手元供養とは?やり方やデメリット、残った遺骨の供養方法を解説

小林憲行【記事監修】
小林憲行

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手元供養
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記事を先読み
  • 手元供養とは、遺骨を身近な場所に保管して供養すること
  • 場所や期間、宗教宗派の制限がなく、新しい供養方法として人気
  • 一部を手元供養して、残った遺骨は他の方法で供養するのが基本

手元供養とは、故人の遺骨の一部を身近な場所に保管して供養すること。お墓や仏壇の代わりに手元供養を選んだり、散骨や樹木葬と併用したりと、少しずつ増えている供養方法です。

この記事では、手元供養の種類やメリット・デメリット、注意点を解説。代表的な手元供養品や残った遺骨の供養方法なども紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

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手元供養とは?

手元供養とは、遺骨の一部または全部を、身近なところに保管して供養すること。小さな骨壺や仏壇を置いたり、アクセサリーにして持ち歩いたりと、幅広い供養方法を選べるのが特徴です。

手元供養が広がった背景には、核家族化やライフスタイルの変化があります。先祖代々のお墓が遠い仏壇を自宅に置けないなどの理由から、手元供養を選択する方が増加中。また、大切な故人をいつも傍に感じられるため、残された遺族の悲しみを癒すグリーフケアの効果も期待できます。

手元供養は良くない?

「お墓に納骨しないと成仏できない」「分骨すると魂が分割される」などの声は、すべて根拠のない俗説です。

仏教では、四十九日を過ぎると、故人の魂は極楽浄土へ旅立つとされています。遺骨に魂が宿っているわけではないので、どこに保管しても問題ないのです。実際に、お釈迦様の遺骨は分骨され、各地の寺院に祀られています。また、法律でも遺骨を手元に置くことは禁止されていません

手元供養の種類は全骨と分骨の2つ

骨壷

全骨安置:すべての遺骨を手元に置く供養

全骨安置は、すべての遺骨を手元に置く供養方法
遺骨の体積が大きいため、保管する場所や方法を検討しなければなりません。

一般的な骨壺に納めると、6寸〜7寸(直系18cm〜21cm、高さ21cm〜25cm)ほどの大きさになります。ミニ骨壺やミニ仏壇、アクセサリーなどで手元供養したいなら、遺骨を小分けにしたり、パウダー状(粉骨)にしたりして納めましょう。

分骨安置:一部の遺骨を手元に置く供養

分骨安置は、手元供養のために遺骨の一部を残し、残りは他の方法で供養します。遺骨の量を調節できるぶん、ミニ骨壺やミニ仏壇、アクセサリーなどの手元供養品に納めやすいです。

分骨安置で注意したいのが、遺骨の所有者が決まっていること。分骨する前に、必ず所有者の許可をとらなければなりません。事前に遺骨の所有者や他の家族、親族と話し合うようにしてください。

分骨の手続きと必要な書類

手元供養そのものに手続きはありませんが、分骨には必要な手順や書類があります

分骨した遺骨を墓地や寺院に納骨する場合、埋葬許可証が必要。さらに、2か所以上の場所に納骨するときは、分骨証明書を提出しなければなりません。埋葬許可証は役所、分骨証明書は火葬場で発行してもらえるので確認しておきましょう。葬儀社に相談すれば、分骨の手続きを代行してくれます。

手元供養のメリット・デメリット

手元供養のメリット

  • 故人をいつも傍に感じられる
  • 自宅でいつでも供養できる
  • 費用をおさえられる
  • お墓の維持・管理の負担を減らせる

手元供養は、大切な故人をいつも傍に感じられるのが最大のメリット。遠方のお墓に足を運ぶ必要がなく、自宅でいつでも供養できるのも魅力です。

また、通常のお墓や仏壇を購入するより費用をおさえられます。維持・管理の手間もかかりませんし、お墓や仏壇を継ぐ子孫の負担を減らすことにもつながります。

手元供養のデメリット

  • 周囲の理解を得られない可能性がある
  • 紛失や盗難、劣化などのリスクがある

手元供養は、2000年代に登場した新しい供養方法です。家族や親族のなかには、通常通りの供養を望んだり、手元供養に反対したりする方がいるかもしれません。手元供養する前に家族や親族へ希望を伝え、全員が納得したうえで決定するのが大切です。

