はじめてのお葬式ガイド
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「はじめてのお葬式ガイド」では、終活や、参列のマナー、もしもの時におさえておきたいお葬式の知識など、はじめての方にもやさしく解説します。

エンバーミングとは?ドライアイス不要。故人がずっと元気な姿でいられる遺体保存の技術と、その費用

エンバーミングとは、防腐、殺菌、修復の処置を施し、遺体を衛生的に長期間保全することです。日本では遺体衛生保全といいます。故人を生前、元気だったころに近い姿にまで修復します。直接肌に触れてのお別れも可能です。感染症予防など衛生面だけでなく、遺族の悲しみを和らげるグリーフケアの役割も注目されています。

エンバーミングとは、遺体をきれいに、また清潔に保つ技術です。
人の体内にはさまざまな細菌があります。生命が活動している間は、それら細菌の繁殖は
抑えられています。しかし、亡くなると免疫力も失われ、細菌は増殖。遺体はそのままに
しておくと腐敗してしまいます。生前、故人が何らかの病気にかかっていた場合など、遺体から感染する可能性もあります。
エンバーミングでは、遺体を洗浄・殺菌、消毒し、血液の代わりに防腐剤を入れます。こうすることで、遺体を細菌のない安全なものにし、腐敗の心配もなくなります。必要に合わせて顔など遺体の復元処理と、化粧も行います。
これらによって遺体を美しい姿に。細菌のない安全なものにして、腐敗に対しても長期保存が可能になります。

エンバーミングの流れと費用

エンバーミングを行うには、専用の設備の整った施設で、エンバーマーと呼ばれる専門の技術者による施術が必要になります。
日本には全国57ヵ所のエンバーミング施設があります(2018年4月末現在)。エンバーミングを行う場合、病院からエンバーミング施設へ移動し、施術後に自宅、または葬儀会館に安置します。施術にかかる時間は、状況にもよりますが3~4時間くらいです。

一般的なエンバーミングの流れ

搬送:故人をエンバーミング施設に搬送します。
洗浄:故人の状態を確認し、遺体を洗浄、消毒します。
整える:洗顔、洗髪、ひげを剃るなどし、表情を整えます。
施術:保全液を入れるなど、エンバーマーが施術します。
着替え:施術後、遺体をきれいにして故人の愛用の服などに着替えます。
化粧:髪型を整え、化粧を施すなどして表情を整えます。
搬送:故人を自宅、または葬儀式場へ搬送します。

エンバーミングにかかる費用

エンバーミングにかかる費用はおよそ15万円前後です。このほか、エンバーミング施設への往復の搬送費用が必要になります。
各社によって設定は異なり、遺体の修復を無料で行ってくれる施設もあれば、その度合いによっても料金が変わることもありますので、詳細はそれぞれの事業所に確認しましょう。
また、自社でエンバーミング施設を所有していない葬儀社の場合、やや高くなる傾向があります。

日本でエンバーミングは必要?

日本でエンバーミングは必要?
日本では火葬の割合が99.98%(厚生労働省 衛生行政報告例 平成28年度より算出)と、亡くなると、そのほとんどのケースで火葬が行われています。
火葬場の混雑具合などにもよりますが、息を引き取って24時間以上経過すれば、比較的はやい段階で火葬します。

火葬を行うまでの間は、保冷設備のある安置施設への安置や、ドライアイスなどで遺体の温度を下げることで、遺体の腐敗を防ぐことができますので、わざわざエンバーミングを施して遺体を保全する必要はないという意見もあります。

しかし、エンバーミングの利用は遺体を保存するためだけではありません。
遺体の保全のほかに、エンバーミングの大切な役割として遺体の修復があります。事故などで遺体の損傷が激しい場合はもちろん、闘病生活でやつれた顔も、元気だったころに近い姿に戻します。

特に近年は、家族葬など親しい人たちで送る葬儀が増える中で、故人の顔を見てきちんとお別れするという式も増えています。このようなときに、より安らかな顔の故人とお別れができるようにと、エンバーミングを行うケースもあります。
また、海外で亡くなった遺体を日本へ、反対に日本国内で亡くなった方の遺体を海外に搬送する際にも、標準的な処置としてエンバーミングが施されています。

 

>教えてお葬式「海外で亡くなった場合、日本までの移動はどのようにすればいいのでしょうか?」

死化粧とエンバーミングの違い

遺体に施す化粧、死化粧とエンバーミングは、似ているようで大きな違いがあります。

死化粧では故人の表情や顔色、装いを整えるのに対し、エンバーミングでは遺体の乾燥、やつれ、損壊、損傷を修復し、戻します。

エンバーミングのメリット

しかし、エンバーミングの利用は遺体を保存するためだけではありません。
遺体の保全のほかに、エンバーミングの大切な役割として遺体の修復があります。事故などで遺体の損傷が激しい場合はもちろん、闘病生活でやつれた顔も、元気だったころに近い姿に戻します。

特に近年は、家族葬など親しい人たちで送る葬儀が増える中で、故人の顔を見てきちんとお別れするという式も増えています。このようなときに、より安らかな顔の故人とお別れができるようにと、エンバーミングを行うケースもあります。
また、海外で亡くなった遺体を日本へ、反対に日本国内で亡くなった方の遺体を海外に搬送する際にも、標準的な処置としてエンバーミングが施されています。

 

>教えてお葬式「海外で亡くなった場合、日本までの移動はどのようにすればいいのでしょうか?」

遺体を長期間保全できる

エンバーミングのメリットには、遺体の衛生的な保全があります。
エンバーミングを施すことで、遺体は最大50日間、保冷設備やドライアイスなどを用いることなく、保全が可能になります。火葬の順番待ちが必要な時も、保冷室に入れることなく、ご遺族が側に付き添うことができます。

