終活関連のイベントと言えば、入棺体験!
本物の棺の中に横になって、寝心地を確かめる?、遺影撮影やエンディングノートの書き方講座などと並んで、人気のコーナーです。体験してみると、ふたを閉じると、真っ暗な空間が広がります。棺から出ると、ほっとするのと同時に、なんだかちょっと自分が変わったような、なんとも言えない感覚に……。
これまで何回か取材で棺に入ってきましたが、実は今回、棺に入って、さらに本物のお坊さんがお経も唱えてくれるというワークショップがあると聞いたので、行ってきました。
生き方を考えるカフェで、棺の中に
このワークショップは、東京・江東区の住吉にある終活コミュニティカフェ、BLUE OCEAN CAFE(ブルーオーシャンカフェ)です。ここでは、これからのライフデザインを一緒に考え学べる場所として、さまざまなイベントを行っています。今回は「棺に入る」という体験を通じて、自分の人生の幕引きを考える「自分を見つめる入棺体験 〜棺の中で耳をすませば〜」というワークショップです。
開始は夜の7時から。全体の流れは、前半がワークショップ。参加者同士でペアを組んで、自分を見つめなおすワークや、また自分のお葬式を想像して「読んでもらいたい」弔辞を書きます。そして後半は入棺体験。本物の棺に入ったら、弔辞を読んでもらって、それからお坊さんにお経を唱えてもらいます。
自分に宛てて弔辞を書く
まず初めに、参加者全員で大きな輪になって自己紹介。場の空気が和んだところで、参加者同士でペアを組んでワーク開始です。お互いに質問をしあいながら、自分を見つめなおしていきます。
次に、自分のお葬式を想像して弔辞を書きます。もちろん、自分の弔辞を読んでもらったことはないので、「こんな弔辞を読んでくれたらいいなあ」といったことを想像していきます。
棺の中でお経を聴く
弔辞を書き終えたら、少し休憩。美味しいコーヒーを飲んで一休みしたら、いよいよ入棺です。
前半で書いた自分あての弔辞をファシリテーターに読んでもらって、本物のお坊さんが棺の前でアロマのお線香を焚いてお経を唱えてくれます。
棺に入ってみたらこんなだった
実際に棺に入ってみると、まずちょっと横幅がきついなと感じました(あくまでも記者の個人的な感想です)。そしてふたが閉まると、本当に真っ暗。ちょっと息苦しい感じがして、怖いなと思っていたら、なんだか遠くの方から、私に宛てた弔辞が……。
続いて、おりんの音がチーンと響きます。生で聞くより、棺の中で聞く音の方が、なんというか、まろやかな感じがします。そしてお経を唱える声。棺の中もだんだん温かくなってきて、棺が体にフィットしてくるというか、居心地がよくなってきたところで、棺のふたが開きました。棺から出ると「帰ってきた」という感じがしました。
あっという間のワークショップでしたが、参加者の皆さんの語るお話は、言葉の端々にリアルな人生の重みを感じます。終わったらなんだか無性に家族に会いたくなって、皆さんへの挨拶もそこそこに急いで家に帰りました。