はじめてのお葬式ガイド
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終活や、参列のマナー、もしもの時におさえておきたいお葬式の知識など、はじめての方にもやさしく解説します。

【終活映画】アルゼンチンからポーランドへ、友との約束を果たす旅『家へ帰ろう』

頑固には頑固の理由がある。

人生も88年、娘や孫に囲まれて、じっとしていれば幸せなのだろうが、その幸せは自分の望んでいる幸せとは少し違うのかもしれない、人生を振り返った時の男は頑固なのです。

主人公のアブラハムは88歳、財産を処分して高齢者施設で余生をと考える娘たちに反して、人生の大きなテーマを思い出します。それは忘れようにも忘れられないはずだった大きな事件でした。

家族を得て生涯は大きく幸せを感じていたのでしょう。そのまま全うするはずたった人生の終盤に近づいた時にやるべきことに気が付いた彼の行動とは。

古い友人にスーツを届ける旅

ブエノスアイレスからマドリッド、パリを経由してポーランドの友人に会いに行く旅、その旅の目的は仕立屋として最後に手掛けたスーツを友人に届けに行くという旅でした。

不自由な足を引きずりながら、ホロコーストから逃げ出した自分をかくまって、そして解放してくれた友人への借りを返しに行くほんの数日の旅だったのですが、ユダヤ人である彼にとってはドイツという国を通るルートがなんとも遠くつらい道のりなのです。

この旅もまた人生のごとく苦難と愛情の連続でした。

予定の列車に乗り遅れ、空き巣による盗難からお金を失います。列車のルートで悩み、挙句には病院で気が付くという始末、その都度アブラハムは頑固にふるまうのですが、その度に出会う女性に救われます。

相手の話を聞き、やがては心を許し自分の話をしてゆきます。そうやって話しながら旅の目的でもあった原因を思い出し、友人に対する思いを募らせてゆくのです。

出会った女性たちに助けられてたどり着いた先は?

ここで気が付くのはそれぞれに出会った女性の話です。宿の女主人からは三人の別れた亭主の話を聞き、自分自身の娘たちとの別れのシーンを話すことになります。空き巣に合い娘に金の無心をしに行くときに、自分自身から素直な言葉で娘に謝罪をすることになります。女主人の強い勧めによりやっと動いたアブラハムでした。

やがて列車のチケットを取ろうという時に、どうしてもドイツを経由しなくてはならないことを知ることになります。若き日の思いからドイツにだけは入れないと頑として譲らない彼を救ったのもまた女性でした。ドイツ人であるがゆえにその女性を嫌うようにするアブラハムでしたが、やがて彼女に心を開いてゆくのです。ドイツを経由する列車でまたポーランドが一つ近くなってきます。

男の人生というのは、女性に助けられているのだなあとつくづく実感をさせられるような出来事の中で、たどり着き気が付いたのは病院のベッドの上、ここでアブラハムの中では大きな変化が起きます。担当の看護師を頼るように旅の最後目的の場所へ連れてってほしいというのです。この小さな旅は彼の中で何かを変えてきたのでしょう。

私の持論でもありグリーフサポートを学ぶことで実感していたことに、「人は話をすることで癒される」ということがあります。何人かの女性に助けられながら、自分自身の思いを言葉にすることができたのです。胸の中にしまっていた決意のようなものが、言葉にすることで確かに腑に落ちてゆくのでしょう、それを助けてくれた娘を含む4人の女性たちとのやり取りは、結果的には傾聴という実践をしてくれたのでしょうね。

「スクリーンを通して感情を探る」という観方

終活映画の観方として、脚本を無視しても結構です。

その主人公や登場人物に心を映してみてみるという考え方があります。

「あれ?あの時私はどうしてあんなことを言ったのだろう。今の私は少し素直になったかもしれない」といった具合に、なりきって感情を感じてみるのもいいでしょう。年齢を重ねるごとに人生の達人になり、多少の事には動じないのが経験や年齢という時間をかけて作り上げてきた価値のあるもの。だからこそスクリーンの非日常を感じて感情を探ってみたりすると、感動もまたひとしおかもしれません。

さて、70年も音信不通でいた友人はそこにまだいるのでしょうか?

70年という時間は彼の生存さえ不安になる時間です。会えなかったときの彼はどうなってしまうのでしょうか?

映画のラストシーンで彼の中の感情をぜひ感じてみてください。否応なしに座席の私たちに感動を与えてくれます。「家へ帰ろう」という一言がジーンと心に響いてくるのです。

今回ご紹介した映画

公開:2018年12月~

監督・脚本:パブロ・ソラルス

出演:ミゲル・アンヘル・ソラ、アンヘラ・モリーナ、オルガ・ポラズ、ユリア・ベアホルト、マルティン・ピロヤンスキーほか


この記事を書いた人

尾上正幸

(終活映画・ナビゲーター / 自分史活用推進協議会認定自分史アドバイザー / 株式会社東京葬祭取締役部長)

葬儀社に勤務する傍ら、終活ブーム以前よりエンディングノート活用や、後悔をしないための葬儀の知識などの講演を行う。終活の意義を、「自分自身の力になるためのライフデザイン」と再定義し、そのヒントは自分史にありと、終活関連、自分史関連の講演活動を積極的に展開。講演では終活映画・ナビゲーターとして、終活に関連する映画の紹介も必ず行っている。

著書:『実践エンディングノート』(共同通信社 2010年)、『本当に役立つ終活50問50答』(翔泳社 2015)

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