香典に包んではいけない金額は?偶数を避ける理由や相場、マナーを紹介

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

香典に包んではいけない金額は?偶数を避ける理由や相場、マナーを紹介
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  • 香典で包んではいけない金額は、偶数・忌み数・相場から外れた金額
  • 偶数で割り切れる金額は「縁が切れる」とされるので避ける(例:2万円)
  • 死や苦しみを連想させる忌み数を含む金額はタブー(例:4万円)
  • 相場より多い・少ない金額は失礼にあたるのでNG(例:1,000円)

香典で包んではいけない金額は、偶数で割り切れる金額や忌み数を含む金額、相場から外れた金額の3つです。香典を準備するときは相場や自分の年齢をふまえて、金額やお札の枚数をうまく調整するのが大切。

この記事では、香典に包んではいけない金額や香典の相場金額、マナーなどを紹介します。

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香典に包んではいけない金額は?

香典で包んではいけない金額は、偶数・忌み数・相場から外れた金額
  • 偶数で割り切れる金額
  • 忌み数を含む金額
  • 相場より多い・少ない金額

香典に包んではいけない金額は、「偶数で割り切れる金額」「忌み数を含む金額「相場より多い・少ない金額」の3パターンです。

香典でタブーとされる金額を包むと、遺族が不快に感じたり、失礼にあたったりするかもしれません。香典に包んではいけない金額を把握して、マナー違反にならないよう注意してください。

偶数で割り切れる金額

香典に包む金額は、先頭の数字が偶数にならないよう配慮します。なぜなら、偶数は割り切れる数字で「故人とのつながりが切れる」ことを連想させるから。

例えば、6千円や2万円などの金額は香典では避けるべきです。香典には、5千円や1万円、3万円など、先頭の数字が奇数になる金額を包みましょう。

忌み数を含む金額

香典では、4や9などの忌み数を含む金額も避けなければなりません。忌み数とは不吉なイメージを持ち、冠婚葬祭で敬遠される数字です。

4は「死」、9は「苦」を連想させる数字として一般的ですが、「死に」と読める42や「死苦」と読める49なども忌み数に含まれます。例えば、1万4千円や1万9千円は先頭の数字が奇数ですが、忌み数が含まれているので避けてください。

相場より多い・少ない金額

香典の相場から外れた金額を包むのもマナー違反とされています。金額が多い・少ないと、遺族に余計な気遣いをされたり、無礼な印象を与えたりするかもしれません。

香典の相場は、故人との関係性や贈り主の年齢によって変わります。遺族に負担を感じさせないよう、事前に相場を確かめて適切な金額を包んでください。例えば、故人が仕事関係者なら香典の相場は5千円〜1万円。お世話になったからといって、香典に数十万円の金額を包むのは配慮に欠けた行動です。

香典に包む金額は関係性と年齢で変わる

香典に包む金額は関係性と年齢で変わる

香典に包む金額の相場は、「故人との関係性」「香典を納める方の年齢」によって変わります。ご自身の立場と年齢から一般的な相場を確認し、香典に包む金額を決めてください。

故人との関係性が近いほど高額になる

香典の相場金額は、故人と関係性が近いほど高く、遠いほど低くなるのが一般的です。

実際に、香典の相場がもっとも高いのは自分の父母で、3万円〜10万円が目安。自分の兄弟姉妹なら3万円〜5万円、自分の祖父母なら1万円〜5万円となっています。また、親戚なら5千円~3万円、友人・知人なら5千円〜1万円が相場です。

香典を準備するときは、故人との関係性の近さを考慮して、包む金額を検討しましょう。

自分の年齢が高いほど高額になる

香典の金額は、自分の年齢もふまえて決めます。

若年者と年配者では、収入や経済状況が異なるため、それぞれの状況に応じた金額を包むのが望ましいです。20代なら相場よりやや低め、40代以降はやや高めの金額を意識して香典を用意してください。

故人との関係性・年代別に見た香典の金額相場

故人が父母

年代20代30代40代50代~
相場の目安3万円〜10万円5万円〜10万円5万円〜10万円5万円〜10万円

故人が自分や配偶者の父母の場合、3〜10万円が香典の相場です。 父母は自分ともっとも近い関係なので、感謝や敬意を示すために、香典に包む金額が高額になります。

ただし、喪主を務めたり、お葬式費用の一部を負担したりするなら、香典を包まなくてよいかもしれません。地域の慣習やご家庭の意向によって違うため、一度確認してみましょう。

