家族葬ホールとは、家族葬の施行に特化した葬儀会場のことです。近年は家族葬を選ぶ人が増え、それに伴い専用のホールも増えてきました。
そこで、家族葬を検討している人のために、家族ホールの特徴やメリットなどをご紹介します。また、実際に家族葬ホールで葬儀を執り行った場合、どれくらいの費用がかかるかについてもお伝えします。
家族葬ホールとは
家族葬ホールとは、家族葬に特化した専用のホールのことです。「家族葬専用式場」と呼ぶ場合もあります。
どのような設備があるかは家族葬ホールによって異なりますが、故人と家族がゆっくり過ごせるよう自宅のようなアットホームな雰囲気を大切にしていたり、メモリアルコーナーを設置できる斎場もあります。
家族葬は、遺族や親族、そして故人と近しい人たちで行う葬儀ですから、家族の絆を改めて感じられるホール作りがされている施設が多いです。
また、家族葬といっても数十名程度参列者がいる場合も。数十名規模の会葬者がゆっくりと故人とお別れができるような造りになっているところもあります。
以前は身内での葬儀は自宅で…という場合もありましたが、今ではほとんど行われていません。自宅で家族葬を行うこともできますが、棺が出入りできる構造や、参列者が入れる広さなどのいくつかの条件があります。
自宅での家族葬を希望する場合は、以下の記事を参考にしてください。
家族葬ホールの特徴やメリット
一般的な葬儀会館でも家族葬はできますが、家族葬専用ホールではさまざまな工夫がされています。家族葬を行うのが初めての人でも安心できます。
ここでは家族葬ホールの特徴やメリット・デメリットなどについて紹介します。

故人を身近に感じながらお別れができる
家族葬ホールの特徴としては、ホールの収容人数が少ないことが挙げられます。施設によって異なりますが、大手の葬儀社が運営しているところでも30~50名ほどの収容人数に留まります。少人数に特化した空間だからこそ、故人を近くに感じながら見送ることができます。
また、斎場によっては祭壇や棺をホールの中央に置くなど、レイアウトを変えることも可能。これは、会葬者全員が故人の棺を見られるように配慮されています。
また大型のホールでお葬式を行ったのに会葬者が少ないと、寂しく感じるといった懸念もありますが、家族葬ホールの場合、ホールが大きすぎるといった心配はありません。あたたかな雰囲気の中、故人を偲ぶことができます。
貸し切りが可能なホールも

また、一般的な会場だと、お葬式をしているよその方と一緒になることもありますが、家族葬ホールの場合、貸し切りにできることも。他の葬儀の会葬者や関係者と会うこともなく、設備も自由に利用できます。防犯やプライバシーの面から言っても安心です。
1日に1件だけの完全予約制を採用しているところもあるため、家族や親しい友人たちだけでゆっくり過ごせます。
予約が取れないこともあるため、貸し切り可能な家族葬ホールは早めに予約しておくのが良いでしょう。
使い勝手の良い遺族控室
家族葬ホールでは遺族や親族が故人とゆっくりできる設備が魅力。バリアフリーや高齢の遺族の負担にならないじゅうたんを敷いているところもあります。
例えば、通夜、葬儀の2日間、遺族が一番利用する空間は、葬儀式場よりも遺族控室という考え方から、遺族控室をホテルのようにゆっくりとくつろげる部屋にしつらえている家族葬ホールもあります。仮眠もできる施設などではきれいなバスルームも用意され、アメニティグッズも充実しています。
キッチンにもIHクッキングヒーターや電子レンジなどの設備が整っているところも多いです。故人を身近に感じながら、久しぶりに集まった親族と会食も良いですね。
家族葬ホールの費用について
それぞれの家族葬ホールや、選ぶ葬儀プラン、またその葬儀社の会員制度などに事前に入会しているかどうかなど、状況によって最終的な費用は変わります。
しかし通常の場合、大型のホールを借りるよりも費用を安くおさえられることができます。少人数での葬儀に特化した会場ですので、派手な演出や豪華な祭壇を選ぶことは少ないということも、費用をおさえられる理由のひとつでしょう。
家族葬にかかる費用は数十万円~100万円前後と幅が広めですが、会場の使用料や寝台車、礼状や遺影写真、霊柩車、人件費などをセットで提供しているところもあります。
同じ金額でも、含まれるサービスの内容が大きく異なることがあるため、家族葬の会場を選ぶ際には葬儀プランなど葬儀の内容についても、必要なサービスが含まれているかどうか、きちんと確認しておく必要があります。
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家族葬ホールを選ぶ基準は?
その葬儀によって、人数や規模、内容が大きくことなるため、どの家族葬ホールが良いか、一概には言えません。
ただ、会場は家族葬の内容とも深く関わってきますので、希望する葬儀に合ったホールを選ぶことが大前提となります。その上で、確認しておきたい5つのポイントをまとめました。
- 利用料金ー
- 設備の充実度
- 葬儀の規模(ホールの大きさ)
- 交通アクセス、駐車場の有無
- 宿泊が可能かどうか
会葬者が高齢者か、駐車場が必要かなどを考えて、なにが必要か検討を進めます。
例えば、会場の場所については、生前の故人と親しくしていた親族の中には、遠方に住んでいる方もいるかもしれません。移動手段の車などを所有していないことも考えられるため、アクセスしやすい会場を選んだほうが親切です。駅やバス停から近いのはもちろんですが、車で訪れる方のことも考えて駐車場があるかどうかも確認しておきましょう。
また、高齢の参列者が多くいらっしゃる場合、親族に足の不自由な方がいる場合など、車椅子での移動に適しているか、障害者用のトイレがあるかなども見ておくと安心です。
終活の一環として、時間のある時に家族葬ホールを実際に見学してみるなどしておくと、もしもの時の心配事の軽減にもつながります。