臨済宗の葬儀の特徴-流れ・マナー

2018年9月23日

臨済宗は中国禅宗の五家七宗の一つで、鎌倉時代に明庵栄西が日本に広めた禅宗です。同じ仏教式の葬儀でも、宗派の教えによって葬儀の意味づけや式次第、作法などさまざまな違いがあります。臨済宗の葬儀には、禅宗ならではの教えにもとづく、作法やマナーがあります。ここでは臨済宗の葬儀意味や特徴、葬儀の流れや作法について詳しくご紹介します。

臨済宗では、葬儀は「亡くなった人が仏の弟子となり、修行の道に入り、自分の仏性(ぶっしょう)に目覚める儀式」という意味をもちます。臨済宗における仏性とは、言葉による理解を超えたことを理解できる能力のことです。そのため、臨済宗の葬儀は亡くなった人を仏の弟子にするための授戒の儀式と、仏性に目覚めさせ、仏の世界へと導くための引導の儀式が中心となります。

 

引導の儀式の経の後半では、導師が「喝!」と叫びますが、これには亡くなった人の現世に対する未練を取り除き、仏の世界へと誘うという意味があります。そのほか、引導の儀式では、松明(たいまつ)に見立てた先が赤い棒を回し投げます。正式には本物の松明を回し投げるそうです。この儀式には未練を断ち切ったり、煩悩を焼き尽くしたり、悪霊を払うという意味があるそうです。

また、葬儀の終わり近くになると、妙鉢(みょうはち)というシンバルのような楽器や太鼓を打ち鳴らし、仏様を音楽で供養するという特徴があります。

臨済宗の葬儀の流れ

臨済宗は、妙心寺派や建仁寺派など15の宗派に分かれています。宗派により若干の違いがありますが、概ね次のような流れで執り行われます。

「臨済宗葬儀の式次第」例

入場 導師、式衆が入場します。
剃髪(ていはつ) 導師が剃刀を持ち(または剃刀があるかのように)「剃髪の偈」を唱えます。三唱しますが、一回目に一度、二回目に二度、三回目に三度、横に払うのが一般的です。
懺悔文(さんげもん) 授戒の儀式です。亡くなった人の過去の行いを懺悔、小さな罪を反省し、安らかに成仏することをお願いします。
三帰戒文(さんきかいもん) 仏教の教えを受けて、仏・法・僧に帰依することを誓います。
三聚浄戒(さんじゅうじょうかい) 酒水器に移した法性水を柩に注ぎ酒水灌頂を行います。十重禁戒(じゅうじゅうきんかい)
入龕諷経(にゅうがんふぎん) 納棺の際に行われる儀式です。本来は通夜で行ないますが、儀礼的に葬儀で行います。「大悲呪(だいひしゅう)」と「回向文(えこうもん)」が読経されます。
龕前念誦(がんぜんねんじゅ) 棺を閉ざす時に行われる儀式です。「十仏名(じゅうぶつみょう)」と「大悲呪」「回向文」が読経されます。
鎖龕諷経(さがんふぎん) 柩の蓋をするにあたり、「大悲呪」を読誦し、回向文を読経します。
起龕念誦(きがんねんじゅ) 出棺に際して大悲呪を読み回向文を唱えます。
山頭念誦(さんとうねんじゅ) 山頭とは葬場のことで、浄土へ至るのを助ける念誦です。成仏を願い、往生咒(おうじょうしゅ)を唱え、妙鉢や太鼓などを打ち鳴らします。
引導 導師によって浄土へ送り出す引導法語が唱えられます。
焼香・出棺 観音経や大悲心陀羅尼(だいひしんだらに)、楞厳呪(りょうごんしゅ)などが唱えられる中で、焼香を行います。焼香終了後、回向文が唱えられ、妙鉢や太鼓を打ち鳴らして葬儀が終了します。その後、出棺となります。
退場 導師、式衆が退場します。

※葬儀の式次第、作法は地域や寺院によっても異なります。詳しくは寺院、または葬儀社に確認しましょう。

臨済宗の葬儀作法

臨済宗の葬儀を喪主として執り行う際には、次のような作法に気をつけましょう。

臨済宗の数珠

臨済宗を信仰している方の多くは、略式の片手数珠を使っている方が多いそうですが、正式には人間の持つ煩悩の数と同じ108の主玉が繋がった看経念珠を使用します。数珠を持つ時は、一重の大きな輪を一捻りして、二重にして左手に持ちます。親指が人差し指の上になるようにおき、房を垂らして、手を合わせて拝みます。

臨済宗の戒名とお礼の目安

臨済宗では戒名に格があり、戒名のお礼もそれを考慮したものになります。おおよその目安として言われているのは次のとおりです。また、通常、戒名は通夜や葬儀の際に授与されることが多いですが、臨済宗では生前に授かる「生前戒名」が良いといわれています。

 

院居士・院大姉:100万円以上

居士・大姉:50万円~80万円

信士・信女:30万円~50万円

*戒名のお礼は、故人やそのご家族と、それぞれの寺院との関係によってもことなります。詳しくは寺院、または葬儀社に確認しましょう。

臨済宗の葬儀の参列のマナー

臨済宗の葬儀に参列する時には、次のような作法があります。

臨済宗の焼香のマナー

臨済宗では、一般的にお香をつまんだ手を額まで押しいただきません。焼香の際には、香炉の前で一礼し、右手親指、中指、人差し指の3本の指でお香をつまみ、そのまま香炉にくべます。お香をくべる回数は宗派により違い、3回の場合もありますが、1回の宗派が大多数を占めます。

臨済宗の線香のマナー

臨済宗では、線香は1本だけ立てます。火を消す時は、左手であおぎます。

臨済宗の香典の表書きのマナー

臨済宗では、通夜・葬儀など、四十九日までの法要では「御霊前」と書き、四十九日以降の法要では「御仏前」と書きます。

まとめ

臨済宗の葬儀について紹介しました。臨済宗には独自の儀式や作法があります。特に焼香の際に額に押しいただかない点は、間違えやすいので気をつけたいところです。喪主として葬儀を執り行う方やご自分の葬儀を検討中の方は、さまざまな不安やお悩みを抱えていらっしゃるかと思います。葬儀についてもっと詳しく知りたい、専門家に相談したい、具体的な葬儀の見積りが欲しいなど、葬儀に関することであればお気軽にお問い合わせください。

5/5 (3)