宗派別のお経の種類とは?真言宗と浄土真宗の違い

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

お経の種類について、浄土宗と浄土真宗
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  • お経とは、口伝されたお釈迦様の教えを弟子が記録した経典内容のこと
  • お経には膨大な種類があり、教えや宗派によって意味合いが異なる
  • 浄土真宗の根本の教えは「他力念仏」で、真言宗は「即身成仏」

お経とは、お釈迦様の教えを誰でも唱えることができるように、口伝されたものを後から弟子の手によって記録した経典内容のことだと言われています。お経は宗派によってしきたりや作法、内容が異なります。

今回は、浄土真宗と真言宗に焦点を当てて、ご紹介します。

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お経とは?何種類ある?

お経とは、最初は釈迦様の教えを口で伝えたものを、その後の弟子があらゆる人でも読めるようにまとめた経典です。日本のお経の種類は膨大であるとされており、確実な数については明らかではありません。

代表的なお経「般若心経」とは

般若心経とは

お経の中でも特に般若心経は、法相宗天台宗真言宗・禅宗が採用していますが、それぞれの宗派が独自の解釈を行っています。

般若心経とは、大乗仏教の「空」「般若」の思想を説いた経典で、あらゆる人々を彼岸へ渡らせると説いています。般若心経の教えは、この世に常なるものはない、「空」の思想が核となっています。こだわることを捨てた心を持つことができたなら、あらゆる苦しみから解かれる道だと教えています。

浄土真宗のお経「正信念仏偈」とは

日本で多くの信者を抱えている浄土真宗では、正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)を唱えています。正信念仏偈とは、浄土真宗の宗祖である親鸞聖人が浄土真宗の教えの要点をまとめていると言われ、教行信証の本質的なものとされています。

大きく、前半と後半に分けられています。前半では人々をすべて救うということを信じ、念仏を唱えることの良さと豪壮さについて宣言されています。後半では、この教えを伝承した日本やインドの高僧の功績を取り上げて、それぞれを讃えています。

その他にも、阿含経・法華経・華厳経・無量寿経・大日経・金剛頂経・維摩経・勝鬘経・法句経など、多くのお経が存在しています。

宗派の誕生と背景

経典、宗教

仏教受容の背景

仏陀がインドで開いた仏教が日本へ伝わったとされる公的記録では、538年もしくは552年だとされています。当時は神道が中心でしたので、外部からもたらされた仏教には拒絶反応がありました。

日本国内では仏教を広めようとするか、神道を守ろうとするかで、当時の2大勢力である蘇我氏側(崇仏派)と物部氏側(排仏派)の対立が起きていました(「丁未の乱」)。この争いに蘇我氏が勝利したことで、日本で公的に仏教が認められました。

宗派の誕生

その後仏教は分派し、宗派とされます。鎌倉初期までに法相宗・倶舎宗・三論宗・成実宗・華厳宗・律宗、天台宗・真言宗の8宗派となり、鎌倉時代には浄土宗・浄土真宗・日蓮宗などの新たな宗派が誕生しました。

その後宗教団体法が施行される前に、天台宗・真言宗・浄土宗などが仏教宗派として公的に認められ、13宗56派となり、現代に至る宗派の原型となりました。

浄土真宗のお経とマナー

浄土真宗とは、親鸞が開いた宗派です。浄土真宗の教えと、葬式でのマナーであるお焼香とお線香のあげ方の違いについてご紹介いたします。

浄土真宗では、南無阿弥陀仏と唱えることですべての人が救われ、確実に極楽浄土に行くことができるという他力念仏という教えがあります。

そのため、亡くなった人は既に極楽に生まれていると考えられています。他の宗派と異なる点については、引導や出家・在家が無く、戒名ではなく法名を与えられる、信者を門徒と呼ぶなどの慣習が多数ある点です。

また、明治時代までは唯一肉を食べること、妻を持つことを許されていた仏教宗派でもあります。浄土真宗は一般の人々を中心とした宗派で、本願寺派・大谷派・高田派などに分かれています。その中でも大きいものが、本願寺派の本山が西本願寺、大谷派の本山が東本願寺で、前者は「お西」と呼ばれ、後者は「お東」と呼ばれています。

葬儀マナー

葬儀マナー、通夜マナー

お焼香は額にいただかずに1度のみ、お線香は1本折って寝かせます。しかし、葬儀式では本願寺派と大谷派で行う流れが異なります。そのため、寺院・葬儀社に確認を取ることをおすすめします。

真言宗のお経とマナー

真言宗とは、引法大師(空海)が開いた宗派です。また、即身成仏が根本の教えとされています。この身のままで仏になるには、身体・言葉・心の修行を行うことが必要ですが、誰でも至ることができるとされています。基本的には、位牌や墓石の戒名に梵字の阿を刻むことで、即身成仏をしたという意味になります。また、早急に仏弟子にするということで、お経は小さく早口で読まれるという特徴があります。

葬儀マナー

また、真言宗は高野山真言宗・真言宗豊山派・真言宗智山派など分派が多いとされており、葬儀式での流れや作法にそれぞれ異なる点があります。お焼香は額に3回、お線香は3本立てるとされていますが、葬儀式自体は地域によって異なります。詳細については、寺院や葬儀社に確認を取ることをおすすめします。

宗派によってお経や葬儀の作法が違う

お経には膨大な種類があり、それぞれの教えや宗派によって葬儀式での意味合いが異なります。その中でも浄土真宗は南無阿弥陀仏と唱えることで、すべての人が救われるという他力念仏であり、真言宗は即身成仏が根本の教えです。浄土真宗も真言宗にも分派が存在し、葬儀式の流れや作法は異なります。

いい葬儀では、24時間365日体制でご相談を受け付けております。宗派についての相談・葬儀のお見積りをしたいという方は、お気軽にご相談ください。

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