感染症の予防

エンバーミングの施術によって、遺体の黄疸、水泡の発生や異臭、腹水などを防止できます。また故人が感染症にかかっていた場合も、遺族などへの感染を防ぐ効果があります。
そのため、例えば手を握ってのお別れなど、遺族や参列者は故人と触れ合ってお別れすることができます。
遺体の姿が生前とほぼ変わらない、また死後硬直もないため、抵抗なくご遺体に接することができます。

エンバーミングによって感染を防ぐことができる主な感染症

空気感染:結核など
飛沫感染:インフルエンザなど
接触感染:B型肝炎、C型肝炎、HIV、MRSA、敗血症など

故人の元気なころの故人の姿に戻せる

エンバーミングを施すことで、遺影写真と同じような姿でお別れができるというメリットがあります。
事故などの場合に限らず、亡くなると、眼球のくぼみや、口の開き、表情、顔色まできれいになります。時には死亡直後の処置の結果、口を閉じさせるために巻いたバンドの痕が残ってしまうといったこともありますが、このような場合も痕を消すことができます。さらに、ドライアイスなど遺体を冷やすことで生じる凍傷もありません。

 

>いい葬儀マガジン「遺体に触れても大丈夫!?エンバーミング技術がすごい!」

エンバーミングのデメリット

エンバーミングを行う時間がかかる

エンバーミングを行うには、専門の設備の整った施設での施術が必要となります。
すべての葬儀社にエンバーミングの施設があるわけではないため、施設のない葬儀社へ葬儀を依頼する場合には、提携する施設の移動ならびに施術の間、故人と会えない時間が生じます。
ただ、最近ではエンバーミングを行える施設も少しずつ増えてきています。地域差はありますが、移動にかかる時間など短縮されています。

日本のエンバーミング。どのくらい行われているの?

「エンバーミング」は アメリカで発展したもので、アメリカやカナダでは90~95%の遺体が「エンバーミング」を施されています。
一方、日本では1974年に川崎医科大学でエンバーミング技術を導入したのがはじまりです。

1988年には日本初のエンバーミングセンターが設立されました。
1993年には自主基準研究会が設立されエンバーミングの自主基準を制定。2009年以降はIFSA(一般社団法人 日本遺体衛生保存協会)として、エンバーミングの技術向上や普及活動を行っています。

エンバーミングの件数は、年間4万件以上

1995年に起こった阪神・淡路大震災でエンバーミングが社会的に注目されてから、一般の葬儀でもエンバーミングを行うケースが増えてきました。エンバーミングを、お葬式のプランの中に取り入れている葬儀社もあります。
2000年には1万件、2015年には3万件を超え、現在では4万2,760件(2017年末現在)がエンバーミングの施術を受けています。

  • エンバーミング年間処置件数

(IFSA 一般社団法人日本遺体衛生保全協会より)

日本人エンバーマーは160人以上

エンバーマーとは、エンバーミングを行うことができる技術を習得した専門家です。
日本でエンバーミングがはじまった当初は、海外から来日した外国人のエンバーマーが施術を行っていました。そのため、生活文化の違いや言葉の問題から、遺体の修復の際の顔色や表情など細やかな点で、意思の疎通がはかりづらいということもありました。
その後、日本国内のエンバーマー要請学校が開設され、現在では160名以上の日本人エンバーマーが誕生、全国のエンバーミング施設で活躍しています。遺族とエンバーマーが密なコミュニケーションをとることで、より満足度の高いサービスが提供されています。

エンバーミングの歴史

エンバーミングの語源は樹脂

エンバーミングのはじまりは、古代エジプトにまでさかのぼります。古代のエジプトでは死者の再生・復活のためには遺体の保存が不可欠と考えられていました。遺体をミイラにする際、防腐のために樹脂が用いられていました。エンバーミング(enbalming)という名前の由来は、この樹脂(balm)が語源になったといわれています。

アメリカの南北戦争で認知が広がったエンバーミング

その後、時代とともにエンバーミングはヨーロッパにも広がりましたが、まだ医学的な目的で行われていました。
エンバーミングが葬儀のための技術として用いられるようになったのは、アメリカの南北戦争のころといわれています。この時、戦死者の故郷での埋葬を望む戦死者が多く、移動の際に遺体を保全するため、エンバーミングが認知されるようになります。

エンバーミングを行った著名人

エンバーミングを行った著名人は世界各国にいます。政治的指導者などは定期的にメンテナンスを行うことで、半永久的に保存されています。一方、政治体制や国の方針が変更されたため、一度はエンバーミングによって保存が決定されながらも、後に埋葬されるというケースもあります。

遺体が保全されている政治的指導者

ウラジーミル・レーニン(ソビエト社会主義共和国連邦 / 現:ロシア連邦共和国)
ホー・チ・ミン(ベトナム社会主義共和国)
蒋介石(台湾)
毛沢東(中華人民共和国)
蒋経国(台湾)
金日成(朝鮮民主主義人民共和国)
金正日(朝鮮民主主義人民共和国)
このほか、マリリン・モンローやマイケル・ジャクソン、テレサ・テンなどの有名人もエンバーミングを行っています。

まとめ

これまであまりなじみのなかったエンバーミングですが、年々、施術件数は増加傾向にあります。お葬式の在り方が多様化する中、エンバーミングを活用する場面も今後、ますます広がりそうです。

(情報提供:IFSA 一般社団法人日本遺体衛生保全協会)

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