故人が兄弟や姉妹

年代20代30代40代50代以降
相場の目安3万円〜5万円3万円〜5万円5万円5万円

故人が自分や配偶者の兄弟・姉妹にあたる場合、3〜5万円が香典の相場。3~5万円の香典相場は、故人が父母の場合に次いで2番目に高い金額です。

また、故人が父母の場合と同じく、喪主を担ったり葬儀費用を負担したりするなら、香典を包む必要があるか確認してください。

故人が祖父母

年代20代30代40代50代以降
相場の目安1万円〜2万円1万円〜5万円3万円〜5万円3万円〜5万円以上

故人が自分や配偶者の祖父母にあたる場合は、1〜5万円が香典の相場。1~5万円の香典相場は3番目に高い金額です。故人が祖父母だと、参列者の年齢層も上がるため、年齢に応じて適切な金額を包みます。

故人が親戚

年代20代30代40代50代以降
相場の目安5千円〜2万円1万円〜3万円1万円〜3万円1万円〜3万円

故人が親戚にあたる場合は、5千円〜3万円が香典の相場です。父母や兄弟・姉妹、祖父母が故人の場合と比べて、相場は低い傾向にあります。親戚でも血縁関係が近い叔父・叔母が故人なら、相場を基準に高めの金額を包むのが望ましいです。

故人が仕事の関係者またはその家族

年代20代30代40代50代以降
相場の目安5千円5千円〜1万円5千円〜1万円5千円〜1万円

故人が仕事関係者またはその家族である場合は、5千円〜1万円が香典の相場。年代にかかわらずほぼ一定で、相場金額の幅が狭いことがわかります。故人が仕事関係者なら、付き合いの長さや関係の深さをふまえて、包む金額を決めましょう。

故人が知人やその家族

年代20代30代40代50代以降
相場の目安5千円5千円〜1万円5千円〜1万円5千円〜1万円

故人が知人・友人やその家族である場合は、3千円〜1万円が香典の相場です。仕事関係者への香典と同様、年齢別に見た相場金額の幅が狭く、ほぼ一定となっています。故人が友人・知人の家族で、生前の関わりが少ないなら、香典金額が3千円でも問題ありません。

» 香典の相場金額は?年齢・関係性・法要別に包むお金の目安

香典でいけない金額を包む場合の対処法

ときには、香典に本来タブーとされている金額を包む必要があるかもしれません。例えば、1万円だと少なく、3万円だと多く感じて2万円包みたい場合。また、夫婦や連名で香典を包むときに4万円包むのが妥当な場合もあります。

香典に包む金額が偶数や忌み数になるときは、お札の枚数・組み合わせを工夫してください。2万円なら「1万円札1枚+5千円札2枚=合計3枚」を包んで、お札の枚数を奇数にします。4万円なら「1万円札3枚+5千円札2枚=合計5枚」を包むとよいでしょう。

その他、香典で包む金額の一部を使って供物を用意する方法もあります。4万円のうち、3万円は香典として包み、残りの1万円でお供え物を準備すると悪い印象を避けられます。もちろん、香典でいけない金額を包むのは避けた方が無難ですが、困ったときは枚数や贈り方を工夫してみてください。

香典・香典袋を準備するときのマナー

香典袋は包む金額にあわせて選ぶ

香典の金額香典袋
3,000円~5,000円水引が印刷された香典袋
白無地×白黒の水引
1万円~2万円本物の水引がついた香典袋
白無地×白黒の水引
3万円~5万円あわじ結びの水引の香典袋
白無地×白黒か双銀の水引
6万円~10万円以上10万円未満:中金封の香典袋
10万円以上:大金封の香典袋
高級和紙製×双銀の水引

香典を包む香典袋は、包む金額によって使い分ける必要があります

包む金額が5千円以下なら黒白の水引が印刷された香典袋、1万円以上なら本物の水引がついた香典袋を選びましょう。3万円~5万円以上の高額なお金を包むときは、あわじ結びの水引や双銀の水引がついたグレードの高い香典袋を使います。

» 香典袋の選び方は?種類はどれがいい?金額・宗教別に使い分け

表書きは故人の宗旨宗派にあわせる

宗教・宗派表書き
仏式(仏教)「御霊前(ごれいぜん)」
「御香料(ごこうりょう)」
「御香典(ごこうでん)」
「御悔(おくやみ)」
浄土真宗
「御仏前(ごぶつぜん)」
キリスト教式(キリスト教)「御花料(おはなりょう)」
カトリック
「御ミサ料(おみさりょう)」
プロテスタント
「献花料(けんかりょう)」
「弔慰料(ちょういりょう)」
神式(神道)「御神前(ごしんぜん)」
「御玉串料(おたまぐしりょう)」
「御榊料(おさかきりょう)」
無宗教・不明「御香料(ごこうりょう)」
「御香資(ごこうし)」

