日蓮宗の葬儀の特徴-流れ・マナー

2018年4月24日

日蓮宗の葬儀とは、一心に法華経を信じ、南無妙法蓮華経の題目を唱えれば、必ず、霊山浄土(りょうぜんじょうど)に赴くことができるという日蓮聖人の教えをよりどころとしています。法華経を過去、現在、未来の三世にわたって尊び、しっかりと守ることをすすめ、霊山浄土への道案内をするための儀式をします。また、葬儀は最後の門法修行の機会ということから、本尊が大切になります。

日蓮宗は鎌倉時代中期に日蓮が興した宗派です。
日蓮宗では、お釈迦さまの教えの中でも『法華経』(ほけきょう)こそが、世の中を救う絶対最高の教えであるとしています。
法華経を説いたお釈迦さまは、永遠の昔に悟りを開いた仏さま、すなわち「久遠実成(くおんじつじょう)の本仏」が自らを表した姿です。法華経も、本仏が経典として、実態を示したものなのです。

法華経を日本に広宣流布した日蓮の教説を通して法華経を理解し、実践していくのが日蓮宗です。法華経の功徳すべてが「南無妙法蓮華経」の七文字にこめられていると日蓮聖人は考えました。そこで、「法華経の内容をすべて信じ帰依する」という意味の「南無妙法蓮華経」を唱えることを何よりも重要な修行としています。

仏壇の本尊には日蓮聖人や三宝尊を祀っていることが多く、右には鬼子母神を、左に釈迦牟尼仏あるいは大黒天を祀っています。
なお日本の仏教の主だった宗派の中で、日本人の宗祖の名前がそのまま宗派名となっているのは、日蓮宗だけです。

日蓮宗の葬儀の特徴

日蓮宗の葬儀とは、「南無妙法蓮華経(法華経)」と題目を唱え、故人を霊山浄土へ旅立たせる儀式です。これを唱えることが、最も重要な修行であるとされており、式中も参列者全員で題目を唱えます。

また、日蓮宗では戒名を法号と呼びます。これは日蓮聖人の「法華経に帰依することが持戒にまさる」という教えによります。そのため、葬儀でも授戒という作法はありません。信仰に入った証として法号が授けられます。
本来は生前に受けておくべきものですが、現在では亡くなってから受けるケースが多いようです。

日蓮宗の葬儀の流れ・式次第

日蓮宗の葬儀の一般的な流れは、以下の通りです。

1.入場

2.総礼(そうらい):僧侶が合掌し、題目を三唱します。

3.道場偈(どうじょうげ):諸仏および諸尊を招く声明曲の道場偈を流します。

4.三宝礼(さんぽうらい):仏教において三宝と呼ばれる仏・法・僧を礼拝します。

5.勧請(かんじょう):久遠実成の釈尊、菩薩、諸仏諸尊、日蓮聖人など、諸仏および諸尊の降臨のための儀式です。

6.開経偈(かいきょうげ):法華経の功徳をたたえ、護持する事を誓い、教義の真義を会得することを願います。

7.読経:法華経の中で特に重要だとされている諸品を拝読します。

8.咒讃鐃鈸(しゅさんにゅうはち):供養のための演奏を行います。

9.開棺(かいかん):中啓という扇子を用いて棺を軽く打ち付けます。

10.引導(いんどう):導師が払子(はっす)を3回振り、焼香後、引導文を読み上げます。引導文は、霊山浄土へ赴く故人へ法華経の大切さを説き、故人の徳を讃えます。

11.焼香:日蓮宗の作法で焼香します。

12.祖訓:宗祖の文章を拝読します。

13.唱題:「南無妙法蓮華経」の題目を唱えます。

14.宝塔偈(ほうとうげ):法華経信者の功徳を讃えます。

15.回向(えこう):死後に良いところに生まれることを祈ります。

16.四誓(しせい):衆生を救うための誓いの言葉を唱えます。

17.三帰(さんき):仏・法・僧の三宝に帰依し仏道に精進する事を誓います。

18.奉送(ぶそう):諸仏諸尊を送ります。

19.退場:導師、式衆が退場します。

日蓮宗葬儀のお布施

お通夜、葬儀、火葬、初七日、四十九日でそれぞれお布施を渡します。これに交通費としてお車代があります。お通夜から初七日までをまとめてお渡しする場合もあります。
お布施の目安は故人や遺族とお寺との関係、お寺の格式や法号の種類、また地域性などによっても変わります。
いざというときに悩まないためにも、親しい信者の方と普段から話し合っておくといいかもしれません。

日蓮宗の葬儀の香典

香典の相場は、故人との関係や付き合いの深さによって異なります。
地域や葬家の格式によっても相場は変わってくるので一概にはいえませんが、ここでは目安となる金額をご紹介します。

・年上の親族:3万円~5万円

・年下の親族:約10万円

・兄弟姉妹:約5万円

・仕事の関係者:5,000円~3万円

・友人:5,000円

なお、香典には「御霊前」または「御香典」と書きます。
四十九日以降の法要の場合は、「御仏前」または「御香典」と書きましょう。

日蓮宗の葬儀の花と祭壇

日蓮宗の葬儀で飾る花は、派手過ぎる色合いでなければ基本的には問題ありません。
故人のお気に入りの花を飾って送り出してあげるといいでしょう。
もし葬儀に参加できずに供花を贈るのであれば、葬儀社あるいは葬儀場に依頼しましょう。このとき、遺族に直接相談をすることは控えます。

また、日蓮系の宗教団体も多数ありますが、それぞれの団体によって葬儀の内容などは異なります。
詳細は葬儀の担当者や菩提寺などに確認しましょう。

>>創価学会の葬儀・友人葬について

日蓮宗の葬儀のお作法、マナー

宗教・宗派によって、葬儀におけるお作法やマナーは異なります。
日蓮宗の焼香の作法について、焼香の回数は3回が正式といわれています。これは仏、法、僧の三法に帰依するという意味があります。ただし、会葬者の人数などによって1回焼香の場合もあります。
葬儀担当者の案内に従って、焼香をしましょう。

日蓮宗の焼香の仕方

  1. 祭壇に進み、遺族および参列者に一礼します。
  2. 焼香台の前で合掌し、一礼します。
  3. 焼香を軽くつまみ、1回額の前に押しいただき、香炉にくべます。なお日蓮宗の正式な作法では3回押しますが、一般参列者が多い場合など式によって1回でもよいとされています。
  4. 数珠を左手にかけ、再度合掌します。
  5. 焼香台から2~3歩下がってから遺族および参列者に一礼し、席に戻ります。

日蓮宗の数珠

日蓮宗で一般的に使用される数珠は、108個の主玉から成っています。
また2個の親玉が使用されており、2本の房が出ている方の親玉は「釈迦如来」、3本の房が出ている方は「多宝如来」を表しています。
もし日蓮宗の葬儀のために数珠を購入するのであれば、正式な数珠を選ぶといいでしょう。
しかし、すでに数珠を持っているのであれば新しく購入する必要はありません。

まとめ

同じ仏教の葬儀でも、宗派によって流れは異なります。
そして、その中でも日蓮宗の葬儀は大きな特徴があるといえます。
日蓮宗の葬儀をするときには、しっかりと内容について調べておくようにしましょう。
また、困ったことがあれば遠慮なく菩提寺に相談してみてください。

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