖縄まで、全国に14の墓地公園(2019年には15になる予定です)、6の長期収蔵型納骨堂、15の常楽納骨堂があります。

長期収蔵型納骨堂は、遺骨を20年間管理する納骨堂です。一方、常楽納骨堂は、遺骨を永久に保管する納骨堂です。多くの場合、長期収蔵型納骨堂で管理した後、常楽納骨堂へ移動し、永久に供養することになります。ただし創価学会員であることが条件となります。

納骨費用は長期収蔵型納骨堂への管理費用は20万円からで、常楽納骨堂への費用は5万円からとなります。

創価学会の法要

創価学会の年忌法要

一周忌や三回忌、十三回忌といった年忌法要は、故人を追善する仏教の風習です。生きている家族や親しい友人・知人が善行をすることで故人の善行になり、死後に良い世界に転生できるなど、幸せになれる、それがまた自分に戻ってくるという考え方で行われています。

しかし、創価学会が重んじている日蓮の教えには、故人を偲ぶ家族や親族、友人・知人の真心が重要であるとはされていますが、法事の必要性は説いていません。学会員各人の日常の勤行や唱題が、最大の追善供養とされています。

そのため、創価学会では、一般的な追善法要は行いません。しかし、普段なかなか会う機会のない親族や友人・知人が顔を合わせる場や、故人を偲ぶ機会として、「年忌法要」を営みたいという場合は、勤行や唱題を行うことが認められています。また、全国の創価学会の会館でも、追善勤行法要を定例で開催しています。

お彼岸とお盆

創価学会では、日蓮の仏法の教えに従い、お彼岸には「彼岸勤行法要」、お盆には毎年7月15日、もしくは8月15日に「諸精霊追善勤行法要」という法要が、各地域の会館で営まれています。

いずれも、御本尊に勤行・唱題、焼香し、故人の追善回向を行っています。追善回向とは、生きている家族や親族、友人・知人が実践した善行(仏道修行)の功徳を、先祖や故人に回し向けることです。
創価学会では一貫して、会員各人の勤行・唱題が、故人を弔う追善になると考えています。

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