また、遺骨をアクセサリーや宝石に加工した場合、紛失・盗難・劣化などのリスクがあります。

手元供養のやり方は?代表的な手元供養品

  • ペンダント
  • ブレスレット
  • 骨壺・ミニ骨壺
  • ミニ仏壇・ステージ・飾り台
  • インテリア用品

こちらは、手元供養のやり方として代表的な手元供養品

ペンダントやブレスレットなどのアクセサリーをはじめ、ミニ骨壺やミニ仏壇、インテリア用品と、選択肢が幅広いです。お部屋に置いたり、持ち歩いたりしても違和感のない、おしゃれな手元供養品も増えているので、ぜひチェックしてみてください。

ペンダント

ペンダントは、身に着けて持ち運べると人気が高い手元供養品

  • 遺骨ペンダント:ペンダントトップに空洞があり、遺骨・遺灰をそのまま納める
  • 遺骨宝石:遺骨・遺灰でダイヤモンドや真珠を生成して、ペンダントに加工する

こちらの2つのタイプがありますが、一般的なのは遺骨ペンダントです。

デザインはもちろん、シルバーやチタン、木製などさまざまな材質があるのが魅力。とくに木製のペンダントは棺に入れて火葬できるため、最期まで手元に持っていたいという方に向いています。

ブレスレット

ペンダントと同じく、遺骨・遺灰を入れる空洞があったり、加工したりして作られます。デザインや素材、色が豊富で、とくに好みの色を選べる念珠タイプは、男性でも身に着けやすいです。

骨壺・ミニ骨壺

遺骨を納めて自宅に保管できる骨壺・ミニ骨壺。通常の骨壺は6寸〜7寸とやや大きめですが、遺骨の一部を納めるのであれば手のひらサイズのミニ骨壺がピッタリです。

ミニ骨壺はデザイン性に優れていて、一見骨壺だとわからない商品がたくさん。部屋のインテリアとして選ぶ方も多く、慣れ親しんだ自宅で、故人といつも一緒にいられると人気です。

ミニ仏壇・ステージ・飾り台

仏間のない家庭が増え、スペースやインテリアの問題から従来の仏壇を置くのが難しい現代。リビングや寝室になじむ、おしゃれでコンパクトなミニ仏壇を求める方が増えています。

ミニ骨壺と仏具、おりんなど最低限の仏具をそろえれば、小さなスペースで故人に手を合わせられます。遺影やお花を飾ったり、手元供養品を保管したりするのもおすすめです。

インテリア用品

ぬいぐるみや人形のなかに骨壺をしまったり、遺骨や遺灰を陶器の花瓶・プレートに加工したりと、お部屋に飾れるインテリア用品は、お子様や女性から人気です。

遺骨だと気づかれにくく、お部屋のインテリアになじむので、日常的に故人を傍に感じられます。

手元供養で残った遺骨はどうする?

お墓に納骨
  • お墓へ納骨
  • 永代供養墓・納骨堂へ納骨
  • 散骨
  • 樹木葬
  • 本山納骨

手元供養で必要なのは、自宅に置いたり持ち歩いたりできる量の遺骨だけ。残りの遺骨は、別の方法で供養しなければなりません。手元供養で残った遺骨の供養方法は、お墓・永代供養墓・納骨堂への納骨、散骨、樹木葬、本山納骨などさまざまです。

お墓へ納骨

先祖代々のお墓がある場合は、お墓に納骨するのが一般的。遺骨を分骨して大部分はお墓に納骨し、一部を手元供養します。

手元供養していた遺骨を将来お墓に納骨するなら、火葬場で分骨証明書または火葬証明書(分骨用)を受け取っておくと、手続きがスムーズです。

一方、すでに納骨された遺骨を手元供養したいときは、お墓のお引越し(改葬)や墓じまい、新しい遺骨の納骨とあわせて取り出すのがよいでしょう。長い間墓地で納骨されていた遺骨は、湿気や汚れがあるかもしれません。遺骨の状態によっては、洗骨や乾燥などが必要です。

永代供養墓・納骨堂へ納骨

先祖代々のお墓が遠方だったり、そもそもなかったりする場合、永代供養墓・納骨堂への納骨を選ぶ方が多いです。

永代供養墓とは、霊園や寺院が永代にわたって管理・供養を代行してくれるお墓。納骨堂は、遺骨を安置するための施設です。どちらも宗旨宗派を問わない施設が多く、通常のお墓より費用をおさえて利用できます。また管理者が手入れをしてくれるので、経済的・精神的な負担を減らせます。

散骨

散骨とは、砕いてパウダー状にした遺骨を、海や山などの自然に散布する供養方法。

散骨するときは遺骨を2mm以下に砕く必要があるので、手元供養のために加工する手間が省けます。また散骨と手元供養と併用することで、故人に手を合わせる場所がなくなるという散骨の問題を解決できます。