香典袋の表書きは、故人の宗旨宗派にあわせるのがマナーです。仏教では「御霊前」「御香典」「御仏前」、神道では「御玉串料」「御榊料」、キリスト教では「御花料」と書きます。

個人の宗教・宗派がわからない場合は、「御香料」「御香資」と書いておくのが無難。葬儀の案内を確認したり、葬儀社や遺族に問い合わせてたりして、確かめておくと安心です。なお、キリスト教式のお葬式では、香典袋に水引は必要なく、白無地の封筒を使います。

中袋には金額・住所・氏名を書く

中袋の記載箇所記載内容
表面真ん中包んだ金額(例:金壱萬圓也)
裏面左下贈り主の氏名・住所

香典では現金を中袋に入れ、中袋を香典袋で包むのが一般的です。香典袋の中袋は、表側には包んだ金額を旧漢数字で記し、裏には住所と氏名を記載します。

とくに注意が必要なのは、金額表記です。香典では、旧字体を使って縦書きで記載するのがマナーとされています。旧字体は日常生活ではあまり使用しないため、誤字に注意してください。

» 香典の正しい書き方は?表書きや金額、名前の書き方とマナー

使用済みのお札を用意する

香典には、使用済みのお札を包むのが適切なマナーです。

使用済みのお札を用いるのは、突然の訃報に対して急ぎ準備したことを表します。新札を包むと、不幸を予期していたような印象を遺族に与えかねず、不快な思いをされるかもしれません。万一、手元にあるお札が全て新札の場合は、折り目をつけてから香典袋に入れましょう。

お札は裏側・下向きに入れる

香典では、お札の肖像画を封筒の裏面に向け、下向きに入れてください。お札に描かれた肖像画の顔が見えないよう、裏側・下向きに入れることで「悲しみにくれて顔を伏せる」様子を表すとされています。また、包むお札が複数枚あるときは、すべてのお札を同じ向きに揃えるのが丁寧です。

» 香典の正しい入れ方は?中袋なしの作法や香典袋の閉じ方、書き方

お札の枚数は最小限におさえる

香典に包むお金の枚数は、最小限におさえるのが適切なマナー。例えば、1万円なら1万円札を1枚だけ包み、5千円札や千円札を混ぜるのは避けてください。

お札の数が多いと「不幸の連鎖」を連想させ、遺族に対して失礼にあたります。また、集計に手間がかかり、喪主や遺族の負担が増えるのでNGです。

香典を渡すときのマナー

香典を渡すときのマナー

香典を袱紗に包んで持参する

香典袋はそのままではなく、袱紗(ふくさ)に包んで持参するのがマナー。袱紗とは、冠婚葬祭で贈り物を包む目的で用いられる布です。

香典袋を袱紗で包んでおくと、かばんの中で香典袋が破れたり折れたりするのを防げます。渡すときは袱紗の包みを解いて、香典袋の表書きが相手に読めるよう向きを変え、両手を添えて渡しましょう。

» 袱紗(ふくさ)とは?色や形の種類、お葬式での包み方

受付で香典を渡す

  1. 受付で記帳する
  2. 袱紗の包みをほどき、香典を取り出す
  3. 表書きが相手に読めるよう向きを変える
  4. 香典を両手で差し出す

参列者の受付があるなら、受付で香典を渡すのが一般的です。受付がない場合は、喪主に直接渡すのがマナーとされています。作法に従って丁寧に香典を渡して、遺族への敬意を示してください。

» 香典の渡し方とタイミング、お悔やみの言葉のマナー

お悔やみの言葉を添える

香典を渡すときは、お悔やみの言葉を述べて渡しましょう。とくに遺族に直接渡す場合には、故人への弔意や遺族への慰めの気持ちを直接示せます。

「心からお悔やみ申し上げます」「この度はご愁傷様でございます」といったお悔やみの言葉を添え、香典をお渡ししましょう。

» 「お悔やみ申し上げます」お悔やみの言葉の意味と使い方

香典は包んではいけない金額を避けて用意しよう

香典で包んではいけない金額は、偶数や忌み数、相場から外れた金額です。割り切れる偶数は「縁が切れる」こと、4や9などの忌み数は「死や苦しみ」を連想させることから、縁起の悪い数字とされています。また、相場外の金額は、遺族に気を遣わせたり、不快な思いをさせたりするかもしれません。

香典を準備するときは、相場に収まる金額で、先頭の数字やお札の枚数をうまく調整するのが大切です。故人との関係性や自分の年齢をふまえつつ、失礼に当たらない金額を選び、故人への弔意と遺族への慰めの気持ちを示しましょう。

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