浄土宗の葬儀の特徴-流れ・マナー

2018年9月27日

浄土宗の葬儀の特徴は、参列者も「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」という念仏を唱えることです。南無阿弥陀仏は本来、心の闇が破られ幸福を得た時に感謝を示す、お礼の念仏です。浄土宗の葬儀は、故人を阿弥陀さまの極楽浄土にお送りするための儀式とも言えます。そうした意味を踏まえて、葬儀に参列するようにしましょう。

葬儀の流れやお布施、マナーなどを、浄土宗での葬儀でぜひ知っておきたい情報をご紹介します。

浄土宗は名号と呼ばれる「南無阿弥陀仏」という念仏を唱えます。阿弥陀仏への帰依や感謝を表すとともに、阿弥陀仏の力により仏の救済を受けて、死後は浄土に生まれることができるという教えです。ですから葬儀においても、この「南無阿弥陀仏」は欠かすことのできない要素になります。具体的には「下炬引導」と呼ばれる儀式の中で、参列者の皆が念仏を唱和します。下炬とは松明の火、転じて火葬を表し、引導は亡くなった人を浄土へ導くという意味です。それ以外については、他の宗派と大きく変わるところはありません。

浄土宗の葬儀の流れ・式次第

浄土宗の葬儀の流れ

僧侶が入場して香をたき、仏・法・僧の三宝に帰依します。そして仏様に入場いただき罪を懺悔します。その後、前述した「下炬引導」を執り行います。

下炬引導は、2本の松明や線香を使い、1本は「厭離穢土」として捨て去り、1本は「欣求浄土」として、円を描いて下炬引導文を述べ、死者の往生を祈ります。

そして故人が迷うことなく極楽浄土に行けよう、参列者の全員で「南無阿弥陀仏」の念仏を10回唱えます(十念と言います)。

この後、教義の真義の会得祈願や読経が行われ、ここでお焼香も行われます。

お焼香が終わると「念仏一会」という、全員で念仏を唱える儀式がもう一度行われます。そして阿弥陀仏の功徳による往生を願い、仏道修行や阿弥陀仏への帰依を誓い、仏様を送り、僧侶は退場します。

僧侶の退場後、遺族と親族は故人との最後の対面を行います。祭壇を飾った花を遺体の周りに置き、棺にくぎ打ちをして蓋を閉じます。ここでは故人が無事成仏できるよう、三途の川の石に見立てた石で打ちます。そして親族や遺族の男性5~6人で棺を運ぶ出棺となり、足の方から霊柩車に乗せます。この後、喪主、遺族の代表、血縁の濃い遺族と親族、そして故人ととくに親しかった友人等が同行し、火葬場へ移動します。

浄土宗の葬儀の式次第の例

入堂 導師、式衆が入堂(入場)します。
香偈(こうげ) 香を焚きます。
三宝礼(さんぽうらい) 仏・法・僧の三宝に帰依します。
奉請(ぶじょう) 仏様に入場していただきます。
懺悔偈(さんげげ) 仏様に罪を懺悔します。
作梵(さぼん) 「四智讃(しちさん)」を唱えます。
引導下炬(いんどうあこ) 浄土宗の葬儀では、最も大切な儀式です。2本の松明または線香を持ち、1本を捨て、残りの1本で円を描き、下炬引導文を述べます。その後、念仏を十篇唱えます(十念)。
開経偈(かいきょうげ) 教義の真義を会得することを願います。
読経 「四誓偈」か「仏心観文」の経文を読経します。
念仏一会(転座) 仏様に救われたことに感謝し、数多くの念仏を唱えます。
総回向(そうえこう) 阿弥陀仏の功徳により往生を願います。
総願偈(そうがんげ) 仏道修行の四願を誓い往生を願います。
三身礼(さんじんらい) 阿弥陀仏への帰依を誓います。
送仏偈(そうぶつげ) 仏様を送ります。
退堂 導師、式衆が退堂(退場)します。

浄土宗のお布施とお香典

最近ではお布施の袋は、市販のものを使うことが一般的になりました。しかし昔は手作りで、書き方もさまざまでした。いずれも心を込めて書けば失礼には当たりませんが、表書きには注意が必要です。お布施にもいろいろな種類があり、その種類によって表書きが異なります。

僧侶に差し上げる場合は、いわゆる「御布施」となります。

またお布施のほかに交通費として「御車料」をお渡ししたり、会食に同席されない場合は「御膳料(粗飯料)」「粗末料」「御菓子料」などをお渡しします。お寺との関係や地域性もありますので、葬儀社の担当者に確認するとよいでしょう。

一方、参列者から遺族に差し上げるお香典については、「御霊前」「御香典」「御香料」などと記します。

浄土宗の戒名

戒名は、仏の弟子として授けられる名前のことであり、仏の教え、戒めに従うことを約束することで授けられます。そのため本来は生前に授かるものとなります。

一般に戒名とされる名前は、正式には戒名を含む法名です。法名は、「院号」「道号(または誉号)」「戒名」「位号」の4つの部位からなります。例えば位号は、「居士」や「信士」など、法名の最後の部分の2文字です。この位号の前に付けられる2文字が、正確には「戒名」と呼ばれるものになります。

戒名は多くの場合、生前の名前や、宗派に由来する文字からとられます。戒名は仏の弟子の証であり、それぞれ部分の意味を理解したうえで、自分にあった戒名や法名をいただけるよう信心を深めることが大切です。

浄土宗の葬儀に参列した時のマナー(焼香など)

故人の冥福を祈り別れを告げる儀式である葬儀に参列する時は、本来の意義に立ち返って、最低限のマナーは守りたいものです。葬儀に参列した際は、受付の係の人や葬儀社の方の指示には従うようにしましょう。

葬儀の中でも、焼香は、故人と向き合い生前の感謝や思いとともに、真心をささげて供養する儀式です。

焼香のマナーとしては、まず仏様、僧侶、そして遺族に会釈をします。そして香炉の前に進み、合掌して1礼をささげます。次いで、お香を静かにつまみ、掌を返してお香をいただくようにして額の位置まで持ち上げます。そして香炉にお香をそっとくべます。

浄土宗ではお焼香の回数に決まりはないので、1回だけでもよいですし、2回繰り返しても構いません。そして最後に合掌、1礼をして、自分の席へ戻ります。

まとめ

浄土宗での葬儀では「十念」「念仏一会」という、全員で念仏を唱える機会が2回あります。これを単に言葉として唱えるのではなく、深い思いを込めて故人をお見送りすることも、参列する際のマナーと言えます。

このように葬儀には普段あまり知られていないけれども大切なことがたくさんあります。より葬儀について、もっと詳しく知りたい方や、疑問、ご相談がございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。

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