形見の扱いについて

2018年8月8日

形見とは、亡くなった方やお別れした方との思い出の品のことです。遺品として残されたものが多く、遺族や親族、故人と親しかった人で分けます。しかし、形見をやみくもに配ったり、欲しがったりするのはやめ、故人の気持ちを第一に考えて形見分けを行うようにしましょう。ここでは、形見分けを行うタイミングやマナーについて詳しくご紹介します。

形見分けとは、故人が生前に愛用していた品物などを思い出の品として親族や近しい人に贈るという葬儀に関わる慣習の一つです。形見を受け取った方が、形見を通して故人との思い出を偲ぶことは故人の供養にもつながります。形見は残された側にとって心の拠り所である場合もありますので大切に扱いましょう。思い入れのあるものを扱うことの多い形見分けは単なる遺品整理とは異なります。

形見分けは、もともと仏教を開いたお釈迦様が、弟子に自分の遺品を渡したという言い伝えから始まっているようです。このほか日本では身につけていたものには魂がこもっているという考え方があり、その思想が故人の形見分けとして慣習化し、今に受け継がれていると言われています。

形見分けのタイミング

形見分けは、故人が信仰していた宗教によってタイミングが異なります。日本で代表的な宗教ごとに以下のような違いがあります。

仏教と形見分けのタイミング

最後の忌日法要である四十九日法要を終えた後、形見分けを行うのが一般的です。

神道と形見分けのタイミング

仏教での忌明けにあたるのが「三十日祭」もしくは「五十日祭」と呼ばれる霊祭です。このときに形見分けを行うことが一般的です。

キリスト教(カトリック)と形見分けのタイミング

キリスト教には形見分けを行う習慣がないため、特に決まりがありません。しかし、形見分けを行う場合は、追悼ミサの場が選ばれることが多く、特に30日目の追悼ミサが選ばれます。

形見分けの品への配慮

故人が愛用していて思い出深い品であれば、どのようなものでも構いません。

一般的には故人が身につけていた衣服やカバン、アクセサリー類や時計のほかに、書籍や文房具などが形見として分けられます。ただし、受け取り側にとって強い思い入れのある形見については壊れたり破れたりしているものを渡す場合もありますが、壊れたり破れたりした形見を渡すことはなるべく避けた方がよいでしょう。他にも形見分けをする前に配慮しておくべきポイントを紹介します。

汚れを落とす

衣類はクリーニング済みのものを贈るようにしましょう。また、メガネやアクセサリー類などは身につける機会が多く、汚れている場合があります。きちんと手入れをしてから贈るようにしましょう。

動作確認をする

時計や万年筆などメンテナンスが必要な品物は特に注意が必要です。電池やインクを入れて正常に動作するか確かめておきましょう。ただし、受け取る予定の相手が強い思い入れがある場合は、相手と相談した上で渡すようにすれば問題ありません。

リメイクする

好みやサイズの違いがある品物はリメイクして贈ることもあります。衣服などを数珠入れや手提げにしたり、指輪などのサイズを変更したりと日頃使えるものにリメイクする場合が多いようです。

生き物は避ける

ペットなどは受け取った人が困る恐れがあります。事前に約束をしている場合以外は避けた方が無難です。

現金や金券は避ける

現金や金券、それに準ずる品物を贈ることは財産分与に相当するため贈ることはできません。

高価な品物は避ける

あまりに高価な品は相続税や贈与税の対象になる可能性があります。また、贈られた方が負担に感じる場合や金銭トラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。

トラブルにならない形見分けの方法

形見分けは誰に贈る?

形見分けは、故人から見て目上の人には形見の品を贈らないのが通例です。どうしても分けてほしいと望まれた場合以外は、贈らないようにしましょう。また、形見の品を贈る際には、包装することなく、そのまま品物を渡すのがマナーといわれています。

形見分けに関するトラブル

一番多いトラブルは「誰が何をもらうのか」で揉めるケースです。特に宝石や貴金属など金銭的な価値がある形見は注意が必要です。他にも故人の口約束で、一つの品物を複数の方に贈ると話しをしていたというトラブルも聞かれます。このような場合は故人と血縁関係が深い人から順に贈ると納得してもらいやすくなります。

 

また、故人が趣味で集めていたコレクション品の中にはコレクターでないと価値がわかりにくいものがあります。これらは専門家に鑑定依頼すると良いでしょう。美術品や絵画など、価値の高い場合は形見としてではなく財産として分与する必要があります。

 

そのほかに希少性や金銭的価値はないものの、誰もが欲しがったり、誰の手に渡っても不満の種になったりする形見については棺に入れてしまうという方法があります。故人と一緒に旅立たせるという名目で事態を収めることができます。

生前の形見分け

近年は生前に形見分けを行う人も多いようです。生きている間に愛用品を贈ることで、誰にどの品を贈るのか自分の意志を尊重することができます。また、形見をめぐる余計なもめ事が起こりにくくなるという効果もあります。さらに贈られる方も好みの品を選択する余地が生まれ、形見に対して思い入れが強くなります。

このように生前の形見分けは双方にメリットがありますが、高価な品は贈与と見なされ、税金がかかる可能性があるので注意が必要です。

まとめ

近い身内に不幸があった場合、親族や仕事関係者への連絡や葬儀の手配、役所や銀行への届け出などさまざまな手続きが発生します。そうした中で形見分けを適切に行うのは難しいかもしれません。特に、高価な形見は財産分与に該当する場合もあります。このように遺品整理や形見分けについて疑問がある方や形見の取り扱い方にお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。