家族や親族が危篤だという連絡を受けた場合、多くの人は非常に大きなショックを受けるものです。しかしショックを受けたままではなにもできません。家族の緊急事態である以上、やるべきことを見つけて迅速に対応する必要があります。
この記事では、家族が危篤だという連絡を受けた後のことを考えていきます。
目次
危篤状態とは?重篤とどっちが重い?
危篤とは、病気やケガなどにより身体状態が悪化し、「生命」に危機が迫っている状態を言います。危篤については病気が悪化して危篤になる場合や、突然の交通事故で生命危機にいたるなど状況はさまざまです。
その状況によって家族の心構えや心境も異なります。また本人とのかかわりの深さによっても、その受け取り方は変わるでしょう。それぞれの気持ちを推し量って、不謹慎な発言は控えましょう。
また、似た意味の言葉に「重篤(じゅうとく)」があります。危篤は生命活動の停止を見越しているのに対し、重篤は症状の度合いを指す言葉です。重篤はすぐに亡くなることはなくても、このままでは死に至る状態です。
危篤の連絡を受けたらすべき準備
危篤状態と連絡を受けた場合に備えて、何をするべきか前もって準備しておくと良いでしょう。急に容態が悪化することもあり、とっさに冷静な判断ができない可能性があるからです。
心の準備
危篤と告げられるのは、回復の見込みが難しく、処置の限界や身体的な状態などから総合的に判断したものです。持ち直す可能性も考慮しつつ、死期が迫っていることに対しての覚悟をもつ必要があります。また危篤状態によっては、家族が決断をしなければならないこともあります。
危篤の連絡を受けた時は、まず落ち着いて受け止めることです。もし慌ててしまうと、病院へ行く途中にミスが起きたり、トラブルの原因となるケースも考えられます。そうなる可能性を踏まえて、いざという時の心の準備をしておきましょう。
葬儀社を決めておく
亡くなると決めつけるわけではなくとも、万が一の事態のために、葬儀社を決めておくと少し肩の荷も降りるでしょう。臨終を迎えた後に急に葬儀社探しを始めるのは大変です。葬儀の打ち合わせではいろいろと決めることもあり、前もって考えておかないと冷静な判断ができないかもしれません。
また、臨終を迎える前に葬儀社探しに取り掛かることで、複数の葬儀社から見積もりを取り、より合った葬儀社を選べることにも繋がります。
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危篤状態を知らせる人の連絡範囲
危篤の際に必ず行いたいのは、親族や親しい人への連絡です。最期の顔合わせになるかもしれないので、心残りにならないよう連絡を入れましょう。
連絡をする範囲
危篤の連絡を入れる範囲としては3親等以内が一般的と言われています。3親等以内とは配偶者、子、孫、ひ孫、親、祖父母、曾祖父母、兄弟姉妹、伯父(叔父)、伯母(叔母)、甥、姪が3親等以内の親族にあたります。
しかし、3親等以内の親族ではなくても関係のあった親族や、親しい友人など、当人の関係性をもとに連絡を入れると良いでしょう。
連絡方法
危篤状態の連絡は、電話で行うのが一般的です。携帯電話もしくは家の電話にかけましょう。
電話のメリットは、確実に情報を伝えられることです。電話が通じない場合はやむを得ずメールやSNSを送りますが、いつ読まれるかわからなかったり、事の重要さが伝わりにくい場合があります。
連絡時には、病院の名前、住所、病室の番号などを伝えます。その他に面会時間に決まりがある場合や連絡事項があれば一緒に伝えます。
連絡するタイミング
日ごろの関係性にもよりますが、近しい親族であれば危篤の連絡する時間については原則、深夜でも早朝でも構いません。ただ、深夜や早朝に連絡するときには「深夜にすみません」「早朝からすみません」などの前置きをする心配りが大切です。
また、相手が病気や妊娠中など配慮したほうが良いと思われるときには、連絡を控えた方がいい場合もあります。
宗教者への連絡
もしもの時に備えて、日ごろから関係のある菩提寺に連絡しておきましょう。あらかじめ状況を伝えておくことで、もしもの時には迅速に対応していただけます。特に菩提寺が遠方にある場合などは、早めに連絡するのがベターです。
職場への連絡
危篤状態になったからといって、必ずしもすぐに臨終を迎えるわけではありません。数日から数週間、危篤状態が続くこともあります。
そうなったときに気になるのが職場への連絡です。1日や2日であれば職場の方も事情を理解して休ませてくれるかもしれませんが、長期間続くと人員不足などで業務にも影響が出てしまいます。
家族が危篤になった場合、親族だけでなく、なるべく早い段階で職場へも連絡しましょう。
しかし数日にわたって仕事を休む場合には、定期的に連絡を取りながら、状況を伝えて相談します。その際、危篤者の状態や医者の意見を前もって把握しておき、説明できるようにしておきましょう。
家族が危篤状態だと仕事を休める?
家族が危篤状態になった際は、いち早く駆けつけたいというのが本音です。
しかし危篤と診断された状態で休暇を取るのは、忌引休暇とはならないのが一般的です。理由としては、危篤の状態ではまだ家族が亡くなっていないからです。一般的に忌引休暇は、家族の葬儀に参列することを理由にした休みとして扱われます。
職場には、できれば危篤になる前から早めに相談し、危篤状態の際は休みたい旨を伝えておくと会社に迷惑をかけません。できれば、周囲に迷惑をかけることがないよう、同僚や同じ部署の人に伝えておくのもひとつの方法です。
危篤状態のうちに用意しておく費用
支払いに備えて必要な現金を確保する
看取り後は病院へのお支払い・タクシー代・遺体の搬送・駆けつけた方への飲食費など、さまざまな支払いが発生します。あらかじめ必要な分の現金を準備しておきましょう。
本人が亡くなると銀行口座は間もなく凍結され、相続関係が整理されるまで、その口座のお金は引き出せなくなります。生命保険も下りるまで時間が掛かります。生命保険金を受け取るのは大抵の場合、葬儀費用を支払った後になることを知っておきましょう。
危篤状態から持ち直すことはある?
医師から危篤と告げられた時、もしかしたら目の前が真っ暗になってしまうかもしれません。
しかし、危篤状態に陥ったからといって必ずしも亡くなるというわけではありません。数日から一週間といった猶予がある場合もありますし、危篤状態から回復し、その後何年も普通に生活を送ることもあります。
危篤状態から回復する可能性がどのくらいあるか、というのはわかりません。ただし、危篤状態とは「いつ亡くなってもおかしくない」状態であるものの、回復の可能性もあります。
危篤状態の時は、家族に遺された貴重な時間を有意義に過ごしつつ、もしもの時に備えて行動することが求められます。