樹木葬

樹木葬とは、墓石の代わりに樹木(シンボルツリー)を墓標にする埋葬方法

自然から生まれて自然に戻る「自然回帰」の考えを基本としていて、近年人気が高まっています。桜やバラ、ハナミズキなどがよく植えられ、樹木は故人の生まれ変わりだと考えられています。

また、継承者が不要な永代供養墓で、通常のお墓より安価なのも注目されている理由です。

本山納骨

本山納骨とは、信仰している仏教宗派の本山に遺骨を納めること。本来は、開祖のもとで手厚く供養してもらいたい信者が対象ですが、信仰がなくても受け入れている寺院があるようです。

通常のお墓より費用をおさえられますが、一度納めた遺骨は返還されないので注意しましょう。

手元供養をする場所はどこ?

手元供養をする場所、つまり手元供養品を置く場所に決まりはありません

ただ、遺骨のカビや劣化を防ぐために、日の当たらない涼しい場所に置くのが一番。また骨壺のふたを開けたり、素手で遺骨に触れたりすると、カビの原因になるので避けてください。

手元供養はいつまでできる?

場所と同様、遺骨を手元で保管する期間に制限はありません

手元供養後に納骨の予定がなければ、自宅や手元にずっと置いていて大丈夫です。納骨する場合は、四十九日法要や一周忌、三回忌などの法要にあわせるとよいでしょう。

手元供養に宗教・宗派は関係ある?

手元供養は、宗教・宗派に関係なく、誰でも選べるのが魅力です。家族や親族と意向をすり合わせておくべきですが、ご自身の環境やライフスタイルに適した方法で故人を供養できます。

手元供養を選ぶ理由とは?

お墓と住居が遠い

先祖代々のお墓がある土地と住まいが遠いと、頻繁にお墓参りできません。お盆やお彼岸、または長期休暇にあわせて、年に数回お参りできるかどうか。自宅に遺骨を置ける手元供養なら、出勤前や家事の合間など、日々の生活で故人を偲べます。

お墓を建てられない

継承者がいなかったり、経済的な余裕がなかったりすると、新しくお墓を建てるのは難しいです。手元供養なら予算をおさえられますし、お墓のような管理の手間がありません。また墓じまいが必要になり、散骨や永代供養墓、合祀と併用して、手元供養を選ぶ方もいらっしゃいます。

故人を失った悲しみを癒す

大切な人を失った悲しみは大きく、なかなか気持ちの整理がつかないご遺族は多いです。遺骨を身近に置くことで、故人が近くにいると安心感を感じて、心が癒される効果があります。

無宗教だからお墓が不要

無宗教で、戒名やお墓が不要な方が、近年増えているようです。無宗教だと供養方法に決まりがないため、手元供養を選ぶご遺族は少なくありません。

遺族の負担を減らしたい

核家族化や少子化に伴って、子孫がお墓を維持するのがだんだん難しくなっています。たとえば、兄弟や親族が少ないと、1人で複数のお墓を管理しなければなりません。

お墓を維持・管理する遺族の負担を減らすために、近親者の遺骨を手元供養で残し、先祖の遺骨を合祀する方もいらっしゃいます。

遺骨の供養にお困りなら「いいお墓」へ

お墓の管理や継承が難しい現代では、手元供養の需要がどんどん高まっていくと考えられます。

ですが曖昧な知識しかないまま、なんとなく手元供養を選択するのは避けるべき。手元供養のメリット・デメリット両方を把握するのはもちろん、家族や親族にきちんと説明してから選びましょう。

大切な方の遺骨をどう供養するかお悩みの方は、いい葬儀の姉妹サイト「いいお墓」におまかせください。手元供養はもちろん、散骨や自然葬、永代供養など、さまざまな埋葬・供養の方法をご提案いたします。

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海洋散骨の「ブルーオーシャンセレモニー」は、チャーター散骨、合同散骨、代理委託散骨など自社所有の船で5,000件以上の実績を持ち、NHKをはじめ多数メディアから特集されています。散骨をする前に必要となる粉骨(ご遺骨の粉末化)も、自社の粉骨室でお客様立ち合いのもと実施。ご供養としての散骨を、心を込めてお手伝いしています。

※ブルーオーシャンセレモニーは、「いいお墓」の運営会社である鎌倉新書の関連会社:株式会社ハウスボートクラブが提供しています。

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