【終活映画番外編】ドキュメンタリー映画『がんになる前に知っておくこと』を、わたしが観るまで

がんになる前に知っておくこと

女優の鳴神綾香さんがナビゲートをして、実際にがんになってから知ることがらや、がんの治療をしている方でも知らないであろうことなど、医療や周辺のサポートに関わる方々に取材をして歩きます。
なるほど知っていることと知らない事では大違いであるという認識を改めて知ることとなる映画です。

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がんで絶望になるのではなく、どう付き合うか? が大切

この映画については、新宿のK’s cinemaのみでの上映ということで告知がされてから、葬儀に関わる仕事をしている私としては、どうしても見ておきたい映画となりました。そのため、早くから前売り券を購入していたのです。

やはりがんという病は、いずれにしてもそれが原因で命を落とすことになるであろうという印象があり、また治療にも壮絶な戦いがあるという認識が強いからです。そしてその闘病という時間を一緒に過ごしている家族の存在があるという点において、がんというものやそこに関わる人の思いを知ることができるのではないか?と考えたのです。

封切りから2度、映画館には出かけてみたのですが、いずれも大盛況で整理券の配布にも間に合わない始末。何度か時間調整も試みたのですが、新宿での上映ではとうとう間に合うこともなく期間を終え、前売り券だけが手元に残ってしまったのです。その代りに飛び込んだ映画館では『洗骨』のチケットも当日確保ができて、さらに舞台挨拶日に遭遇できたのですから。これまた人生は面白いというものです。

やれやれ、この映画は縁が無かったのかなと思いつつ、手帳に挟んでいた前売りチケットでしたが、神奈川県での上映決定の告知を見て、こちらは何とか鑑賞に至ったという次第です。

がんになる前に知っておくこと

さて、前置きが大変長くなりましたが、映画はひたすら 鳴神綾香さん が施設に出かけていきます。そして、がんで絶望になるのではなく、がんを知った時からどう付き合うかということが大切だということを知るようになります。

前半では主にドクターからのお話ですが、ここではどんなドクターがいて診療科があるのか。またボーダレスに相談できる施設が相当にあることで、希望が湧いてきます。後半は、医療関係者からサポーター、さらに経験者の言葉や様子もわかり、まさに知ると知らないとでは大違いという体験ができます。

私の周りでも命を落とした方がいらしたり、まさに今戦っている方、健康診断でその疑いに一喜一憂をする方と、まさに他人事とはいえない昨今でした。この映画を鑑賞することで、当初の目的とは異なった価値を得られたことも間違いありません。

がんになる前に知っておくこと

やがてはテレビの特番でも組まれそうなテーマですが、今知るのか、いつかでいいのかという事で言えば、お出かけになることをお勧めします。質の良い人生とは、どのように向かうべきなのかがわかってくるような気がしてきました。生きるための終活映画としてぜひ鑑賞をおすすめしたい映画です。

今回ご紹介した映画『がんになる前に知っておくこと』

がんになる前に知っておくこと

監督:三宅流

出演:若尾文彦(がん情報研究者・放射線診断医)/勝俣範之 (腫瘍内科医)/山内英子 (乳腺外科医)/唐澤久美子 (放射線腫瘍医)/有賀悦子 (緩和医療医)/大野智(臨床研究)/近藤まゆみ(がん看護専門看護師)/橋本久美子(がん相談支援センター相談員)/山口ひとみ(ピアサポーター)/土井卓子(乳腺外科医)/秋山正子(マギーズ東京センター長)/岩城典子(看護師)/塩崎良子(がん経験者)/岸田徹(がん経験者)/鈴木美穂(がん経験者)/鳴神綾香[ナビゲーター]

公開:2019年2月2日

配給:株式会社上原商店

この記事を書いた人

尾上正幸

(終活映画・ナビゲーター / 自分史活用推進協議会認定自分史アドバイザー / 株式会社東京葬祭取締役部長)

葬儀社に勤務する傍ら、終活ブーム以前よりエンディングノート活用や、後悔をしないための葬儀の知識などの講演を行う。終活の意義を、「自分自身の力になるためのライフデザイン」と再定義し、そのヒントは自分史にありと、終活関連、自分史関連の講演活動を積極的に展開。講演では終活映画・ナビゲーターとして、終活に関連する映画の紹介も必ず行っている。

著書:『実践エンディングノート』(共同通信社 2010年)、『本当に役立つ終活50問50答』(翔泳社 2015)

がんになる前に知っておくこと

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